2014/07/27

現政権の外交姿勢を「ドーナツ外交」と平気で口にする人は

適切な状況認識ができていないか、口にしない別の意図を持っているか、公共の電波を通しての場合は意図的な偏向情報発信の可能性がある。

 「中国や韓国といった重要な国が抜けている」という文脈で使われる場合が多いようだが、少なくともジャーナリストを名乗る人や報道機関は、まず「重要な国」の定義というか判断基準を示して欲しい。個人的には、経済関係や安全保障、人道問題などの観点から二国間関係が中共や韓国よりも重要だと思う国は多数ある。

 例えば、ソマリア。ソマリア沖は海洋資源豊富な好漁場だったが、韓国の遠洋底引き網船の乱獲と韓国漁民の現地漁民からの搾取が漁民の海賊化のひとつの原因となった点はそう簡単には動かせない。日本として何か出来ることはないか、海賊対策と並行して一考していみる価値は十分にある。積極的平和主義の向かう先は、単に自国の軍備の整備だけじゃないと思うが故だ。NPOとの協奏なんてアプローチが有ったって良い。この種のアプローチの場合の最大の敵は概して既存の利権集団だが、真面目な話、「病根を絶つ」ためなら外科手術的対応も時には必要だというリアリティも要求されるんじゃないかと思う。

 もう一点。日本にとって北朝鮮からの日本人拉致被害者の奪還は韓国とは全く違って国家的悲願だ。故に日朝間でに外交交渉が現在も進められている(筈)。となれば、中共、韓国外しは「ドーナツ外交ではなく、8字或いはθ外交」ではないか、という上げ足取りを至極真面目にしておこう。様々な意味で北朝鮮政権と韓国政権・政府及び韓国国民のうち声の大きい人達との間には良い意味で違いがある。現行の世界のリアリティの下で、両者をいっしょくたに扱うのは北朝鮮に対して失礼だと思う。是々非々ができない集団とそれができる集団とは、民族とか宗教とかとは無関係に適切な区別が必要だろう。

 まぁ、ドーナツ外交なる表現は、中韓が世界の中心だ!的な単なる中華思想、小中華思想の反映である、と切って捨てることもやぶさかではない。中華思想&小中華思想は、「かまってちゃん」的甘えと、格下/格上といった関係性でしか他者との関係性を捉えられないレベルの低いコミュニケーション能力やリアリティの無さを糊塗し、両立させるための奇弁としか私は考えていない。一般的な日本人の感覚に照らせば、憐れむことはあってもそれに組みすることはできないだろう。

 一口かじって輪ではなくなったドーナツ、かじるまであった穴は何処へいったのか?

 いやいやドーナツには穴なんて最初っから無いのである。穴が有るという認識自体がそもそも間違っているのである(いわゆるドーナツの穴は、そもそもドーナツの一部では無い)。百歩譲って穴が有ったとしても、自らをドーナツの穴に例えるということは、自らが空虚な存在でしかないことの告白としか思えない。どこまでMなのよ、論理性が無いのよ、と思わずにはいられない。

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