2020/02/02

某YouTube動画の再生数急増

 7年以上前にYouTubeにアップロードしたとある動画の再生ペースが1ヵ月前の40倍以上までに急増、併せてチャンネルのSubscribe数も急増し、思わず笑う。こんなこと10年無かったわ。誰か幸せになるんなら良いんだけど、7年以上も経つと価値観や世の中の見え方が変わってしまって私自身がほぼ別人なんだよなぁ。
 チャンネルベースの再生数は下図の通りだが、増分はほぼ上の動画の再生数の増分に等しい。なお再生数絶対値は大したことはなく、収益化対象となるためにはさらに100倍近い再生数の増加が必要なレベルだ。
 問題と言うか申し訳ないのは、同系統の動画を作る予定も上げる予定も現時点では無いことだ。つまりせっかくSubscribeしてもらっても、暫くは期待されているような新規動画が私から上がる可能性はほぼ無い。ということもあって、どうせ2、3週間もすれば再生ペースは元に戻るだろうとドライに考えている。故に喜ぶでもなく笑うしかないのだ。

 ただ思うことは2点ほどある。

 一点目は極めて個人的な内面の話。「喜ぶでもなく」というのが、自分でも一瞬驚いたほどピュアな本心であることだ。件の動画は自分の中では既に完了させた個人プロジェクトのアウトプットであるため、再生数やLike数の増加は私の自己承認欲求や報酬系を全く刺激しないのだ。心から有難いけど別段嬉しくはない。あ、コメントは嬉しみあるかな。

 「じゃぁどういう状態が嬉しいの?」と問われれば、この動画きっかけで3DCGモデリングや動画作成に挑む人が現れることや、「この動画はもう何もかもが古くなってしまった!」と唸らされてしまうような動画が氾濫するような状態の出来だ。故に、7年前に1日12時間労働が日常化していた一人のサラリーマンがストレス解消にちびちび作った動画に、未だにそこそこのペースでLikeが付き続ける現在の状況は、当事者としては実はツマらない。

 なんといっても私のオリジナル要素は無く、志の低い単なる作業の結果披露動画でしかないからだ。価値があるとすれば「誰もまだやっていなかった方向性(作画設定にある詳細構造や全体バランスを可能な限り省略、変更することなく変形過程を再現できるモデリング)で、そこそこの質のレベルまでやっちまった」こと、「初志貫徹!口先だけじゃぁなかったんスよ」の一点に尽きる。理想は「やっちまった以上は、忘れられることなく、早く『クラシック』とか『マイルストーン』とか『リファレンス』と呼ばれるようになる」ことだ。だから、ちびちび再生され続ける状況はちょっと嬉しい、忘れられるのは切ない。そしてオリジナル(要は元ネタ)の放つ魅力は未だ凄い。

 「じゃぁ似た方向性で今後やってみたいことある?」と問われれば、「ファースト・ガンダム」かなぁ・・・「イデオン」でも同じ話にはなるんだけど。

 最近私のチャンネルをSubscribe頂いたLucyさんのチャンネル(Lucy の 3DCG World『不良番町 手八丁口八丁』)内の動画を観ながら、「次はザクだよ!旧ザクもだよ!」と思った訳ですよ。方向性はずばり「安彦ザク」。昨今の3Dとして成立しているザクではなく、最初のTVシリーズ画面内の「作画力で成立させているザク」の3DCGIによる再現ですよ!

 金属製のくせに曲がるわ捻じれるわ部品消えちゃうわ股関節の可動範囲がやたら広いわ、その癖画としては決まっている必要があるという超高難度、そして誰もそれはやっていない(エヴァ新劇場版では、ちょっとそういうところにも踏み込んでいるのかも知れないけど)。誤魔化さないのではなく、積極的かつ美しく誤魔化すためのモデリング、リギング、ライティング、カメラワークの追求!背景と前景の画角は当然僅かに違いますよ。モデルを伸ばすんじゃない、画角を変えて伸びるように見せるんです!これぞ手描きの妙の再現!

 とても今はやれんけど、志は案外高い。考えるだけでわくわくするのは世界で私一人だけですか?

 あと松本零士さんの「戦場マンガシリーズ」の航空機の3DCGI再現も!肝は水彩調の塗りでのアニメーションで、迷彩とかになると本当に面倒くさくなるんだけど、様々なマスクの切り方やレンダリングの順番、合成手順など実現性は一応確認しているんですよ。YouTubeが未だ無かった00年代前半の話なので、実はもうかなり忘れてますけど。

 二点目は個人的な微妙に知的かもなな興味だ。知っている人は知っているように、YouTubeでは3、4年前に「日本の80年代シティポップ(歌詞が英語、おっしゃれー(棒)」が主に海外でバズった。Future Funk(笑)にも一部繋がった動きだった。

 この現象に対する解釈、説明は米国人を中心に幾つか為されたが、個人的には「YouTubeのRecommendエンジンが起こした小さくて奇妙な振舞いをきっかけとして、視聴者とRecommendエンジンとの相互作用がバタフライ効果を起こした結果」としか見做していない。つまりコンテンツ自体よりもそのコンテンツがRecommendされた視聴者の反応の方が支配因子であるシステムの挙動の問題であって、コンテンツやその周辺状況の文化的・社会的分析や解釈にはほとんど意味が無いという立場だ。単に米国人にとってエキゾチックに聞こえただけだった程度の話ではないだろうか。

 現に、意味ある派生的な価値創出は無く(様々なバージョンの竹内まりやさんのイラストがちょびっとミーム化したくらいかな?)、結局はネット内で消費されただけに見える。昨年になってこの現象に触れた日本語コンテンツも出てきてたけど、周回遅れが常習の私より反応遅いって何年遅れですか、っつーか反応があればそれだけで儲けレベルのステマが大半っぽいなぁ。まぁ、若い人たちが聞く機会がほとんどなかった楽曲との出会いの機会が新たに創出されたのなら、それもそれで良しですか。iTunesなどの有名どころからは大抵の楽曲は入手できなかったんですよ、少なくともバズったころは。

 おっと、閑話休題。

 そして今回の件の動画の突然の露出も、そのようなRecommendエンジンのカオス的挙動下のものではないかと考えている。このため、アクセス解析データのダウンロードを始めた。落ち着いた(落ちた)ところでデータを分析してみようと思っている。いやぁ「日本の80年代シティポップ」周りのデータ、YouTubeが公開してくれないかなぁ・・・何本も論文が書けるんじゃないかなぁ。

 ちなみにFuture Funk(笑)とは言え、300曲も聞けば聞くに堪えるものの2、3曲は見つかりますよ。

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