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2020/03/10

続々々・某YouTube動画の再生数急増

 色々と多方面にすまねぇ、実質1本の動画で1,000 Subscribers行ってもうた。以前にも書いたけど、同じ方向性の動画をアップする予定は今のところ無いので・・・大部分のSubscribersに対してはとにかくすまぬ。可能な範囲のコメ返しでなんとかお許しを。まぁこの数字、ひょいひょい減る(24時間以内に1~2割はSubscribeが解除される。明らかに逆Subscribe狙いだけっぽい場合もある・・・)ので何時まで1,000超で居られることやら。

 この動画をRecommendしてYouTube的に良い事ってなんだろう?広告がらみなのかなぁ・・・自分でこの動画を検索してみたら、「VF-1AならAma〇on」なんていうエラくざっくりとした広告がページトップに表示されたりしましたけどね。

2020/02/22

続々・某YouTube動画の再生数急増

 私のYouTube動画「SDF Macross - VF-1A Rig Test」の再生数爆増(とその後の減少)についての最終報告です。関連過去エントリは以下。
以前のエントリで予想した通り、3週間(21日)でほぼ状況は終了しました。2/20までの4週間(28日)のチャンネルアナリシスのサマリ(まとめ)は以下の通りです。
Subscriber数(登録者数)は約+155%、Views(再生数)とWatch time(再生時間)は+999%以上と、異常な状態だったことが分かります。なお、昨年夏ごろのチャンネル収益化に必要な条件は登録者数1,000以上、再生時間4,000時間/年とのことなので、意味の無い比較ではありますが、Subscriber数はやや及ばず、再生時間は1年で必要な分以上を4週間で稼いだことになります。

 次いで、件の動画のみの再生数の2/20までの28日間の変化です。
再生数は2/1から急増、ピークは2/4で、その後は基本的に緩やかに減少しています。この再生数の99.6%がYouTube内での再生、99.4%が再生ページのリファレンス元がYouTube内の別ページです。つまりこの再生数の変化の原因は、実質的にYouTube内だけにあると言えます。

 下図は、同動画のImpression数(インプレッション数)の変化です。Impressionとは「YouTubeが動画のサムネイルを表示した回数」であり、ほぼRecommended数(あなたにおすすめの数)となります。 
インプレッション数の変化と再生数の変化との一致がかなり良いことが分かります。両者の変化の微妙な差は、下図のClick-through rate(クリック率)の変化で説明できます。
クリック率は「表示したサムネイルのうちクリックされた割合」であり、2/1以降のインプレッション数の増加とともに徐々に1/3程度まで減少しています。「再生数≒インプレッション数×クリック率」なので、インプレッション数の変化と再生数の変化に微妙な差が出てしまった訳です。またクリック率の低下は「『無駄なあなたにおすすめ』の割合の増加」を意味するので、「あなたにおすすめ」の機能(所謂Recommendエンジン)は、無駄を減らせるようにおすすめ先や数を調整した筈です。

 起きたことは単純です。YouTubeで「あなたにおすすめ」された数が4日間だけ激増、その後ゆっくり減少したため、再生数もその変化にほぼ沿って増減したというだけのことです。1年前には20回/日の動画の再生数が約60,000回/日まで増えました。実に3,000倍です。「あなたにおすすめ」された数の増加から減少へのトレンドの変化には、クリック率の低下が影響している可能性はあるかと思います。

 では「あなたにおすすめ」の急増の原因は何でしょうか?残念ながら入手できるデータからは事実上何も分かりません。ただ、急増までの1年間(2019/2/1~20201/2/1)の件の動画の統計データを見ていると、ちょっと気になるところがありました。まず再生数です。
 10月中旬から11月中旬の約1ヵ月間の間に緩やかなピークがあります。また再生数の微妙な増加は1月中旬から見られます。次いでインプレッション数です。
 増減の特徴は再生数と同じです。特に変なところは見られません。では最後にクリック率です。変動(ギザギザ)の幅が大きいのは、分母のインプレッション数が少ないことが原因です。
ここで、この1ヵ月とは違う特性が見て取れます。インプレッション数が増えると、クリック率も増えているのです!どうやらこの時期、「あなたにおすすめ」は効率の良いおすすめ先、つまり件の動画への興味が高いユーザーのグループでも見つけたようです。

 そこで、見つけたグループと興味の方向性が近そうな、しかし規模が数千倍大きいグループにも件の動画を「おすすめ」してみたら・・・というのが今回の急激な動画再生数変化に対する私の仮説です。さて!

2020/02/12

Youtube Home画面の仕様変更再び

 エントリタイトルの件、今朝からYouTube Mixesのカテゴリが無くなり、その内容はRecommended(あなたへのおすすめ)カテゴリ内に表示されるようになった。Home画面にはRecommendedカテゴリしかなくなったので、カテゴリ分けも意味を失った。益々間抜けな見た目、より頭の悪い感じの論理構造を持つものとなった。

 YouTube MixesはYouTubeが自動的に生成した音楽動画再生リストで歴史ある機能だが、実のところ聴いてみても2曲目で耐えられなくなったことしかなかった。そのため、常に10件以上が表示されていたものの、この1年以上は再生しようとしたことすらなかった。そして今や1件も表示されない、10クリック以下の手間で教育完了だ。

 相変わらずRecommendedは役に立たない。趣味・嗜好に癖があるのは認めるけど、ここまで一向に噛合わないというのも凄い気がする。当日観たばかりの動画を5つも6つも並べて、それも私が検索して自力で見つけてきたものばかりを、しかもしょっちゅうRecommendしてくるというのも頭悪い感じがもの凄い、「Recommend、Recommendって何だ?」ってなる。私の検索キーワードからちょっとだけズラした検索結果を持ってくるだけでRecommendedとして十分機能しそうに思うのだが、一体Recommendedって何をやっているのか?

 昔あったRecent Uploadedカテゴリに相応しい動画を大量に混ぜて数を水増ししているのも見え見えで、もう「Recommendedって名乗るな」ってレベルの理解不能の機能となりつつある。

 アイコンはやっぱり大き過ぎ、画面内の情報密度の低さは依然として不愉快だ。不愉快過ぎるんだ、慣れるなんて無理だよ。

2020/02/05

続・某YouTube動画の再生数急増

 先行するエントリで述べた私がYouTubeへアップロードした特定の動画の再生数急増の件だが、思ったより早く収束しそうな雰囲気が出てきた。ついては後述するように切りのいい感じの数字が出ているので、もう中間評価ということにしてしまおう。

 さて、直近28日間(4週間)の件の動画の1日当たりの再生数は下図の通りだ。急増と言うより激増と言った方が良さそうだ。緑字の「↑>999%」という表示が状況の異常さを良く伝えてくれる。
で、7年半前のアップロードから今日 までの1日当たりの再生数は下図の通りだ。私が笑ってしまったのも分かってもらえると思う。右端以外はほとんど0にしか見えない。
 右端を除く時間域の地を這うようなグラフ線上に、何カ所か小さなギザギザした再生数の増加が見られるが、これらの原因は大部分把握できている。多少なりとも影響力のある人が自身のFacebookまたはTwitterが取り上げてくれたからだ。これらは動画のリファレンス元(=動画のページにどこから来たか)とGoogle検索結果などから、ものの10分ほどで原因となった具体的なユーザやTweetの特定は可能なのだ。

 一方、今回の激増ケースでは動画へのアクセス元の99%以上がYouTube内からであり、明らかにRecommend数の増加が原因である。

 さて、上記した「切りのいい感じの数字」について触れよう。件の動画の今日の1分当たりの再生数は約40回となるが、この数字は年初の1日当たりの再生数に相当する。つまり再生ペースが1440(24[時間]×60[分])倍程度まで大きくなったということだ。いやぁ、やっぱり異常な事態だ。

 ところで、28日分の再生数グラフを見ると、激増前に5日程度を周期とする微かな再生数の増加が見えるだろうか。実は年越し後、最大約100%の再生数増大(つまり、再生数2倍)が複数回発生していたのだ。このような安定/不安定境界とも言えそうな状況下で何か外乱が入って一気にYouTubeのRecommendシステムが不安定化した・・・というのが先のエントリでも述べた私の見立てだ。ここで不安定化とは所謂「逸走」、一方向に吹っ飛んでいくような、雪だるま式とでもいうような挙動を指す。ちなみに私は、工学分野で現れる非線形システムの安定性問題が、大学生時代から就職後も大好物なんですよ。

2020/02/02

某YouTube動画の再生数急増

 7年以上前にYouTubeにアップロードしたとある動画の再生ペースが1ヵ月前の40倍以上までに急増、併せてチャンネルのSubscribe数も急増し、思わず笑う。こんなこと10年無かったわ。誰か幸せになるんなら良いんだけど、7年以上も経つと価値観や世の中の見え方が変わってしまって私自身がほぼ別人なんだよなぁ。
 チャンネルベースの再生数は下図の通りだが、増分はほぼ上の動画の再生数の増分に等しい。なお再生数絶対値は大したことはなく、収益化対象となるためにはさらに100倍近い再生数の増加が必要なレベルだ。
 問題と言うか申し訳ないのは、同系統の動画を作る予定も上げる予定も現時点では無いことだ。つまりせっかくSubscribeしてもらっても、暫くは期待されているような新規動画が私から上がる可能性はほぼ無い。ということもあって、どうせ2、3週間もすれば再生ペースは元に戻るだろうとドライに考えている。故に喜ぶでもなく笑うしかないのだ。

 ただ思うことは2点ほどある。

 一点目は極めて個人的な内面の話。「喜ぶでもなく」というのが、自分でも一瞬驚いたほどピュアな本心であることだ。件の動画は自分の中では既に完了させた個人プロジェクトのアウトプットであるため、再生数やLike数の増加は私の自己承認欲求や報酬系を全く刺激しないのだ。心から有難いけど別段嬉しくはない。あ、コメントは嬉しみあるかな。

 「じゃぁどういう状態が嬉しいの?」と問われれば、この動画きっかけで3DCGモデリングや動画作成に挑む人が現れることや、「この動画はもう何もかもが古くなってしまった!」と唸らされてしまうような動画が氾濫するような状態の出来だ。故に、7年前に1日12時間労働が日常化していた一人のサラリーマンがストレス解消にちびちび作った動画に、未だにそこそこのペースでLikeが付き続ける現在の状況は、当事者としては実はツマらない。

 なんといっても私のオリジナル要素は無く、志の低い単なる作業の結果披露動画でしかないからだ。価値があるとすれば「誰もまだやっていなかった方向性(作画設定にある詳細構造や全体バランスを可能な限り省略、変更することなく変形過程を再現できるモデリング)で、そこそこの質のレベルまでやっちまった」こと、「初志貫徹!口先だけじゃぁなかったんスよ」の一点に尽きる。理想は「やっちまった以上は、忘れられることなく、早く『クラシック』とか『マイルストーン』とか『リファレンス』と呼ばれるようになる」ことだ。だから、ちびちび再生され続ける状況はちょっと嬉しい、忘れられるのは切ない。そしてオリジナル(要は元ネタ)の放つ魅力は未だ凄い。

 「じゃぁ似た方向性で今後やってみたいことある?」と問われれば、「ファースト・ガンダム」かなぁ・・・「イデオン」でも同じ話にはなるんだけど。

 最近私のチャンネルをSubscribe頂いたLucyさんのチャンネル(Lucy の 3DCG World『不良番町 手八丁口八丁』)内の動画を観ながら、「次はザクだよ!旧ザクもだよ!」と思った訳ですよ。方向性はずばり「安彦ザク」。昨今の3Dとして成立しているザクではなく、最初のTVシリーズ画面内の「作画力で成立させているザク」の3DCGIによる再現ですよ!

 金属製のくせに曲がるわ捻じれるわ部品消えちゃうわ股関節の可動範囲がやたら広いわ、その癖画としては決まっている必要があるという超高難度、そして誰もそれはやっていない(エヴァ新劇場版では、ちょっとそういうところにも踏み込んでいるのかも知れないけど)。誤魔化さないのではなく、積極的かつ美しく誤魔化すためのモデリング、リギング、ライティング、カメラワークの追求!背景と前景の画角は当然僅かに違いますよ。モデルを伸ばすんじゃない、画角を変えて伸びるように見せるんです!これぞ手描きの妙の再現!

 とても今はやれんけど、志は案外高い。考えるだけでわくわくするのは世界で私一人だけですか?

 あと松本零士さんの「戦場マンガシリーズ」の航空機の3DCGI再現も!肝は水彩調の塗りでのアニメーションで、迷彩とかになると本当に面倒くさくなるんだけど、様々なマスクの切り方やレンダリングの順番、合成手順など実現性は一応確認しているんですよ。YouTubeが未だ無かった00年代前半の話なので、実はもうかなり忘れてますけど。

 二点目は個人的な微妙に知的かもなな興味だ。知っている人は知っているように、YouTubeでは3、4年前に「日本の80年代シティポップ(歌詞が英語、おっしゃれー(棒)」が主に海外でバズった。Future Funk(笑)にも一部繋がった動きだった。

 この現象に対する解釈、説明は米国人を中心に幾つか為されたが、個人的には「YouTubeのRecommendエンジンが起こした小さくて奇妙な振舞いをきっかけとして、視聴者とRecommendエンジンとの相互作用がバタフライ効果を起こした結果」としか見做していない。つまりコンテンツ自体よりもそのコンテンツがRecommendされた視聴者の反応の方が支配因子であるシステムの挙動の問題であって、コンテンツやその周辺状況の文化的・社会的分析や解釈にはほとんど意味が無いという立場だ。単に米国人にとってエキゾチックに聞こえただけだった程度の話ではないだろうか。

 現に、意味ある派生的な価値創出は無く(様々なバージョンの竹内まりやさんのイラストがちょびっとミーム化したくらいかな?)、結局はネット内で消費されただけに見える。昨年になってこの現象に触れた日本語コンテンツも出てきてたけど、周回遅れが常習の私より反応遅いって何年遅れですか、っつーか反応があればそれだけで儲けレベルのステマが大半っぽいなぁ。まぁ、若い人たちが聞く機会がほとんどなかった楽曲との出会いの機会が新たに創出されたのなら、それもそれで良しですか。iTunesなどの有名どころからは大抵の楽曲は入手できなかったんですよ、少なくともバズったころは。

 おっと、閑話休題。

 そして今回の件の動画の突然の露出も、そのようなRecommendエンジンのカオス的挙動下のものではないかと考えている。このため、アクセス解析データのダウンロードを始めた。落ち着いた(落ちた)ところでデータを分析してみようと思っている。いやぁ「日本の80年代シティポップ」周りのデータ、YouTubeが公開してくれないかなぁ・・・何本も論文が書けるんじゃないかなぁ。

 ちなみにFuture Funk(笑)とは言え、300曲も聞けば聞くに堪えるものの2、3曲は見つかりますよ。

2019/11/16

YouTubeのCOPPA対策強化で何か起きる?

 今回もYouTubeの話。仕様や規約の変更の具体的内容も色々議論に事欠かないところにきて、とにかくYouTubeから出てくる文書の文章、表現が曖昧過ぎるのである。

 米国のCOPPA規制がYoutubeクリエータに与える影響が大きいのではないか、という議論が件のYouTube上も含めて為されている。COPPA(読みはコオゥパ、カゥパ、カーパなど)は"Children's Online Privacy Protection Act"の略で、1998年からあるざっくり「子供に不適とされるオンラインコンテンツから子供を隔離する義務を定めた法律」である。ポイントの一つはコンテンツそのものだけでなく、コンテンツに付随する広告も対象となることだ。

 (良く知らないのだが)YouTubeには"YouTube for Kids"という機能と言うか仕組みと言うかがあるそうで、親などが子供に観せるYouTubeコンテンツをある程度制御できるのだそうだ。ただCOPPA対策としては不十分だったようで、多数の違反を指摘されしまった。違反の多くは「子供向けではない広告の表示」「広告のカスタマイズのためのクッキーによる情報収集」とされる。

 えーと、ここでの「子供向け広告」とは「何らかの価値基準に基づいて、子供に観せても内容に問題が無い広告」と読み替えて頂きたい。そもそも購買力の無い存在に対する「直接的な広告」は実効的には存在し得ないですからね。

 さて、

 このような事態を受け、YouTubeはCOPPA対策の強化を準備、具体的な対策内容の予告とチャンネル所有者への対応要求を始めている。チャンネル所有者なら、チャンネルを「子供向けとするかどうかを設定するように」との通知を最近受けた筈だ。そして近々、アップロードする動画毎に子供向けかどうかの設定も必須としていくとのことらしい。まぁ、COPPAの理念や目的は理解できる。子供向け動画に「子供向けではない広告が表示されない」ことが実現できればそれはそれで素晴らしい。

 では、Youtubeの新しいCOPPA対策に危惧を持つ人々の主張はどのようなものか。実のところ細かい話も一杯あるのだが、ここではとあるお金のからむ話に限定しよう。更にYouTube側の機械学習機能などの間抜けな挙動、もとい影響は考えないことにしよう。

 既に収益化できたチャンネルを持つNintendoゲーム実況者を考える。実況中にうかつな動画や静止画を挟んだり汚い言葉を使ったりしなければ、文句無しの子供向け動画を作れるだろう。さて動画をアップロードするのだが、ここで動画を子供向けと指定すべきだろうか。

 子供向けと指定した場合はYouTube Kidsの対象となり、多くの子供に視聴してもらえる機会は高まる。が、広告は「子供向けとされたものに限定される」こととなり、広告収入は従来よりも下がる可能性がある。YouTubeによれば、「子供向けとされたものに限定される」と付き得る広告の数が60%~90%に減少するとされる。対して子供向けと指定しなかった場合はYouTube Kidsの対象外となり、本来のターゲット視聴者である子供へのリーチ機会は確実に減る。が、付き得る広告の数は減少しない。ケースバイケースも良いところだが、より収益を得るにはどちらが良いかは悩みどころだ。

 ゲーム会社の公式チャンネルへの影響に関する幾つかの議論も面白かった。私なりにそれら議論を咀嚼した結果を基に、子供向け・ファミリー向け志向が強い「Nintendoみたいな会社」を想定して思考実験してみよう。

 「Nintendoみたいな会社」の公式チャンネルの視聴者の年齢層は広いと思われるが、「Nintendoみたいな会社」としてはチャンネル、動画ともに子供向けとせざるを得ないだろう。子供が視聴する限りはほぼ問題は無い。COPPA対策は十分できているし、広告のリンクを辿る視聴者はそもそも多くない。ではゲームを含め娯楽や趣味に使うお金がある子供ではない視聴者の場合はどうか。

 YouTubeにアカウントを持つ視聴者ならば広告はそれぞれの視聴者にカスタマイズされたものとなるが、この場合に表示される広告はさらに「子供向けに限定されたもの」となる。果たしてどのくらいの視聴者が広告に反応してくれるだろうか。加えれば、カスタマイズされた広告群にそもそも「子供向け広告」が含まれていなかった場合はどうなるのだろう。用意される子供用の広告は「カスタマイズされたもの」とは独立である可能性もYouTubeの文書は示唆している(「カスタマイズされたもの」そのものは使わない、との旨が簡潔だが曖昧な表現で書いてある)。まぁ、「Nintendoみたいな会社」の公式チャンネルに来る視聴者なら、「Nintendoみたいな会社」の製品の広告ぐらいはクリックしてくれるだろう。

 で、極端な一シナリオは「『Nintendoみたいな会社』の公式チャンネルの視聴者は、自社以外の広告にほとんど反応してくれない。そのうちに自社以外の広告も表示されなくなっていく」というものである。この場合そのチャンネルのYouTubeからの収益は激減するだろう。このシナリオは、上述のゲーム実況者のチャンネルにも当てはまり得る。

 当然、新しいCOPPA対策の影響は、日本を含む全世界のYouTuber、視聴者が受けることは言わずもがな。

 最後に"New YouTube Policy Could Destroy Nintendo Channels"というタイトルのYouTube動画に対するコメントで思わず笑ってしまったものをご紹介。動画本編の内容は笑えないけどね。

2016: “Your videos aren’t kid friendly enough, no ads”
2019: “Your videos are too kid friendly, no ads”

2016年:「あなたの動画は十分に子供向きとは言えません、広告無しと言うことで」
2019年:「あなたの動画は余りに子供向き過ぎます、広告無しと言うことで」

いやまさにそんな感じになるかもなんだよなぁ・・・

追記(2019/11/19):
 動画に対するコメントなどもYouTubeではCOPPAの対象となり得るとの指摘もあった。YouTube動画"Will COPPA affect scale model builders?"では、予測ではなく当然の帰結として
・子供向けに指定したチャンネルのコメント機能は無効化される
・子供向けに指定したチャンネルのアクセス統計情報は無効化(または非公開化)される
となるのではないかと述べている。それぞれ、汚い言語的表現などから子供たちを守るため(と言うか、YouTubeとしてそのような事態が起こるリスクを無くすため)、主要な閲覧者たる子供たちのプライバシーに繋がる情報を保護するため、と言う理由からとのことである。なるほど。

2019/11/14

YouTubeのRecommendedの耐えられない軽さ、など補足

 思わず動画に投げそうになったコメント:
「やぁ。きみたちはYouTubeを使ったことが無いからわからないと思うんだけど、今回はサムネイルが大きすぎるよ!60%ぐらいまで縮小してくれたら嬉しいな。宜しく。」
とか
「以前のUIに戻すオプション設定が見つからないの。どこにあるのか教えて!」
とか。
"I'd appreciate it if you can..."とか使いつつ米語ではなく英語っぽく、目指すは英国人に負けない意地の悪さ。

 さて、 

 YouTubeのPC用の新しいHome画面についての紹介ビデオが、実は一週間ほど前に公開されていた。つまり今後はこの退化著しいHome画面と付き合わなければならないということのようである<Sigh。

 動画へのコメントを読むとネガティブな反応が少なくなく、具体的な不満点は私のそれらと大部分一致している。幾つかのコメントの厳選された言葉、表現が醸し出す「オマエラバッカジャネーノ」感は結構半端ない。理由はあれこれあれど、動画内で一番最初に紹介されているサムネイルの大型化は目立って評判が悪い。再生キュー機能を歓迎する人もいるが、それはRecommendedがちゃんと機能していないと余りに意味が無いように思う。また画面右下にウィンドウを開いての動画表示も、ウィンドウが表示されずに音だけが流れ、同時に左側ツールバーが非表示となるといったバグっぽい挙動をしょっちゅう起こす。これはFirefox、Chromeを問わない。Chromeで起こすって、もはや最低限の品質管理もできていないってことでしょ。そもそも私には要らない機能なので、無効化するオプションが欲しい。

 経験的に、上記動画左側の女性が何らかの動画内で「ぅへっへっへぇっ」と品無く笑うとYouTube周りでその後悪いこと(≒頭悪そうなこと)が起きるのはもはやお約束。

 次いでYouTubeにチャンネルを持っている人ならご存じAnalytics機能だが、新しいAnalyticsからBetaの表示が消えた(厳密には上階層のCreator StudioからBeta表記が消えた)。つまり今後はこの退化著しいAnalyticsと付き合わなければならないということのようである<Sigh。

 退化とは単純、Home画面の退化と似たOverview画面内の情報量の大激減である。情報の減少は半分などという生易しいレベルではなく、個人的にはもはやOverviewと呼ぶのもはばかられる。表示して欲しいパラメータが8つ足りない、表示されているパラメータのうちの4つは要らない。理想的なOverview画面とは、確認したい全てのパラメータのトレンドなどが1画面内に収められているものである。日常的なチェックならばその1画面さえ見ればOK、ぐらいでなければOverviewとしての機能を果たしているとはいえない。

 画面は有限の面積しか持たないから、確認などが必要無い要素の削除は極めて高度な知的作業たりうる。新しいOverview画面は、第一階層たるOverview画面には不要な要素を表示することにした結果、確認したいパラメータの大部分が表示できなくなったという感じの代物となってしまった。知性の介在が感じられない代物と言って良い。

 これまでのOverview画面には多くパラメータが表示されるため、小さなグラフがたくさん並んでいる。これらグラフを読むものと捉えると、情報不足で得られるものが余りに少ないとか、単に見にくいだけのように感じるかもしれない。だがこれらグラフはそれぞれのパラメータの詳細情報表示画面のリンクも兼ねている。つまり特定のパラメータの詳細情報が知りたければ、そのパラメータのグラフをクリックすればよい。この段階でのグラフはトレンド表示レベルで十分、と言うか表示する情報を考えた上で絞り込んであるところがミソなのだ。UI構造・階層は実に分かりやすく直感的となり、ナビゲーションに迷うことはほぼ無い。

 対して新しいOverview画面は、表示されているパラメータ自体が少ない時点で詰む。Overview画面に表示されていない大部分のパラメータを調べるにどういう手順を踏まなければならないか、Overview画面からは全く分からないからだ。実際、踏むべき手順は多くて面倒くさい。例えば"Likes"取得状況は従来Overview画面のグラフを見れば概略は把握でき、そのグラフをクリックすれば"Likes"取得の詳細情報表示画面となる。1クリックでおしまいだ。新しいAnalyticsではOverview画面から"SEE MORE"をクリックして新しい画面を開き、新しい画面内のグラフや表に"Likes"の情報を追加するためにとあるアイコン(丸にプラス)をクリック、開いたメニューから2階層辿ってやっと"Likes"の詳細情報をグラフや表に追加表示できる。3クリック+メニュー2階層の移動(メニューは読まなければならない)して1クリック+メニューや画面の表示アニメーション待ち、といった手間と時間が最低限必要だ。冴えたやり方を好むハッカー気質は全く感じられなくなった。

 従来なら1画面を開くだけで把握できた情報を、これからは別画面を開いてから更に操作をしなければ得られない。カスタマイズ機能は実質的に無く、いったんやった操作の結果も保存できないので操作量低減に寄与する要素は無い。"Fast. Clear. Actionable."とは本当に笑わせる。ならば以前は"Faster. Clearer. More Actionable."な訳だからね。

2019/11/13

YouTubeのRecommendedの耐えられない軽さ

 YouTubeのHome画面の仕様変更(個人的には大改悪)に触れたエントリで、「Recommendedの教育内容がリセットされた」とうっかり書いてしまった。が、正確に書くならば「リセットされたとしか思えない結果しか返ってこなくなった」というところだろう。具体的に発生した状態は、「以前に『興味がない』と指定した動画またはチャンネルの動画がRecommendされたものの8割程度を常に占める」というものである。

 「興味がない」とした動画やチャンネルをいちいち覚えているほど記憶が良いなんて訳ではない。特定の動画またはチャンネルを「興味がない」と指定する際のルールがはっきりしているだけに過ぎない。

 例えば「(日本の)80年代シティポップ」なんてタイトル、内容の動画は例外無く「興味がない」と指定してきた。ところがタイトルがまんま「80年代シティポップ」だったり「80年代シティポップ」を含んでいたりする動画ばかりがいきなり20個以上Recommendされたのだ。このキーワードをタイトルに含む動画群がRecommendされ続けるに状態には一時期心底悩まされたため、この例に関してだけは「興味がない」と指定したことのある幾つかの動画タイトルやチャンネル名は(サムネイルの絵と併せて、文字列としてではなく絵や図形という形で)さすがに覚えていた。当然のように記憶にあるサムネイル、動画タイトル、チャンネル名がそこに並んでいたのである。そして類似の状態がHome画面をリロードする度に繰り替えされた。

 新しいHome画面では、Recommendされた個々の動画に対していきなり「(この動画を含む)チャンネルからは動画を(今後)Recommendしない」という指定ができる。従来は「(この動画を含む)このチャンネルは好きではない」までしか指定できなかった。従って「チャンネルからは動画をRecommendしない」という指定相当の状態を実現するためには、次々とRecommendされる続ける特定のチャンネルに含まれる動画に対して、延々と「このチャンネルは好きではない」という指定をし続けるしかなかった。という訳で、Recommendedの教育内容がリセットされた(ように見える)状況にはうんざりしたものの、「(この動画を含む)チャンネルからは動画を(今後)Recommendしない」という指定ができるようになったことでRecommendedの再教育が加速できるのではと同時に期待したのだった。だが、結果から言えばその期待は裏切られる。

 まず「指定する機能」の実装の問題がある。

 以前は「このチャンネルは好きではない」という指定はHome画面以外の画面からもできた。動画閲覧画面の右側にサムネイルが縦に並んで表示されている動画に対しても指定できたのである。が、現在は動画閲覧画面では「このチャンネルは好きではない」どころか「(この動画を含む)チャンネルからは動画を(今後)Recommendしない」も指定できない、つまり「(この動画を含む)チャンネルからは動画を(今後)Recommendしない」の指定は、Home画面で動画がRecommendされなければ指定できない。一方、「このチャンネルは好きではない」は画面を問わず一切使えなくなった。これではむしろ教育効率は下がってしまう(=教育に必要な時間が延びる、または教育する機会が与えられない)。

 次いで、「(この動画を含む)チャンネルからは動画を(今後)Recommendしない」というのは劇薬の如く強力過ぎることである。

 Recommendedの教育方法はあらためて考えるに非常にダサく(=ハイテクとか冴えた考えとかと無縁にしか見えない)、例えるならば「『嫌い』は指定できるが、『好き』は指定できない」ものとなっている。つまり、「こういうのが好き!」「こんな感じのものをRecommendして!」といったポジティブな教育はおろか、「この状態を維持して!」といったニュートラルな教育すら不可能なのだ。言わばRecommendedの教育過程とは、

「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」・・・

というネガティブで非常に気持ち悪いものなのだ。もともと「嫌い」を中和するような指定が不可能とあっては「(この動画を含む)チャンネルからは動画を(今後)Recommendしない」は結果が非可逆的でるが故に過激すぎる。間違って「嫌い!」としてしまった場合、それを取り消す手段は用意されていない。

 結論から言うと、まじめに1時間程「嫌い!」「嫌い!」「嫌い!」・・・を、当然興味が無い動画のチャンネルのみに対して繰り返したところ、再生回数が1年で1~2桁の動画がぽつぽつという状態を経て見事に何にもRecommendされなくなった。指定することに意味があるのかと疑問すら持つことがあった従来の「このチャンネルは好きではない」の緩さでなんとか保たれていたバランスは見事に崩壊、私に対してのRecommendedは1日とかからずに破綻したようである。「嫌い!」とはしなかった動画やチャンネルの情報は使われないのか、どこへ行ったのか・・・ユーザ個人に対しては捨てているも同然の取り扱いなんだろうね。

 ちなみに新しいHome画面では、Recommendした動画が無い場合も「空のRecommended欄」が表示される。「ちゃんと考えてつくられたもの、気を配ってつくられたもの」なら、このような場合は「Recommended欄」自体を表示しないんじゃないですかね。
じゃあ「好き」はどこにあるのか。敢えて挙げるならばSubscribed(登録済み)なのだろう。観たからといってその動画やチャンネルが「好き」とは限らない、むしろ観た結果嫌いになっている可能性すらある。しかし、SubscribedとRecommendedのそれぞれの内容が相互作用していると感じたことは一切無い。Subscribeしたチャンネルの動画がRecommendされることはあるが、そんなことされても意味は無い(=知ってた、でしかない)、相応の計算機リソースを消費しながらRecommendはユーザにとって意味あることを一切しておらず何の価値も生み出していない。

 YouTubeのRecommendedには動作だけではなく在り方自体に何か釈然としないものを感じていたのだが、このたった2日間でその理由が分かった気になってしまった。Recommendedがやっていることは、90年代の大々容量データに対応したデータベースソフトができたこと未満の低レベルなものなのである、少なくともこの2日間で起きたことを見る限りは。

2019/11/12

YouTubeの利用規約変更について、現時点での雑感

 YouTubeの(12月からだったかな)利用規約変更が話題、議論となっているようだ。「採算の合わないチャンネルを勝手に削除可能とする項目」の追加が焦点だ。

 「採算の合わない」という表現はかなり政治的であいまいで、ポリコレ対策の一面も持つように思う。加えて「採算の合わないかどうか」は「YouTubeの独自の裁量」によるのだそうだ。つまりYouTube側は「採算の合わない」と判断したとしても、当事者に判断理由などを一切説明する気が無いということだろう。

 まぁYouTubeとて営利企業、儲からないことはやらないというのは至極当然ではある。とは言え、ほんの2年ほど前には登録者200人弱の私のチャンネルに対しても「あなたのチャンネルを収益化しませんか?」なんてYouTubeからのメールが何通もあり、「YouTube必死だな」などと思わされたのも事実。その後の収益化ハードルのインフレも含めてなんとも華麗な掌返し、と言うか、チャンネル収益化プログラムが一気にYouTubeを経済的に潤したということなのだろう。

 ただこの規約変更、Dailymotionなどヨーロッパの類似サービスの衰退原因(とYouTubeの独り勝ちの原因)を彷彿とさせるところもある。日本国内(Googleにとっては余りに小さい市場)の類似サービスへの影響もあるかもしれない。いよいよ本格的にビッグブラザー感や"Be Evil"感が出てきましたね、「採算の合わない」は魔法の言葉。

 「採算の合わない」とは具体的にどういう状態を指すかについてYouTube側からの公式情報はまだ無いらしく、現時点ではTwitterなどで色々な意見が飛び交っている段階のようだ。

 個人的には「広告は付かないが、再生数がやたら多い又は再生時間がやたら長い動画」はサーバー容量、負荷ともに大きいのに収益は全くもたらさないという点で「採算の合わない」と判断されるのではないかと思う。全く別の文脈で書いた以前のエントリで触れた「紳士向けMMD動画」の削除理由には十分だ。Sexual contentに広告が付く筈も無く、反面Sexual content故に再生数を稼ぎ易い。悪目立ちする訳だ。

 権利所有者以外にアップロードされた著作物(映画、TVプログラム、レコード、CDなど)を含む「チャンネルの削除」も容易となる、もはや権利所有者からの通報や削除要請を待つまでも無い。 広告は付かないし、下手をすればYouTube自体のビジネスとバッティングするからだ。では著作権が消失してパブリックドメイン化した著作物はどうか?広告が付けばOKとの理屈もありに思えるが、はたして広告主が現れるかどうか。

 広告は付かないがPatreonといったクリエータへの寄付・援助・応援サービスで一定の収益を得ているユーザをどう取り扱うのか。例えば銃砲店関係者や銃マニア(銃関係にはほぼ広告が付かなくなって久しい)、まだ知名度の無い各種アーティストはYouTubeをショーケース的に使いつつ、YouTube外からの収益を得ている場合が多々ある。このようなユーザをYouTubeは自社サービスにただ乗りしている(フリーライダー)と見做すことになるのだろうか。もうお気づきの方もおろう、チャンネルの有料提供には"少なくとも代替サービスが現れない限り"高いニーズがある。いやぁ、えげつないまでに金の匂いがしますなぁ・・・(逆に"YouTube for Creators with Patreon"プログラムとか格安のチャンネル有料提供でやったらまだ多少の救いはあるかな)。まぁ、日本でもMembership機能利用者がいよいよ本格的に増えることになるのかなぁ。

 おっと脱線。

 そして現在は「動画の削除」までしかYouTubeにはできないものの、新しい規約では「チャンネル削除のみならず、Googleアカウントに基づく全てのサービスから(元)チャンネル所有者をBanできる」ことになる。企業の持つGmailアカウントですら停止される可能性をYouTubeは示唆しているとされる。つまり、「紳士向けMMD動画」を1本アップロードしたがために、Google及び傘下企業の全サービスから締め出される可能性があるということだ。

 まぁ、再生数が少ないことが「採算の合わない」理由にされると私のチャンネルはもう駄目。

 YouTubeも成熟し、結果としてテール切りに手を染めることになるのか。とは言え自社独自コンテンツを持たない保守化したNetflixみたいになったらもうオワコンだ。極端な最期は「キッズ動画専用共有サービス」辺りだろう(最近、チャンネルの動画がすべてキッズ向きか、すべてキッズ向けではないか、両者混合かをチャンネル毎に設定することが要求されるようになった)。ユーザも次のサービスを探す段階に入ったのかもね。

Youtube Home画面の仕様変更?

 突然、PCでのYouTubeのHome画面の見かけが変わった。うっかり何かの設定変更でもしてしまったのかと思ったが、ググってみるとYouTube側の仕様変更の可能性が高いことが分かった。その場合には見かけ等の変更に関してユーザ側にはできることは無いと言う。ちなみにブラウザはFirefox 70.0.1だ。

 なおAdブロッカープラグインを組み込んでいるが、巡回する大部分のサイトに対しては無効としている。YouTubeの場合は「Home画面への初回アクセス時に生理的に苦手な広告が表示された場合」にその日一日中(実際には1~2時間)だけ有効とすることが癖となっている。文化的背景差などに起因して生理的に苦手な広告はさすがに許して欲しい。なおブラウザ画面のキャプチャー時にはAdブロッカーを有効としている。本エントリ中の画像キャプチャー時も同様だ。

 さて新しいHome画面だが・・・

 まずサムネイルが異様にデカいのがウザい。画面内の情報量(例えばサムネイル数)が従来の半分以下まで低下するため正直かなりイラつく。新しいAnalytics(Beta)も同様だが、「一目で分るようにできるだけ大量の情報をコンパクトにまとめる」、「目的達成のためのユーザ操作を最小限にする」といったこれまでの画面設計の方向性と(それなりの)進化は打ち捨てられるのだろうか。なお個人的にAnalytics(Beta)はクソだと思う。遅く、色々と曖昧で、構造が非論理的だ(Slow. Vague. Illogical)。
 ブラウザのウィンドウサイズを変えるとサムネイルサイズも若干変わるが、結局のところ画面内の情報量が増えることは無いので更にイラつくばかりだ。また、Recommendedの教育内容がリセットされているのも地味にイラつく。
 触って数分で分かった表示上の不具合(おそらくバグ)もある。まず、Not interestedを指定されていったん非表示となったサムネイルの幾つかが、ウィンドウサイズを変更すると再び表示されるようになる。これはこれでウザい。また、上の画像の下端中央付近には下向きの「<」みたいな印がある。これはYouTube Mixesの2行目以降を表示させるためのボタンだが、ボタンをクリックしていったん2行目以降を表示すると1行表示には戻せない。上向きの「<」といったそのような操作のためのボタンが無いからだ。仕様だと言うなら「かなり間抜けで気の利いていない仕様」だと断言しよう。センスが無さ過ぎる。ちなみに2行目には1アイテムしか無いので、従来のサムネイルサイズなら1行におさまるのだから尚更ツマらない。

 なお、画面表示以外にも細かな仕様変更が多数あるがここでは割愛する。と言うのも、操作に対してバグっぽい挙動や他画面での操作・機能の制限発生(Home画面の仕様変更が他画面の機能に多数の悪さをしている模様)がみられるほか、仕様が元に戻される可能性もあるらしいからだ。

 ググったところによると、YouTubeはこの種の仕様変更を特定のブラウザを使う特定のユーザに対して行うことがあり、かつ数日で以前の仕様に戻すこともまれではないらしい。ちなみに別のブラウザ(Edge)かつログインしない一般ユーザでは従来通りのHome画面表示だったし、Firefoxであっても(ほぼ放置状態である)別アカウントでYouTubeログインした場合も同様に従来通りのHome画面表示(下図)だった。
  ググった先のページには「慣れるしかない」との記述もあったが、画面当たりの情報量低下が酷すぎ、同じ量の情報を得るための操作が増えて不便極まりない。Recommendedが上手く機能していた時代のかってのHome画面では、サムネイル全数がぎりぎりフルスクリーン表示のウィンドウ1枚内におさまり、スクロールバーは表示されなかった。画面は無駄なく活用され、特段のキー、マウス操作も不要だったのである。同数のサムネイルのチェックにスクロールが必要となった言うことは、操作無しから見れば無限大倍の作業量増加である。

 上述したように、Home画面での仕様変更は他画面での機能の一部が使えなくなるなど悪影響を及ぼしている(操作や機能の一貫性が失われ、できないことなどが発生している)。Home画面でのYouTube Mixes再生周りや再生クエリー周りに明らかにバグがある。バグの実際の原因がFirefox側にあったとしても「意図的にFirefox使用時に適用している」以上はYouTube側の失態だ。まぁChromeも同じバグっぽい挙動をするのも確認済ですけどね。「Home画面以外にも影響する部分に手を入れるが、Home画面さえ意図通りに機能すればあとはどうでも良い」という開発側の低レベル過ぎる認識が透けて見え、極めて不快だ。

2019/08/27

YouTubeの「あなたへのおすすめ」の変な挙動の隙間から見えたもの

 相変わらず体調はサイテーです。まぁ、なんとか生きているということで・・・

 で、閑話休題。

 7月中旬、YouTubeの「あなたへのおすすめ」の内容が突然変になった。具体的には「最近アップロードされた動画」という項目が表示されるようになり、「あなたへのおすすめ」の少なくとも1/3が「最近アップロードされた動画」とダブっていた。

 「最近アップロードされた動画」に表示される動画は例外なく興味が無いものばかりだったので、「あなたへのおすすめ」を再教育しようとすると下の様になってしまう。それまで良い感じだったのにね、残念と言うよりもう台無しですよ。
 そして現在、 「最近アップロードされた動画」は表示されなくなったが、同時に「あなたへのおすすめ」もたまにしか表示されなくなってしまっている。1週間以上は手を入れない(再教育しない)ようにもしてたのにね、突然こうなっちゃいました。これじゃ再教育もできないんだよなぁ。
まぁね、もう「あなたへのおすすめ」には期待しなくなりましたよ。

 一方、「最近アップロードされた動画」のチャンネルを少し調べていて2点ほど気になることがあった。

 一点目は、TV番組(アニメやワイドショー)を(遺法に)リアルタイム配信しているチャンネルについて。

 それまでは任天堂ゲームのプレイ動画だけを上げていたロシア人のチャンネルや、タイ語やインドネシア語のタイトルの動画を上げていたチャンネルが、突然日本のTV番組を配信していたのだ。

 配信者はどうやらチャンネルを乗っ取って使っているようだ。チャンネルのタイトルも変更されている有様なのでパスワードも変更されている可能性が高く、もう本来の持ち主はチャンネルにアクセスできなくなっているのではないかと思う。ちなみに乗っ取られたと思しきチャンネルの中に、結婚披露パーティーや新婚旅行の様子と見られる動画が並んでいるものがあった。これはなかなか切ない。

 二点目は、けっこうMMD動画のアップロードが多く、タイトルに【紳士向け】や【R-18】を含むものが少なくなかったこと。

 MMD動画であること自体は何も問題無いと思うが、いわゆる【紳士向け】や【R-18】のそれらとYouTubeとの相性はポリコレ級、セクハラ級に悪い。単純に、海外ではアダルト向けの動画共有サービスが多数存在しており、YouTubeなどの一般向け動画共有サービスと(それが一種の方便であったとしても)明確な棲み分けが既になされているためである。グレーゾーンは無い。

 故に【紳士向け】や【R-18】ならば既存の枠組みに従ってアダルト向けの動画共有サービスに上げるべきなのである。うっかりYouTubeに【紳士向け】や【R-18】のMMD動画が氾濫、とある傾向のある声の大きな勢力に目を付けられようなら、MMD動画全体が”HENTAIコンテンツ”と見なされて狩られる事態もあり得る。繰り返すが、一神教的価値観が全面に出てくるような状況下ではグレーソーンは無いのですよ。

 日本の漫画やアニメ(のスタイルの絵作り)を”性の搾取”の観点から敵視している勢力は”国連の方から来ました的な名称の委員会”内に既に存在している。更に言えば彼らは具体的な行動を起こすための”口実”を求め始めている。”HENTAI”が漫画、2Dアニメ・ゲーム、3Dアニメ・ゲームにも適用できる概念かつ言葉でもはやある以上、【紳士向け】や【R-18】のMMD動画のYouTubeへのアップロードは日本の漫画やアニメ(のスタイルの絵作り)を”一括して叩く口実”に利用されるリスクを間違いなく伴う。明らかに"HENTAI"コンテンツと見做される3Dエロゲー画面のキャプチャー動画と【紳士向け】や【R-18】のMMD動画とを区別することは、世界中の大多数の人間にとって不可能と言って良い。おそらく区別の必要性すら意味があるとは考えないだろう。

 加えて昨今のYouTubeは”健全化(=家族で安心して観られる動画共有サービス化)”を急速に進めており、現在進行形の”政治的な健全化”が落ち着けばいつなんどき”HENTAI”狩りが始まってもおかしくないように思う。

 ”HENTAIコンテンツ”への広告が有り得ないとなれば、YouTubeが”HENTAIコンテンツ”と見做された動画をホストする理由は商業的に無い。”MMD動画がHENTAIコンテンツであり得るリスクがある”との判断がされてしまえば、MMD動画は機械的・無条件にサービスから除外し、”特定のMMD動画がHENTAIコンテンツかどうかの判定”なんぞに一切のコストをかけないというのが経済合理性というものだ。そして件の判断以降にYouTubeで”HENTAI”狩りが行われれば、全てのMMD動画が狩りの対象となる。件の勢力は狩りの結果を実績(YouTubeは「MMD動画=”HENTAI”コンテンツ」とした!)と見做し、”口実”として利用するだろう。私が件の勢力側ならば、チャンスと見れば自作自演してでも、そうする。”HENTAIかどうか?”はいよいよ陽的に”ポリコレ化”され、”日本叩き(=本来の目的?)”にすら使おうとするかも知れない。

 日本ローカルの某動画共有サービスと同じノリでYouTubeを使う人間が今後も増えると思うが、それは色々な意味で絶対にやってはいけない事(例えば、「アダルト向け動画共有サービスとYouTubeなど一般向け動画共有サービスとの明確な棲み分け」というこれまでの枠組み・秩序を破壊することになり、「新たな規制の導入」という誰も得をしない事態の原因となりかねない)であり、現時点での状況は少なくともMMD動画というコンテンツ全体を日陰に追いやってしまう可能性がある。

 タイトルに【紳士向け】や【R-18】と付ける必要があると思うなら、その動画のYouTubeへのアップロードはやめるべきだ。そんな動画のアップロードは「家族で安心して観られる動画共有サービス」にとってはもはやテロ行為でしかない。アダルト向け動画共有サービス、すなわち【紳士向け】・【R-18】専用のサービスが既に存在するのだから、まさに「郷に入りては郷に従え」、YouTubeではなくそれらサービスを使うのが後から来た人間の最低限のマナーというものだ。

 【紳士向け】や【R-18】とタイトルにつけておけば見逃してもらえるというのは、日本国内のほんの一部でのみ許されているローカルルールでしかない。そもそも日本語を読めない人には【紳士向け】なんて書いてあっても意味が無いし、【R-18】というレーティングもその内容は世界共通ではなく、そのようなレーティング名称すら用いていない(=R-18の意味が分からない人々の住む)国や地域の方が多数派なのである。