2015/01/25

「自分の解放の為に日本政府に圧力を掛け、安倍総理に働きかけて欲しい」???

「自分の解放の為に日本政府に圧力を掛け、安倍総理に働きかけて欲しい」 - 某報道

ここにはすごい違和感。脊髄反射に近い、まるで「警戒しろ、と私のゴーストが囁いたのよ」かのような。これは何????「安倍総理」って辺りが引っかかるのか????警戒しろとな????

OK, ISIS. I have two questions:
When did you kill Yukawa-san?
When did Goto-san know the death of Yukawa-san? Today, Yesterday or just before/after Goto-san moved to ISIS's territory at that time?

 身代金からヨルダンが拘束しているテロリストとの交換とか、むしろ敷居が上がっちゃってるじゃないですか。湯川氏の実際の殺害時期、それを後藤氏が知っているかどうかとか、様々なシナリオを考えてみてますが、どれも後藤氏解放には無理筋なものばかり。意外に闇深い感じがぬぐえない。う~ん・・・

2015/01/24

ISIS日本人拉致問題とか。

 ISISによる日本人拉致、身代金要求事案に対する総体的な日本人の反応は、ある意味私の想定通りで良い意味で驚いたというのが正直なところだ。想定外は拉致被害者の「母親?が記者会見」だが、会見内容についての私の反応は×○%$#$で、おおむねネット上での日本人の一般的な反応と大差ない。

 Twitterなどを介したいわゆる「コラ」の登場はリスキーだとは思ったが、現時点では一線を越えたものは現れていないようで何よりだ。具体的には「嘲笑或いは攻撃の対象が明確にISIS及びISISメンバーに特定されている」という事で、「イスラム教、イスラム教徒、預言者ムハンマド、クルアーン(コーラン)などを嘲笑、侮蔑或いは攻撃の対象としていない」と言う点で「一線を越えていない」と言える。この一線を越えると色々と面倒くさくなることが大抵の日本人にも分かっているという事なのだろう。

 国際関係における日本及び現行の日本国内環境の特殊性の一つは、例えば「キリスト教vsイスラム教」と言った「正義vs正義」の争いに自動的に組み込まれる要素が欧米諸国と較べて極めて少ないことが挙げられる。例えばドイツ、NATOにおける対外活動を見ていれば分かる通り活動対象地域の住人の宗教に自国内の主要宗教が含まれるか否かで対応、特に積極性が全く違う。カソリック国が同じくカソリック国を積極的に空爆しようとするだろうか、他のカソリック国を「不当に攻撃している非カソリック国」ならばどうか、と言う話だ。

 この観点からは、「支援金の使い方」を含む日本政府のメッセージ発信を基本的に支持している。もちろん、メッセージ通りの行動を日本は続ける必要がある。基本的と言う意味は、「状況の変化」には対応しなければならないからだ。ISISが日本のメッセージを受け取っているようとの報道が正しければ、「日本の置かれた状況を変化させる要因」はISIS側からしか作れない。つまり、発したメッセージによって結果として自由度が小さくなってしまった日本の行動可能範囲は、拉致日本人の殺害によって再びフリーとなる。冷徹に損得勘定する限りにおいて、ピンチなのは実はISIS側であり、米国などの有志聯合なのである。日本人人質が生き続けている限り、日本の取れる軍事的オプションは確かに制限を受け、有志連合軍の戦闘艦船への給油活動もおいそれとは本格化できない。だが、その代わりにメッセージ通りに社会インフラ復興活動への比重を大きくすれば良いだけとも言える。結局のところ、石油などに関わる戦後の利権に関与しない限り、文句を言う国(特アは除く)は出る筈も無い。

 想定はしているけれども良い対処法をまだ見つけられていないシナリオは、有志連合軍の空爆で日本人人質が死亡し、それをISISが宣伝した場合だ。これは次の点に繋がる。

 個人の行動が招いた事案に対する責任の所在、という点も本事案は特殊と言える。報道されている通り、被害者の一人、ジャーナリストである後藤氏はISIS支配地域に入るにあたって、「自らの意志」とその行動の結果に対する「責任の所在」について明確にしている。「ハラキリ」「死んでお詫びを!」は米国などでは定番の日本人ギャグだが、それら日本以外の文化圏の人間からは奇異にも見える行動の背景にある、「責任の所在はどこか、それが自らに帰するう場合の責任の取り方をどうするか」という点に重きを置く価値観が現在の日本においても強く生きていることを再認識させられた格好だ。「自己責任」と言う紋切形の表現の本質は、その裏返しとして上記の価値観があることを知らない人間には決して理解できないだろう。それ故、「身代金を払わないとは日本人には慈悲はないのか?」というISISからの問いかけには最初から意味が無い。

 件の動画公開とそれに引き続いた幾つかの報道を受けた段階で、「立派に死んでくれ」を最低ライン、「即時解放」を最高ラインとの認識は政府も含め、多くの日本人の共通認識となっていたと言っても良いだろう。もちろん、「立派に死んでくれ」を字句通り意味で捉えるなんて愚は日本人ならやっちゃいけない。これは一種の共犯関係の確立宣言であり、責任の所在の移動や死ぬ人間の意志の引き継ぎをも含む表現なのだ。これと同様の観点から、私はいわゆる「A級戦犯の靖国神社への合祀」を全く問題視しない。「戦犯」そのものが遡及法による罪状であることはもちろんだが、彼らに「立派に死んでくれることを望む」と言えた人間こそが戦後の日本復興を支える中心となり得た、と信じるが所以である。「あなたの死を決して無駄にしません」という表現も、本来はそんなお気楽なものではないのだ。

 有志連合軍の空爆が実効を伴う以上、ISISはいずれ自壊する。イナゴの大群、或いは大規模移動焼畑農業団みたいな事しかしていない、持続可能性のない行動しかしていないからだ。知識人の虐殺など、ポル・ポトを思わせるところすらある。そして敵は多い。有志連合だけでなく、産油国(ロシアも含む)、多くのイスラム圏の国やイスラム指導者及び信者も 潜在的な敵である。ここにきて日本にフリーハンドを与えるなんてのは悪手であろう。

 図らずも、ISISの登場は「ポスト・イスラム原理主義過激化」に思いを馳せる時期を明らかに早めた。理由は「反ISIS」と「反イスラム」が等価ではないという、日本人から見れば至極当たり前の認識が世界で受け入れられ始めているからだ。ISISはイスラム原理主義過激派を完全にはみ出ようとしている。

 TV報道などで「これはイスラム教宗派間の対立に根差した代理戦争」とか薄っぺらいテンプレ解説が氾濫しているが、ISISに関してはどう見ても「やっぱり金目でしょ?」が実態のようにしか見えない。「金を流れを追った」とき、 国、王族、経済圏間の代理戦争という枠組みが現れるのはないかと思う。

2015/01/21

音楽関係、Youtube動画2つ。

 まだ観てないんですが、こういうのを公開してくれるのはとっても有難いもの。

2015/01/18

「かまってチャン」をかまってやる優しいマスコミ

 世の中もっと大事な、報道に値する事案がいっぱいある。

 低レベルな言行を低レベルな視点で長時間にわたって放送する報道番組の低レベルぶりは呆れるばかり。コピーキャットの類いの氾濫はかまってやるマスコミにも原因があるだろう。「自分の犯罪行為をインターネット上に公開する若者が何故増えのか?」って、それはまさに「おまゆう」以外の何ものでもない。キャスターやコメンテーターの話す内容は半ばブーメランだ。

 本来は顔写真と名前を出して罪状を羅列、報道なんて15秒で良い。警察は動機を聞いているだろうが、どうせたいした事は言ってない。

 「かまってチャン」なんかは放置が一番・・・おや、エントリのラベルに「アジアワッチ」が・・・

2015/01/16

VOCALOID™4 Editor for CUBASEはまだ買っちゃダメ、かも。

 うちのPC環境特有かも知れないけど、VOCALOID™4 Editor for CUBASEを使うとメモリーリークかオーバーフローか何かが原因でCubase自体が落ちたり、ダブルクリック操作に一切反応しなくなったりと散々。特にクロスシンセシスを使い始めると不具合発生は必至で、VOCALOID™4 Editor for CUBASEを含むトラックの削除すらエラーで出来なくなる有様。

 VOCALOID™4 Editor for CUBASEはまだ使用に耐える仕上がりとはお世辞にも言えない。再生中には編集できないなど、仕様そのものにも疑問が残る。Piapro Studioの完成度だって今一つだが、安定性、レスポンスの良さなどはVOCALOID™4 Editor for CUBASEを遥かに凌ぐのが実態だ。VOCALOID™4 Editor for CUBASEのツールとしての生産性の低さは、ある意味驚くぐらい非常識なレベルと言って良い。

 ちなみに環境は、Windows7 64bit、Cubase Pro 8。

「Macintosh 2015」、かっちぇー

 残念ながら非公式、ドイツのテクノロジーサイト『CURVED/labs』が制作した架空の製品だそうです。かつての熱狂的Mac使いとしては文句なしに「アリ」。SE30とかの本体には片手で簡単に持ち運び出来るようにキャリングハンドル状の凹みがあったけど、そういうところも上手く取りれてくれてたらなぁとは思います。

2015/01/15

石油輸出国機構の挙動についてちょっと考えてみる。

 日本でもガソリン価格の低下が進んでいる。世界的な原油価格の低下によるものだが、これは石油輸出国機構が原油の減産をせず、値上げもしないことが大きな原因であるのは明らかだ。また欧州、中共などの経済減速による原油消費量の抑制が、市場での原油のだぼつきの加速を後押ししている。

 石油輸出国機構の「自らの利益をわざわざ削るような振る舞い」の意図に関しては多くの推定が報道されているが、未だ「それだ!」とお思えるようなそのものズバリの理由には出会っていない。もちろん石油輸出機構機構参加国にはそれぞれ別の思惑があり、おそらく儲けられない状況を苦々しく思っている国もあろう。

 当初はISIS対策との声があった。ISISは支配下に置いた油田、石油精製施設からの原油及び精製製品をブラックマーケットに安価で供給することで多額の活動資金を得ているとされる。しかしISISはスケールメリットを生かした低価格化に限界があるため、低価格化のチキンレースには石油輸出国機構には勝てないとの見立てだ。つまり、石油輸出国機構はブラックマーケットとISISの資金源を同時に潰すことを狙っている可能性である。今後、ISISが身代金目的の誘拐などを大々的に始めたり、勢力が急激に縮小し始めたりすることがあれば、この見立てを支持するサインとも思われる。

 対象としているブラックマーケットは原油、石油製品関係だけではないかもしれない。ISISが入手した資金の一部は武器、弾薬の購入に使われるだろう。 自国内への制御されない武器、弾薬の流入はどんな国も望まない。武器、弾薬のブラックマーケットの規模縮小は、実のところマーケットへの武器供給国への無言の圧力となる。という訳で、今後の石油輸出国機構参加l国とブラックマーケットへの武器供給が疑われる国との間の大型投資案件の内容はきっちりワッチしておく必要がある。あと、ISISを快く思わない中東の国が自国周辺に他国軍を展開させるという事は、傭兵をほぼタダで雇っているのと同等である点にも注意が必要。陰謀論ではなくて、あくまで各国の安全保障方針も含めてビジネスライクに全体状況を理解できないかということだ。

 もちろん、ISIS対策を口実にライバル潰しにかかっている側面も見逃せない。原油価格の低下によって米国のシュールオイル・ガス田の大部分はもはや採算割れが避けられない。カナダのオイルサンドに至ってはもう採算可能ラインを大幅に下回っている。また、経済危機も噂され始めたロシアでは輸出品である天然ガスなどの価格が上げられなくなっており、まさに泣きっ面に蜂という状態にある。

 いずれにしても現在の原油価格の低下は人為的なものであり、市場原理の枠外での動きだ。 しかも、石油輸出国機構への参加国は少なくとも短期的には利益機会の喪失を受け入れている。でもこんな状態が長く続く筈も無い。石油輸出国機構の本当の意図が見えた時には、既に彼らの勝利が確定したという事なのかも知れない。

2015/01/14

韓国・平昌冬季オリンピックに関してもう一度確認しておくべきこと

 久しぶりにこの絵を見たのでエントリタイトルの通り、ちょいと確認しておこう。ファクトはファクト、どうしようもない。ちなみにこの絵はオリンピック招致活動時に使われたものと聞いている。
  • まず、朝鮮半島がデカい。考えられる理由は言わぬが華、実につまらない。おそらく笑い処。
  • なんと既に南北朝鮮共催となっている。ここで「半島統一国家という意味では?」という指摘はおそらく誰か達にとっては正しいが、誰か達以外には唯の妄想。十中八九笑い処。
  • 日本は平昌冬季オリンピックには全く関係ない。そもそも日本が無い訳だから何もできません。まぁ、頬笑みを浮かべつつ生温かく見守るぐらいしかできることはありません。
    地図から消すとか、ヘイトってのは本来こういう事。ついでに日本海は太平洋の一部になりますな、ふふふ。
 대한민국 화이팅!(大韓民国、ファイトぉー!(棒))
 
 それはそうと、今日の某報ステもコメンテーター、キャスターともに大滑り。「報道の自由」については「報道の責任」に言及して見事なブーメラン、おまゆうとはまさにこれ。ODAについては例えば中共のアフリカでの所業などにはほっかむりで適当発言を連発、もしかしたらASEAN諸国などを見下しているのかな?自分がお花畑の住人だからと言って他人もそうだと思うのがおそらく彼らの限界、想像力や大局的視点の完全な欠如ぶり、情報薄弱ぶりを如実に示す証左だと思う。一般的な日本人はもちろん、ASEAN諸国が果たして中共の手玉に取られているとでも思っているのかな?海外の報道も追っかけていれば(私も英語だけだが)決してそんな結論にはなり得ないんだけどね。

2015/01/13

中共経済と豚肉価格

 ウォールストリートジャーナル日本語版のレポート「中国の予想外の低インフレ、背景に豚肉」が余りにタイムリーでびっくり。レポートの内容は、中共の消費者物価上昇幅が消費量の多い豚肉の価格低下で押し下げられている、という点を指摘したものだ。

 タイムリーの意味は、今朝テレビで「中共で死んだ豚の肉を違法に流通させて儲けているグループがある」という報道を観たからだ。儲ける仕組みは下記の通りである。
  • 養豚業者は病気などによる豚の死亡に対して保険をかけている。件のグループは保険業者に賄賂を支払って病死、事故死した豚の情報を入手、死んだ豚を養豚業者から買い取る。おそらく、買い取り価格は二束三文であろう。
  • 件のグループは豚肉の流通を管理している食品衛生部門の人間に賄賂を支払い、死んだ豚の肉が「流通させても問題ない健康な豚の肉」であることを示す証明書を入手する。一種のロンダリングである。
  • 晴れて病死、事故死などにより本来流通させられない豚肉を堂々と販売できる。
2ヶ所に賄賂を支払いつつ利益を出す最も簡単な方法は、不正に販売する量をとにかく稼ぐこと、すなわち大規模化である。この見立てが正しければ、中共がらみは二重三重にヤバい。

 まず、中共内で流通している豚肉にかなりの量の「病死した豚の肉」が混じっていることになる。輸出していればもはや中共内の問題では済まない。次いで儲けが出るほどの「豚の病死」がある場合、口蹄疫などの家畜の疫病が実は蔓延している可能性が高い。ちなみに豚口蹄疫は最近韓国でも蔓延が確認され、かなりの規模の殺処分が行われている。そしてウォールストリートジャーナル日本語版のレポートで指摘されているように、おそらく安価で流通している不正な豚肉によって消費者物価などの中共の経済指標がゆがんでしまう。判断材料自体が間違いとなれば、対策も間違いとなることはまず避けられない。つまり、死んだ豚の不正な流通は世界経済とリンクし得ると言って良い。

 なんとも恐ろしいことだ、っつーか全く洒落になってない。

2015/01/11

フランスでのテロ事件、雑感

 報道内容を信じる限り、逃走中に車を止めてまで殺害した警官がイスラム教徒だったというのは皮肉かつ救いの無い話だ。本件に関わるテレビでの朝日新聞社の解説委員らのコメントが具体性の無いのはさておいても、自社の姿勢(捏造報道の数々)に見事なまでにブーメランとして帰っていく様は救いが無いを越えて(論理性が全く無いが故に)馬鹿にしか見えないのも実に皮肉な話だ。自由の行使とそれに伴う責任について現時点の朝日新聞社の人間に語る資格なんかありゃしない。自ら行使した「報道の自由」に対する責任を放棄したまま、なんら「具体的に購っていない」からである。

 「イスラム教徒=テロリスト」或いは「マスコミが嬉々として報道=捏造、恣意的解釈」といった一種の定型化された、硬直的な認識の打破にはまず左辺側の言行のちょっとした、ただし本質的な変化が必要であり、変化しないことは主体的な選択と見做され得る。例えば「何処までがイスラムの大義に基づく正義だったのか」がイスラム指導者から明確にされれば、一連のテロの見え方をかなり違うものとできるだろう。報道機関、ジャーナリスト、国家も同様である。

 素朴に、「『神は偉大なり』『ムハンマドの名誉を回復したぞ』と声を挙げながら、明らかに殺害される理由の無いイスラム教徒警官を射殺したイスラム教徒達」がイスラム法でどう扱われるのかが現在凄く気になっている。(知らないが故にざっくりとした表現しかできないが、いわゆる)イスラム法を調べ、理解することが今後暫くの自分の課題となりそうだ。ただ敷居は極めて高い。その基礎たるクルアーン(コーラン)は基本的に他言語への翻訳が禁じられているためである。つまり、一次文献たるクルアーンの内容を文字通り正確に、翻訳による歪みがない状態で把握するためには、まずアラビア語が読めなければならないのだ。次いで解釈にはイスラム文化圏の知識も必要になる。

 さて、テレビで某朝日新聞社コメンテーターが不用意に「文明の衝突」という表現を口にした。

 「文明の衝突」という表現、概念自体は昭和からある使い古されたものであり、大雑把に言ってまぁ使っても良いだろうとは思う。が、使い古されているということは、その処方箋に対する議論も広く為されてきているのである。つまり少なくとも言論人たる者がポスト「文明の衝突」の一端にでも触れられないならば、勉強不足、知識不足、思考停止などなどのそしりは免れられない。上述の「朝日新聞社の解説委員らのコメントが具体性の無い」とは、まさに文明の衝突に対する処方箋を含まない点を指している。そもそも「文明の衝突」の概念を理解しているのかどうかも疑わしいのである。経済を知らず、歴史を知らず、社会を知らず、文明も知らず、宗教も知らずで解説委員とか、ふざけるにも程があるのであると言えよう。確かに現時点で有効かつ具体的な「文明の衝突に対する処方箋」はない。だがそれ故に、「解説員たる者」は処方箋に相当するヴィジョンぐらいは語って欲しいものだ。とは言え、言葉を選ばない限り自らの首をも締めることは必至と言える。一種のパラドクスとなるが、上述したような硬直化した認識の打破は、従来の自己否定をも含むものとならざるを得ない。本当の勇気が問われる、卑怯者と他者から後ろ指を差されなくなる一線と言えよう。アポロ計画をはじめ、技術発展においては名も無き「荒野に名を呼ばわる者」(誰にも相手にされない反逆者)の存在は無視できない。

 以降は不謹慎なジョークとして理解頂きたい。対テロ部隊を全員女性とすることにしたらどうだろうか。「女性に殺された場合は天国に行けない」「自殺した場合には天国に行けない」という宗教的価値観を持つ集団の構成員がテロリストである場合へのカウンターとしての一つの解である。

 「殺されなさい、死して永遠に呪われなさい。」という強烈なメッセージだ。

 「文明の衝突」を衝突のまま放置して先鋭化させた場合、この種の殺伐とした世界が待っている。