2014/04/07

一回は観とけ!四度!

 好食!(広東(カントン)語の挨拶です。やあ元気!みたいな感じ)

 かつて「香港映画」というジャンルがあった。広東語、或いは広東語と英語のちゃんぽんで撮られる映画群は、その言語の響きの異質さも手伝って、独特のトーンを持っていた。今回は、香港の中共返還を控えて撮られた2作をご紹介。

 まずはフルーツ・チャン監督の「メイド・イン・ホンコン 香港製造」(1997)だ。主人公を演じたサム・リーは後に邦画「ピンポン」(2002)で「チャイナ」を演じている。

 ストーリーはやや安っぽいのだが、登場人物達の設定が「背伸びしている子供達」であるが故のアンバランスさと微笑ましさを内在する。が、ストーリーを急展開させるのは自殺、殺傷などの他者や自己に向けての容赦ない暴力である。チャン監督の暴力に対する描写はドライだが、その辺りが実際の大陸人気質を反映したものなのか、監督の資質かどうかは分からない。

 盗作防止のため、脚本を書かずに出来上がりは監督の頭の中にしかなかった香港映画では、ストーリー展開は時としてグダグダとなる。本作のストーリー展開は一般的な日本人の感覚におけるリアリティをギリギリはみ出しているため、ついて行けないかもしれない。が、なんとか破綻を免れている。これは、「主人公達とは何の面識もない自殺した少女の遺書」を小道具とし、劇終間際の一種の力技で成し遂げられる。

 後味は悪いが、どしっとした重い物が心に残る作品だ。十代で観てはいけないかもね。

 二つめは「アンナ・マデリーナ(安娜瑪徳蓮娜/Anna Magdalena)」(1997)だ。公開当時、なんの予備知識も無く劇場に足を運んだところ、劇場が若い女性客ばかりでびっくりした記憶がある。主演(の一人)は当時人気が高かった金城武、ヒロインはドラえもん主題歌の香港版も歌っていた香港明星、ケリー・チャンだ。いやはや、ケリー・チャン系の顔には実はとっても弱い私です。監督はハイ・チョンマン、個人的にはちょっと影が薄い感じが残念な癖の無い作風だ。

 本作では、ざっくり三つのストーリーが語られる。ストーリーのひとつは劇中劇、別の登場人物達による二つのストーリーを無理やり繋げる小道具となる「小説本」のストーリーそのものだ。先に監督の作風には癖がないと書いたが、それはあくまで「香港映画」でのお話。ハリウッド的な分かり易さは最初からない。本作のストーリー展開、構成について行けるかはちょっとした試金石であり、追いて行けないならば「香港映画」はジャッキー・チェン映画までで止めておいた方が良い。「香港映画」のマナー、語り口は一見とても複雑だ。

 「アンナ・マデリーナ」にしたところで、下の予告編から映画の内容が推測できるかな?音楽はまんまテリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」だしね(本編でもそのまま使われている)。夢みたいな夢、現実と見まごうばかりの現実が描かれた映画、そんな身も蓋もない映画と言えばその通りだ。そのくせ、劇中の夢と現実の境界は登場の必然性が読みとれない雑多な要素のせいで曖昧だ(実は、押井守監督の初期実写作品群には同じ匂いを感じている。「紅い眼鏡」、「トーキング・ヘッド」や「ケルベロス」でその印象が強い。ただし、押井監督の場合は絵作りとして様式化をやり過ぎ、一般的な「映画っぽさ」から逸脱してしまっているやに見ゆる。香港映画に慣れた感性では、十分に映画の枠組みに収まっているようにしか見えないのだが)。

 根幹を成すストーリーは当たり障りのないもので、男女の出会いと別れ、直接語られない思い、といったもの描かれるだけだ、以上。しかし、本作はほぼ最後の「香港映画らしい香港映画」と言え、劇終間際のもの寂しさと「香港映画の終焉」のもの寂しさが私の中では完全に一体化してしまっている。なんと言っても香港の中共への委譲は1997年なのだ。

 香港の委譲後、フルーツ・チャン監督の作風もやや変わり、癖の強さや雑多さはどぎついままに主人公をじっくり追うような作品を撮っていく。だが、「香港映画」、或いは「香港電影」の持っていた特殊なトーンは徐々に失われた。

 「アンナ・マデリーナ」で顕著なように、一見雑多な要素を多数含む「香港映画」の佳作群の持つマジックは、「雑多であってもこれは一本の映画である」ことを意識せざるを得ない「映画館での2時間」でこそ発揮される。だから、DVDなんかで観てもなかなかそのマジックに触れることは難しい。

 愛しき「香港映画」或いは「香港電影」特有の映画体験はもはや失われたと言って良い。が、それでも作られた作品は新たな観客に観られることを今でも欲している筈だ。

毎日新聞デジタル”宇宙戦艦ヤマト2199 : 出渕監督に聞く”を読む

 久しぶりに2199ネタ。毎日新聞デジタルの記事、「宇宙戦艦ヤマト2199 : 出渕監督に聞く オファーは『天命』」(2014年04月05日)を一読。

 新作劇場版とやらもやっぱり駄目っぽい、監督も監督自身も変わんねぇのな、な雰囲気濃厚。
 「ヤマトができるのはとにかく楽しかった。自分が楽しいと思っていると、作品にもそれが出てくるんだなと思った」としみじみと語る。
そこ、駄目だったところその1。あなたが何処を楽しんでいるかはおそらく半分ぐらいは分かっているつもりだ。しかし、全体として見たとき、あなたが楽しんでいるだろう辺りは全く物語の成立性に寄与していなかった。ただの食い散らかしになっていなかったか。
「(13年の)テレビ版から今作に入った方には特に見ていただきたい。本当に違いますから。意図したわけではないんですが、劇場上映版は全7章がいい形で
まとまった。章ごとにアプローチ、切り口が違っていて、章ごとに味わいも違う。まとめて見るには非常に見やすくなっている。もちろん計算はしたんですが、
ここまでカチッとはまるとは思っていなかった」と自信をのぞかせる。
そこ、駄目だったところその2。章毎にトーンが違うのは言われなくたって分かる。問題は、先のシリーズでは、全体として見たときに「章毎にトーンが違う」ことが全く物語の成立性に寄与していなかったじゃないか、ということ。ただ違うだけだったじゃないか、というより、本来ガチガチかつ針に糸を通すような繊細な構成が求められる部分に限って、はぐらかしたり、抒情的な描写で誤魔化したりしてたよね。

 故に、劇場版で全体として纏め切れれば拍手も讃辞も惜しまない。ただ、やろうと思っても難しいこのようなことにどれだけ自覚的に取り組もうとしているのかは甚だ疑問だ。
「劇場版は自分たちがこうしたかったというものがピュアな形で出ているので、そういう部分も含めて見てもらいたいですね」と語る。
ここは驚きポイント。「ピュアな形ではない」先のシリーズはどう位置付ければ良いのよ。「ピュアな形」ってあんた、より食い散らかしを先鋭化するつもりなのか。せめて「よりピュアな形」と言って欲しかった。
「実はヤマト自体をモデリングし直しています。劇場用にもう少し緻密にやろうということで、細かい部分で直しを入れたり、ディテールを足していたりするので、そういうところも見どころではあると思いますね」と明かした。
だからぁ、そこじゃぁないんだってば。「できるのが分かっていること」だけやってちゃ見てる側は尚更面白くもなんともないし、それじゃぁ作品は何時まで経っても終わらせられない。プロフェッショナルってのは「終わらせられる」力量のある人のことだ。何時までアマチュア意識が抜けないのか。
「『天命かな。これはやらないといけない』と。あえて“火中のクリ”を拾う心境だった」と当時を振り返る。
さすがにこれには同意と言うか、感情移入はできる。が、「天命」とは不可分な「覚悟」ってぇのはただやりゃぁ示せるってもんじゃぁない。

え、覚悟なんて無い?

空耳だと思うけど、それじゃぁこいつに手をつけちゃいけねぇし、自ら「天命じゃない」って言ってるようなもんだねぇ。「天命」は「覚悟」のある人間にしか下されないよ、普通。

2014/04/06

サッカーは共通言語

 サッカー/フットボールは良いよね、これは一種の共通言語でしょう。

 ただし、日本人を「放射能猿」なんて揶揄する某国の一部は別格、絶対ピッチには入ってきて欲しくない。あれはサッカー/フットボールじゃない。

 国際試合では「地域紛争などを背景とした因縁の対決」もあるけど、あくまでピッチ上で繰り広げられるのはサッカー/フットボールです。「ボールは友達」とまでは言わないとしても、「共通の価値観に基づいて敵であっても尊敬・尊重の念を持って真摯にピッチ上でプレーする」、そいうことが当たり前に繰り広げられる様は本当に見ていて気持ち良いものです。

 野球/ベースボールはサッカー/フットボールと較べれば方言でしかないのが実態。

 さて、サッカー/フットボールがらみの話題2つです。

 まずは、うれしい話題「[U-17女子W杯]リトルなでしこが快挙、スペイン下し大会初制覇!!」。日本代表チームを率いる初の女性監督、高倉麻子氏の指揮の下、全勝優勝と言う文句なしの大会制覇と言えるでしょう。

 宗教差すらも超えつつある「共通の価値観」は、性別(生物学的な、社会的な、ともに)も超えて共有されていく、ということの本当に良い例だと思います。女性のスポーツ参加全般に対しては、まだ宗教的、社会制度的制約が世界各国でみられます。その制約の是非は別として、サッカー/フットボール側は何時でも受け入れる準備ができていることは間違いないでしょうね。そんな枠組みの中で代表が力においても「共通の価値観」の体現においても先頭グループに入ってきたというのは、同じ日本人としてうれしい限り。

 もうひとつは、「ストリート・チャイルド・ワールド・カップ開催」。ひょんなことから知った大会ですが、まさに「ボール一つあれば始められるスポーツ」、サッカー/フットボールの面目躍如って感じです。

 「ストリート・チルドレン」を「本質的に」無くせる社会の実現が一種の理想、将来の目標ではあるのでしょうが、「現状をどう取り扱っていくか」も重要でしょう。「ストリート・チルドレンでもサッカー/フットボールができる」という状況作りですらまだ全世界で見れば不十分かもしれませんが、ステップバイステップでも広がっていって欲しい運動です。

 「銃ではなくボール」、それすらもまだまだ難しいのが残念ながら今の世界。

 サッカー/フットボールへ「差別」を持ち込む行為は既に嘲笑、非難の対象です。それは例えばFIFAも汚職体質と必ずしも無縁ではない、というような事とは全く無関係の話。

モデル/KRAFTWERK & ヒカシューのカバー

 「今どんなボーカロイドが欲しいですか?」と問われれば、ずばり民謡歌手!

 「傀儡謡」ができるかも!!周波数スペクトルを見ると多くのボーカロイドには無い(Megpoidには有ります^^)3kHz付近のフォルマント成分がばっちり、とか。

 今回のバックトラック作成過程で見えてきたのは、上手く表現できないけれどもやはり「人の声っては凄い」ということ。KRAFTWERKの曲ながら、頭の隅には常に「傀儡謡」のイメージがありました。昨年末の決算大安売りセールで入手したボーカル系サンプルデータをひっくり返しちゃいましたよ。

 Das Modellは初期のKRAFTWERKの持っていた湿っぽさが割と全開の曲で、歌詞の内容ともにMegpoidよりは民謡歌手の方が絶対合ってます。The Cardigans、Snakefinger、ヒカシューとかとも違う方向性でのカバーを指向はしてみました。女声コーラスのサンプル使用は既定路線でした。

 あ、「レミーマルタン」っぽい歌詞はドイツ語版でしたね。英語版/国際版は5年に一度聞くか聞かないかぐらいなので……では、どうぞ。

 冒頭で「音が小さいな。」と思っても無暗にボリュームを上げないように。割とボーカロイド感剥きだしのままのMegpoid Whisperの声を「意図的に大き目にしたミックス」になっております。

2014/04/04

クラカタウ・ポスコ高炉爆発は本当か?:補足の補足っつーか訂正込み

 さて、インドネシアのクラカタウ・スチールと韓国のポスコの合弁事業である一貫製鉄所は少なくとも3回事故を起こしているらしい。先のエントリで「水蒸気爆発事故ではなくガス爆発事故」と書いたけど、発生日を確認すると1ヶ月ぐらいズレがあった。つまり、1/19に「ガス爆発事故」が発生し、2月末に「水蒸気爆発が発生した可能性がある」が正しい。1/1の最初の事故を入れれば事故は3回だ。

 で、本題はこれから。

 「ガス爆発事故」は1/19に発生した。が、NEWSPIMの1/20の記事によると、ポスコは「すべての生産工程は正常に動作している」と述べたという。あれれ。

 記事全文のGoogle翻訳結果は以下の通りだ。
ポスコインニ製鉄所、年初の一時停止
2014-01-20 08:32
[ニュスピム=オドンファン記者]

 ポスコの海外初の一貫製鉄所であるインドネシアクラカタウポスコが年初設備の故障で、一部の生産工程をしばらく中断していたことが分かった。
 20日、ポスコによると、クラカタウポスコは去る1日、溶鉄が出てくる出口部門に異常が発生して操作を中断して修理に入ったことが分かった。クラカタウポスコは問題が発生してから7日後に修理を完了し、現在はすべての生産工程は正常に動作していることが分かった。
 ポスコ側は、修理が行われている期間にもプレートの生産は正常に行われたと言いながらも工場が稼動されたばかりという点で生産されて銑鉄はまだ100%の状態ではないと明らかにした。
 これに関連し、ポスコ側は、「 30~40年稼動した国内の製鉄所と比較するとクラカタウ製鉄所は現在、よちよち歩きの段階に過ぎない」とし「稼働初期に問題が発生する可能性がある」と説明した。
 クラカタウポスコは先月23日、インドネシア?ブライヤーゴンで年間300万トン規模への扉を開いた一貫製鉄所として、今後年間スラブ180万トンとプレート120万トンを生産する予定である。
上の記事を信じると、10日程度は製鉄所が正常に稼働していたことになる。10日も稼働すれば製品出荷ぐらいできるような気もする。ところが、朝鮮日報の3/30の記事では、
ポスコ側は「今月7日(3/7)にインドネシアのクラカタウ・ポスコで最初のスラブが生産された」と明らかにした。
と書かれている。

 う~ん、時系列も良く分からんし、結局最初の事故以降に関する報道は何処まで本当なのかさっぱり分からない。少なくとも報道内容全てを正しいとみなすことは論理的に不可能だし、ポスコをソースとする報道内容だけでも十分矛盾だらけだ。

 客観的な報道を求む!っつーか、せめて報道管制状態みたいな状況はなんとかならんものかのぉ。こんな矛盾のある発言を続けてる会社は、「株主の利益に対して重大な影響を与える事実の公表を怠るのみならず、意図的に事実と異なる虚偽の情報を公表し続けた」として普通の国なら株主訴訟に間違いなく負けるよ。

2014/04/02

クラカタウ・ポスコ高炉爆発は本当か?:補足

 朝鮮日報日本語版に記事が出た(ポスコのインドネシア製鉄所で何が起きているのか)。日本語が少しおかしい(論理がおかしい)ところもあるが、タイトルの通りの内容が書かれている。まぁ、原文からしておかしかった可能性もなくはない。

 さて、これまではインドネシア地元紙記事しか情報ソースが無かった爆発事故だが、件の記事によると蒸気爆発ではなくガス爆発だったということらしい。記事によると
ロシア人監督者とインドネシアの現場作業員の意思疎通に問題があったことが原因だった。
らしい。ふむ、現場レベルでは韓国人は関わっていないということを伝えたいのだろうか、なんかここだけわざわざ国名が書かれているような気もする。ちなみに監督者がロシア系韓国人ってことはないよね?

 で、記事ではさらに
ポスコ幹部は「自動でガス流入量を調節するバルブを未熟練者が主導(手動?)で誤操作し、問題が生じた。作業員の教育がうまくできていなかった」と説明した。(カッコ書きはブログ主)
とも書かれている。何気だけれども、事故の本質であろう「作業員の教育がうまくできていなかった」の主体が明確に書かれていない。やや霞が関文体も彷彿させるずるい書き方じゃないですか。まぁ、原因が誤作動じゃなくて誤操作ってあたりは「設計ミス」ということでしょう、常識的には。安全装置とか監視装置とか付いてないんですかって事ですよ、日本国内じゃあこんな理由はまず信じてはもらえない。それでもそれが理由となれば、その主体は信頼を失います。

 この記事、書かれていることより書かれていないことの方が重要って感じです。苦笑なしには聞いてられない「実態バレバレのガキんちょ全力言い訳」みたいなものですよ。

 要は、「主たる事故原因はポスコの設計ミスにある。事故発生の責任は作業員の教育がうまくできていなかったポスコにある」、そういうことで宜しゅうございますね。じゃあそう書けばいいのにね。

2014/03/31

ポール・バーホーベン監督の「ブラックブック」からあれこれ

 最近リメイクされた「ロボコップ」や「スターシップ・トゥルーパーズ」などの作品で知られる映画監督、ポール・バーホーベン氏がハリウッドを去ってから久しい。

 バーホーベン監督の飄々とした作風は一筋縄でなく、ハリウッド的な分かり易さ、ストレートさとは基本的に肌が合わなかったのではないかと思う。職業監督ならば「白く撮れ」と言われれば白で、「黒く撮れ」と言われれば黒で撮るが、氏の場合は「確かに白で撮れと言ったが、これは本当に白なのか?」と言われるものを撮ってしまうというイメージだ。如何にも欧州風とも解釈されがちな作風ではあるが、ドライさ加減が半端じゃなく、やはりはみ出してしまっている様に思う。

 書籍"The making of STARSHIP TROOPERS"を読むと、そのドライさの原因の一端も見えてくる。

 氏はオランダ出身だが、氏が幼少期のオランダはナチス・ドイツ占領下にあった。そのため、道端に遺体が転がる様など、平均的な日本人ならば映画の中でしか目にしたことがない光景を幾つも目にしたという。「スターシップ・トゥルーパーズ」のバグ達に惨殺された民間人や兵士の描写や、「ロボコップ」における「人を銃で撃ちまくる」、いや「銃器で人の身体を破壊していく」描写などで感じられるドライ感は、氏が類似の光景を目撃したことがあるためかも知れない。死や「人が人の身体を破壊していく」様をウェットなものと捉えるのは単なる約束であり、送り手と受け手の共犯関係によって「実は今だって世界で起きてるかも知れない事を見て見ぬふりしている」だけなのかも、などと思いは跳ぶ。

 現実はそんなもんじゃない。常に白なんてない。常に黒なんてこともない。ならば、そう撮って何が悪い。そんな声が聞こえないか。

 映画「ブラックブック(Zwartboek)」(2006)は氏のオランダ帰国後の最初の作品だ。舞台はずばりナチス占領下のオランダ。登場人物はストーリーの進行とともにに白から黒へ、また黒から白へと目まぐるしく変わる。それは、登場人物の誰もが常にグレーなのに、その時その時に白か黒かの二分法でしか観客が登場人物を捉えていないことの裏返しなのかも知れない。氏の一筋縄でないところは、そのような二分法による判断を登場人物にも求めているところにある。容赦なく緊張感のあるフィルムだ。だが後味はすこぶる悪い。

 「人が人の身体を破壊していく」という行為の結果は、氏の作品にあっては時に寒々しく、祭の後のような寂しさすら帯びることがある。「人が人の身体を破壊していく」行為が常に「悪意」から生ずるものなんて認識で、今日を生きることが許されるものだろうか。その逆もしかりだ。

 氏は私と同様に「熱狂」を恐れているのかも知れない。他者の「熱狂」を警戒し、自らの「熱狂」を抑え込む。

 映画「スターシップ・トゥルーパーズ」は「わざとらしい熱狂」で始まり、やはり「わざとらしい熱狂」で終わる。だが、登場人物達は成長し、そのような「熱狂」に利用されるつつも、もう自らはその「熱狂」には加わらないだろう。原作者のハインライン氏も「熱狂」を恐れていたのではないか、「熱狂する庶民が大多数を占める状況での民主主義」を恐れたのではないか。「責任ある市民」は、決して「熱狂」には加わらないことが求められるということではないか。

2014/03/30

半島統一!?:遺憾ですとも流究極ファンタジー

 職場の喫煙所でのバカ話に過ぎないファンタジーですから、それも究極の。

前章
  • 張成沢氏などの粛清により、北朝鮮政府と中共との非公式外交ルート切断
  • 韓国政府、中共と接近
  • 中共外交、リアリティを完全に失う(韓国化)
  • 在韓米軍の撤退開始、米軍から韓国軍への戦時統制権委譲準備中
  • 米日露、韓国政府に強い不信感
  • 中露国境で中国人のロシア領への移動が急増
  • 北朝鮮政府の日本への接近
  • 横田基地-平壌空港間で米航空機の往来活発化
  • 日露関係が良い方向で深化し、ロシアが日本の脅威とはなくなる

2015年某月某日
1日目
  • 北朝鮮人民軍陸軍の南下が確認されるが、北朝鮮政府は沈黙
  • 韓国軍、(残っている)在韓米軍に警戒態勢発令
2日目
  • 北朝鮮政府は依然沈黙
  • 韓国軍「珍島犬1号」発令、一部陸軍部隊の北上開始
  • 米国、日本などの各国政府、現地国民の避難準備開始
  • 米国海軍、空母打撃軍の東シナ海展開開始
3日目
  • 北朝鮮人民軍陸軍の大規模南下、中距離ミサイルの発射準備が米国などに確認されるが、北朝鮮政府は依然沈黙
  • 在韓米軍、在日米軍による在韓米国人、日本人などの外国人避難開始。仁川及び金海空港-横田基地及び福岡空港間に避難航路確立
  • 人民解放軍陸軍の中朝国境移動、ロシア陸軍の中露国境への移動本格化
  • 国連安全保障会議緊急開催、対北朝鮮非難決議
4日目
  • 韓国内の外国人の避難がほぼ完了、在韓米軍仁川空港周辺に展開完了
  • 北朝鮮から平壌での会談要請、韓国代表団及び駐韓米国大使平壌入り準備開始
  • 中共政府、北朝鮮政府に対話呼びかけ、が、無視される
  • 軍事境界線南北で双方の部隊展開が完了
  • 国連安全保障会議、対北朝鮮制裁を議論
  • 平壌で軍事クーデター、人民軍が実権掌握
5日目
  • 韓国代表団及び駐韓米国大使が米軍機で平壌入りするが、迎賓館で軟禁状態に
  • 韓国で戒厳令・夜間外出禁止令発令、憲法停止、戒厳司令部発足。夕刻よりソウル内に戒厳軍の展開開始
  • 地下トンネルを通って韓国軍装備偽装北朝鮮軍約2,000名が深夜にソウルに侵入
  • 主要政府機関、報道機関の警備にあたっていた戒厳軍に戒厳司令部から軍事境界線付近への移動命令発令、警護任務を別部隊(偽装北朝鮮軍)に引き継ぎ
6日目
  • 未明、戒厳軍司令部が「新維新体制確立」と「南北再休戦」を宣言、韓国全軍に交戦禁止命令
  • 平壌周辺及び北部の北朝鮮人民軍の中朝国境への大規模移動開始
  • 正午、韓国軍・北朝鮮軍による統合軍令部発足を宣言、在韓米軍に休戦監視を依頼、中共に「国境侵犯に対しては断固たる処置をとる」旨通告
  • 一部韓国陸軍と在韓米軍で小競り合い頻発
  • 米国国務長官を中心とする米国外交団、空母打撃軍から仁川空港入り
  • 午後、日露などの外交団、仁川空港入り、夕刻に平壌向け発
  • 中朝国境で中共人民解放軍と北朝鮮人民軍間で小競り合い
  • トンネルよりソウルに侵入した北朝鮮人民軍約10,000人、仁川空港付近に展開中の在韓米軍に合流
  • 国連安全保障会議、米英露代表出席せず機能不全状態
7日目
  • 未明、北朝鮮中距離弾道ミサイルを1発発射、中露国境のロシア側に着弾、弾頭はダミー、飛距離は北京まで相当
  • 中共人民解放軍、全軍に交戦禁止命令
  • 正午、北朝鮮政府、韓国新維新政府共同で朝鮮半島統一を宣言、併せて米露日などとの国交正常化のための基本条約が午前中に締結されたことも公表
  • 正午過ぎ、関連国が統一朝鮮国家の公表内容を認める声明を公表
  • 国連安全保障会議、米英露代表から状況説明
10日目
  • 在韓米軍の一部が北朝鮮人民軍とともに北上、中朝国境展開本格開始
  • 露強襲揚陸艦北朝鮮着、米海軍の上空援護の下で陸上部隊展開開始
  • 統一朝鮮政府、ソウルに公式発足
12日目
  • 統一朝鮮政府が朝鮮半島非核化宣言
  • 日本外交団ソウル入り、拉致問題解決などの交渉本格化
結果
  • 朝鮮半島統一国家成立、死傷者200名以下、民間人死者は自殺のみ
  • 新維新政府軍政開始、経済状況を考慮しつつ6~10年後の民主制移行を宣言
  • 日米、対中共の緩衝地域確保
  • 中共内政情さらに不安定化、民主化運動・分離独立運動激化
  • 米、朝鮮半島非核化達成、統一政府との国交正常化、リアリティに基づく統一国家経済への支援開始
  • 日、拉致問題完全解決、統一政府との国交正常化、リアリティに基づく統一国家経済への支援開始
  • 露、旧北朝鮮地域内に不凍港確保(貸与)、リアリティに基づくエネルギー支援など開始、天然ガスパイプラインがプサンまで到達
  • 環太平洋防衛機構発足

モデル feat. Megpoid Wisper WIP

 久しぶりにDAW(Cubase7.5)を触る。何曲か煮詰まっているので、新規に"Kraftwerk"の"Das Modell"を組んでみると、あっさり2時間ほどで当初のイメージ通りのバックトラックが出来てしまった。"Das Modell"は20年以上前に散々弾いた事のある曲だし、元々音数が少ないところでさらに減らしたから当然と言えば当然。

 ボーカルは"Megpoid Whisper"にお願いし、歌詞は空でも歌えるヒカシュー版だ。何故かというと、英語歌詞中の仏語「レミーマルタン」の入力が面倒臭そうだったから。

 エフェクトはかなり使っているけど、原音は"Piapro Studio"からの出力そのままだ。1ヶ所フォルマントが不自然(声が裏返るような状態)だったので"Cubase"添付の"Pitch Correct"で補正した。コンプレッサにはやはり"Cubase"添付の"Multi-Band Compressor"を使った。"Multi-Band Compressor"のプリセット設定"Backing Vocals Clear"はもこもこした音質になりがちなボーカロイド音声をしゃきっとさせるには有効で、SONiKAにはてきめんに効く。

 なお、パーカッション音(Z3TA+2でホワイトノイズをいじったもの)は中央に定位させてある音だけが本物で、左右で聞こえる音は全てディレイで飛ばしたものだ。バスドラの代わりにサブベース的にピュアなサイン波(やはりZ3TA+2)を使っている。

 最終版では、ボーカル音声はより「電話っぽい」方向に寄せるつもりだよ。

2014/03/29

アジアワッチ、再び:補足

 ちょっと思い出したので補足。

 私の「いや韓」の根っこは2000年ごろに遡る。「韓流」なんて言葉も無かった時代である。

 1990年代後半は邦画の低迷をしり目に韓国映画に佳作、秀作が多かった時代だ。だが、映画製作に国が資金と口を出し始めた時点から迷走が始まる。リアリズムをファンタジーが駆逐するのである。映画「ユリョン(幽霊)」(1999)はそんな時代の幕開けを告げた映画と言える。

 予告編の冒頭、「21世紀 すべての韓国映画はここから始まる」と表示される、そうだ、私の「いや韓」はこの映画から始まったのだ。「恨(ハン)」と「ファンタジー」の結合は既に完成されている。劇中で「歴史、歴史」と繰り返されるが、その中身には一切立ち入らない。いや、立ち入ったら都合のいい夢から目が覚めてしまうからだろう。

 この映画を観た直後に仕事で韓国に行った際、反日機運があることをふと感じさせられる場面に複数回遭遇することになる。こちらが日本人と分かった瞬間に相手の対応が無愛想となる、といった類の話ではあったのだが(韓国語の挨拶だけは覚えて行ったので、先に韓国語で挨拶すると多くの人に韓国人か在日同胞と思われた模様。何で下手な英語でしゃべるんだ、と聞かれて実は…という展開)。

 映画の中身もさることながら、こんな映画が作られることの「異常さ」が衝撃だった。タダなら観よう。

アジアワッチ、再び

 朝鮮日報のコラム「不吉な亡国の予感=韓国」の寸止め感というか、「もしかしたらこれが限界?」感というかは何とも言い難い。韓国の現状と大韓帝国末期の状況が似ていて、かつ現状の方が状況は酷い、というのが論旨だが、書かれている中身は端から見ている分には極当たり前のことが当たり障りなく書いてあるだけだ。

 グダグダ色々書いてあるが、その内容は「事大主義+外部勢力に頼った政府内(宮中内)での足の引っ張り合い」という表現に集約可能な李氏朝鮮時代から面々と繰り広げられ続けている日常に過ぎない。違いと言えば、権力抗争で敗れた側が七親等に渡って殺されることがない、ということぐらいじゃないかとすら思える。

 倉山満氏は「朝鮮半島の国家は軍政の時だけ正気」といった趣旨の発言をしているが、大根切りの(ざっくりとした)表現としては十分に頷けるものだ。

 韓国の第一共和国時代は日本人漁民を殺害した上で竹島の不法占領などと「反日」ではあったが、朝鮮戦争もあり同時に「反共」でもあった。「反共」故に中共の属国という立場は取れず、米国へと擦り寄ることになる。

 かつてとある韓国人が「北朝鮮の金日正将軍の写真を初めて見たとき、角が生えていないので驚いた」などと述べたという記述をどこかで読んだことがあるが、これはこの時代の韓国の教科書で「北朝鮮の指導者が鬼の姿で描かれていた」ことに原因がある。ちなみに、鬼の姿が描かれた韓国の教科書はTVや書籍で見たことがある。かつての日本の「鬼畜米英」という言葉と一脈通じるところはあるが、ヴィジュアル的にはナチのユダヤ迫害プロパガンダを彷彿させる。

 第三共和国(朴正煕大統領)~第五共和国(全斗煥大統領)時代が、ざっくりと軍政の時代となる。「反共」を維持しつつ、実利優先の対日、対米姿勢で経済発展に成功する。が、光州事件などを転機として、形態として民主制へと移行せざるを得なくなる。

 第六共和国時代(盧泰愚大統領~現在)は、初期においては現実的な対日姿勢を維持するが、盧武鉉大統領以降で完全に訳が分からなくなる。「反共」は「反日」に取って変わり、「反米」すらも時折唱えられるようになる。

 米国は韓国頭越しの中共及び北朝鮮との現実的な対話を模索し、日本は韓国の上から下までの国家を挙げた嘘付きぶりにうんざりし、ロシアは韓国の一種の異常さに立腹し、中共は使い捨て可能な「反日の手段」を手に入れた一方、シナや台湾、ASEAN諸国の住人は韓国人の現在の有様に軽蔑を隠さない…これが私の現状認識だ。

 なお、中共は銅像から「格上げ」して「安重根義士記念館」をハルビン駅の一部を改装して設けた。が、これはむしろ「格下げ」ではないかというのが私の読みだ。用が無くなれば元の貴賓室に戻せば良いだけの話だからだ。

 「亡国の予感」には私も同意する。が、それは「不吉」なものではなく、日本との合邦時と同様に自らが選んだ道だ。

 それで何か不都合があったとしても、日本ではそれを単に「自業自得」とか「因果応報」と言う。

2014/03/27

今夜もびっくり

 とあるニュース番組のコメンテータ曰く、「普遍的な価値観を共有している国同士」。

 完全に意味不明。具合的にどういう価値観を共有しているの?

2014/03/26

アジアワッチ

 もともと政治的な話はしないつもりで始めた本ブログだが、やっぱりそうもいかないご時世のようだ。やはり触れずには済ませられない遺憾な事が余りに多い。ま、おそらくシリーズ化すると思われマス。
  • 台湾立法院(日本の国会に相当)を学生達が占拠、警察により強制排除
    原因は、中共との経済・貿易協定。ちょっとでも想像力が有れば、協定が中共にとって一方的に有利な内容であり、一種のトロイの木馬であることはすぐ分かる。中共からは投資だけじゃなくて人も来る。台湾を実質的に自国の一地域化する中共の意図が見え過ぎていて怖い。
    台湾の国民の大部分は、先祖代々の現地民(内省人)達と大陸から中華民国政府とともに渡ってきた移住者(外省人)達から構成されており、両者の対中共姿勢の大きな違いは台湾立法院で乱闘騒ぎが絶えない理由のひとつとなっている。当然ながら、現在の台湾が日本領だった時代には、中華民国政府はまだ大陸にあった。台湾は親日国とされるが、これは内省人を中心としたものと考えて良いだろう。中華民国はかつて大陸で日本帝国軍と戦っていた訳だからね。
    台湾が何処へ行こうとしているのか、暫くは目を離せない。

  • 韓国、ロシアから経済制裁?!
    こんなことができるなんて、やはり韓国だ。悪い意味で「奇跡の存在」と容赦なく無慈悲に呼ばせてもらおう。やろうと思っても普通できない、底抜け具合が半端無い。
    口は災いの元。クリミア半島情勢に関して対ロシア経済制裁の可能性を韓国政府が公式に述べたところ、ロシア側から経済協力協議などを一方的にキャンセルされたそうだ。
    また爆撃機が来るかもよ。

  • 安重根義士?!
    中共と韓国がノリノリだが、彼らの主張内容は学術的検証には全く耐えられない。当時から彼はテロリストでしかない。
    安重根氏の思想は、支離滅裂ではあるが「西洋列強に伍するためには日朝中による汎アジア連合が必要」とするものであり、反日ではない。そもそも伊藤博文氏の暗殺の理由の一つは、伊藤氏を「日本皇室に仇為す君側の奸」と見做した”事実無根の勘違い”にあり、彼が日本皇室に汎アジア連合形成の求心力となることを期待していた節もあるのだ。
    実は「理想に燃える青年を嘘で煽ったコミンテルンの陰謀」とか?
    共産主義なんてもはやお題目に過ぎない実利優先のリアリスト中共…のはずだったのだが、なにこのリアリティの欠如は!
 あっ!中共は今そんなに何かヤバいってことですか!?

2014/03/25

もう駄目だ、この新聞社

 二重三重四重に酷いなこの話は、結局削除したらしいからもう一重ねか。

 とどいてますよ、底抜けの駄目さ加減がさ。

2014/03/24

一国の国家元首への他国からの根拠なき中傷は…

 一国の国家元首への他国からの根拠なき中傷は、かつては十分に戦争の理由になった。欧州の歴史をひも解いてみよう。

 まぁ、「日王」なる表現が出てくる段階で、歴史、世界情勢への理解が全くなっていないのが明確なのだが、韓国・議政府市の市議会はとにかくもそれも辞さぬらしい。教育ってのが怖いのか、それとも「日王」という表現でシナの御威光を使って恥しめているつもりなのか。どっちにしたって主体ってものが感じられない。後者ならどうやら「中共の属国気取り」と言うことになる。

 このような海外動向をマスコミはちゃんと報道しなきゃいけない。判断を読者や視聴者へ委ねなければならない。少なくとも報道機関を名乗るならば、「知る権利」を御旗に自分達の特権を守ろうとするならば、だ。CMで「これは良い記事だ」とか、観て絶句した。

 新聞購読率や視聴率の低下の原因と各報道機関が真面目に向き合っているのかははなはだ疑問だ。一部の歴史ある報道機関は、戦前の有様の総括すらまだできていないように見える。自助能力の無い組織は本来は滅びるべきなのに、製造業はそういう戦いの中に常に置かれているというのに、なんとも気楽なものだ。

 報道しても「日王」をヘラっと「天皇陛下」と日本語訳して補足説明なし、といのも微妙に大問題。所謂今日的な中華思想の基づけば、「皇帝」はシナ皇帝のみ、属国の元首は格下なので「皇」は使えなくて「王」となる。このような文脈からは、「日王」という表現に「格下」感を込めてある可能性は否定できず、徳家康ならば十分宣戦布告や国交断交の理由(「国家安康」のアレですよ)にしてしまっちゃうだろう。

 まぁ、「日王」なる表現を使った時点で「中華思想」の枠組みを認めているのだから、「我が国はシナの属国です」と言っているに等しい。

 ウィキペディアによると新潟県新発田市が友好都市らしいが、やんわりと諭してくれないか…あ、2005年に竹島を理由に議政府市側から断交ですか、そうですか。

2014/03/23

FIAT 500 Twinairのこの冬の燃費は…

 本ブログのアクセス解析の「検索キーワード」にも頻出するTwinairエンジンの燃費について、ざっくり冬場の4ヶ月間でどうだったかの簡単なまとめです。
  • 乗り出しから走行距離約1,500kmまでの平均燃費は15.7km/?。
  • 用途は主に通勤(方道8km)で、朝は若干の渋滞あり、帰りは割と道が空いた状態。緩く長い坂道多し。
  • FIAT PANDA 1.2FIREの燃費が冬場は16.2km/?程度だったこ事を思うと、必ずしも良い数字ではない。
  • 他の条件として、スタート&ストップはオン、エコモードは基本的にオフ。
  • Dualogicは渋滞時以外はマニュアルモードのまま。
  • エアコンは使わない。風好きなので、真冬でも窓全開ということもある。
エコモードの有難みはあまり感じない。ただし、これは好みの運転方法にも依存しているだろう。私は発進してからどんどこシフトアップして、できるだけ早く周囲の車の速度に合わせ、後はアクセルだけで微調整、上り坂だろうが下り坂だろうが同じ速度で走るのが好きだ。上り坂の入口前などではトルクが必要ならマニュアルでシフトダウンするし、下り坂などでエンブレを使うのも大好きだ。前方車間は取る方なので、普通に車が流れている状態ではブレーキは後方車両への注意喚起(カーブを抜けた後の信号が赤に変わるから止まるよ、とか)以外の目的では不要だ。実際のところ、PANDA 1.2FIREではこのような運転法が最も燃費が良いというオマケが付いた。

 エコモードではTwinairエンジンとてトルクが細いので、加速時には踏み込まざるを得ない。結果、瞬時燃費を見る限り、発進から定速に持っていくまでの燃費はエコモードの方が明らかに悪い。また、坂が多いのもトルクの細いエコモードと私の好きな運転方法との組み合わせには酷だ。

 PANDA 1.2FIREの夏場の燃費は冬場+1.5km/?だった。Twinairはどうなんだろうねぇ。

2014/03/21

淡々と

 MoFA。「モファ」って読んじゃうとちょっと間抜けな響きですが、これは外務省(Ministry of Foreign Affairs)のこと。外務省はYoutubeにチャンネルを持ち、最近は積極的に動画をアップロードしています。「淡々と事実を(できる限り実証主義で)」、それで良いと個人的には思います。

 隣国なんて歴史的背景などから仲が悪いのがデフォルト、それをどう乗り越えるかに国の品格と言うか真価が問われると思いますよ。戦争した過去があっても仲良くやれる国々もあれば、戦争をしたこともないのに仲が良くない国々もあります。

 「隣国なんだから仲良くするのは当たり前」なんてのはリアリティの無いお花畑発言でしかありませんよ、なんかねぇ。

グーグルマップはタイムマシン - クラカタウ・ポスコ高炉爆発は本当か?

 「高炉爆発は本当か?」という問いには報道が無さ過ぎて判断できない。が、ちょっとした事実を発見したので紹介しておこうと思う。着目ポイントは、

”グーグルマップで見られる「なんか火災の後の様にも見える」クラカタウ・ポスコ・スチール建物群の衛星写真は何時のものなの?”

だよ。

 まずはグーグルマップの衛星画像。クラカタウ・ポスコのマークがある辺りの建物が煤けているようにも見える。まぁ「茶色い」のは間違いないよね。

 次いで、クラカタウ・スチールの公式ウェブページで公開されている写真だ。(http://www.krakatausteel.com/index.php?page=content&cid=14

むむ、公式ウェブページの写真でも結構「茶色い」ぞ。白い屋根も見えるけどね。

 で、注目すべきは右下の「POSCO JV SITE」だ。実際のところ白い線の先端は住宅地にあり、そこが高炉の建設サイトとは思えない。少し想像力を働かせると、本当の建設サイトは住宅地と道を挟んだ左上側の海に面した緑地でないかとも思える。つまり線の先端から上に向かう縦線が消えているという可能性だ。グーグルマップの衛星写真では造成中っぽく見えるよね。

 次は、おそらく建設サイトの完成予想図だ(http://firmanirmansyah.wordpress.com/2012/03/07/krakatau-posco-dan-bencana/)。
明らかに建設サイトは海に面している。左上方に見えるのがグーグルマップで見られる「茶色い」建物群っぽい。ならばグーグルマップの衛星写真で造成中に見える場所が、高炉の建設サイトという可能性が高い。海沿いに「かまぼこ型の建物」が2列見えるね。

 最後は建設中のサイトと思われる写真だ。(http://www.ayogitabisa.com/news/pembangunan-infrastruktur-kurangi-jumlah-pengangguran.html

左上隅に見えるのは、完成予想図(?)に見られた「かまぼこ型の建物」では?その右手に見える水色の建物群もそれっぽいものが完成予想図(?)に描かれている。

 とすると、現在のグーグルマップの衛星写真には、問題の高炉は写ってないってことになるんじゃない?

 断言はしないけど、現在の「グーグルマップの衛星写真」を「高炉爆発の証拠」とみなすのは無理があるんじゃないかと思う。グーグルマップの衛星写真はあくまで過去のもので、2~3年前の写真である事も珍しくないんだから。

 メシウマネタになり得るとは言え、裏取りはちゃんとしないとただのガセにしかならないのも事実。うっかりすると○○新聞のねつ造記事といい勝負になりかねない。お互い、心してかかりましょう。

シャーロック、三度!

 とあるニュースサイトの記事で「NHKでも5月に韓国ドラマ枠が無くなり、イギリスのドラマが放送される」という記述を発見。前段はどうでもよくて、問題は後段。もしや…と思ってNHKサイトを覗いてみると…

 祝!「シャーロック3」放送!

先行して4月には「シャーロック」「シャーロック2」も再放送される模様。イントゥ・ダークネスなシャーロックと思いがけない冒険なワトソンが帰って来るよ!

 未見の方は是非!

2014/03/18

フィアット「ツインエアエンジン」インプレッション- スタート&ストップのジャム

 FIAT500 Twinairには、エンジンのオートストップ&スタート機能がある。信号で停止などすると、自動的にエンジンが停止、ブレーキから足を離したりDualogic操作でエンジンが再スタートするという、最近の車では当たり前のように付いているアレだ。

 今日、初めてスタート&ストップ機能がジャムった。ブレーキを外してもシフトレバーを動かしてもエンジンが再始動しなかったのだ。結局キー操作でエンジンをかけ直すことになった。まぁ、想定外だったのでエンジンかけ直しまでに少し時間がかかったのだが、そういう状態で後ろからクラクション鳴らし続けられても逆効果だよね。気持ちはと~っても良く分かるけれども。

 FIAT Panda(2004)にはスタート&ストップ機能は付いていなかったが、何かのはずみでエンジンがかけられなくなることがあった。そんな時は慌てず騒がず、颯爽と車外に出て、車を前にちょっと押そう。或いはサイドブレーキがかかった状態で、前後に揺すってやろう。イメージとしてはちょっとタイヤを転がしてやればいいということだ。嘘のようにエンジンがかかるようになる。

 実は昔から私は「バグ引き」体質だ。プログラムのバグが悪さをするような入力データを高確率で作っちゃうのだ。間違った入力データを作っちゃう、という意味ではない。ピンポイントでバグが顕在化するマズい数字を入力してしまい、他の人がそのプログラムで経験したことがない無限ループ状態を引き起こしたりするという意味だ。そのような経験が多いせいで「バグの原因となり易いマズいソースコードの書き方」のサンプルが頭に詰まっているし、そういう辺りは勘が効くようになった。おかげでプログラムのデバッグの早さには定評がある。

 上述のPandaでのトラブル対策も実は直観によるもので、いきなり車をゆっさゆっさとしてみたことで解決した。この種のトラブルは大抵の場合「何かがピンポイントでマズい」。だから、ちょっとでも状態を変えてやればいい、という訳だ。

 まだApple Macintoshが本体+ディスプレイで100万円ぐらいしていたころ、友人が卒論作成に使っていた研究室のMacのHDが起動しなくなったそうだ。呼ばれたCanon販売(当時はCanonがMacを販売していた)の営業マンは事もあろうにいきなり本体を殴りつけ、それを見ていた友人は「もう卒論は間に合わない…」と観念したという。ところが、その直後にHDが起動して、なんとか難を逃れたそうだ。件の営業マンによると「45度上方からチョップを入れるのがコツ、グーは駄目」なのだそうで、友人は卒業までに2回ほどそれを自分でやったとかやらなかったとか。似たような経験は自分にもある。

 まぁ、500にしてもPandaにしてもMacにしても、たま~にジャムる分には可愛い。たま~に、で宜しくお願いしゃス。

2014/03/16

朴槿恵大統領は現代の閔妃?

 誰がそもそもそう呼び始めたが全く知らないが、「朴大統領は現代の閔妃」なる表現にネット上で出会う。おそらく中米を両天秤にかけるような外交姿勢を揶揄したものと思われる。

 詳しくはウィキペディアを参照願いたいが、李氏朝鮮の君主(のち、大韓帝国皇帝)の何某の妻にして、親清(実質的には傀儡)である義父大院君との宮中権力争いの過程で「事大主義」を体現した人物である。具体的には、日清戦争の結果をみて日本にいったん擦り寄るが、三国干渉の日本の反応をみるやあっさりと親ロシア帝国へと姿勢を変える。

 ロシア帝国は強国であり、日本としては怖い。当時の日本の安全保障方針は、ロシア帝国の南進を朝鮮半島の北緯39度以北に抑えることであった。これは現在の軍事境界線である北緯38度の間違いではない。北緯39度であればソウルからの距離もある程度確保でき、朝鮮半島の狭隘部(東西方向が狭い部分)を境界とできることになるからだ。北緯38度と較べて防衛上格段に有利なのである。が、当然ながらロシア帝国はそのような日本の要求など一顧だにしない。ちなみに、日本の敗戦後に朝鮮半島は南北に分断されるが、「北緯38度で分割する」という米国のリアリティの欠如にソ連は笑いを抑えられなかったろう。

 結局、閔妃の親ロシア帝国への姿勢転換が日露戦争勃発の種を蒔くことになる。

 究極的に、「事大主義」とは「どこの属国となるか」という選択に過ぎない。本エントリで李氏朝鮮という国にほぼ触れないことには意味がある。朝鮮半島の政権が事大主義をとった時点で、その政権は当事者能力を捨てるということなのである。「朴大統領は現代の閔妃」という表現の含意は、韓国に関する問題は韓国抜きでしか解決できないということだ。これは韓国という国に対して大変失礼な言説ではあるが、歴史に照らせば至ることが避けられないひとつの帰結なのだ。

 「あなたは何が望みなの?どうしたいの?」は社会人になれば、社会的に大人になれば常にさらされ続ける問いかけである。主体性は大人なら持つことが当たり前のように求められる。旗色をはっきりさせること、はっきりさせることをできる人は、それが社会的に許容できる主義主張である限り尊重される。日本人は主体性に乏しいとの言説が昔からあるが、それは1/3程度は正しい。だが、「他者と違わないこと」を尊ばせるというヘンテコな教育が為された時代にあっても、主体的に「他者と違わないこと」を選んだ人達も多い。そういう人達はそれでも頭ひとつ以上抜けていく。所詮今日までの枠組みは、明日には古くなり、見直されるべき枠組みに過ぎないからだ。

 「他者と違わないこと」は実は大変だ。周囲の他者が皆ひとつ上のステップに進んだ時、自らもステップを上げなければならない。つまり、「他者と違わないこと」は時に切磋琢磨を個々人に要求する。日本の一種の特殊性、「空気を読むことにより」いつの間にか行動のベクトルが揃い、凄い力を発揮することがあるという状況は、上手く回っている限りは強み以外の何物でもない。全体のレベルが一緒に上がるのである。

 もちろん、その際には「誰々が~」なんて言い訳は通用しない厳しさも伴う。手に職をつける、道を究める或いは一芸に秀でるといった「日本的オンリー・ワン」の思想は、「他者と違っていてもいい」という意味ではなく、「他者と違わないこと」以外にも価値があることを他者に認識させるという一種の力技だ。新流派のひとつも興せなければ、「日本的オンリー・ワン」の尺度では撥ねられてしまう。単に「オンリー・ワン」のみで是とする言説はつまらない。「他者と違わないこと」だけにも既に汲々としている我々凡人は、「他者と違うことを是と知らしめる」ために如何なるパワーが必要かを皆当たり前に知っているのである。ダイバーシティ(多様性)の許容が叫ばれる今日にあっては、まず主体性が伴っていることが前提だ。主体性のないままでは、まさに悪い意味での「ガキ」のままでは、他者から尊重される対象ともなれないのである。一目置く人がいる、という感性の持ち主は、やがて他者から一目置かれる人となり得るだろう。つまりはそういうことだ。

 閑話休題。

 はたして「朴大統領は現代の閔妃」となってしまうのか。

 もしそうなれば、韓国は歴史を知らず、発展を知らず、恥を知らず、独立を知らず、主体性を持たず、愚民のみを育て、棄民を生み、恩を忘れ世界に仇のみ為す存在となる。

 日本も含めて、みんな今一度歴史をじっくり振り返った方がいい。

映画「宇宙兄弟」をTVで初めて観ましたよ。

 TV画面ながら映画のマジックの一部なりともを体験、撮影の上手さが光る幸せな作品。

 画面の締り具合はまさに映画のそれ。ストーリーのシリアスさをきっちりと支えるだけでなく、ストーリーに映画的リアリティを与える重要な要素だ。

 照明も上手いなぁ~と思って観ていたが、2ヶ所ほど「あれっ?」ってなっちゃったのはちと残念。映画のマジック(嘘)にどうしても気付かずにはいられない瞬間だ。詳しくは触れないけど、あのカット(映画的嘘)の次にあの影は.ないよなぁ…ってのがひとつ。3DCGをやってる人はすぐに分かると思うよ。実現が大変なのは承知なんだけど、多少画面が暗くなっても良いからそこは影のエッジがぼけてなくちゃ、映画では一度ついた嘘はつき切らないとね。

 あと、「燃料搭載量=最高速度」という観点からは月ロケットであの小ささはないよなぁ、月到着まで何日かかることやら…これは、元宇宙オタクのグチですね。打ち上げ直後の加速は確かに結構大きいようにも見えたから、そこはそれって感じですかね。

ドイツのチャレンジとウクライナ - 続:ウクライナ抜き

 ドイツエネルギー事情について、公開資料ベースで調べてみた。明らかになったのは、2013年の二酸化炭素排出量が2012年より10%以上増えていることだ。原因のひとつめは原子力発電シェア低下、ふたつめは石炭火力発電のシェア拡大である。

 この石炭火力シェアの拡大は、ロシアに頼らざるを得ない天然ガスや石油による発電シェアの縮小の裏返しとも言える。一時期は40%を超えていたドイツ発電シェアに占めるロシア産燃料の比率は、2013年には30%弱まで下がっている。

 石炭火力の燃料としてのコスト競争力は依然高い。特に不純物の少ない良質な石炭のニーズは今も高い。北朝鮮の中共への主要輸出品が良質な石炭であることは有名だ。

 反面、良質な石炭とはすなわち純度の高い炭素ということであり、酸化反応である燃焼によって発生するのは炭素酸化物ということになる。つまり、燃やした分だけきっちりと炭酸ガスが発生する訳だ。石炭の発生エネルギーあたりの炭酸ガス排出量は、ざっくり天然ガスの倍である。ただし、天然ガスが同じ地球温暖化ガスであるメタンを含む事を考えると、地球温暖化に対する影響を単に炭酸ガス量だけで判断し、石炭を一方的に悪者にすべきではない。

 シェールガス革命などと言うが、革命とは採掘技術の発達によってコスト競争力を得たということに過ぎない。シェールガスの採掘、燃焼にはメタン排出が避けられず、地球温暖化、広くは地球気候変動はのインパクトはむしろ石炭よりも大きい可能性が指摘されている。

 それでもドイツのチャレンジは続く。

 太陽電池の価格は中国製品の登場で一度は低下したものの、続いて起こったことは太陽電池メーカーの過激なまでの淘汰であり、ついに今月には中国太陽電池メーカーが債務不履行(デフォルト)を起こすに至る。鉄鋼、レアメタルもそうだが、中共企業は市場を散々に荒らしておいて結局自滅もするという困った振る舞いが多い。

 一技術屋の判断として、現行の太陽電池技術の延長上には薔薇色の未来はない。発電効率が少なくとも4倍になるような技術的な跳躍が必要だ。これが実現できれば、本当の「革命」までもう一歩だろう。蓄電池技術も未だ「革命」には届かない。

 意外なところから両方の革命を一気に為し得るような大発見とか出てきたりして…ちょっとこれはファンタジーかもね。

2014/03/15

ボールは韓国

 ナイキはKリーグにボールを提供しないが、ボールは今完全に韓国側にある。

 日本は韓国に会談のために人を送り、「河野談話」をモラトリアム状態とし、どこに一線があるかを明確にしたやに見ゆる。朝鮮日報は「土産も持たずに首脳会談をねだる日本」と報じたが、この上から目線具合は実に気持ち悪い。

 最も韓国は日本に「友情」なんて求めていないようだし、それが分かった今となっては日本が「友人」として振る舞う必要はないと信じる。まぁ技術情報は欲しいんだろうが、不当な手段で入手したとなればそれなりの報いを受けるのは当然だ。

 で、ある人に言わせると「河野談話」は示談書(和解契約書)みたいなものなのだという。個人的には納得できる解釈であり、この観点からは談話の表現に韓国の筆が入っているのも当然かと思う。

 問題の本質は、韓国政府が「和解内容」を(日本から見て明らかに)反故にしたことにある。「河野談話」の見直しの機運は、和解の反故とはやや別の文脈、韓国政府がそれを「利用」し始めたところに起因する。ここは明確に、論理的に、「分かる人には分かるよう」に分けて考えておく必要がある。

 これら一連の不愉快な展開から得られる教訓は何だろうか。

 「小中華思想」だの「儒教社会」だの相手の側に原因を帰するのは簡単だが、それこそ相手と同レベルに落ちるのは恥知らずにも程がある。大事な点は、「河野談話」に関して報道などでさっぱり語られないとある点にあるのではないかと思うのだ。

 それは、「河野談話」に対して、当時の韓国政府が公式にどのような見解を表明したかだ。

 「河野談話」は一国の重要ポストに就いていた人間による国の見解表明であり、間違っても無かったことにはできない。それは今だって変わらない。当時の韓国政府の見解を知らない段階でこういうことを書くのは気が引けるが、当時の日本政府の失敗は、韓国政府に「和解内容」を公式に認める見解を表明させなかったことにあったのではないかと思う。もし、日本側の談話に対して、韓国側に

「謝罪は『河野談話』で終わった、賠償は日韓基本条約等で解決されている。これで韓日の新しい関係が始められる。」

と公式に宣言させておけば良かっただけだったんじゃないだろうか、ということだ。つまり「外交的失敗」が教訓ではないか、ということである。

 一連の韓国政府の主張は論理性に極めて乏しい。昨今の「纏声塵語」とどっこいどっこいの低レベルだ。加えてリアリズムもなく、実益性という観点からは中共のえげつないまでのそれとは雲泥の差を遥かに凌ぐ差がある。

 真偽は不明だが、ナイキ本社は「韓国人立ち入り禁止」だと聞いた。その原因が聞いた話の通りなら、ナイキがKリーグに関わろう筈もないことは至極当然の成り行きだ。

 ナイキはKリーグにボールを提供しないが、ボールは今完全に韓国側にある。それすらも直視しないのか、それともできないのか。河野談話見直しのモラトリアムを米国政府は歓迎するだろう。それは韓国政府にとって、米国政府から日本が研いだナイフを喉元に突き付けられたようなものである筈だ。もし米国の歓迎を自らの勝利と見做すならば、韓国政府はリアリズムを完全に欠く。

 「追いつめられた」、というのがおそらく今の韓国政府のリアリティだ。

 親書を受け取らないで返送するなど、最低限の外交プロトコルも守れない国であることを全世界にさらし続けている場合じゃないよ。いや、平和時の外交プロトコルではあり得ない対応ということは、実は交戦状態のつもり?

 日本政府による「河野談話見直しのモラトリアム」によって、「靖国カード」に続いて韓国政府は外交カードをまた一つ失ったと言えよう。むしろ日本側の外交カードになったと見做してよい…その筈なんだけどね。

2014/03/14

○声○語は本当に終わり?

 ここんとこは本当に、論理なし、品位なし、まるでテンプレままでオリジナリティもなし。

 原発がらみは突出して酷く、陳腐な視点と論旨の薄っぺらさ、さらにそれを変形しつつ反復し続ける様は「ダサい」という表現すら誉め言葉となろう、上から目線テンプレすらも超えていない。

 「決めつけ」「結論ありき」で書きながら、その出発点であり着地点でもある前提が借り物だったり薄っぺらかたりするから論理性なんて宿る筈もない、という状況なのではないか。論理性を宿らせられない段階で、書き手や編集者は前提が変だとは思わないのか。

 論理性という観点からは2199よりも酷い、と書けば、私がどのくらい酷いと思っているか伝わるだろうか。

 昔はけっこう唸らせられたものだが「○声○語」には。最近は、劣化というレベルではなく、大事な何かが失われている。まず品位がない。

 「書き写し」なんて時間の無駄、真似したら駄目になっちゃうよ。入試に出たら、合格してもその学校に行くのは止めよう。

 だらだら当てこするのではなく、刺せ。

2014/03/10

СОЧИ2014ですねぇ、再び

 ソチ2014パラリンピック絶賛開催中ですが、TVなんかの報道は薄い、薄いですねぇ。

 オリンピックもそうだったのですが、結果と進捗状況確認ならば公式ホームページを見れば分かる訳で良い時代になりました。TV報道については「薄い」、なんて苦言めいた事も書きましたが、真意としては駄目々々コメンテータの駄目々々発言を無くせば良いんですよ。コメンテータのための時間と金を「事実」の報道に当てて欲しいと思う訳です、バラエティじゃないんだから。

 とか言いながら、今日の某番組での”代理の”コメンテータは開口一番から切れが良くて笑ってしまいました、これは誉めてます。どーでも良いことしか言わない(言えない?)レギュラーコメンテータなんて切っちゃってずっと”代理”でいきませんか、是非。

 さっき確認した時点では、金メダル1つ、銅メダル2つと日本のパラリンピックアスリート達も結果を残しているようで何よりです。メダル数トップはダントツでロシア、日本は5位で、現在色々と大変なウクライナが3位です。

2014/03/09

某国のイージスさんは怒っているのか、とか

 海外のサイトも含めて現在は40ぐらいのニュースサイトを常に巡回している。ヘッドラインだけ流し読みする場合も多いが、だいたい3日で一巡するペースで目を通している。それとは別に10ぐらいのYoutubeチャンネルも巡回している。その巡回先のひとつが「某国のイージス」さんのYoutubeチャンネルだ。

 今日、某国のイージスさんが「【お詫び】ご迷惑をお掛けして御免なさい」というタイトルの動画をアップした。この動画の内容やコメントに対しては色々思うところがあったので、その一部なりとも書いておこうと思う。

 かつてこのような言葉を本で読んだことがある。

 「最大級の怒りは抑制される。」

 「本当に怒っている人は他者からは怒っているように見えない」という意味だ。

 「心の底から怒っている時ほど人間というのは冷静に見える」ということで、一つの解釈は「怒ることに明確な理由があり、それが自覚され」かつ「自分の中の倫理規範に照らして、その怒りが妥当であると判断できた」状態での怒りは本物だが、そのような過程を経ているが故に外からは冷静に見えるというものだ。「カッとなって」なんて表現される怒りとは本質的に違うものだ。

 実は「本当に怒る」ことは難しい。

 「その怒りが妥当か?」という疑問を常に自分に問いかける癖をつけると、私の場合はまぁ90%ぐらいの怒りは消えてしまう。あくまで主観だが、某国のイージスさんの動画は全般的にこの種の「抑制され、厳選された怒り」に基づいているように思う。それに加えて自分の声で語られることが某国のイージスさんの動画をより魅力的なものにしていると思う。

 では「本当の怒り」はどのように表現されることになるのか?

 私の場合はほぼ「笑い」で表現される。文字通り笑ってしまうのだが、ここで止まってしまうのがおそらく私の限界かと思う。表現者たる者は、その怒りを例えば「『ユーモア』に昇華」し、「怒りの本質」を他者へ伝える。歴史的にも「本物の怒り」が「ユーモアの形」で表現された例には事欠かない。しかもその「ユーモアが内包する切っ先の鋭さは半端じゃない」ことが多いものだ。

 「風刺」とは本来そういうものだろう。余りの切っ先の鋭さを前にして笑うことしかできない、というのが本当の風刺じゃないか。「風刺」を「風刺」たらしめるには送り手と受け手の共犯関係が必要だ。送り手も受け手も「ユーモアの形で表現された怒りの背景を知っていなければならない」、「ユーモアの形に置き換えられた怒りの本質を理解していなければならない」。が、風刺にあっては「怒りの本質を決して口にしてはいけない」。

 ナチス台頭期のナチスに対する新聞風刺画の容赦の無さ、秘めた切っ先の鋭さには驚くものが多い。が、それらが風刺する先がどれだけ読者に伝わっていたかは心もとない。昨今の新聞やTVの風刺画のユーモアレベルの低さは、むしろナチスの「分かり易く、聞き手の耳に心地よいことを伝え、上げ足取りも辞さない」プロパガンダ手法に近い。共通項のひとつは「結論ありき」であり、それがどのような結果をもたらすかは現在進行形で体感できているだろう。私にとってはマスコミの
「風刺の形態をとった上げ足取り」は苦痛でしかなく、「世論操作」の意図を勘繰ってしまう。かつての幾つかの戦争が世論と新聞の強力な後押しによって引き起こされたという点は、多少なりとも歴史に興味のある人は否定しないだろう。

 某国のイージスさんの件の動画に戻ろう。これは「怒りそのもの」ではなく「怒りの本質を口にしている」という意味で「風刺」ではない。だが、「怒りの本質が語られる」が故に「抑制され、厳選された怒り」の内容、切っ先の向かう先は明確だ。一部コメントがその辺りの機微をすっ飛ばしてテンプレ的なのがとても、と~っても残念ではあるのだが、ここは某国のイージスさんの「おっとなー」ぶりを見習って欲しい。「レベルにばらつきがる状況下」では、揃えていくべきレベルは高い方であって低い方でない筈だ。そうやって皆で「おっとなー」になっていこうじゃないのさ。

 さて、「『ゴキブリ』の例えに対するKさんの反応」については、やはりいったん一歩引いて捉える必要がある。
  1. 単に上げ足取りである。日本において「ゴキブリが一匹いれば…」は単に「氷山の一角」と同じ意味の定型表現だ。しかも「氷山の一角」という表現であってもポジティブなニュアンスはない。これを知った上で「ゴキブリ」の部分にだけに反応したならば、それは確信犯的な上げ足取りに過ぎない。
  2. 「ゴキブリが一匹…」という定型表現があることを知らない。これは一種の文化の衝突だ。ただし、「ゴキブリに例えられることがネガティブな意味を持つ」文化に属していない人はそういう反応はしない筈だ。「ゴキブリって何?」では例えそのものが理解できないからだ。
  3. あはははははは、これは書いちゃいかんよなぁ。何も言い訳効かんもんなぁ。
敢えて「いったん一歩引いて捉える必要がある」と書いてそれをやってみる…これが私のユーモアレベルの限界なんだよなぁ…

2014/03/05

ドイツのチャレンジとウクライナ

 ウクライナ動向の進展が余りに早く、なかなか追いきれない。ここまではロシアの手際の良さ、準備万端ぶりが際立っている。これがエントリタイトルの「ウクライナ」の部分だ。「ドイツのチャレンジ」とは「脱原発と再生可能エネルギーの積極導入」のことだ。主観だが、敢えて「チャレンジ」と呼ばせて頂きたい。

 ウクライナに対するロシアの動きに対して、日本は相対的にソフトな対応をこれまで取ってきている。これは安倍内閣となってからロシアとの関係改善を積極的に進めてきた経緯を踏まえれば理解できる。だが、今回ばかりは日本よりもソフトな、と言うか非常に慎重な態度を取っている国がある。

 ドイツだ。


 今日はドイツに関して興味深い2つの報道があった。一つは上述の対ロシア姿勢についての記事、もう一つはドイツ国内企業の自家発電導入が急激に進んでいるという記事だ。企業が自家発電設備を持つ理由は、電気料金の大幅な値上がりにある。ドイツでは太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの発電分野への導入を進めているが、「再生可能エネルギーの採算性確保」のための国からの支出が電気料金に上乗せされている。ついに「自家発電の方が経済的」というレベルまでドイツ国内の電気料金が上昇してしまったということなのだろう。

 で、これからは推定なのだが、企業が投資する自家発電設備の燃料は何だろうか?価格だけで判断すれば、「ロシアからパイプラインで供給されている天然ガス」以外は有り得ない。つまり、ドイツ国内企業の活動はどんどんロシア頼みになっていくということだ。ロシアは「パイプラインのバルブを閉める」だけでドイツに圧力がかけられるようになる、いや既になっていると言って良い。

 ドイツの総発電量は国内需給を賄うに足るレベルにある。が、価格が折り合わなければ企業は使ってくれない。さらに高くなれば買い手が付かず輸出もできない。この種のアンバランスの発生は予測されていたことであり、それ故に「チャレンジ」なのである。

 東欧諸国が原子力発電の導入を検討するのも、根底にはロシアへのエネルギー依存がある。ロシアの圧力にさらされ続けるのも、周辺国から高価格の電力を輸入するのも、エネルギーセキュリティや自国生産品の価格競争力確保の観点からは望ましくない。

 韓国が電力会社を実質的な破綻状態に追い込んででも電力価格を低く抑え続けているのは、やはり自国製品の価格競争力を維持するためだ。だが、これは国と国内企業がチキンレースをしているようなもので、内需拡大が無いまま輸出依存度の高い経済状態が続けば破綻は避けられない。

 ドイツは内需の維持、拡大のためにも企業の自家発電設備の導入が避けられない。高い電力料金に甘んじれば輸出競争力を失い、ひいては内需が縮小するからだ。故に、企業の自家発電設備の導入は基本的に正しい。が、企業が使わなくなることによる更なる電力価格の上昇があれば、それは一般家庭の家計を圧迫、内需を冷え込ませる要因ともなる。加えてロシアからの天然ガス依存度が上昇すれば、それだけ国としての主体性や経済政策の自由度が下がってしまう。

 現在のウクライナ周辺状況は予断を許さないが、その距離故もあって日本に居ては危機感を感じることはないだろう。が、経済やエネルギーセキュリティの観点から見ると、色々な国の対応の中に様々なサインが見え隠れしている気がする。

 では、戦争は起こり得るのか?

 経済の観点からはノーだ。どの国にとっても割が合わない、少なくとも現時点では、だ。

 ロシアの望まぬ形で誰かが天然ガスパイプラインに手を出したら?

 そうなったときはどう状況が転がるか分からない。

2014/03/03

インドネシアの製鉄所で爆発!?

 嫌韓だとか反韓だとかとは別の観点、つまり一技術屋としてびっくりした話。

 韓国・ポスコ社が現地法人との合弁で立ち上げた製鉄所がある。昨年末に炉の火入れ式を盛大に執り行ったものの、すぐにトラブルで操業停止に陥った、ということだった。原因は高炉の破損…ということで、報道を信じる限りは設計レベルの問題としか思えなかった。ポスコ自体からの公式のニュースリリースも無く、「実際のところどうだったんだろうね」という思いを持ったまま仕事に忙殺されていたのが実情だ。まぁ、ニュースリリースが無い時点でポスコは当事者能力が無いことが露呈したと言える。

 ちなみにポスコの株価は上記の報道を受ける形で急落していた。

 今日、久々の休日にいろいろとネット上をふらついていると、なんと先週辺りに件の製鉄所で爆発事故が発生していたことが判明。しかも、爆発の原因が水蒸気爆発ではないかという報道内容に絶句。これが事実なら、余りにレベルが低いっつーか一技術屋の想像を超える当事者の想像力の無さだ。

 具体的には、先のトラブルで高炉内に固まったまま残っていた鉄鉱石を再熔解させるため、高炉をまず作動させた。この時点で既に事故は約束されたようなものだ、エンジニアとしては常識を逸した判断としか言えない。次いで熔解した鉄鉱石が高炉内にあった水と接触、急激な水の沸騰で高炉の外壁が破壊されるような高圧力蒸気の発生を招いた、というものだ。

 水蒸気爆発は実はそう簡単には起きない。が、起きるとその威力は半端じゃない。だから、蒸気爆発発生の可能性がある場合、如何に起きる条件を回避するかに金や技術をつぎ込む必要がある。いや、そもそも水蒸気爆発が起きる可能性が想定されるようなことは、はなっから選択肢としてはいけない。割に合わないのだ。

 一度、製鉄所内のトラブル対策を受けおったことがある。対象は周辺機器だったのだが、何度か製鉄所にも立ち入る機会があり、製鉄設備の規模感は身体が覚えている。その際に製鉄会社の方に教えてもらったことのひとつが、「いったん動かした高炉は絶対止めない」ということだった。高炉を止めるのは二度と起動しないことが大前提で、止めた高炉の復旧は新規に作るよりたいてい高く付くとの話だったと記憶している。間違っても正規の停止手順、つまり再起動を前提とした対策を含めた停止手順を踏まない限り、再起動は有り得ないということだ。

 さて話をインドネシアの製鉄所に戻すと、爆発は2回発生し、貯蔵していた燃料であるコークス(石炭)にも引火、周辺設備もかなりのダメージを受けた模様のようである。手間や金を惜しんで危険行為に手を出し、更なる損失を出したとなると本当に笑えない。もし危険行為であることを認識していなかったとなれば、もはや底抜けの××としか言えない。報道を信じる限りは爆発や火災に伴う人的被害は無かったようだが、その限りにおいてのみ笑いモノになることはできるだろう。

 翻ってアラブ首長国連邦の原発は大丈夫なのか、事故時にはそのものズバリの水蒸気爆発のリスクもあるのだが。ちなみに別エントリに書いたことがあるトンデモ韓国製品はポスコの系列会社によるものだった。

 何れにしても製鉄所が操業できていない時点で相当な経済的損失がインドネシアで発生している筈である。アラブ首長国連邦の原発プロジェクトでは、損金が発生した場合の負担先は韓国政府、つまり韓国国民の税金だ。このプロジェクトではどうなってるんだい?

2014/03/01

ビットコインって分かってる?続

 TVでMt.GOXの報道。アンカーもコメンテーターもやはりビットコインを全く理解していない。

 先のエントリで触れたコメンテーターはそれでも「正論」は吐いた、ピント外れで説得力が全く無いにしてもだ。今日のコメンテーターは「こんな噂がある」とかもうどうでも良いことばかりしか言わず、挙句には「噂」を山車に固有名詞まで口にする始末。そんなにアレを悪者にしたいのか、と勘繰りたくもなる。きっと知識も興味もないんでしょう。

 このコメンテーター、一時期別の番組に頻?に出てたけど、ホントにしゃべる内容が空疎で説得力がなかった。「ウィキぐらい事前に読んどけよ!」って突っ込みたくなるようなレベルって書くと上手く伝わるかな、この感覚。「一般教養も無いままに聞きかじりレベルの知識を積み上げたって駄目でっせ」、という生きたサンプルにしか見えないということ。

 プルタルコス曰く、「知性とは、満たすべき器ではなく、常に灯し続けるべき炎である」(うろ覚え;汗)

 出自からしてオベンキョは良くできたんだろうけど、「分かってない」ってのは割と簡単に視聴者は気付くものだと思いますよ。こんなの持ち上げてた、或いは持ち上げてる人は「人を見る眼がない」、当然「報道なんて仕事をやっちゃいけない」んじゃないかと本気で思い始めてます。「報道番組こそ双方向性が必要、それをやるだけの覚悟や自信がないなら下らないバラエティでも作ってなさいよ」、と声をにして言っちゃいましょう。

 「噂」に「勝手に尾ひれを付け」て「公共の電波」で「根拠も無く他者を悪者呼ばわり」

一度やったらやめられないわな。

2014/02/27

9POTA, 再び

 著作権上は問題あるんだろうけど、田舎暮らしには有難いYoutube。ソ連のアフガニスタン侵攻に材を取った映画"9 POTA"が再びアップロードされました。あ、キリル文字の英語アルファベット転写では"P→R"ですよ。英語字幕に挑戦する気があるなら一度は観ておこう。

 新兵の髪をバリカンで刈るシーン、実は部下思いの鬼教官、すさんだ前線…米国の情緒的な戦争映画もかくやのお約束の展開もありますが、まずはこの題材で映画が作られたことが重要かと思う。ムジャヒディーンの描き方にも注目、どこまでが意図的なのか、それとも監督は単に「ブラックホークダウン」がやりたかったのか、色々と見方はあろうかと思います。あ、テーマ曲はけっこう好きなのですが、どこにも売ってないなぁ…。

 ついでに"Hamburger Hill, 再び"。

 こちらは米国のベトナム戦争映画。ベトナム戦争映画は当たり外れが激しいけど、本作は当たりの方。演技、カメラにアマチュア臭いところもあって完成度には多少疑問もあるんだけど、むしろ初々しい感じがしてしまう不思議作。残念ながら音楽はかなり残念な方。

 残虐なカットも多いので視聴注意。

ビットコインって分かってる?

 TVでMt. GOXに関する報道。色々しゃべっているけど、アンカーもコメンテーターも「ビットコイン」自体を理解していないのが見え過ぎて痛い、痛いなぁ。想像力が圧倒的に不足しているのか、的外れ、ほとんど嘘の迷コメント連発。

 中共が(少なくとも人民には使用を)禁止しているのは何故か?分かる人にはすぐ分かるよね。

前提が問題なのだ

 あなたもそうだと思うけど、私は嘘つきが大嫌いだ。特に技術分野で底の浅い嘘をつく人間は大嫌いだ。

 「日本海」だろうが「東海」だろうかは実のところどうでも良い。

 「主張の前提が嘘」だから問題なのだ。論理学的には「前提が誤り」であれば、それからどのような結論を出しても意味がない。そういうところ以前の低レベル、なんとかなんないもんか。

2014/02/23

フィアット「ツインエアエンジン」インプレッション- 高速道路での印象

 今日は愛車FIAT 500のディーラー点検で、朝一からちょっとドライブ。方道で普通道約30km、高速道路約70kmで、往復で約200kmだ。平均燃費は19.0km/?、高速道路を使うとNuove Panda FIRE1.2(2004)より1km/?ぐらい良い。

 ささっと印象などを列挙しておこう。
  • 100km/hでのエンジン回転数は5速で2,500弱。この回転数付近ではエンジンに振動があり、ハンドル越しに細かい振動を感じる。
    瞬時燃費はざっくり16km/?以上、ECOモードにすると17km/?台まで上がる。が、周りの車の流れの速度が一定でないと、ECOモードではトルク不足から速度調整時にけっこうアクセルを踏込む必要があり、瞬間的に燃費が1ケタまで落ちる。本当にクルーズできるとき以外は、高速道路でのECOモード使用に旨味はないようだ。

  • 110km/h(速度メータの針が真上を向く)での回転数は5速で2,700~2,800、この回転数以上では上記のエンジンの振動はもう全く感じない。
    120km/hでの回転数は5速で約3,000、エンジン音はおそらく街中を走っている時よりも小さい。Nuova Panda FIRE1.2ではエンジンが金切り声をあげ始めた速度だったこととは実に対照的。5速でもトルクには余裕を感じる。

  • 100km/hからの加速力は、5速のままで160km/hまでスッといけるという印象のレベル。おそらくサイドミラーからと思われる風切り音が140km/h辺りから出る。160km/hとなるとさすがにエンジンは「回ってるぞ」という音を立てるが振動はない。むしろエンジン音が頼もしいぐらい。

  • 足回りが固めということもあってか、160km/hでも全く危ない感じがしない。ハンドルフィールも良好。

2014/02/22

近況、十四度。

 仕事上のトラブル対応でへとへと、やっと明日は休みの公算大。今一つ踏ん張りが効かないのは歳のせいか病気のせいか、おそらく両方。若手の頑張りには頭が下がる、感謝の言葉しかない。

 キム・ヨナの銀メダルに疑問の声もあるようだが、個人的には表情の変化が見えなくて演技がロボチック?CGチック?作り物っぽい?で実は印象が良くない。揺らぎがない、つまり硬いと言っても良いし、要は演技を観ていて引き込まれるような要素に乏しいということなのだ。当人が演技を楽しんでいるように見えないんだよねぇ。その辺りは凄く損をしているのではないか、曲の選択もあまり上手くないんじゃないか、とかとも思うのよ。なんか、パッションを全く感じないんだよなぁ…

 ああぁ、眠いです…

2014/02/13

Heavyocity Media社のDM-307買っちゃった。

 Heavyocity Media社のDM-307買っちゃいました。クーポンディスカウント無しで$299と決して安い買い物ではないんだけど、出てきた音は期待以上、「音が"FAT"」という他の人の評価に激しく同意。これは他のドラム音源を暫く触らないかも知れない。

 1時間程触って操作方法はマニュアル無しでほぼ完全に理解できた模様。

 グリッドと呼ばれるステップドラムシーケンサーが予想外に使い易い。所謂グリッド画面では5バンク(バスドラム、スネアドラム、ハイハット、パーカッション、エフェクト)でしかパターンは組めないが、各バンクのステップ毎のヴェロシティや音色が別画面で細かく調整できる。大雑把にパターン組んで、細かい調整は後から可能という構成は、私のワークフローにはぴったりだ。具体的には、まず基本の仮パターンを組んで、曲全体の構成に合わせてパターンを配置し、全体の流れやベースに合わせてパターン、配置や音色を再調整する、というものだ。

 Cubase7.5付属のGroove Agentもずいぶん進化したけれども、使って感じる不満点は今でも多い。DM-307はこれら不満点の解決法を全て提案しているかのようにすら見える。後戻りを如何に少なくするか、後戻りによるコストを如何に最小化するか、これらの観点から見るとDM-307の機能の整理の仕方は極めて合理的だ。

 もちろん、グリッドは使わずMIDIで直接叩くようなセットアップも用意されている。General MIDIのドラムキットは完全にカバーされていないけど、そもそもグリッドでカバーしている範囲でしか使わなくたって十分だろう。

 コンプレッサとサチュレータを組み合わせたようなグローバルエフェクト"PUNISH"も強力だし、特定のエフェクトをMIDIノートに割り当ててリアルタイムでエフェクトのオン/オフができる"TRIGGER FX"もHeavyocity製品の大きな強みだ。

 NI KONTAKTは基本的にライブラリを使うだけのつもりだったけど、これは自分でデータ組まない手は無いなぁ。

 ずばり、★★★★★!

2014/02/12

СОЧИ2014ですねぇ

 冬季オリンピック絶賛開催中。

 NHKの競技番組オープニングのCGがいかにも古臭い感じでかなりびっくり。重量感(慣性力感)の無さ、中途半端な色使い、荒いエッジレンダリングなどなどテクニックとセンスともに今時それはないだろうと。キャラの足首の動きの異様さは6、7年前までは許されても今じゃガックリの出来、実際の関節の位置はそこじゃないし、そんな動きは実際はしない。が、そこをアップで見せるなんてどういうセンスなの?というのが実感。「プロの作り」って感じが微塵もしないんだよなぁ。

 それはさておき、

 仕事上の必要に迫られて古いロシア語の論文を読解した(工学なので、実際にはグラフと数式が理解できれば良い)過程で得た小ネタをちょっと。ロシア語で使用されるキリル文字と英語アルファベットの対応はかなり微妙、でもいったん覚えると地名とか人名はすぐに読めるようになるよ。例を挙げてみよう。
  • С→S
  • О→O
  • Ч→CH
  • И→I/J
そう、"СОЧИ"は"SOCHI"、まんま「ソチ」なんですよ。"Ч"は"Y"に見えるかも知れないけど、実はキリル文字には別に"У"があるってんでややこしい。ちなみに"Р→R"、"Н→N"とか覚えておくと結構便利。またギリシャ文字起源っぽい対応関係もあって、"Ф(ファイっぽい)→F/PH"、"Г(ガンマっぽい)→G"、"Л(ラムダっぽい)→L"なんてのもある。

 ここまで来るだけでもう結構読めるようになっているよ。

 "Иосиф Виссарионович Сталин"は無理やり読むと、"I(/J)OSIF(/PH) VISSARIONOVICH STALIN"、正解は「ヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・スターリン」だ。つまり"В→V"ってことですな。

2014/02/10

音楽の計画 feat. Megpoid Eng. WIP

 ベース音をどうするかで悩んでいた「音楽の計画」のカバー、単純にサイン波にすることで全体のイメージが明確化した。合わせて全体のZ3TA+2シンセとドラムの音色も見直した。

 やっぱりMIKU V3 Eng.は使い物にならないなぁ…というのが結論。3kHz付近の音量が全くなくて、既にボコーダーを通した音にしか聞こえない。3kHz付近の有無はやはり歌声の印象が違う。オーケストラに負けない声には声量よりも3kHz付近の周波数成分が必要なのだそうだ。

 Piapro Studioにはメモリーリークっぽいバグはあるようで、やや不安定。とは言え、スタンドアローン版のV3エディターよりも作業効率は圧倒的に高いことは明言しておこう。

 あ、Work in Progress / WIP は「作業中」の意味ですよ。

2014/02/07

私の健康問題の原因は…

 軽度のうつ病は現在も治療中で、このブログもリハビリ気分で始めたもの。

 そもそも事の発端は、担当していた実験で機器故障が頻発、調べてみると溶接ヶ所の不良率が90%という酷い有様で、それら対策に追われ続けた結果として過労で倒れたこと。それ以降暫く出社できない状況を何度か繰り返すことになった。まぁ、心が折れた、ということでしょうかねぇ…

 さて、現在は新しい実験の対応でそこそこ忙しい。で、スケジュールも厳しくなってきたところでふと頭をよぎったのが…「また機器故障が頻発しないか」という心配。さっそく関係者に念押しの連絡を入れてみると…

「大丈夫です。今回の装置には一切韓国製品は使ってませんし、製作も韓国ではなくて国内です!」

 あぁ、私の病気の原因は…少なくとも発端は!!…ちなみにポスコ系列会社。

 謝罪と賠償を…

2014/02/02

Heavyocity Media社のDM-307が気になる昨今

 さて、楽曲なんて「ドラムとベースとリードが一つとパッドが一つとボーカルさえあれば良い」というのが個人的なところなのだが、なかなかドラム部分を作り込むところで効率良いワークフローが確立できていないというのが実態。

 単音素材作りからパターンとその配置という下から上へ、或いは逆に上から下へというワークフローに適したツールはそれぞれ有るのだが、上から下までを一気に睨みながらというとやっぱり使う側にも発想の転換とそれにミートしたツールが必要になる。で、気になっているのがHeaviocity Media社のDM-307 Modern Groove Designer、今月発売予定のNI KONTAKT用製品だ。

 持ってはいないのだが同社のAEON Rhythmicのワークフローは正直「あり」だ。DM-307も同じワークフローを継承しつつ、プラスアルファもあるようで期待大なのだ。まぁ値段は高そうなのだが、取り敢えず発売記念優待価格に期待かなぁ…

マッドピエロ/YMOのMegpoidカバー

 元々ピコピコサウンドなのに更にピコピコに。でもアルペジエータは使いませんよ、ディレイ成分も打ち込みです。シンセの最大同時発声数は5!意地でも5!理由は自分でも分かりません!

 シンセの波形は矩形波、パルス波、ホワイトノイズ限定。ではどうぞ。

2014/01/20

ほとんど自作ダブリングツールのテストだなぁ

 良く言うダブリングとは「複数回のボーカルテイクを重ねる」こと。ここでのダブリングは「モノラル音を左右に分離して配置する」ことだ。

 ボーカルを後から入れることを前提としたオケでは、ボーカルが入れるように左右方向の中央には音を余り配置しない。そのため、単一の音を中央から少し左右にずらしてそれぞれ配置するニーズがある。これまではセンドなどを使って左右に分離して音を配置することをやってきたのだが、どうせならREAKTOR5で専用ツール(エフェクタ)を作っちゃいましょうよ、というそれだけの話。ぶっちゃけ、面倒くさいということ。

 原理は単純で、
  • 入力音をモノラルにする。
  • モノラル出力を同じ音量で2つに分ける。
  • 分けた音のうち、一方のみにディレイ(時間遅れエファクタ)をかける。
  • ディレイをかけた音の音量をちょっとだけ大きくする。
  • 分けた音をそれぞれ左右のチャンネルに割り振る。
で終了だ。REAKTOR5を使えば、遅れ時間、遅れ側の音の音量調整、左右チャンネルへの割り振り割合(分離なしの中央配置から左右完全分離配置まで)の3つのパラメータを持つダブリングツールなんて5分もあれば作れてしまう。

 で、早速使ってみたのがコレ。出来上がりに明確なイメージ、或いは「こういう風にしたい」というイメージを持っていないとこんな酷いミックスになりますよ、という好例かも。音数減らしても煩い感じは全くもって上手くない。が、作成したダブリングツールが大活躍なのだ。

2014/01/19

伊福部昭氏の楽曲の迫力!

 今日の「題名のない音楽会」は「伊福部昭生誕100年」、伊福部氏は昭和29年の映画「ゴジラ」の音楽などで有名だ。

 個人的には、伊福部氏の楽曲の持つ迫力の一部は「聴衆の不在」にあるように思う。ここで「聴衆の不在」とは「聴衆がいない」という意味ではなくて、「椅子に座ってかしこまって聞くにはおさまらない」というニュアンスだ。卑近な例えで色々な意味で色々な方に対して申し訳ないのだが、街中を歩いていてふと聞こえてきた祭囃子につい聞き入ってしまうといったイメージである。

 いわゆるクラシカルの伝統的な枠組みに較べてリズムが強調された楽曲は、どこか「血わき肉躍る」ものがある。氏は「作曲家は氏・素性を音楽で語らねば駄目だ」と語ったとされるが、聴く側の中に響きあうものを持つ楽曲が多いのではないかということだ。

 楽曲単独ではなく「映像+楽曲」として楽しむなら、アニメ映画「わんぱく王子の大蛇退治」が個人的なお勧めだ。

 伊福部氏の座右の銘は「大楽必易 大礼必簡」(すぐれた音楽は平易なもので、すぐれた礼節は簡略なものである)だったという。「優れた技術の必要条件はシンプルさ」という点では工学も同じだ。

2014/01/13

2014年打ち込み始め

 ボーカロイド用オケ「Simoon」です。

 年末年始に実家に帰った際、もう25年ぐらい前の手書きの楽譜を数曲分発見。おそらく、雑誌か何かに掲載されていたバンドスコアを手書きコピーしたものかと思いますが、さっぱり記憶が無いという(笑)。

 楽譜さえあれば打ち込むだけ、ということで昨日反日、もとい半日かけてでっちあげました。

 リズム部は楽譜を無視し、YMO版よりもLogic System版に近いイメージで組んでみました。ダラブッカ(アラブ圏のドラム)の音(ワンショット)は以前にウズベクの曲をカバーした際にネット上から入手済みで、演奏方法なども調べた経験があるので、そこそこそれっぽく出来たんじゃないかと。

 歌メロをなぞるようなpadはPadshopのプリセット音ですが、それ以外の音は全てZ3TA+2、ベースから風音まで極力自作音ということで。

2014/01/12

米国の「失望」、キャンペーンが始まってるかも

 本エントリの内容はあくまで主観ですので為念。

 首相の靖国神社参拝に対して米国が「失望」と表明した。以前のエントリで、「米国は怖い」、「キャンペーンが始まったら終わり」と書いたけど、どうもキャンペーンは始まっているみたいな雰囲気が濃厚。年が明けて米国は韓国への戦車部隊派遣も決めたようだが、それも何時までかは不透明ですな。

 あ、勘違いしている人がいるかも知れないので為念、キャンペーンの対象は韓国であって日本じゃない。

 キャンペーンかな?と思われる報道は幾つもあるんだけど代表的なものを二つだけ。

  • 新華経済 2013/12/4  ”韓国が戦闘機製造で「米国依存」から脱却か、米専門家は「韓国も大国製造と同等の戦闘機作れる」”
     米ハドソン研究所のリチャード・ワイツ政治軍事分析センター主任が「韓国は資金と資源を結合させれば、米国やロシア、中国製の性能に近い第5世代戦闘機を製造することができる」との見方を示している。
    http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/367642/

  • 中央日報 2014/1/10 ”アベノミクスは確実、米国・欧州より日本の株に投資を”
     「米国・欧州より日本の株がいい」。9日に韓国を訪れたベアリング資産運用のスコルフィールド・グローバル株式部門代表の言葉だ。…「円安のため輸出が減るという懸念があるが、サムスンやLGなどの韓国企業の技術力はすでに日本のライバル企業が追いつきにくいレベルだ。現代・起亜車も善戦している。韓国はグローバル景気回復の最大恩恵国になるだろう」
    http://japanese.joins.com/article/426/180426.html
怖いっ、怖すぎる。

2014/01/11

「用日」の気持ち悪さと「もしかするといつか来た道」

 中央日報の記事「【社説】政府、「用日」の世論に耳を傾けるべき(http://japanese.joins.com/article/359/180359.html)」の気持ち悪さが半端じゃない。記事中の「国民の相当数が、『用日』の観点で対日関係改善を望んでいると見られる。」という表現には倫理的な観点からも含めて嫌悪感しか感じない。

 「用日」、つまり日本を利用してやろうということである。この嫌悪感は何処から来るのか。

 「国益」という言葉があることから分かる通り、国家間においても損得を踏まえた付き合いは当たり前だ。が、「用日」という言葉には「自分の都合で相手を一方的に利用する」というニュアンスしか読み取れない。

 もし「自分の都合で相手を一方的に利用する」つもりだとしても、それを口にしては元も子もない。本当に「韓国の都合で日本を一方的に利用する」つもりならば、「用日」という言葉を使った時点で終わりである。このような言葉を使うことが引き起こす結果に対する「想像力の無さ」は異常としか解釈できない。

 もし「韓国の都合で日本を一方的に利用する」のが当たり前と「本気で考えている」ならば、その有様は異常なまでに他者への礼を失しているとしか思えない。

 何れにしても、大部分の日本人の感覚からはお近づきになりたくない相手の条件を十分に満たしているだろう。良くて馬鹿か異常のどちらか、悪くすれば両方である。「反日」と「用日」が両立できるなぞ、ファンタジーをも超えて例えるべき言葉も見つからない。有権者としては、間違ってもこれらを両立させちゃうような政権を選んじゃいけないと心から思う。

 歴史を振り返るに、敵対する宮廷内勢力それぞれが、自勢力の強化のために他国を利用するのは李氏朝鮮のお家芸のようである。李氏朝鮮宮廷内の勢力争いに伴う「他国の利用」は、日清戦争、日露戦争ともに重要な原因となっている。

 日清戦争の講和条約である下関条約の第1条は下記の通りである。
清國ハ朝鮮國ノ完全無●{缶へんに欠/ケツ}ナル獨立自主ノ國タルコトヲ確認ス因テ右獨立自主ヲ損害スヘキ朝鮮國ヨリ清國ニ對スル貢獻典禮等ハ將來全ク之ヲ廢止スヘシ
(http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/pw/18950417.T1J.html)
清国は、朝鮮国が完全無欠なる独立自主の国であることを確認し、独立自主を損害するような朝鮮国から清国に対する貢・献上・典礼等は永遠に廃止する(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8B%E9%96%A2%E6%9D%A1%E7%B4%84))
この条文は、一般的に「朝鮮半島の王朝を清国の『属国』状態から解放するもの」と理解されるが、李氏朝鮮に「用清を止めよ」と言っているに等しい。日清戦争により「清国は眠れる獅子ではない」ことがいよいよ明らかとなり、清国は朝鮮半島における影響力を失っていく。だが、三国干渉を経てロシア帝国の朝鮮半島への影響力が高まることとなり、李氏朝鮮宮廷内の特定の勢力が「用日」から「用露」を進めるに及んで、日露戦争へ至る。日露戦争の講和条約であるポーツマス条約の第2条は下記の通りである。
露西亞帝國政府ハ日本國カ韓國ニ於テ政事上、軍事上及經濟上ノ卓絶ナル利益ヲ有スルコトヲ承認シ日本帝國政府カ韓國ニ於テ必要ト認ムル指導、保護及監理ノ措置ヲ執ルニ方リ之ヲ阻礙シ又ハ之ニ干渉セザルコトヲ約ス

韓國ニ於ケル露西亞國臣民ハ他ノ外國ノ臣民又ハ人民ト全然同樣ニ待遇セラルヘク之ヲ換言スレハ最惠國ノ臣民又ハ人民ト同一ノ地位ニ置カルヘキモノト知ルヘシ

兩締約國ハ一切誤解ノ原因ヲ避ケムカ爲露韓間ノ國境ニ於テ露西亞國又ハ韓國ノ領土ノ安全ヲ侵迫スル事アルヘキ何等ノ軍事上措置ヲ執ラサルコトニ同意ス
(http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/pw/19050905.T1J.html)
第1条が「日本國皇帝陛下ト全露西亞國皇帝陛下トノ間及兩國並兩國臣民ノ間ニ將來平和及親睦アルヘシ」であることを踏まえると、日露戦争においても李氏朝鮮の取り扱いが重視されていることが分かる。つまり、李氏朝鮮/大韓帝国に「用露を止めよ」と言っているに等しい。

 朝鮮半島の日本への併合(合邦)が「李氏朝鮮宮廷内が何時まで経っても他国を利用した勢力争いに明け暮れて地域の不安定要因であり続けること」に対する一つの解という認識は、少なくとも当時の米英日では共有されていたことは公開されている外交資料などから明らかだ(例えば、桂・タフト協定(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%82%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%88%E5%8D%94%E5%AE%9A))。

 さて、ここまで来て「嫌悪感」の正体が見えてくる。日清・日露戦争の共通の原因は「宮廷内の勢力争い」に他国を利用することであった。対して、中央日報の記事における「用日」の主体は韓国国民である。

 つまり、「用×」は「李氏朝鮮の『宮廷』のお家芸ではなく、国民乃至は民族のお家芸である」としか思えないということだ。もしそうなら、政権が変わろうが国が変わろうが1000年経とうが「互恵関係」なんて望めない。

 反韓、嫌韓の文脈からよく使われる表現に「こっち見るな」というのがある。件の中央日報の記事は、「こっち見るな」という思いをついに私にも植えつけてしまったようだ。

追記(2014/1/11):

 やはり中央日報の記事「日本を見る目、韓国国民は現実的(http://japanese.joins.com/article/357/180357.html)」も気持ち悪い。「現実的」の意味するところは何か?単なる「用日」ならばそれは妄想、ファンタジーに過ぎない(筈である、これからは)。つまり、それを「現実的」と呼ぶ感性に、日本人の感性とは全く異なるものを見出さざるを得ないのだ。

 どう見ても現在の韓国の「反日」は韓国の国内イシューにしか見えない。国内で解決して欲しいものだ。

2014/01/07

フィアット「ツインエアエンジン」インプレッション- エコ運転への挑戦編3

 さて、うちのFIAT 500 Twinairくんだが、私の運転では16.0km/?がどうやら限界のようだ。Nuova Panda(FIRE 1.2)では冬場が16.2km/?、夏場が17.7km/?だったから、夏場は良くなるんじゃないかとは思う。

 まぁ、Twinairエンジンはすぐに3,000回転まで回っちゃうから、なかなか低回転数維持での運転は難しい。とは言え、何とかなるならDualogic設定を少しいじりたい。どうせシフトアップ/ダウンは手動でやっちゃうんだから、多少シフト設定が変わったところで運転には影響は出ない筈。
  • 3→2速へのシフトダウンが発生し過ぎる。トルクには十分に余裕があるのに2速シフトダウンされるケースが多い。

  • 3→4速へのシフトアップ条件がシビア過ぎる。トルク的にはほとんどアクセル開ける必要も無い条件で、回転数も2,000以上なのになかなかシフトアップさせてくれない。Nuova Pandaではひょういひょいと5速まで上げて定速運転できた、というところで3速のままというのは燃費的には間違いなく痛い。
で、結局どんな時に上記の事項が問題になるかというと、前の車が一定速度で走らない場合だ。高いギアが維持できない。現在の居住地は凹凸が多いのだが、上り坂でずるずる減速、下り坂でずるずる加速+加速し過ぎてブレーキ、というどう見ても燃費悪そうな迷惑な運転をする人が少なくないのだよ。

2014/01/06

年末年始のびっくりどっきり3題

  • 火事だっ!!
     夜、実家でのっそり本を読んでいると、竹が破裂するようなパンパンという音が外から聞こえてきた。どうにも気になった母親がベランダで出たところ、3ブロック程離れたところで火事!!
     幸い現場は資材置き場のようなところで、また風も無かったので周囲の民家は無事。ただし、資材置き場に隣接する月極駐車場の2~3台の車のプラスチック部品や電装系はおそらくおシャカ、実家のベランダですら家事の熱気が伝わって来たんですからね。

  • 紅白歌合戦が酷過ぎ!!
     某TV局はもはや末期的。
     北島三郎ファンの友人は大激怒!!「今回の紅白はサブちゃんの卒業会だろーが!!」。
     ク○○ンを全く評価しない身としては何とも…あの学芸会モドキの出演者の誰一人としてあの企画に反対しなかったのか。仕事は選ぶべきだと衷心より思いますけどね。正直観てられない。
     あの番組を「酷い!頭悪い!」と断言して切って捨てる中学生の親戚を持っていることを誇りに思います。

  • 元旦の一面の記事が日本の事じゃなかった新聞!!
     実家は昔から朝日新聞です。30年ぐらい前に両親に聞いたことがありますが、朝日新聞をとっている理由は特にないそうです。

     それはさておき、

     母親が元旦の新聞の一面を指さしながら口をパクパク、さすがに開いた口が塞がらなかったようです。取り敢えず「まぁまぁ」という感じで右手を挙げて制するしかありませんでした。社説も酷くて元旦早々からもううんざり気分でした。
     反して、天声人語じゃなくて朝日新聞ならば天声人語に相当するところの内容はちょっと面白かったのは救い。記憶が曖昧なのでテキトーに書きますが、現在においてはネガティブな意味でしか使われない漢字「狂」「痴」「愚」には、実はポジティブな使い方があったのですよ、というお話。
     個人的に引っかかったのが「愚」、「賢人こそ愚人のように振る舞う」みたいなことが書いてありました。まぁね、そりゃフツーでしょう。それは賢人対賢人とか、どんな業界であろうともプロ対プロでは当たり前に成り立ってる話です。表層的には穏やかな会話でも、水面下では火花が散ってるもんです。「あ~、その話知らないですよ」と言われた時こそ警戒すべきなのは社会人の常識。国相手では尚更そう…の筈。
     にしても、こんな話を書いた人間の意図は、一面記事への批判か、擁護か、それとも単なる知ったかぶりなのでしょうか。それとも…いや、これは「」ということで。

     あ、天声人語じゃなくて天声人語には時折凄いのがあります。論理性が無く、「狂信か盲信かが透けて見える」ようなヤツ、紋切で「考えてない感の塊」みたいなヤツです。そういうのも多々混じっておりますので、書き移しとか馬鹿なことはやらないで、添削してみたり、点数やコメントをつけてみたりしては如何でしょうか。今日のは「論理性20点」とか、「そんな歴史的事実はないと○○先生は書いていますが」とか、ついでに点数の変化をグラフ化して周期性がないか調べるとか。

2014/01/05

2014年初っ端は本の話

 この年末年始は4日程自由な時間が取れたので読書三昧、遺憾ながら豪快に体重増加しました。

 まずは倉山満氏のシリーズ3冊一気読み。
  • 嘘だらけの日中近現代史
  • 嘘だらけの日韓近現代史
  • 嘘だらけの日米近現代史
時刻歴でのイベントのディテールはかなり端折られているので、事前に他の書籍などでキーとなる歴史イベントの順番、経緯を知っていないとおそらく面白さは半減。個人的な収穫は、ハンガリー動乱と日本の国連加入との関係、米国南北戦争の経緯、ハリマンvsモルガンの構造に対する日本の国策方針など。中曽根康弘氏が「憲法改正には議論が必要」との旨の発言をしたとの報道がつい最近あったけど、スッと落ちる感じがあったのはもちろんこれらの本を読んだおかげ。自分の中に新たな視座が加わるのは楽しい。

 Sci-Fiは1冊だけ。
  • 孤児たちの軍隊 ガニメデへの飛翔 / ロバート・ブートナー
面白くて気楽に読めるのは間違いないが、「21世紀の『宇宙の戦士』」というコピーには偽りあり。説得力のないマンガチックな展開はコメディすれすれだが、キャラの立て方は上手くて(上手く紋切り型に落とし込んでいるという意味で決して誉めている訳ではない)一気に読ませるパワーはある。

 原文はあたってないけど、抒情的な部分の翻訳は結構工夫されたものではないかと思う。この辺りがいい加減だと、上述したようにコメディになってしまった可能性が高い。その甲斐もあってか、プーさんの最期はちょっと切ない。もしマンガ化するなら(はい~?)荒川弘氏に是非お願いしたい。

 その他の小説は3冊。
  • シブミ / トレヴェニアン
  • パラダイス・ロスト / 柳広司
  • アンドロギュノスの裔 / 渡辺温
シブミは訳がやや硬い。柳広司氏のD機関シリーズは安心して読める。渡辺温氏の作品には出会えたことが僥倖。

 その他ノンフィクションなどは3冊。
  • 日本とシナ 一五〇〇年の真実 / 渡部昇一
  • E=mc2 世界一有名な方程式の「伝記」 / D. ボダニス
  • 完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者 / M. ガッセン
「日本とシナ」では「コミンテルン史観」なる概念が提示され、倉山満氏の著作と緩やかにリンクする。ヴェノナ文書に関する書籍は既に2冊読んでいるので、著者らが言いたいことは良く分かった。