2014/06/26

ウォン高進行、いかんともし難し?:破

 いつもと違う、は重要だ。何らかのシグナルの可能性がある。

 今日は対ドルウォン高の進行が止まらない。実は昨日からいつもと違う。じゃあ、いつもはどうかと言うと、
  • 午前9時にウォン高進行開始。
  • 午後3時にウォン安進行開始。これが「韓国の不透明な為替介入」が疑われる主要な原因だ。時刻から「江頭介入」とか「エガちゃん介入」などと呼ばれているようだ。
といった具合。昨日(6/25)はと言うと 、
  • 午前9時からウォン安進行開始。
と、明らかにこれまでと違う展開だ。で、今日(6/26)はと言うと、
  • いつも通りに午前9時にウォン高進行開始。
  • 午後3時を過ぎてもウォン高進行継続。
といった新展開。下図は左端が6/24 0:00だ。
正直なところウォン安進行要因はないから、ウォン高は必然と思える。

 ただし、経済政策としての為替介入はざっくり一定のルールの下では許される。ルールその1は、「介入規模、時期を公表すること」、つまり為替介入には透明性が求められる。ルールその2は「急激な為替変動を抑えるためのオペレーションであること」、つまり為替変動をまろやかにするまでは良いが為替レートそのものを特定の値に誘導するようなオペレーションは許されない。疑われている韓国の為替介入は非公開かつウォン安誘導、すなわち2つのルールともに破っていることになるから非難の対象となるのだ。

 邪推を許してもらえれば、下記のような事態が推定できる。

 推定1
  • 昨日(6/25)午前9時からの対ドルウォン安進行は韓国の非公開の為替介入による。ついにエガちゃん介入から更に一歩踏み込んだということだ。
  • この為替介入に、いよいよどこか(米国商務省とかIMFとか)が韓国に非公式に抗議、或いは警告した。つまり、韓国は一線を越えたと判断された。
  • 今日(6/26)は韓国の為替介入オペレーションが実施されていない、或いは規模が大幅に縮小されて効果が見えない。 

 推定2
  • 韓国に為替介入オペレーションに必要なドルが一時的に無くなった。原因にはドル建て国債の償還、昨日の為替介入オペレーションが大規模過ぎたことなどが考えられる。

 推定3 これは昨日時点で可能性を考えたもの。いわば最悪のシナリオだ。
  • 市場自体が対ドルウォン安を指向し始めた。つまり、ウォン大暴落の開始である。

 今日の状況を見ると推定3は幸いにして無いようだ。とは言え、今後も状況を見守っていく必要はある。はたして「急」はあるか?

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