2020/11/26

カラシニコヴァ・ショー

  RT(ロシア・トゥデイ)はロシアの国営テレビ局で、"RT Documentary"というドキュイメンタリー動画専用の英語版ユーチューブチャンネルを持っている。個人的な魅力は軍事関係の動画が少なくなく、かつ「どこかから持ってきた既に観たことがある映像」ではない新作の映像が多いことだ。

 カラシニコヴァさんは金髪・眼鏡のお姉さんで、キロ級潜水艦の中に入ったり、アサルトライフル工場(旧イズマッシュ、現カラシニコフ・コンチェルン)やT-90戦車工場を見学したりする。それが「カラシニコヴァ(カラシュニコヴァ)・ショー:ロシアの軍事機密」だ。ロシア語の上に英語を被せた音声はちょっと聞き取りにくいけど、1本5~10分と適度に短めで、上述したように「観たことがない映像」も目にすることができる。個人的にはSu-57ステルス戦闘機の着陸脚や機種回り、あと主翼全縁の形や動きをじっくり観察してしまいました。

 最新のエピソード11は「特殊部隊スペズナズ」。センシティブな情報を含む映像なんて含んでないんだろうけど、銃などについて背景情報を持つ人なら何か見つけたりするんでしょうかねぇ。あと、訓練の犯人役?がAdidasのジャージを着ているカットで(ゴプニクかな?とか思っちゃったりして)ちょっと笑ってしまいました。

続・トリプルレッド?

 以前のエントリに「トリプルレッド?」と書いたが、理由が「ピュアに直観」なので現時点でも思うところは変わらない、変わる理由が無い。ただ理性的には、「下院はブルーで直観は外れたか」ってところは既にある。そもそも米大統領選については世論など含めた実態に関する理解度が低いから、理詰めでは結果なんて予測できない。だから、頼れるのは「直観」のみとなる。「自分の感じる風の向きと大きさのみを信じる」なんて書くと、格好つけ過ぎかもしれないけれど、つまりはそういうことだ。

 あ、赤は米国共和党のシンボルカラーであり、トリプルレッドとは共和党大統領、上院及び下院ともに支配政党が共和党の状態を指す。民主党のシンボルカラーは青なので、逆パターンはトリプルブルーというこになる。

 ドナルド・トランプ大統領の本来の政治的立ち位置が私のそれに近いことは間違いなさそうだ。「本来」とわざわざ付けたのは、トランプ大統領個人の政治的信条は共和党内では明確に左派(本来のリベラルと私が信じるところ)なのだが、党内の支持母体がエバンジェリストなどの右派であるためにどうしても政権運営が右寄りとならざるを得ないのが実態だからだ。まぁだからといって、トランプ大統領が誰かの操り人間だとか、嫌々執務をこなしているという意味ではない。むしろ彼は党内ですらディール(取引)を「強いられ」つつ、彼の得意な方法を駆使して戦っていると個人的には見てきた。大統領になっちゃったんだからしょうがない。一種の戦場にあって、彼は今も生きがいを感じながら日々過ごしているのではないかと思う。トランプ大統領は「政治屋」ではないから、エスタブリッシュメント層や〇〇〇層にとっては与しやすい相手とはなり得ないだろう。

 故に、共和党内にもトランプ大統領を敵視する、対立する勢力があるのは当然だ。また後述する事案と関連してくるが、某大企業の経営者層が「愛国者(!)」かどうかはなかなか疑わしい。

 他方バイデン候補(このエントリ執筆時点では、彼は米国の法において大統領とは認められていない)は民主党主流派であるが、現在主流派自体に力が無いため、左派(トランプ大統領の言うところ極左、左派党中の左派なのだから当たらずと言えども遠からず)に支持を求めざるを得なかった。そして早い段階から他の人も述べているように、「バイデン大統領(現在はまだ候補)時代を短命に終わらせて、できるだけ早く副大統領が実権を握るシナリオが用意されている」という陰謀論じみた考えも私も持つ。バイデン候補も納得済のシナリオかもしれないとすら思う。さらに飛躍を許してもらえるならば、なんだかんだと愛国者であるサンダース氏は、そんなシナリオを受け入れることができなかったが故に大統領選候補になれなかった、とすら想像してしまう。

 時に私以上に直観的で所謂「虫の知らせ」に敏感な私の母は、先週電話で話をした際に「選挙後の米大統領暗殺が心配」という言葉を口にした。そのような展開は想像の範囲外だったし、昨今の大統領の警護レベルはケネディやレーガンの大統領時代とは全く違うのでその場は「さすがにそれは無いでしょ」と答えたものの、敵が内部にもいる場合は確かにその限りではない。私のかつての職場には「魔法の人差し指」という言葉があった。これは「嫌な上司が急階段を下りている際に背後から人差し指で強く押したところ、翌日からその上司が会社に来なくなった」なるハートウォーミングな()とある新人社員の逸話が元となったと伝わる言葉だが、まぁ、その種の「きっかけはちょっとしたことだけど、結果は大事」が起きないとは誰も言えない。特に、バイデン候補が大統領となった場合、文字通り「人差し指1本」でいろいろ致命的な事象に繋がることは想像に難くない。

 さてこの数日は、シドニー・パウエル弁護士の表での活動本格化(例えば「クラーケンを放った」り)で、米大統領選のみならず米国政界や産業界に激震?が走りまくっているように見える。キーワードは「愛国者」、当然「反愛国的不正行為」「売国者、売国奴」も同列に取り扱われるキーワードだ。ポイントは党派すら関係ないこと。不正を為したものは民主党員、共和党員、公務員、経営者、一般市民を問わず、その行為について追及されることになる。CIA、FBIも現時点では容疑者であり、カナダなどの他国も地味に巻き込みつつ事態は動いているっぽい。この1週間ほどの言行におけるシドニー・パウエル弁護士の「策士ぶり」の評判は、多くの人々の好奇心や想像力によって拡大する一方なのが現状だ。正直、パウエル弁護士絡みの動きだけでもなかなかついていけない。幸いにして米軍が割れる兆候は現時点では無いが、直近でのエスパー長官の取り扱いについては全く状況や実態が分からない。

 トランプ大統領は任期2年半にして公約をほぼ為し(1つだけ守れていないものがあった筈だが失念)、中東状態を安定化と脱軍事要素の推進(≒当事者同士の対話の機会や対話自体の正当性の確保、周囲国がエルサレムに外交拠点を置くようになったので街中で会うことぐらいは日常的に起きるようになるよね=中東の平和/対立の判断を当事者の案件化・米国は当事者間の判断に関与しないが、望ましい判断は後押しする) 、オポチュニティゾーン設置などその多くが日本には無い経済活性化・雇用対策の実施など、結果に繋がった政策は私が理解しているだけでも結構数多い。米軍駐留費の増加要求も、一種の当事者問題化(地域の平和はその受益者たるその地域の国々が当事者)と考えれば別段不思議なところはない。なお、台湾は「米国の当事者化に成功した」と見ている。そして台湾を見ているのはむしろペンス副大統領や議会であるため、日本や韓国のケースとは展開が違うように見えるのは仕方なかろう(20~30年遅れの5年ぐらいで挽回しようとしている)。私にとっては「戦争を始めなかった」大統領ではなく、「戦争に依らない地域問題解決スキームを地域に合わせて実施した」大統領である。対イラン政策は個人的には綱渡り感があってその展開が興味深かったのだが、残念ながらコロナ禍でリセットがかかってしまったのは残念だ。

 米大統領選は未だ終わらない。それどころか、米政府、州政府、政府機関などを対象とした一種の大掃除が始まったんじゃないかと見えるような状況だ。こりゃ「トリプルレッド?」どころの騒ぎじゃねーぞ。

2020/11/24

VITAL早く触ってみてぇ

[追記] 日本では11/25の朝にはダウンロード可になってましたね[追記ここまで]

 "VITAL"は新しいソフトウェアシンセ。Youtubeなど複数個所で紹介(案件?)されていて、Free版もあるとのことなので兎に角触ってみたいと思った・・・のが11/20のこと。Dash Glitchさんの動画を観たせいだ・・・という最近多いパターンやね。ちなみにPsytranceは一切聴かないです、はい。

 で、早速ダウンロードしてみたいと公式ページに行ったのだが、そうは問屋が卸さなかった。購入やFree版のリリースは11/24からだと言う。別のYoutube動画では11/21からダウンロードできるようになるとされるコードの配布だか何かが告知されていたが、まぁ、そこまで急ぐことも無かろうと本日(11/24)を迎えた訳だ。だが、まだダウンロードできない。

 タイムゾーンの問題かね、とは思ったものの、日本ですら21:30を過ぎている。公式ページのフォーラムに目を通すと、「どうしてまだダウンロードできないの!」といった投稿がある一方、MacOS上での表示バグの報告もあったりと、実態がよく見えないか~るいカオス感が漂っている。 ただ「新しいソフトシンセ」なんてニッチに過ぎるので、「炎上」どころか「騒ぎ」といったレベルにも程遠いけどね。あ、ソフトシンセの購入オプションでサブスクリプションってのは私は初めて見たね。

 ("Xfer Serum"の良いとこ+"Arturia Pigments"良いとこ)に見えなくもないところがね・・・

2020/11/21

自分が使ってきたGPUの歴史を紐解いてみる

 Youtubeのホーム画面で「さつまいもの物置部屋。」さんの動画「GPUの歴史シリーズ 総集編【ゆっくり解説】」がレコメンドされる。「GPUの歴史シリーズ」はリアルタイムで既に観ていたから流そうかとも思ったが、「なんと総集編とな!」、と言うことで拝見。「等速で観ているだけで視聴者の貴重な人生から約1時間を奪っていく(気づくと奪われていた!)」という凶悪?とも言える大作である。

 で、動画を拝見しながら思ったのが、「自分はどんなGPU(およびグラフィックアクセラレータチップ)を使ってきたのかな」だった。と言う訳で、まだ病気療養中なれど多少の体調改善が見られてきているので、自分の記憶を探りつつ文章を紡ぐ、と言う健康ならなんてことないんだけど現時点では地味にキツい負荷を自らに課してみようと思う。ただほぼ30年間にわたる話になるので、適宜ネット上の情報でチェックはするものの、記憶違いや勘違いが含まれているだろうことは明記しておく・・・ごめんなさい。

 「こんなエントリ、誰が読むのか?」との疑問はごもっとも。本エントリは誰にも読まれなくても良いんやで。

 さて、時代は90年代初頭、バブル崩壊直前のことである。私の部屋の机上にはNEC PC-9801DXがあった。本機、後に沖縄方面にドナドナされる。CPUはintel 80286 10または12MHz(スイッチ切替)、グラフィックは内蔵チップによるアナログ16色・640×400ドットだった。バブル崩壊後、EPSON PC-486(詳細型番失念)を購入。この時期にしてPCIバスを備えながら、コネクタの形状、寸法は独自規格と言う困ったチャンだった。CPUはIntel 80486DX4 100MHzとパワーアップされるが、グラフィック性能はNEC PC-9801DXと変わらなかった。そしてここまでは、正直のところPCとは和エロゲー専用機だった。若かったんやでしゃーない。

 転機はMicrosoft Windows 3.1(3.0ではない)の登場とAT互換機の日本への本格上陸(≒DOS/Vの登場)で訪れた。まず、前者はNEC PCおよびEPSONの互換機向けにグラフィックアクセラレータなどと呼ばれたグラフィックカード製品を生んだ。その一つが「I-O DATA GA-1280A」である。チップは「I-O Data ZF-16」で、16bitカラー(65,536色)・1280×800ドットをサポートし、Windows 3のグラフィック描画サブシステムであるGDIをアクセラレートする。加えて対応したゲームなら、DOS環境からでも利用できる。16bitカラーやMacやPCで絵を描いたことがある人には分かってもらえると思うけど、人間の目の色の分解能はやっぱりすごいね。16bitカラーなんて色数としては十分じゃない。

 さて、

このカードを使って遊んだゲームの代表としては、カジュアルコンバット3Dフライトシミュレータである「ストライクコマンダー」がある。辛い点は拡張バス(Cバス)が16bit幅と狭いため、16bitカラー・1280×800ドットだとフレームを下から上へと(Bitmapデータの並び順)1ライン単位で書き換えている様子が分かってしまうところだ。おそらく6~8フレーム/秒ぐらいのフレームレートしか出ていなかったろう。だが、色数、画面解像度の向上(とCバス用サウンドブラスターの追加によるオーディオ機能の画期的レベルの向上)の魅力は余りに大きく、「Windowsに進むにしても(実はMacintoshユーザでもあった)ゲームをやるにしても、次に買うのはAT互換機だ」との意を強くした。

 そしてAT互換機が本格上陸、国内でも流通し始める。加えて職場には元々米国製機器が多かったため、制御用としてAT互換機を普段から触る機会が多かった。あまつさえそのころには、勝手にLANケーブルを張り、昼休みにはFPSの「DOOM」の対戦プレイまでするようになっていたのだ。ちなみに会社のAT互換機でメジャーだったグラフィックチップは「S3 Trio 32」だった。

 初AT互換機(以下、PC)はプロサイドのBTO機で、CPUはIntel Pentium 100MHz、グラフィックチップは「S3 Trio 64」だった。まだ駅前に大きな駐車場があったころ、同期入社の同僚と車で秋葉原まで出かけての購入である。購入タイミングは実はPentium 120MHz発売の翌週で、予算的理由から一種の型落ち品を選んだ形となった。S3 Trioシリーズにはドライバも含めて優等生的な印象がある。ドライバのサイズが小さめでロード時のメモリ使用量が少なく、それだけゲームにメモリを割り振りやすかった。また同時に購入したゲームは、FPSの「DOOM II」、コンバットフライトシミュレータの「TFX」だった。その後もVGAの海外製ゲームを多数プレイした。あ、当時としては基盤がめちゃでかかったISAバス用サウンドカード「Creative Sound Blaster AWE32」もPC購入の同日に別途購入した。

 ちなみにマザーボードはASUS製だった。「エイサス」やで、「アスース」ってなんやねん。あ~今は「エイスース」なんか。

 90年代も後半に入るころ、「Geocities」などのホームページ、今で言うところのウェブページの無料ホスティングサービスが普及し始めた。趣味のページを立ち上げてみたりしつつ、タブレットで絵を描く機会が増えた。そこで憧れの「MGA-2064W」チップを用いた「Matrox Millennium」を購入した。正直お財布には厳しい買い物ではあったが、評判通りの発色の良さ、色にじみの無さに大感激したのは忘れられない。こいつは傑作だ。一方、このころに一旦PCでゲームをしなくなるが、それはSEGAとかSONYの所為である。

  さて、再びPCでゲームをし始めたのは、アクションゲームの「Tomb Raider」、FPSの「Quake」、コンバットフライトシミュレータの「Eurofighter 2000(EF2000)」の登場による。これらの共通点は何だろう?そう、3dfx社のゲーム向けOpenGLサブセットであるグラフィックライブラリGlideに対応させるパッチが早々に公開されたVGAグラフィックスのゲームだ。そして私のPCのMillenniumの隣の拡張スロットには、すぐさま「Voodoo」チップを積んだ「3dfx Monster 3D」が刺さる。ちなみにMonster 3Dはゲーム以外に用途が無いのだが、Glide登場時の衝撃は余りに大きく、パッチを当てたゲームの見栄えやフレームレートは別物という価値は何物にも代えがたかった。

 Voodooは今でもお気に入りのチップと言って良いのだが、結局Monster 3Dカードは更新されなかった。3dfx社の迷走も原因だが、Microsoft社のDirect3Dの普及、高機能化と、所謂GPUの登場が止めとなった。例えば「EF2000」のアップデート版「Super EF2000」はDirect3D対応のWindows専用版として登場し、「nVIDIA GeForce2 MX」上で快調に動作した。ここで唐突なGeForceの登場となったが、これはWindows98からWindows2000への移行と機を同一として新PCを自作した際、既存パーツがほとんど引き継げなかったことに起因する。最近は落ち着いているけれど、このころはグラフィックカード用の拡張バス含め、様々な規格が頻繁に更新されていたのだ。AGP!、AGPって何だ?引き継げたのは、おそらくフロッピードライブぐらいだったのではなかろうか。

 ところで「nVIDIA GeForce2 MX」については特に思い出がない。繋ぎのつもりで中古品を使ったことや、特にトラブルを経験しなかったからだと思われる。では、繋ぎの先として何を予定していたのか?そう、nVIDIA社に吸収された元3dfx社チームが開発を主導したとされるGeForce FXチップ使用のカードであった。「Voodooの夢、再び」・・・の筈だったのだが、最初の「nVIDIA GeForce FX 5800」は有名な「爆熱爆音」チップとなり、さすがにこれは購入を躊躇せざるを得なかった。結局「nVIDIA GeForce FX 5900 Ultra」チップを用いたMSI社のカードを導入したのだが、ハードとしての性能的なリープ/ジャンプは常識的な範囲に収まっており、「Voodooの夢、再び」とはならなかった。ただ発色は良く、色にじみも無く、画質には文句なかった。そして再びPCでゲームをしなくなるのだが、おそらくインターネットへの接続コストが低下して所謂ネットサーフィンしている時間が伸びたことと、仕事が忙しくなったことが原因ではなかったかと思う。

  件の「nVIDIA GeForce FX 5900 Ultra」のカード、結構長く使っていたのだがゲーム用途では使っていなくてもやっぱりファンが五月蠅めではあった。その後会社の後輩から貰った中古の「nVIDIA GeForce 6800 GT」チップ使用のカードを経て、「nVIDIA GeForce GTX 640」チップ使用のカードに落ち着いた。これはもうゲーム使用を考えてはいない選択だ。「五月蠅いのは嫌、追加電源は嫌」と言った意思が透けて見えるではないか。チップのアーキテクチャーも電力効率重視のKeplerである。

 ここで何度目かの転機が来る、趣味の3Dモデリングの本格化だ。

 対象となるアプリケーションは「Newtek Lighwave3D」だ。3D描画速度命っぽいアプリなのでGPUにも投資すべきと考えるだろうが、それは半分正しく、半分間違っている。この種のアプリではDirect3DよりもOpenGLでの描画性能が重要で、nVIDIA社製品なら「GeForce」シリーズではなく「Quadro」シリーズのチップを積んだカードを選ぶのが正道と言える。だが、「Quadro」シリーズはめっちゃ値段が高い。次いで、3Dモデリングでの3D描画は間欠的、部分的であり、高フレームレートで常に画面全体が再描画され続ける3Dゲームとは描画挙動が異なる。故に、当時は3Dモデリングのために高価なゲーム向け高性能カードを選ぶことは、コストパフォーマンスが決して良いとは言えなかった。アプリの設定でチェックを一つ外すだけで、数万円高いカード使用時よりも動作が軽くなるとなれば、色々考えてしまう。もちろん、高性能カードの方がモデリング作業のストレスが小さいことは認めるし、性能が低くても問題無いといっても限度はある。

 ただこのころから多くの3DアプリがCUDAコアを描画以外の用途で積極的に使い始める。指数演算が速かったからだ。別の言い方をすれば、PCでもGPUコンピューティング的な使い方がされ始めたのだ。ならば、電力効率やメモリ帯域幅、CUDAコア数などでGPUを選ぶと言う考え方も有りとなる。3DMarkのスコアでは直接見えない指標だ。「nVIDIA GeForce GTX 640」はCUDAコア数的には大いに見劣りするものの電力効率は高く、CUDAコアの利用が始まったばかりの過渡期にはコストパフォーマンス的には(たまたま)悪い選択肢ではなかった。

 ここで「(CUDAコアの無い)AMD(ATI)のGPUはどうなの?」と思った方も多かろう。はっきり言って、上記の視点からはAMD製品は選択肢になり得ない。この分野はnVIDIAの一人勝ちだったのだ。あと、そうでなくてもAMD(ATI含む)のGPUが出てこないことは気になっていたかもしれない。実はAMD(ATI)のチップは最初から選択肢としてこなかったの実態だ。理由は単純で、Windows3.1時代に仕事で使っていた会社支給PCのATI社のドライバの出来が余りに悪すぎて苦労したため、AMDを含めて印象が悪いのである。

 より厳密に言うと、Windows3.1時代の経験からという今や不合理としか言えない理由によって、3Dゲームと言ったチップの最大性能を引き出すような尖った使い方ではAMD(ATI)製品は信用できない、と言うことだ。逆に、大解像度2画面でMicrosoft OfficeとメーラーとUnixサーバーを動かす、と言った業務遂行などで求められる緩めの条件下ではむしろAMD(ATI)のチップを選んできた。これはメモリ周りの処理がATIの方がnVIDIAよりも圧倒的にスマートで、かつ省電力で安かった時代(ただし性能も低い)の経験が尾を引いている。GPU予算をケチって、メモリ増やストレージ容量増に予算を振り向けられた訳だ。

 次の転機はゲーム絡みである。SteamでDOS時代の古いゲームを漁っていたところ、Ubisoft社の「Farcry 3」が大幅値引きされて売られているのに出くわした。「FPSもHalo以来だねぇ」などと思いつつ気軽に購入ボタンをぽちったのが、今回のその転機ってやつである。結論から言おう。

 「Farcry 3」は面白かった、来月発売の「Farcry 4」も買おう。そして「nVIDIA GeForce GTX 640」は能力不足も甚だしい。ここでは関係ないけど便乗しておくと、「Farcry 5」は完全なる糞だ。

 で、会社の後輩に「どうしよう?」と相談したところ、後輩が余らせていた「nVIDIA GeForce GTX 960」チップを積んだカードを、翌日の朝、オフィスの私の机の上に不法投棄してくれることになった。翌日回収されたカードは、さっそく私のPCで再利用されることとなる。気が付くと、3DCG業界の定番ツール、アプリのCUDAコアの利用は一気に加速していた。またCPUの能力不足も顕著となり始めていた。

 説明順が逆となったが、「Matrox Millennium」を使い始めるあたり以降からここまでのPCは全て自作機だった。ただ歳を喰ってくると、悲しいかな自作もちょっと面倒臭くなってくる。新しいBIOSも今ほど簡単に入手できなかったし、相性問題の情報も今ほど充実してないし、とにもかくにも「情熱とでも呼ぶべき何か」が要る。各種規格が乱立し、将来の主流規格が見えにくいとどうしても腰が重くなる。私の場合、メモリの規格にいまいち追いていけなくなった(≒記憶していることだけでは店頭で判断できなくなり始めた)のがきっかけと言って良い。その4年ほど前には5台のPCを自作、LinuxをOSにケルベロス型クラスターを独力で構成して仕事に使ってたのにね・・・ちゃんと通信頻度を考えて作ったプログラムによる並列計算はやっぱり速かったなぁ(遠い目)

 と言う訳で、以降のPC本体は全てDell社のXPSシリーズとすることになる。昔からXPSシリーズのミソなのかクソなのか分からないところは、電源自体が悪いと思ったことは無いものの、電源容量に本当に余裕が無いことだ。このため、キャンペーン価格だとお得感あるぐらいの安めの価格で入手できる反面、電源容量的に無茶な構成への機器交換は最初からあきらめた方が良い。Dell社の「やや安かろう、やや良かろう」具合は、私の感覚では長期にわたり絶妙なところを突き続けている。

 最後は駆け足で、特に面白い話も無いので、直近のDell XPSシリーズでのCPUとGPUの組み合わせの変遷を列挙しておこう。

  • Intel Core2 Duo E6600 + nVIDIA GeForce GTX 960
  • Intel Core i7-4790 + nVIDIA GeForce GTX 960
  • Intel Core i7-4790 + nVIDIA GeForce GTX 970
  • Intel Core i7-4790 + nVIDIA GeForce GTX 1070
  • Intel Core i7-10700 + nVIDIA GeForce RTX 2070 Super

 直近での「もう*TX *70で良いやん」という割り切り感が我ながら凄いですな。

 ちなみに「nVIDIA GeForce GTX 960」はSONY PS2とともに自治体の電子機器類リサイクルボックスに行き、そのごく一部は東京オリンピック?!のメダルに含まれている可能性がある。「nVIDIA GeForce GTX 970」はオフィスの同僚の机上に不法投棄され、その後はその同僚の自宅にて暗号通貨のマイニングに短期間ながら従事したと聞く。「nVIDIA GeForce GTX 1070」は処分保留中であり、私の自室にあって最凶の鈍器のオーラを纏いつつ、モニタの前からすぐ手の届くところに現在横たわっている。特にバックプレートが頼もしい。

 んじゃ、GPUと言えばやっぱり3DMarkベンチなので、結果が残っているものだけ。

2020/11/19

「これは政治的に正しいのか?」

 昔読んだ書籍の内容が正しく、かつ私の記憶が正しければ、私の「ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)」という用語との出会いは2002年末となる。件の書籍はディーン・タカハシ著「マイクロソフトの蹉跌」(2002)で、この書籍によればエントリタイトル記載のセリフの主はマイクロソフト社のビル・ゲイツとされる。

  「マイクロソフトの蹉跌」は、優秀だが心折れてしまった優秀なゲーム開発者を主人公に据え、彼が一兵卒としてマイクロソフトに身を寄せるところから始めて、仲間を得ては失うを繰り返しながら、ついにはゲームハード・ソフト事業をリーダー兼エバンジェリストとしてマイクロソフト内で実現してしまうまでを描くノンフィクションである。実際のところはともかく、主人公に心寄せれば、それこそ「主人公の自らによる魂の救済の物語」とも読める内容となっている。なお、本エントリでは主人公や彼のやったこと(やっちまったことも含む)には踏み込まない。学究肌で茶目っ気もある優れた技術屋で、かつ複数の長文エントリが書けるぐらいのエピソードに事欠かない人物なので、ちょっと触れるだけなんて扱いはもったいないんだ。

 さて事業の実現も大詰め、主人公は経営陣も出席する会議で1分半程の技術デモを公開した。デモ内容自体はインパクトあるものだったが、デモを観終わったゲイツは開口一番、「これは政治的に正しいのか?」と発言したらしい。問題のデモのタイトルは"Two To Tango"、この発言の理由は「登場する黒人女性が攻撃的過ぎないか?」或いは「黒人女性とすることで過剰に攻撃的に見えないか?」とされる。では、現在Youtubeで観ることができる、社外に出た時点での"Two To Tango"を観てみよう。あ、「アフリカ系女性」と書くべきなのだろうか?
 これが「ポリコレ」ってやつの一つの結果だ。そして、これはもうほぼ20年前の出来事なのだ。ポリコレはあっという間にハリウッドを席巻、現在はゲームを完全に飲み込もうとしている。が、20年前に一度、ゲームはポリコレにきつい一撃を受け、完敗を喫していたことになる。この辺りの真偽や前後の時代的状況を明らかにしてまとめれば、大学の卒業論文や大学院の修士論文ぐらいには十分に値すると思うのだが、誰か挑んでくれないだろうか。ポリコレはここ10年とかのものではなく、20世紀から世紀を跨いで持ち込まれたものなのである。

 ポリコレの次のターゲットはどこだろう?このブログの他のエントリも読んだことがことがある奇特な方なら、私が考えそうなことは分かるよね?キーワードは既に世界共通語となった"MANGA"や"ANIME"、突破口は「定義が曖昧」という政治的脆弱性を持つ"HENTAI"だ。

2020/11/16

続・Dell XPS 8940 System BIOS 1.0.4、やらかす?

  昨日Dellのサポートページを見ると、BIOS 1.0.5がリリースされていた。バージョンアップの内容は「起動時のCPU温度センサ検出値異常への対策(みたいな感じだったかな、斜め読みなのでかなり適当です)」と言うことで、BIOS 1.0.4へのアップデートで私のPCで発生した「音声デバイスの出力端子の異常への対策」ではない。

 結論から書いておくと、バージョン1.0.5へのアップデートでは「音声デバイスの出力端子の異常」は全く発生していない、まぁ良きかな良きかな。

 なお、「バージョン1.0.4(異常あり)→1.0.3(異常なし)→1.0.4(異常あり)→1.0.3(異常なし)→1.0.5(異常なし)」という私のアップデート経験からは、バージョン1.0.4のオーディオ周りの不具合には明らかに再現性がある。ちなみにWAVES | MaxxAudio Proというオーディオ絡みのアプリ、ドライバ、サービスは全てBIOS 1.0.3の時代に削除している。またいったん古いバージョンとしたRealtek High Definition Audioのドライバは、BIOS 1.0.5へのアップデートに先立ってWindows Updateによって勝手にアップデートされた、と言うか元に戻されていたことを付記しておく。つまりRealtek High Definition Audioのドライバは特に悪さはしていなかったのだろう、と言うことだ。

 ついでに蛇足話を2つ。

 一つ目はWAVES | MaxxAudio Proについて。

 WAVES | MaxxAudio Proはサウンド・チューニングツールであり、イコライジングや仮想サラウンド技術を用いて「実際にPCが使用される環境で良い音を実現」すると言うのが触れ込みだ。最近はプレインストールしているメーカーPCも少なくないようである。だが、それは音の定位(聴覚上の音の位置)や周波数分布・波形を変え、時に残響音や他の音を原音に付加する。

 これら音の改変は私にとっては改悪や誤魔化しとしか思えないため、そんなものがプレインストールされていると知った時点で躊躇なくアンインストールしてしまった。と言うか、WAVES | MaxxAudio Proの存在に気づくまで、聞くに堪えない音しか出てこなくて頭を抱えてしまっていたのだ・・・なんだこのモコモコした音は!スピーカーの位置すら決められない!・・・ネットを漁れば、明らかにWAVES | MaxxAudio Proを原因とする「新しいPCを買ったのですが、音が変です。」と言う投稿を見つけられる。

 WAVES | MaxxAudio Proは全機能オフにできるのだからアンインストールする必要は無いのでは、と考える人もいるだろう。ただWAVES | MaxxAudio Proの処理は完全にソフトウェアによものなので、全機能をオフ(実際にはバイパスしているだけの可能性もある)にしてもCPUに負荷をかけるし、ミリセカンドオーダーでの音の遅延(レイテンシ)は避けられない。「絶対使わない」以上、アンインストールするのが合理的な判断だと思う。

 ちなみにもう手放せなくなったオーディオ関連のソフトウェアとしてsonarworks Reference 4がある。私が持っているのはHeadphone Editionであり、ヘッドフォンの作り手が「良い音を実現」するためにヘッドフォンに与えた周波数再現特性を「無効にする」ことができるアプリケーションだ。この機能は「実際にPCが使用される環境ではなく、スタジオでのミキシング時の音の再現」を志向するものであり、WAVES | MaxxAudio Proがやることとはむしろ逆向きであることが分かるだろう。なおOS関して私がシグナルパスを調べた限り、音声信号はWAVES | MaxxAudio Pro → sonarworks Reference 4としかならなかった。逆順だったなら、WAVES | MaxxAudio Proをアンインストールせずに残すという選択肢もあったかと思う。他方DAW使用時のシグナルパスは良く分からなかったが、WAVES | MaxxAudio Proによるレイテンシが見込まれる以上、アンインストールがやっぱり賢明だろう。

 二つ目はBIOSのバージョンアップ頻度について。

 バージョン1.0.4から1.0.5のリリースの間隔は2週間しかない。対してバージョン1.0.3から1.0.4、バージョン1.0.2から1.0.3のどちらのリリース間隔も約2ヵ月ある。やはりバージョン1.0.4は短命に見える。と言う訳で、リリースから2ヵ月経っていないバージョンのBIOSには安易にアップデートしないことにしよう。

クルードラゴン、いきなりすげー!

  YoutubeのFRANCE24英語ニュースストリームをチラ見、SpaceXのクルードラゴン打ち上げが見事成功。

 スペースレース(米ソ宇宙開発競争)オタクの古い感覚だと、乗員がいきなり4名というだけでもそこそこの技術的リープ/ジャンプであり、十分すげーと思える。そう言えば、日本はまだ自力で宇宙に人を送り込んでいない。しかもクルードラゴンは往還機だ。ストリームされてくる船内やクルードラゴンから見える地球などの映像を見ていると、ホント、なんかSciFiに片足を突っ込んでる感がある。それは宇宙服が映画の小道具っぽいせいではなくて、サイド情報など含めて考えることで色々と透けて見えてくるSpaceXの持つ夢や野望のぎらつきのせいだ。

 とにかくも、Good speed!

 ちなみにFRANCE24英語ニュースストリームは、以前の香港のライブの丁寧さに好感を持って以降時折見るようになった。英語ストリームだが、BBCドキュメンタリーの英語ぐらいとは言えないけど、所謂ネイティブの米語よりはかなり聞き取りやすいよ。

2020/11/13

罹ったら負け

  最近電話で話す機会が増えた実家に住む両親との合言葉だ。もちろんかの流行り病のことである。ちなみに実家周辺の方が圧倒的な蔓延地域と、ちょっといやらしい状況下にある。

 とある方々は「死亡者数や死亡率が低い」ことを理由に昨今のPCR検査陽性者数の増加をそう危険視していないが、そういう方々のうちでも特にそれなりに立場のある層は、「死亡者が少なく、罹患者の重症化が抑えられている(そして今後もそうだろう)理由」として「流行り病に対する医療的対処法が確立されてきている」ことを高確率で挙げる。自分の発言内容に対する一種の保険のつもりなのだろうか、とにかく昔からそう。まぁ間違っているとは思わない。

 「医療崩壊」しない限りはね。

 元々慎重居士気味である両親を更に慎重に行動するように諭し続けている理由はここにある。両親とも年齢が高いので「早い時期に罹ってしまう」という手は禁じ手として、「すっごく慎重な人間すら罹患するレベルの感染蔓延状態 」下で「医療崩壊のリスクが排除できる」と考えるのは能天気に過ぎるからだ。個人的に、最初っから累計感染者数なんて気にしない、死亡者数も死亡率も気にしない、現在感染者数しか気にしてきていない理由でもある。入院できなきゃ、一時隔離施設に入れなきゃ、「確立された医療的対処法」なんて有っても意味がない。強毒化などの望ましくないウィルスの変異を考えない時点でも、既にそうなのだ。

 「医療崩壊」が起きれば別の病気で亡くなる方は増えよう、労働者層が罹患し易いため経済への影響も必至だろう。個人的には「経済優先派」であるが故、その視点からも「医療崩壊」は許容できず、「医療崩壊のリスクを元から排除した言説」にはいら立っちゃうんだな。

続・Cubase11へアップデート(年貢支払い)

 先のエントリでは触れなかったけど、Cubase Pro11のライセンス認証(アクティベート)には一悶着どころではないゴタゴタがあった。漠然と「認証サーバーかユーザデータベースの管理サーバーのどちらかにトラブルが出ているな」と考えていたが、どうも当たらずとも遠からずだったよう。

 今朝(11/13)、おそらく製品ユーザ全員に向けてと思われる、Steinberg社プレジデントからのメッセージのメールが届いた。状況だけ抜き出すと、認証サーバーの能力が負荷(認証要求)に追いつかず、ライセンス認証がなかなか進んでいないということらしい。このため、Cubase Pro11の「アップグレード及びアップデート」の販売を現在中止しているとのことだ。あとメッセージ中には、「ライセンスが失われることは無い」、と明記されている。まぁ、この一文が無いと未だ認証が成功していない人は不安だろう。

 ただ新規通常版やアカデミック版の販売は続けていることから、「サーバーの能力≒ハードウェアの計算能力」の不足がそもそもの原因ではなくて、ソフトウェア的なトラブルか、ストレージやメモリといったサーバーの構成機器のトラブルを起点として、一部サーバーの停止などによる「サーバーの能力≒ハードウェアの計算能力」の不足状態が発生しているのでは、と言う気はする。もともとブラックフライデー(今年は11/27)を予定に進めていた発売を前倒した結果、新規ハードウェアのテストが不十分だったとか初期不良を起こしたとか、知らんけどね。

 なお私の場合は、ライセンス管理サーバーへの接続エラーでCubase 10.5のライセンスがPC上のライセンス管理ソフト(eLicenser)上から消えてしまったり、24時間の時間限定ライセンスでいったん認証されたりと正直かなりスリリング。これらの状態、私のPC上とSteinberg社のアカウント情報データサーバー上とライセンス管理サーバー上とで、認証状態が一致していない時間があったということですからね。どの時点でどこの状態を「正しい」としてもらえるか、何気に怖い。人の手で1件づつロールバック(時間を遡ってデータを確認)しながら処理したとか、最悪のシナリオも否定はし難い。で、Steinberg社のWebページで確認できる私のアカウント情報が正しければ、私のライセンスが正常に認証された時刻はPCの電源を落としてから3時間後ぐらい、11/12早朝のことでしたとさ。

 ちなみに購入のためのショップへのログインにも当時は問題は起きていて、Steinberg社の日本語のWebページからはログインできず(リンクが壊れていたり、ログイン待ちが10分以上続いたり)、結局私は英語版のWebページからログインしました。と言うわけで、Steinberg社の今回のトラブル、実際には結構広範囲のものではないかと思ったり思わなかったり。

 あ、今見ると確かに「近日発売」になってますね。

2020/11/12

Cubase11へアップデート(年貢支払い)

 DAWのCubase Pro11を10.5からアップデート、占めて¥11,000也。Cubaseは毎年年末に0.5刻みでバージョンアップがあるため、「年貢」などとも呼ばれます。実は昨年の10.5はバグレベルの変な挙動が多かったので、結局ほとんど10(最終的に10.0.50)を使っていました。いや実際、ライセンスを持っている別のDAW、FL Studioへの本格的な移行も考えていたぐらいだったのです。

 Cubaseの助かるところはアップデートをインストールしても古いバージョンを上書きせずに残してくれること、つまり上述のように10.5をインストールした状態でも10など(残してあればや9や8でも)古いバージョンが使えることです。おかげで今年もCubaseユーザとして年末を迎えられそう・・・となりました。

 さて、Cubase Pro11ですが、新規機能についてはまだ語れません、なんといってもアップデートしてから未だ1時間程度ですから。なのですが、既にお気に入りと言うか、助かりポイントが多数ありました。代表的なもの2点だけ触れておきましょう。

  • 設定データの初期化が不要!!!
    少なくともCunbase8.5~10.5ではアップデート後に設定データの初期化が要求されていましたが、今回のアップデートではそれがありませんでした。結果、インストール完了から2,3分で、インストール前までアップデータ前のバージョンで編集していたプロジェクトを新しいバージョンで編集できてしまいました。設定データを初期化すると編集してきたファイル/プロジェクトの履歴が消えるし、プラグインデータベースも一からの作り直しとなります。これらは結構うざいんですよ。

  • とにかくイキナリちゃんと動く、10.5のような変な挙動なし!!!
    まぁ、10や10.5で編集してきたプロジェクトを読み込み、再生してみて、というレベルでのお話ではあります。VariAudioとか使いだしたら、10や10.5同様に初期不良的な変な挙動はあるかもしれません。が、10.5などは最初の起動段階で頭抱えるレベルに挙動不審でしたから、印象が全然違います。

 まぁ、ぽちぽち触りますか・・・

 今回はとっても参考になりました!つーか、アップデートのリリースを知ったのは昨夜のこの動画のおかげ、今年は例年よりアップデートが早くないかなぁ。