2014/06/14

奥さん、論文査読お願いします。:やっぱりあの大学は駄目...

 今取り組んでいる仕事に役立つかと思い、海外の大学の修士論文などを読み漁っていた。なぜ修士論文か。
  • 一般的に博士論文の出来は完全に当人の責任、修士論文までは重要な点については指導者の指導が入っていると考えていい。結果、中身の充実度は修士論文が勝る場合が多々ある。酷い博士論文は「受理しない」でおしまいにできるけど、修士はそうはいかないからね。
  • 試験データをまとめた付録が充実している場合が多々ある、これは、指導者の指導にそってデータまとめを執筆者自身が行っている可能性が高いため。

 私の専門分野だと例えばカナダのオタワ大学に大家がいらっしゃる。新規性はさすがに最近は厳しくなってきたが、実用性という観点からは成果を着実に積み上げてきている。修士の学生もその成果の蓄積をきっちり踏まえることを要求されるから、修士論文も大外しはしない。基礎がしっかりしているので、浮ついた展開にならない。付録の試験データの整理方法もこなれており、客観的な評価に耐えられるものだ。

 つまり、「検証可能」。

 で、そんな過程で米国の某大学の「修士論文」を読んだところ、工学にも関わらず数式がほとんど出てこず、技術用語の誤用や試験データの一貫性の欠如(試験データからだけでは妥当性の検討か不可)となかなか酷い出来だった。

 はっきり言おう、あれはエッセイだ。「ここまでの旅路」とか、目次にも技術論文感がない。

 「ああ、あの大学の修士じゃぁしょうがねぇかぁ…」などと思いつつ机に投げ出した論文の写しの表紙を何気に眺めると…「え、博士(Ph. D)論文?!しかも受理したとな!?」。

 やっぱり私の専門分野ではあの大学は駄目だ。

2014/06/13

椎名林檎さんのNHKサッカーテーマ曲「NIPPON」への変な反応

 さっぱり訳分からん記事、「椎名林檎のNHKサッカーテーマ曲、その“右翼ごっこ”より問題なこと」、っつーか記事の体裁も整っていない。

 「音楽批評」って気楽な商売に見えるじゃないさ、タイトル中の「問題」ってなんなのさ、それはNHKに言う話じゃないのかねぇ。そもそも「音楽批評」って何なんだろう、記事からはさっぱり伝わってこない。

 情緒も論理も無しの典型的な駄文。テンプレ○声○○も裸足で逃げ出すんじゃないかの低レベル。下には下があるものだ。

発送電分離先進国、英国と独国の話

 World Nuclear Newsの記事、"Energy market 'does not value low carbon'"から。

 英国は発電会社と送電会社が分離されている。記事では送電業者のNational GridのCEOの発言を紹介している。曰く、
the energy market today does not value low carbon, and it is crystal clear that very few markets place a true value on security of supply.
ざっくり訳すと、
今日のエネルギー市場は低炭素(排出)に価値を見出していない、エネルギー安全保障に価値を見出す市場も明らかにまれだ。
って感じかな。

 発送電分離して市場メカニズムに電力供給を委ねた結果、市場は地球温暖化(気候変動)対策やエネルギー安全保障に頓着しない状態にあるということだ。安い電気、でもいつ何時停電するか分からない、という状態にどんどん向かっているという認識なのだろう。欧州各国政府や国民は日本に較べれば地球温暖化に対して感受性は高いのだが、市場原理に委ねてしまうとそれでも価格第一にならざるを得ないようだ。

  「エネルギー安全保障」は国防、経済の競争力維持ともに関わる重要マターだ。

 独国は太陽光発電などの再生可能エネルギーを優遇することで電力の市場メカニズムに介入したが、大企業は安い化石燃料を用いた自家発電設備の所有に舵を切った。つまり、電力市場では地球温暖化(気候変動)対策へのインセンティブが有効に働かず、買い手市場の傾向を強めながらも電力価格が高止まる方向に進んでいるということだ。結果、企業は安い電力を求めてなおさら自家発電設備を所有することになり、こと地球温暖化ガス排出に関しては文字通り負の連鎖の様相を呈しつつある。しわ寄せは一般消費者に向かう。再生可能エネルギーの優遇措置のための税金を払いつつ、高い電力を買わざるを得ないからだ。企業も良いことばかりではなく、安さを優先すると露国からの化石燃料への依存性を高めざるを得ない。ウクライナに対する西欧諸国の対応の温度差の背景にエネルギー安全保障があることは明らかだ。

 英国がどこに向かうのかはまだはっきり見えない。日本はなおさら見えない。

2014/06/11

ウォン高進行、いかんともし難し?

 輸出好調、IMF(国際通貨基金)やEUなどから「貨幣価値が8~11%過小評価されている」といった指摘もあり、韓国ウォンの格付けもアップ、ウォン高圧力は高まるばかり。しかしながらサムスンや現代自動車の想定レートは1050ウォン/1ドルということらしいので輸出好調でも利益率は厳しい筈。

 「韓国経済崩壊」なんて望んじゃいない。が、政治、経済、金融システムなど現在の韓国は比較的シンプル、かつ規模が小さめなのでワッチしていると色々と見えてくるのも事実。割と極端な輸出依存型、外資支配型経済のモデルケースと見做せると思います。日本との通貨スワップが無くなっただけでも見通しの良さが全然違ってきてます。中国は○か×のどちらかなので、○で有る限りは外乱にはなりませんし(×になったらこれは世界的にマズい訳で…)。まぁ、韓国企業への融資額が大きい日本の某銀行(複数)が大丈夫かは不安ですが、もちろんそんな銀行に口座なんか開いたりしてません。

 不謹慎だとは思いますが、なんか目の前で大規模実験が行われている…みたいな感覚なんですよ。

 あなたがこれを読んでいる時は幾らになってるでしょう?しばらくワッチしましょう。ちなみに値が低いほどウォン高ドル安です。


Investing.comInvesting.com 日本 によって機能された外国為替チャート。

電力事業法改訂ですか。

 小売全面自由化。個人的には全く評価しない。

 私なら電力当たりの地球温暖化ガス排出量ができるだけ少ない会社を選びます。故に、現時点では太陽光発電はあり得ない。その種の情報をちゃんと出してくれないと困るんだけどほとんど出さないだろうね。中国製太陽電池とか製造時に炭酸ガス排出し過ぎ。

 安定供給義務は残すってのも虫が良すぎ。電力価格が下がる理由が無い。これまでの日本の地域分割アプローチは、欧州ではけっこう評価する向きもあるんだけどねぇ。

 価格を追求するあまり不純物の多い(概して放射性物質を多量に含む)化石燃料を使用なんてことになったら目も当てられない。ちなみに北朝鮮の石炭は良質、と言われているようですよ。

 関連エントリ。

 「発送電分離」について思うこと(その1)
 「発送電分離」について思うこと(その2)
 「発送電分離」について思うこと(その3)
 ドイツのチャレンジとウクライナ

2014/06/10

セルビア洪水復興支援募金の受付情報

 遅まきながらセルビア洪水復興支援募金に僅かばかりだけれども募金。本当にここんところの気候は全地球的におかしい。

 セルビア共和国には東日本大震災に際して厚い支援を頂いたので、端っことはいえ被災地に住む身としては無関心ではいられないのです。

米国の「失望」、キャンペーンが始まってるかも:||?

 米国のキャンペーンは怖い。先のこのエントリこのエントリで触れているように、米国の韓国離れは既定路線の様に見える。今回はウォールストリートジャーナルの記事「韓国は4年後に日本追い抜く―1人当たり所得で=ムーディーズ」だ。これは対ドルでウォン高を誘導しているようなものだ。

 問題は、というか困ったなと思うところは、この種のシグナルを韓国が正しく理解しているようには見えないことだ。

 例えば韓国独自の戦闘機開発計画「KFX」に対しては、米国は国内のシンクタンクに「韓国は独力で開発可能」との見解を出させている。普通ならば、「いや、それは…」とその時点で慌てるべきとしか思えないのだが、韓国軍はそれより後に「(ロッキード・マーティン社の)F-35Aを購入するので、KFX計画にロッキード・マーティン社の出資と技術供与を求める」なんてノンキなことを言っている。

 F-35Aの購入は随意契約、つまり値段交渉はできない契約だ。追加事項なんて普通は盛り込める余地なんてない。百歩譲ってロッキード・マーティン社がKFXに出資することがあっても、その分の額がF-35Aの購入価格に上乗せされるだけだろう。技術供与についても見通しは暗い。米国は韓国を「軍事技術情報のリーク源」と見做しているという報道は散々されている。どこかの段階で情報リークの証拠を突きつけられるようなことにでもなれば、良くて韓国への技術供与は停止、普通なら韓国に賠償が求められるだろう。

 2011年には、F-15K戦闘爆撃機が搭載する赤外線捜査追跡システム「タイガーアイ」を韓国が米国に無断で分解、リバースエンジニアリングした疑惑が持ち上がった。調査結果は韓国はシロとの結論だったが、製造中止を理由に部品価格が既に6倍まで高騰していると聞く。「タイガーアイ」採用国が韓国だけであるため足元を見られている可能性も否定できないが、実は制裁措置だという意地悪な見立てを否定する材料もない。つまり、調査結果自体が韓国に対する米国のシグナルである可能性もあるということだ。

 朝鮮半島における戦時作戦統制権の米軍から韓国軍への委譲時期も結局のところ変わらないようだ。戦時作戦統制権の委譲時期は既に延長されたものだが、韓国からの再延長の要請は米国に黙殺されたと見える。戦時作戦統制権の委譲時期については、今後の日朝間の動きも影響因子となり得る。本件に対する韓国の日本への反応は、少なくとも報道に見る内容については、やはり的外れな感じが否めない。視野が狭く、戦略眼が欠けるのは確かだろう。

 "You were warned.(警告済み)"、 米国は本当に怖いよ。韓国は変だよ。

追記:

 予算不足じゃしようがありませんな。中央日報の記事から
米上院軍事委員会は2日、予算不足を理由に大邱(テグ)にあるキャンプウォーカーの軍人住宅建設事業に配分された5780万ドル(約590億ウォン)の予算執行を保留した。軍事委は韓米防衛費分担特別協定を利用したり、竜山基地移転計画を見直すことを求めた。
あ~、議会がついに言っちゃった。 つまり、そういうことですね?

2014/06/08

ハングル文字って確かにそうだねぇ

 韓国語はまったく知らないのだが(ちょっと嘘、他人を罵倒する時の表現は知っている。言われたことがあるからね)、ハングル文字は全ての音を発音できないにしても読むことはできる。これは何の自慢にもならなくて、ひらがなで言うところの五十音表に当たるものを単に覚えているだけだ。覚える、という観点からはハングル文字は実に機能的だ。地名や人名といった固有名詞はすぐに判別できるようになる。

 が、ウェブ上でのとある指摘 にちょっと目からウロコ、頭で分かっていても実感がなかったというのがポイントだ。

 具体的には、ハングル文字と言うのは単なる表音文字で、かつ音と文字は一対一の対応しかないから、同音異義語の区別は文脈に頼らざるを得ない。これは書き文字としては機能不足の感が否めない。

つまり、
グタイテキ ニワ ハングル モジ トイウノワ タンナル ヒョウオンモジ デ、 カツ オン ト モジ ワ イッタイイチ ノ タイオウ シカ ナイ カラ、 ハングル モジ ノ ブンショウ デワ ドウオン イギゴ ノ クベツ ワ ブンミャク ニ タヨラザル ヲ エナイ。 コレハ カキモジ ト シテワ キノウ フソク ノ カン ガ イナメ ナイ。
という感じで、更に書きなぐると、
グタイテキニワハングルモジトイウノワタンナルヒョウオンモジデ、カツオントモジワイッタイイチノタイオウシカナイカラ、ハングルモジノブンショウデワドウオンイギゴノクベツワブンミャクニタヨラザルヲエナイ。コレハカキモジトシテワキノ ウフソクノカンガイナメナイ。
となってもはや読む気も失せる。更に畳みかければ
gu ta -i te ki ni wa ha -n gu ru mo ji to -i -u no wa....
といった表現が実際により近いだろう。これを読むのは半端無くツラい。

 考案者が福沢諭吉であるかどうかの真偽は置くとしても、戦前、戦後期に使われていた「漢字ハングル混じり文」表記の機能性の高さ、合理性は否定しようがない。が、漢字はもはや韓国では使われなくなってしまっている。これを一種の退化と見做す人が居ることは十分に頷ける。

 古代エジプトのヒエログリフ(聖文字)、古代マヤ文字も基本的に「母音+子音」の組み合わせで一文字を構成しており、構造はハングル文字と実質的に同じだ。

 ヒエログリフにはカルトゥーシュと呼ばれる「丸囲み」表記方があり、主にファラオの名前などに使われる。またカルトゥーシュと組み合わせた場合、ヒエログリフは「表意文字的に使われる場合もある」らしい。古代マヤ文字では、少なくとも碑文での使用においては、何をどこにどういう順番で書くかという「構造」がある。加えて古代マヤ文字で顕著なのだが、同音に対して複数の「母音を表す文字」と「子音を表す文字」がある。

 同一の音に対して複数の文字がある理由についてはまだ定説はないようだが、碑文の文字として「見栄え」を優先できるように選択肢を増やした可能性が高いとされている。が、上記に示した様なハングル文字の現状を思うと、同音異義語の区別にも使われたのではないかとも思わずにいられない。もしそのような機能が付与されていたとすれば、古代マヤ文字はハングル文字よりも書き文字としての機能は高いといって良い。例えば「ジャガー」由来と「石」由来の同音の部分文字に、漢字で言うところのケモノ偏とイシ偏のように「表意文字」的機能を持たせることだって可能だ。まぁ、それは無さそうではあるんだけど。

 英語にだって同音異義語はあるが、大抵は綴りが違う。品詞が異なる場合もある。北京語では漢字で同音異義語は厳密に区別され、話し言葉には声調まである。

 日本語の話し言葉は同音異義語の区別機能は北京語に劣るが、イントネーションの地域差をきっちりおさえておけば実用上の問題は少ない。書き文字に至っては、漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット、漢数字、アラビア数字が混交して当たり前だ。しかも、ひらがなであっても音は必ずしもひとつじゃない。「は」と「わ」もそうだし、歴史を紐解けば「てふてふ」は「ちょうちょ(う)」と読むのがかつては普通だった。 「けふ」とか「ひらつか らいてふ」とかもそうだよね。

 文字は言語を、言語は文化を反映している筈だ。故にそれまで使っていた文字を捨て去ることは、関連する文化的側面を失うことになりかねない。話し言葉においては「異音の同音化」(「を」と「お」、「ゑ」と「え」とか)は話し言葉の発展上は避けられないようだけど、それは区別する必要性が低いことを理由とする合理化であって文字を捨てる事とはレベルが全く違う。

 文字とは関係ないけど、日本語にも複数形や過去完了形が欲しいと心から思うんだよなぁ…。

2014/06/07

ぷうぺらさんの三段空母は…

 ワンフェスやらガレキとかの世界にはとんと疎いのですが、「ラブタコス」の名でワンフェスに参加されている「ぷうぺら」さんの次作が宇宙戦艦ヤマトの「三段空母」、しかも題して「ガミラス三段空母1945」ですと!

 製作過程をウェブで公開されているので、ここのところワクワクしながらページ更新を待つ日々が続いています。

 メールの相手をして頂いた事があるだけで直接の面識はないのですが、ぷうぺらさんは私にとっては「遥か先を行く松本(零士)造形への挑戦者」とでも呼びたい存在。おそらく松本零士氏のペンの入り抜き(ペンタッチ)にまで思いを馳せながら松本造形の立体化に挑んでいる、と勝手に想像している次第。

 で、「ガミラス三段空母1945」ですが…あぁ、やはりやってくれましたか、そうでなくっちゃね、と私的には納得の展開、全力での支持を表明します。何がって、「丸いおしり」ですよ。あそこはああいうヴォリューム感でああいう丸さであるべきです。もちろん、その「おしり」が成立するためにはそれ以外の部分も重要、そういう辺りの塊感、ヴォリューム感のバランス感覚には何時もながら唸らされます。そういうセンスが私には無いのが実に遺憾、ジャガイモに名刺を3枚突き刺しただけでは普通は三段空母にはならんのですよ。だけどジャガイモの形の目利きにはそれができるかも。

 例えが分かりにくくて申し訳ないですが、要は三段空母の見た目全体像をどう料理するかのポイントのひとつは、丸さを湛えたヴォリュームと直線的な甲板とのバランスと境界の処理じゃないかということです。境界をくっきりさせるか、それとも馴染ませるか。松本氏のペンタッチからはおそらく馴染ませるのが正解という気もするけれど、あくまでそれは二次元でかつ輪郭線でのお話。既に不用意に「名刺を突き刺す」なんて書いてしまいましたが、「ジャガイモの一部を削って名刺をそおっと乗せる」という解だってあるわけです。やっぱりこういう感覚を正確に表現する言葉ってのは無いですね。ぷうぺらさんの解はまた違ったもの、甲板の側部に曲線要素を導入しているので「名刺」の例えはもはや使えません。

 実は三段空母、2199版がやっつけぽくて余りに面白味に欠けたのでオレ版CGモデルネタとしてリストアップはしてあるのですが、あの「おしり」見ちゃうとなぁ…やりにくいよなぁ…止めるつもりも無いですけど、方向性は少し変えないと面白くないですね。もちろんアングルドデッキは恥しいからやんないですよ、あの醸し出される「考えてない感」は半端じゃないですからね。

 興味を持った方は、ぷうぺらさんのページ「sumika on the web」 の上部のリンク「ラブタコス」からどうぞ。

追記:2014/06/07
 版権不許諾通知届いて製作ストップ
が~ん!!

2014/06/04

つ iTunes11.2.2.3

 所謂「右端が変」問題はとっとと解決されると思っていたのだが、未だこの有様。「再生履歴に一番最後に再生した楽曲は表示されないが、とにかくリストの一番上の楽曲をクリックすると『一番最後に再生した楽曲』が再生される」とか、iOS7で発生している問題も引き継がれている模様。ライブラリも直ぐ変になるしね。