2014/07/12

「報道特集」で技術実証機「心神」報道

 エントリタイトルの通り、自衛隊の技術実証機「心神」に関するTV報道があった。紹介は「ステルス技術」と「高機動技術」にフォーカス、他の技術には触れられなかった。分かり易さ、時間の制限からは仕方無かったのか、自衛隊側からの制限があったのか、それとも報道する側に何らかの意図があってのことなのか、こういう分野に多少なりとも興味がある人達となら常識として共有されているだろう幾つかの事項に全く言及がなかった。

 まぁ、報道する側もされる側も意図がある筈だ。その辺りを推定するのも楽しいっちゃ楽しい。これは推定すること自体が楽しいのではなくて、「1年後、3年後にこういう事が起こる筈」を積み上げておいて実際その通りになるかを見守るところに面白さがある。ぶっちゃけ、「技術実証機に関する踏みこんだ一般向け報道はNHKが最初、今年8月辺り」と読んでいた身としては、「何故そうならなかったのか」と言う点に関する「一人反省会」が必要だ。

 報道では「心神」という呼称はついに登場しなかった。ここ半年程は朝鮮半島と米、中の情報トレースにフォーカスしてきたから、実は「心神」周りの情報は積極的には漁ってこなかった。この辺りをなんとか説明できるようなコンテクスト(文脈)が自分の中に無いのは気持ち悪い。技術実証機でも命名式みたいなものをやります、なんて話なら分かり易いのだが。

 報道VTRでは「ゼロからの独自開発は技術者の悲願」というような視点がかなり強調されていて、ケレン味のない「プロジェクトX]の前半部だけみたいな雰囲気があった。正直、観ていて「変な報道内容だな」という思いに囚われ続けた。要は「何故、今、技術実証機なのか」という「何故」の部分に全く踏み込まないのだ。つまり「心神」の流れを組み込んだビッグピクチャー(全体像)に繋がる部分に全く触れなかったのだ。本来の報道、というものは良くも悪くもそこに踏み込まなければならないんじゃないだろうか。

 上記の点の裏返しのように、VTR後のスタジオで次のように語られる。

 「技術者の悲願、といったまるで美談のように認識することは危険。『何故、そのような技術を開発する必要があるのか』という国民的議論も無いまま税金が投入されている状態はおかしい」

 でも、報道VTRを放送したのも、スタジオでのそういう発言を放送したのも同一の報道機関だ。このような第三者的な発言が出ることは、まず結論ありきの偏向、或いは提灯報道ではあり得ない。真っ当な報道であれば尚更あり得ない。可能性は幾つでも考えられる。
  • 自衛隊は取材は許可したが、報道VTRにも口を出した。自衛隊の意図が強く反映されたVTRに対して、嫌味が口をついて出た。たとえそうであっても、自衛隊側の意図は、情報統制の視点、報道機関の反応調査の視点など見方によって幾らでも考えられる。対中メッセージの可能性だってある。
  • 最後の発言を電波に乗せたいため、報道VTRをわざと「技術者の悲願」路線にした。これは誘導のための偏向報道のそしりを免れない。
  • 原因部分が上記2点のミックス、つまり、大人の事情による制限から自衛隊と報道機関が同床異夢状態となった。つまり、たまたま。
  • 報道VTRの編集が実は「実質的に」自衛隊によるものだった。報道VTRが報道機関局外の会社、組織によって編集され、報道機関は内容に口を出せなかった。情報管制の観点からは、報道機関本体より、資本規模が小さくて目立たない下請け業者に手を回した方が費用対効果が大きいように思われる。実際のところ、下請け会社(製作専門会社)無くして現在のような番組の増産体制は維持できないだろう。極端な話、自衛隊、政府による報道管制のテストケースであった可能性。
  • 報道機関内が様々な外圧により分裂状態にある、陽的に分裂工作が行われている。自衛隊や政府がその報道機関の分裂状態を図るために観測気球を上げた、或いは報道機関を使ってカウンターインテリジェンスを仕掛けた。それとも…怖ぇぇっ
実際はどうだったのかなぁ…

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