2020/11/19

「これは政治的に正しいのか?」

 昔読んだ書籍の内容が正しく、かつ私の記憶が正しければ、私の「ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)」という用語との出会いは2002年末となる。件の書籍はディーン・タカハシ著「マイクロソフトの蹉跌」(2002)で、この書籍によればエントリタイトル記載のセリフの主はマイクロソフト社のビル・ゲイツとされる。

  「マイクロソフトの蹉跌」は、優秀だが心折れてしまった優秀なゲーム開発者を主人公に据え、彼が一兵卒としてマイクロソフトに身を寄せるところから始めて、仲間を得ては失うを繰り返しながら、ついにはゲームハード・ソフト事業をリーダー兼エバンジェリストとしてマイクロソフト内で実現してしまうまでを描くノンフィクションである。実際のところはともかく、主人公に心寄せれば、それこそ「主人公の自らによる魂の救済の物語」とも読める内容となっている。なお、本エントリでは主人公や彼のやったこと(やっちまったことも含む)には踏み込まない。学究肌で茶目っ気もある優れた技術屋で、かつ複数の長文エントリが書けるぐらいのエピソードに事欠かない人物なので、ちょっと触れるだけなんて扱いはもったいないんだ。

 さて事業の実現も大詰め、主人公は経営陣も出席する会議で1分半程の技術デモを公開した。デモ内容自体はインパクトあるものだったが、デモを観終わったゲイツは開口一番、「これは政治的に正しいのか?」と発言したらしい。問題のデモのタイトルは"Two To Tango"、この発言の理由は「登場する黒人女性が攻撃的過ぎないか?」或いは「黒人女性とすることで過剰に攻撃的に見えないか?」とされる。では、現在Youtubeで観ることができる、社外に出た時点での"Two To Tango"を観てみよう。あ、「アフリカ系女性」と書くべきなのだろうか?
 これが「ポリコレ」ってやつの一つの結果だ。そして、これはもうほぼ20年前の出来事なのだ。ポリコレはあっという間にハリウッドを席巻、現在はゲームを完全に飲み込もうとしている。が、20年前に一度、ゲームはポリコレにきつい一撃を受け、完敗を喫していたことになる。この辺りの真偽や前後の時代的状況を明らかにしてまとめれば、大学の卒業論文や大学院の修士論文ぐらいには十分に値すると思うのだが、誰か挑んでくれないだろうか。ポリコレはここ10年とかのものではなく、20世紀から世紀を跨いで持ち込まれたものなのである。

 ポリコレの次のターゲットはどこだろう?このブログの他のエントリも読んだことがことがある奇特な方なら、私が考えそうなことは分かるよね?キーワードは既に世界共通語となった"MANGA"や"ANIME"、突破口は「定義が曖昧」という政治的脆弱性を持つ"HENTAI"だ。

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