2015/01/13

中共経済と豚肉価格

 ウォールストリートジャーナル日本語版のレポート「中国の予想外の低インフレ、背景に豚肉」が余りにタイムリーでびっくり。レポートの内容は、中共の消費者物価上昇幅が消費量の多い豚肉の価格低下で押し下げられている、という点を指摘したものだ。

 タイムリーの意味は、今朝テレビで「中共で死んだ豚の肉を違法に流通させて儲けているグループがある」という報道を観たからだ。儲ける仕組みは下記の通りである。
  • 養豚業者は病気などによる豚の死亡に対して保険をかけている。件のグループは保険業者に賄賂を支払って病死、事故死した豚の情報を入手、死んだ豚を養豚業者から買い取る。おそらく、買い取り価格は二束三文であろう。
  • 件のグループは豚肉の流通を管理している食品衛生部門の人間に賄賂を支払い、死んだ豚の肉が「流通させても問題ない健康な豚の肉」であることを示す証明書を入手する。一種のロンダリングである。
  • 晴れて病死、事故死などにより本来流通させられない豚肉を堂々と販売できる。
2ヶ所に賄賂を支払いつつ利益を出す最も簡単な方法は、不正に販売する量をとにかく稼ぐこと、すなわち大規模化である。この見立てが正しければ、中共がらみは二重三重にヤバい。

 まず、中共内で流通している豚肉にかなりの量の「病死した豚の肉」が混じっていることになる。輸出していればもはや中共内の問題では済まない。次いで儲けが出るほどの「豚の病死」がある場合、口蹄疫などの家畜の疫病が実は蔓延している可能性が高い。ちなみに豚口蹄疫は最近韓国でも蔓延が確認され、かなりの規模の殺処分が行われている。そしてウォールストリートジャーナル日本語版のレポートで指摘されているように、おそらく安価で流通している不正な豚肉によって消費者物価などの中共の経済指標がゆがんでしまう。判断材料自体が間違いとなれば、対策も間違いとなることはまず避けられない。つまり、死んだ豚の不正な流通は世界経済とリンクし得ると言って良い。

 なんとも恐ろしいことだ、っつーか全く洒落になってない。

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