2013/06/14

クロスオーバーってつまらない

 ここで言う「クロスオーバー」とは、本来別々の物語を組み合わせて新しいストーリーを作ること。映画で言えば「アヴェンジャーズ」が典型的な例で、製作側が版権を持つヒーロー総出演みたいな様相を呈するに至っている。

 個人的には、このクロスオーバーってのは罵り言葉の5つぐらいはすぐに思いつけるほど嫌いでつまらない。理由は簡単で、そもそも相互に一貫性が取れる筈もない複数の物語や世界観を一本の物語に押し込めてしまえば、全体として「一貫性のある物語、世界観」なんて獲得できないのが道理だからだ。「夢オチの方がまだ潔い」と思うことすらある。

 片や、ジャンプアニメコラボは面白がったりする。この場合は作り手の技量、懐の深さ具合をみることになる。「真面目にやったら破綻する」という前提にどう挑むか、実際のところ真面目にやるには極めて難度の高い話なのだ。大抵の「クロスオーバー」のつまらなさは、「真面目にやったら破綻する」という点に製作側が挑みもしないところにある。プロでもそんな塩梅だから、アマチュアとなれば本当に節操がない。

 3DCGアプリなどのコモディティ化が進み、TVシリーズ級のVFXは個人レベルで達成可能となってきている。だが、一定以上の技量を持つアマチュアモデラーはまだ限られているのが実態らしく、海外のアマチュアフィルムメーカーから良く声がかかる。が、その半分はスタートレックと何かのクロスオーバーだ。昨日もまさにそういうプロジェクトへの参加依頼があったばかりなのだが、もちろん丁重にお断りするしかない。さっぱり興味ないんだからどうしようもない。

 守秘義務があるから具体的なプロジェクト名は挙げられないけど、商業プロジェクトへの勧誘も二度ほどあった。もちろん報酬はあるのだが、私にとってモデリングは純然たる趣味、自分が作りたいと思わないものなんかにかかずらわってる時間なんてない。

 でも個人的な信条をうっちゃれば、こうも言える。

 もしあなたが3DCGがらみのキャリアを望んでいるのなら、プロも参加している海外の3DCGコミュニティに積極的に参加しよう。武者修行みたいなもので、本気で挑む限りは無駄になることなんてない。ムービーは「ニコ動」ではなくて"Vimeo"に上げよう。世界中のプロの声を聞こう。世界中のプロを唸らせてやろう。

 世界は広い、が、分野を絞れば「これは!」という人材は決して多くない。これは真面目な話だ。

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