2021/08/15

米軍のやる気?本気?

  米軍が自国内で高速道路を使った軍用航空機運用の訓練を始めた。やる気?本気?を垣間見た気がした。自軍航空基地が攻撃され、使用不能となった際の空軍に対応訓練とのことだが、自軍基地があるのが敵国内か敵国に隣接する国である想定であろうことは想像に難くない。

 注目点は幾つかあるが、目立つのはフェアチャイルドA-10攻撃機の運用だ。A-10は陸軍地上部隊の支援が仕事で、活動地域は地上戦の最前線となる。よって、高速道路を使った臨時航空基地はやはり戦線の直後方であると考えるべきだ。空軍・陸軍合同の敵地侵攻を前提とした訓練に見えなくもない理由がここにある。

 直近で、鉄道やら自動車道路やらの整備を自国内で急ピッチで進めている国はどこだろうか。自国軍の侵攻、兵站のために整備した交通輸送網は、そのまま戦争相手国の侵攻、兵站経路となる。北京を出た列車がラサに至るが如く、ラサを出た列車は北京にも至る。台湾の高速道路は最初から長い直線区間を多数持つ。

 実のところ、このような地上と空の兵力連携は米海兵隊の十八番だ。湾岸戦争でその真価は発揮され、橋頭保の直ぐ後方を基地としてVTOL攻撃機を運用することの威力のほどを示した。米海兵隊は海軍、空軍、陸軍のそれぞれの機能のうち必要なもの全てを有し、他軍の支援が無くとも戦力を投射、確保した橋頭保を維持できることを意図した自己完結的な特殊な軍組織だ。今回の訓練は、海兵隊が担ってきた戦闘行動を、陸軍と空軍の共同運用でも実現する意図を反映したものと見る。

 では海兵隊はいらない子かと言うと、状況は逆でむしろ大規模で重要な役割が与えられそうだ。要は、本来海兵隊に任せていた多くの仕事に海兵隊の手が回らないから、陸軍と空軍が共同してまるで海兵隊みたいなことを始めたのではないかと思えるぐらいだ。

 現在太平洋では、海軍と海兵隊の共同訓練が実施されている。初ではないが、何十年かぶりの面子での共同訓練なのだそうだ。しかもオリンピック期間中に被っての軍事訓練実施は米国では異例だ。こちらの訓練の内容は島嶼への戦力投射と橋頭保確保とされる。従って想定される作戦の主体は海兵隊であり、強襲揚陸艦、F-35Bやオスプレイが最大限活用される。私が読んだニュース記事では海軍の位置付けが良く分からなかったが、空母打撃群が参加していないことから、海兵隊の支援が主任務と思われる。ここは完全に私の妄想だが、作戦が実行に移された場合には、英国の国籍マークを付けたF-35Bが米海兵・海軍艦隊の上空を飛んでいるのではなかろうか。想定される作戦海域の先には香港がある。面子に敏感なのは中共だけではない。むしろ面子のみを追求する勢力よりも、実益の為に面子には「いったん目を瞑れる」勢力の方が怖い。「面子にいったん目を瞑る」と言う状態は、いずれは面子を取り戻すという強い意志や決意の存在の裏表だ。

 こうなると米国の空母打撃群はほぼフリーハンドとなる。海軍の持つリソースは別の場所に投射可能だ。特に海峡部での日本海への出入りを封じ、日本海を実質的な内海状態とできれば、空母打撃群の配置の自由度は増す。日本海に入らなければ空母打撃群の受ける脅威は長距離核ミサイル攻撃にほぼ限定されるが、日本海にもイージス艦は配置されているだろう。このような時点で、前線支援を除く米空軍、宇宙軍が何もしていない筈が無い。

 因みに一部報道が事実なら、クイーン・エリザベスを中心とする英海軍空母打撃群は国籍不明の原子力潜水艦(推進音は人民解放軍・商級原子力潜水艦並みに五月蠅かったらしい)の追跡を探知、音紋等のデータ収集をした上でピン(ピコーンってやつ)を打ち込んで「お前が居ることは知っているぞ」をアピールまでしたらしい。文字通り、水面下では色々始まっているようだ。

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