首相の靖国神社参拝に対して米国が「失望」と表明した。以前のエントリで、「米国は怖い」、「キャンペーンが始まったら終わり」と書いたけど、どうもキャンペーンは始まっているみたいな雰囲気が濃厚。年が明けて米国は韓国への戦車部隊派遣も決めたようだが、それも何時までかは不透明ですな。来ましたよ、が、もはやキャンペーンではありません。
本来はまだ米国世論形成キャンペーンのフェーズのタイミングなのだが、韓国があんまりにも酷いことが分かったのだろうか。「古い歴史的経緯は水に流し」という米国の警告を、「古い歴史的経緯をいったん脇において」(韓国一部報道機関)とか「古い歴史的経緯を克服して」(日本一部報道機関)とそれぞれの国民に伝えるに及んで、もはやなり振りかまってられない状況に米国も追いつめられたやにも見ゆる。
朝鮮日報の記事、「在韓米軍司令官『韓半島有事でも増援が困難に』」の内容は身も蓋もない。こりゃ警告だ。記事の一部を引用しよう。
スカパロッティ司令官はこの日、米国連邦議会下院国防委員会の聴聞会で「韓半島で軍事衝突の危機が高まったら、兵力を速やかに移動・配置して備えなければならない。しかし予算削減が計画通り進められると、在韓米軍や将来の兵力増派に問題が生じかねない」と語った。韓米両国は、韓半島有事をめぐって「米軍の増援戦力配置、北朝鮮内の戦略目標攻撃、北朝鮮への侵入および上陸作戦、占領地の軍事統制、韓半島統一」という5段階からなる「作戦計画(OPLAN)5027」を策定しているが、この第1段階から問題が生じる恐れがあるというわけだ。まぁ、この展開は読めていたが、現時点でこのような話が出たのは予想外に早かった。他にも考えられる理由はある。
- 韓国の米軍への所謂「思いやり予算」の額がなかなか折り合わず(韓国は1年単位で額を二国間の協議で決定する)、さらに国会での承認が遅れている。(もう承認されたのかな?)要は、米軍は「早く金出せ、額を増やせ」と圧力をかけているとも解釈できる。
- 来年に予定されている戦時統制権の米軍から韓国軍への委譲について、韓国から時期の「再」後ろ倒しの要望が出ている。そもそも戦時統制権の委譲は韓国側から申し入れたものだ。米軍からすれば「返せ!返せ!と煩いから返すことにしたら、今度は返してくれるなとは!」という展開で、「もう、どうでもいいや」とあきれ果てているんじゃなかろうか。同じ文脈で「北朝鮮の無人機は実は韓国の自作自演」と読む向きもあり、この時期にことさら韓国が北の脅威をあげつらうのも煩わしいと思ってるんじゃなかろうか。
- 韓国は米国のミサイル防衛システムに参加せず、独自のシステムを構築すると決定した。だが、肝心の迎撃ミサイルは米国に売って欲しいと言う。また、韓国は次期戦闘機としてF-35Aの随意契約による導入を決定したが、なんか色々と韓国側が一方的に有利な購入条件を付けようとする動きを見せている。どうも韓国は「随意契約」の意味が分かっていないようだし、購入代金だって米国から借りる予定というからあきれる。韓国に貸す金があれば、米軍としては「それをそのままこっちに回せよ」と言いたいんじゃないか。
- 中韓接近を米国は嫌がるだろう、っつーかもう警告済みなのにね。米軍としては「勝手にすればぁ」と腹決めしたのかも知れない。
- アイゼンハワー公園内の「退役軍人記念園」に「平和の像」なる変なものが建てられたので、何気に米軍や退役軍人達が怒り心頭状態なのかも知れない。「平和の像」から回り回って「米軍も加害者(客)」という歴史的事実に行きつくと、いよいよ「米軍も韓国の被害者」になってしまうしね。
- 韓国は陸軍兵力11万人削減を予定している。米軍にすれば「本気か?」だろう。
- 予算削減は避けられないにしても、米軍としては削減幅を圧縮したい。韓国が騒げば米国議会への圧力とできるが、何せ韓国の騒ぐ内容が低レベルなので痛し痒しなのだろう。ただし、米軍は「韓国への軍事的コミットメントを米国として出すのか出さないのか」を明確にするよう議会に圧力をかけていることにはなる。議会が「金は出さない」と決定すれば、後は言わずもがな。韓国が金を出さない限りは、米軍は韓国に対して何らの軍事的コミットメントを出す理由もない。
さらに今の日本は「韓国のために」米軍に金は出すまい、いや出せまい。
今後の展開如何で、米国の大統領と軍の意思疎通のレベルも推し量れる可能性もあるし、本件に関わる国内マスコミの報道内容から色々と見えてくるものがあるだろう。 - …以下略
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