ウォン高は輸出依存体質の韓国経済には辛いが、別に私はウォン高を喜んでいる訳では無い。まぁ、色々と理由が知りたい訳だ。
学問としての経済学はさておき、実態経済には私はからっきし弱い。故に「何故為替介入は功を奏さなかったのか?」という疑問が生じたのでちょっと調べてみたら、「何故IMF(国際通貨基金)が韓国の為替介入に警告を発したのか?」というかつての疑問の答えもうっすら見えてきて、ちょっと目から鱗な気分なのだ。
キーワードは「外国為替平衡基金債券」だ。不勉強でその存在を今日まで知らなかったのだが、こいつを知っておかないと確かに見通しが悪い。
「外国為替平衡基金債券」は、例えば対ドルではドルを入手するために発行する債券だ。ポイントは、米国債よりも利率が必ず高いこと。プラスアルファのプレミアム利率を加えることで購入者のインセンティブを高めるという仕組みだ。
問題は、「外国為替平衡基金債券」で入手したドルがそのままウォン購入という為替操作に使われている可能性が高いこと。為替操作によってウォン安誘導、維持に成功すれば、プレミアム利率分は一部なりとも取り返すことはできるかも知れない。が、対ドルレートが変化しない場合は利率分の負債は出る訳で、為替操作が功を奏さずさらにウォン高が進行すると負債は増えるばかりだ。う~ん。
韓国の外貨準備額はGDP比で見ると必ずしも高いレベルではないそうだ。外貨準備額が十分であれば、為替介入の資金源として新たな債券を発行する必要はない。もし為替操作を実施していて、かつその資金源が実質的に「外国為替平衡基金債券」によるものだけだったとしたら…ちょっとでも想像力があれば結果は歴然だ、「自転車操業」はまだ良い状態、ブレーキの効かない車でチキンゲームに挑むようなものだ。
では、韓国にとって最悪のシナリオは…
- 「資金が潤沢な投資家」がウォン買、ウォン高を誘導
- 韓国、為替操作資金確保のため「外国為替平衡基金債券」を発行
- 「外国為替平衡基金債券」の購入者は実は「資金が潤沢な投資家」
- 最初に戻るを複数回繰り返す
- 「資金が潤沢な投資家」がウォン買を停止、ウォン安或いはウォン安定を誘導
- 「外国為替平衡基金債券」の償還開始、「資金が潤沢な投資家」は利率、為替変動益で大儲け
- 債券デフォルトで「資金が潤沢な投資家」以外は大損、韓国経済破綻!?
つまり、
- 為替操作をしなくとも為替相場が安定するだけの実態経済力(日本では内需の大きさがこれをかなり担保している)を韓国が持つ
- 借金することなく為替操作できる外貨準備額を韓国が確保する
- 韓国は為替操作を諦める
で、以上のシナリオに一部なりとも真実が含まれているなら、IMFの警告の意味は明確だ。IMFは「為替操作自体」に警告を発しているのではない、「為替操作に必要な資金確保過程で雪だるま式に増える負債」に警告を発しているのだ。
では、韓国の負債のヘッジ先はどこか。多くの企業は中共にそれを求めているようだ。
え~っ!?
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