対ゴキブリ殲滅作戦「座卓の嵐作戦」は順調に成果を挙げているが、いつかは本拠を攻めなければならない。しかしながら「クレンダスゥ侵攻作戦」で犯した人類の失敗を鑑みれば、暫くはアラクニド、もといゴキブリに関する情報の収集と分析に時間を割くことも必要である。
意図的な特定地域のみでの外科的掃討後の新個体の出没タイミングや新個体の大きさ、出没地域やフンの分布などのインテリジェンスを総合して判断した結果、昨夜ついに敵根拠地を特定したとの確信を得るに至った。私のアパートの部屋の洗面所シンク下付近はあくまで前線基地、本拠はアパートの隣室にある。
この分析結果を踏まえ、本日13:00(日本時間)をもって「座卓の盾作戦(乙号)」を新たに発動した。なお、新ピケットライン(洗面所-キッチン境界)を越えて居間にまで侵入した個体は従来通り外科的な殲滅対象とするが、新ピケットラインを越えない個体、特に大型個体に対しては暫くの間、外科的な殲滅対象とはしないこととした。
本作戦の主眼はあくまで本拠地(繁殖地)の殲滅であり、手段は固定式化学薬物兵器(キンチョー・コンバット)の隣室との接続経路がある洗面所シンク下及び新ピケットライン端部(壁面隣接部、ドア隙間あり)への配置とした。当該固定式化学薬物兵器の使用は初めての経験だが、調達価格が格安類似品の約12倍と極めて高いことから、相応の効果が得られるものと確信している。
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