2014/05/23

アジアワッチ、十五度:韓国社会の限界?

 少なくとも技術の世界においては、見たもの、読んだものから何を得たかはその人のレベルを推し量る一つの指標だ。重要なのは理解度なんて低いレベルの話ではなくて、如何なる解釈を導き出せるかにある。実話か作り話かはともかく、「落ちる林檎」の逸話はニュートンの非凡さを後世の人々に十分に伝えて余りある。

 この観点に立てば、「誤った解釈しかできない人」は無能と見做すべきではなく、単に物事の解釈において何らかの壁があるだけと見做すべきとも言える。壁の内外では景色が違う、見える世界が違う、というのは単なる例えではなくて、「分かっている人」と「分かってない人」は実際に違う景色を見ながら違う世界を生きているのだ。

 で、紹介するのは中央日報の記事「大震災時に自分の子供よりも学生世話した日本の教授…訓練の力」。

 こんな解釈しかできないのがおそらく韓国の限界。全く「分かってない」のである。

 我々大多数の日本人とは違う、おそらくより狭い世界の中を多くの韓国人が生きているということなのだろう。韓国が安定して本質を踏み外しながらそれに気付かない原因が、こんなところからも見える気がする。

 何かを生み出そうとするなら、まず主体たれ。マニュアルなんて無いのが当たり前だ。

2014/05/21

Popol Vuhってこんなんです。

 ポポル・ブフ(Popol Vuh)ってこんなんです。埋め込んだのは1970年のファーストアルバム、1972年のアルバムではもう個人的にはさっぱり興味のない音になります。ま、良くあること。
 
 あ、iTunesで買えますよ…買う人いないかぁ。

アジアワッチ、十四度:1ドル1022.5ウォンが何かの基準?

 本日も、1ドル1022.5ウォンを切った直後に一気に3ウォンほどのウォン安へ、このような動きは判で押したようにこれで3回連続だ。資金力がある誰かが1ドル1022.5ウォンのラインを死守したがっているようにしか見えない。

 韓国は「不透明な為替介入」を米国に指摘されて久しいが、これだけ分かり易い為替相場挙動を見せられると米国の指摘の説得力はいや増すばかり。「もっと上手く、介入がばれにくいやり方だってあるだろう」にと思わずにはいられないが、「その種の狡猾さが韓国には全くない」んじゃないかってのが正直な個人的認識だ。申し訳ないって言うか遺憾ながら。

 なんかの利率が2.25%で、それがこのラインの根拠だったら笑っちゃうなぁ。それなら分かり易い、主体も目的も実に分かり易い。

 或いは、「韓国を為替介入する悪者」に仕立て上げたい何者かの策謀か?とは言っても今さら得する人間なんて思い浮かばないんだけどね。

 ウォン安に向かいたければ隠していることを公にすれば良いだけかも、粉飾決算などの嘘をつかないで良いだけかも、と意地悪な事も言いたくなる。が、現在のウォン高は「そういうもの」なんて納得ずくの相場だから、為替介入によるウォン安誘導は誰かの利益源になっていると考えていいと思う。

 まぁ、何れにしても「為替介入によるウォン安誘導」は国家経済の弾力性向上にはなんら本質的な効果を持たない。本質を踏み外した手法でしかないよね。

中国女/Megpoidカバーのスタブ

 飽きるまでは突っ走る性分故か、とにかく前進。「マッドピエロ」、「東風」と来た以上は、所謂「ゴダール3部作」の残りである「中国女」までは行かなくちゃいかん、とその一念のみ。曲の好き嫌いとは全く別次元の一種の様式美みたいなもんだ。

 実は昨朝に毎年恒例の関節痛を発症、季節の変わり目に腰と膝が痛んでほとんど動けなくなる状況となっており会社も休んでいるのだが、今日午後になってなんとか痛みが引いてきたのでささっと以前に一度組んだものを整えてみた。

 ドラムパターンなんて組んでられないから、今回のリズムは全てフリーのループサンプルで組んでみた。どうもループサンプルは上手く使えなくて今まで完成版に使ったことはなかったのだが、今回はドラムパターンへの要求が明確だったので、直ぐに良さげなデータを見つけることができた。今後は飛び道具的にループサンプルも使っていくようになりそうな気配。

 フランス語部分はグーグル翻訳の発話結果を録音し、取り敢えず貼り付けてみたところ。音声データの切った張ったはまだこれからだ。

 あ、KRAFTWERKっぽい「ぴゅん!」って音はZ3TA+2の自作音ですよ。

 あ、動画では"Megpoid Whisper"になってますが、実際はもちろん"Megpoid English"。拙速はいかんですなぁ。

2014/05/19

「東風」Megpoidカバー、リビジョン0

 前にも書いた事があるけど、素人目には「東風」という曲は構成が綿密な癖に強靭だ。宇宙戦艦ヤマトだって2199で獲得できたのは強靭さだけで構成(ストーリー展開)には綿密さが全く無かったことを思うと、両方備えた「東風」はやっぱり名曲なんだなと思う。実のところ、中間部(の音を残した部分)以外は全然好きではないのだが。

 ここで強靭さって呼んでいる特性は、具体的には「うっかりするとあっさりカッコ良くまとまってしまう」というところだ。「東風」自体が「東風らしさ」をいたるところに備えている、とも言い換えても良いかもしれない。だから、音楽に対して真摯ではない生半可な覚悟しか持たない人間がこの曲の解体、再構築を試みても、結局「東風」か「東風ではない別の何か」のいずれかしかならない気がしてしょうがない。もちろん、覚悟の無い私はそんなこと試みない。

 これはそういうもの。

2014/05/18

「集団的自衛権行使容認」について思うこと

 こと「集団的自衛権行使容認」に関しては、公明党の山口代表の語る内容は論理的で真っ当だ。だが、それは「従来の解釈を無批判に是とする」限りにおいての話であって、「従来の解釈に問題がなかったのか」というところに踏み込んだとたんに論理は破綻する。とは言え、自民党の某衆院議員の発言には論理性の欠片も無く、語る内容を聴くだけでも苦痛だ。

 話が無意味に捻じれる原因のひとつは、議論の前提の論理的事実が必ずしも周知されていないことにある。大部分のマスコミが明確に報じてこなかった罪は大きい。何らかの意図があったのか、単にバカなのかの判断は保留しよう。最近は報道内容もちゃんとしてきたからね。

 「集団的自衛権」を日本は保有している。国際法上も、国連憲章上も明らかだ。

 議論の焦点は「行使するか否か」にあるのであって、「集団的自衛権の有無」ではない。ゴールデンウィークの朝○○○夕刊の素○○では、「集団的自衛権の行使容認を憲法の精神を捻じ曲げるもの」と表現したが、個人的にはこれまでの「行使しない」という立場の方が捻じれているとしか思えない。「集団的自衛権を持ちつつ、それを行使しない」という立ち位置の方が特殊であって、「持っている権利は行使できる」という当たり前の論理に従えば、「行使しないかどうか」は議論の対象にできるとしても、「行使できるかどうか」は議論の対象にすらならない。

 繰り返すけど、「日本の集団的自衛権保有」は国際的に認められた、日本国憲法の外、或いは上位にある概念なのである。自民党の某衆院議員の発言がなぜ論理的ではないかというと、「日本国憲法の枠内でしかない視点」から語りながら、「日本の集団的自衛権保有」まで触れるからである。「日本国憲法の枠内でしかない視点」なら「行使しないかどうか」という従来通りの範囲のことにしか触れてはいけない。

 本ブログを定期的にチェックしている人なら、2199批判とほとんど同じ論展開であることが分かるだろう。合理的、論理的整合性が大事な点は、アニメだろうが国際関係だろうが同じということだ。

 私は大枠では「集団的自衛権行使容認」の立場だ、というか「集団的自衛権を行使しない」という従来の憲法解釈がおかしいという立場だ。日米安保条約は軍事同盟であり、自衛隊はどう言い作ろうが軍隊だ。ナチス政権下でポーランド、フランスなどに侵攻したドイツ軍の名称が「国防軍」だったことを指摘しておこう。名称なんて意味はなく、名称や名目を利用するのは優れた知恵者か、単にずるいだけの人間のどちらかしかあり得ない。イノセントであろうとする人間は声を挙げる資格すらない。

 「集団的自衛権行使容認」に対する個人的な思いに少し踏込んでおくのが礼儀というものだろう。

 私が思うところは、「PKO、PKF参加自体をグレーゾーンとせず、議論の余地なき状態とする。基準が明確であれば参加しないという判断もあり」、「グレーゾーンを排し、海外からも日本がどう振る舞うかを分かるようにしておく」、「自衛隊員、国民が血を流すことになっても、その流した血が無駄にならない(新たな戦争を引き起こさない)ようなきっちりとした枠組みを明確にすること(この点はまだ具体案が明確にできていないが)」などだ。1点目は主に国内問題、2及び3点目は安倍首相の唱える「積極的平和主義」と関連が深い事項だ。

 要は、「日本の集団的自衛権行使容認」を進める以上、「戦争勃発の抑止力や地域安定」にプラスに働く運用枠組みを与えたい、という考え方だ。日本を国際社会で信頼される、つまりダブルスタンダートを用いず理と義(モラル、公正性)の観点から常に合理的かつ妥当に振る舞うプレーヤーたらしめたいという考えだ。この枠組み内では「力の大小」は機能しないため、「力による解決」のみを希求する主体をけん制できる実効性のある数少ない方法のひとつと言える。ただし、「力が無い」場合は問題外だ。

 従来の憲法解釈の維持は「戦争勃発の抑止力や地域安定」には毒にも薬にもならない、が、それは少なくとも地域情勢が変わらない限りにおいてのみである。それを望むナイーブな人達は、気付いていないだけで既に日常生活でも色々と損をしている可能性を指摘しておこう。バブル崩壊以降の国内状況、経済構造、制度構造の変化は実はけっこう大きくて、「考えない人」は切り捨てられる(セーフティネットをすり抜けてしまう)方向に明らかに進んでいるのだ。セーフティネットとしての集団的自衛権、それは至極当たり前のこととしか思えないのだ。

ドキュメンタリー:Kraftwerk, and the Electronic Revolution

 英語版だけど、多少なりとも背景を知っているとかなり内容は追いかけられるんじゃないかな。私のリスニング力だと、ナレーションは90%,、インタビューは30%ぐらい理解できる。ちなみにドイツ語なまりの英語の方が単語を区切ってしゃべる傾向が強いので実は聞き取り易い。経験上、ロシア語なまりもまた然り。

 特に新しい内容は少ないんだけど、私はプレKRAFTWERK時代のユニット、ポポル・ブフは全く知らなかった。エスニックパーカッション+シンセは相性が良いと昔から思ってるんだけどまさにそれ、なんとも私好みのトラックだ。

 ゾディアック、タンジェリン・ドリーム、アシュラ・テンプル、ノイ!、カン、クラスター、デヴィット・ボウィ、ゲイリー・ニューマン、ジョルジオ・モロダーなどなど、ピンとくる名前があるなら是非観てみて頂戴。YMOも3~4秒ほど触れられているよ。

 英語リスニングでつまらないところに引っかからないようにちょっとしたメモ、主に固有名詞の発音だ。
  • "Moog"は現在一般的な「モーグ」ではなく、「ムーグ」。
  • 「ポポル・ブフ」はマヤ諸族の起源神話の名称。これを知らない人はユニット名「ポポル・ブフ」をなかなか認識できないでしょう。ちなみに私は知っていたので、聴きながら「ん?!」って感じ。
  • 地名「ミュンヘン」は「ミュニック/ムニック」に近い。「デュッセルドルフ」や「ベルリン」などは問題ないよね。
  • 「モロダー」は「モローダー」。「デュラン・デュラン」を英国人はむしろ「ジュラン・ジュラン」って発音してたねぇ。
プレイリストは埋め込みが禁止されているので、最初のパート(1/19)のみ埋め込んでみたよ。パート2以降はYoutubeでどうぞ。

東風/YMOカバーのスタブ:その2

 まぁ70%ぐらいの完成度でしょうか。ハマるかな?と思って他人(?)の笑い声を入れてみたけれど見事なまでのミスマッチ、ホラー風味まで漂う有様でおそらく不採用です。

 Cubase7.5+PiaproStudioの組み合わせには基本的に不満無し、安定しているし編集もし易いです。V3エディターの完成度が低すぎるってのが如実に分かります。PiaproStudoはただのフロントエンドなんでしょうが、少なくともMegpoidシリーズでは変なノイズに悩まされた記憶がありません。明日にはバウンス(Waveファイルへの書き出し)して、発声タイミング、音程、フォルマントの調整開始ですね。

 英語歌詞はあくまで空耳。ネットから拾った歌詞から2ヶ所変更してます。
  • You know about me? => Do you know'bout me?
    オリジナルでは絶対"Do"って言ってるだろう?
  • There is Tong Poo. => That's rhythm of Tong Poo.
    そもそも音節が足りないし、英語として完全に意味不明。3音節目の"th"の音と歌詞の文脈から「まさにそれが東風のリズム!」というニュアンスを出すべく採用。頭が"That's"であるべきなのか"It's"であるべきかはネイティブじゃないワシには分からんが、オリジナルの頭(追加した第1音節)は"th"っぽく聞こえるけどね。"This is"だと音節が多すぎちゃって困るのぉ~、こ~ま~るのぉ~♪

2014/05/17

アジアワッチ、十三度:安定の本質外しっぷり

 ネタは尽きないのだが、ある意味あの国の典型的なリアクション、安定の「本質外し」ネタを一つ。

 Hankyoreh Japanの記事から「[旅客船沈没 大惨事] 韓国‘小中高 水泳授業 義務化’推進」。Hankyorehは北朝鮮寄りとの話も聞くが、まぁ事実報道なら無問題。

 もうタイトルだけでお腹一杯。

 そこに手を付けるってことは、国内の旅客船の安全再検査、ライフジャケットや救命ボートなどの全数再検査、旅客船運航会社の安全査察、国内法の見直しなどは済んでるんでしょうね?ね?ね?安全対策予算の大部分が学校へのプール建設費とか、そんなことにはならないんですよね?ね?ね?

 人間関係では「まず他者へのリスペクトを忘れず、他者からリスペクトされるに足る言行を」、
 スポーツなら「まずフェアプレーを」、
 債務者なら「まず債務返済を」。


 本質を外させたら元日本国総理の○×や△並みですなぁ。あぁ、この点は日本国民として今でも恥しい。

アジアワッチ、十二度:コリア駄目だ、終っチャイナ、補足


 一昨日の韓国の為替介入(疑惑)で1ドル約1022ウォンから約1028ウォンまでウォン安がいったん進行しましたが、これを書いている時点で1024.2ウォン、1日半で為替介入(疑惑)の効果の半分以上が失われたことになります。半年くらい前には「1ドル1060ウォンまでならウォン高を許容できるだけの体力が韓国にはある」と言われていましたが、それが本当ならば現在の相場は完全に危険水域ですねぇ。

 建設中のビルが20度も傾いたとか、KTX(韓国高速鉄道)が線路上で故障して停止したとか、人命が関わらない限りはそんなこと小さい小さい。

 国民総資産の半分以上が不動産だなんて、不動産バブルが弾けない限りは無問題。

 IMF(国際通貨基金)の銀行ストレステスト結果の公開を拒絶してるとか米国に言われたようですが、どうせ公開されたって何も変わりませんよ、公開されない時点で結果はおのずと明らかですから。隠せば隠すほど姑息さのみが目立ってむしろマイナスですよ、これはマジで。

 ちなみに「ビッグマック価格をベースにすると、1ドル900ウォンぐらいが妥当」と友人が教えてくれましたが、実際のところどうなんでしょ。

 一方、中共はというと、フィリピン、台湾、マレーシアに続いてヴェトナムでもエラいことに。ヴェトナムでは死者も出ており迂闊なことは書けませんが、打つ手打つ手が裏目に出ているのか、それともそういう感性がないのか、このような展開の予測もできなかったのか、以前にも書いた通り現在の中国の言行には狡猾さの欠片も感じられません。指導部の指導が駄目なのか、指導部が指導力を失っているのか、いずれにしても次の動きが予測できません。

 中共に関しては、実はシンガポールの動きを現在ワッチ中。経済への華僑の影響力が大きいせいか、シンガポールは時折中共寄りの驚くような振る舞いをすることがあるんでね。