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2021/05/25

SONY WH-1000XM3、DAWモニタリング用に復帰する

 DAW触ってる限りはモニタリング用ヘッドフォンを物色し続けるんだろうなぁ。

 で、エントリタイトル記載の状況発生の原因なのだが、もちろん一つではなくてざっくり以下の3点に集約される。

  1. DAW(Cubase Pro)を動かしているPCのBIOSがアップデートされたら、ヘッドフォン端子の挙動がおかしくなった。
  2. DAW(Cubase Pro)を11にバージョンアップしたら、BluetoothヘッドフォンがDAWのアウトプットに指定できなくなった。
  3. DAWのモニタリング用ヘッドフォンについて改めて考える機会があった。

 まず前段について簡単に記す。

 2019年に購入したヘッドフォンSONY WH-1000XM3は、ノイズキャンセリング機能には文句のつけようがないのだが、如何せん周波数応答特性に「味付け」が過ぎた。ここで言う「味付け」とはメーカーが意図的に施した周波数応答特性の調整を指す。低音の強調とかが典型的な例だ。味付けが過ぎることの問題は、聞こえる音が音楽の作り手、送り手が意図したものからどんどん離れていくところにある。逆から言えば、「味付け」が過ぎるヘッドフォンで「いい感じ」に聞こえる音は、他のヘッドフォンやスピーカーで再生した際に聞くに堪えないものになる可能性があると言うことだ。故に、SONY WH-1000XM3はDAWのモニタリング用ヘッドフォン、特にマスタリング時にはとても使えないと言う残念な結論に一旦至った。まぁ、下調べが足らんかったと言えばそれまでなのだが、まさかあの価格帯で、しかもノイズキャンセリング機能を売りにする製品で、あんな強い「味付け」が為されていようとは思わなかった。

 じゃあマスタリング以外での使い勝手はどうかと言うと、Bluetooth接続によるレイテンシ(ここでは、音の再生遅れ)が大きくて輪をかけて使えない。聞こえる音の音量などの変化とDAW上のメーターの上下動とのズレの所為だけで、私は数分で酔ってしまう。

 とは言え高い買い物ではあったし、PCならば周波数応答特性はいじれなくもない。そこで昨年当初に試したのがSonarworks Reference4 Headphone Editionと言うソフトの試用版だ

 このソフト、測定結果に基づくプリセットデータがあれば、ヘッドフォンの周波数応答特性を「味付けが無い状態(以下、周波数応答特性がフラットな状態、または単にフラットな状態、と言う)」に限りなく近づけてくれる。別の言い方をすれば、作り手、送り手が意図した音に近づけてくれる(筈)。あくまで「私の耳」での話だが、ソフトを介して特性をフラット化したSONY WH-1000XM3とSennheiser HD599(半開放型)との音は様々な音源で区別ができなかった。敢えて分かる差があるとすれば、クローズハイハットのような高周波数を含む音の輪郭がSONY WH-1000XM3の方がはっきり聞こえる(粒立ちが良く聞こえる)ぐらいだろうか。が、これは密閉型+ノイズキャンセリング機能のおかげが大だろう。とは言えBluetooth接続のレイテンシの大きさは如何ともし難く、加えてSonarworks Reference4を介することでも追加のレイテンシが発生するから、やはりDAW操作時のモニタリング用途には使えないとの結論に至った。

 ただ、DAW操作時のモニタリングのメイン機として使っているSennheiser HD599の周波数応答特性にもSonarworks Reference4を介せば私の耳でもすぐ分かるレベルの「味付け」は有ったので、暫くしてSonarworks Reference4 Headphone Editionを購入した。ちなみにこのソフトにはDAW用のプラグインも同梱されている・・・と言うか、本製品の真価が本当に問われるのはDAW上でだろう。

 これでやっと前段の説明終了だ。DAWのモニタリング用途も意図してSONY WH-1000XM3を購入したものの、1年以上も塩漬け放置状態となっていたと言うことだ。では、SONY WH-1000XM3の復帰?を促した上述の3つの原因に触れていこう。

 まず原因その1。私のメインPCはDell社の2020年モデルなのだが、最近うっかりBIOSをアップデートしてしまった。具体的には1.0.5から2.0.11へのアップデートだ。不用意なBIOSのアップデートを原因とするオンボードのオーディオ機能の不具合に悩まされる経験が重なったことからBIOSのアップデートは避けてきたのだが、今回はMicrosoftアップデート内に紛れてアップデータが配信されてしまい、チェック漏れから万事休すとなった。

 今回のバージョンのBIOSでもオーディオ周りに幾つか不具合が発生している。例えばPC動作中にフロントのヘッドフォン端子からヘッドフォンを一旦抜くと、ヘッドフォンを刺し直そうが別のヘッドフォンを刺そうがOSがヘッドフォンを認識しない。より厳密には、OSから見てヘッドフォン端子自体が無い状態となる。ヘッドフォンの再認識には、ヘッドフォンを端子に刺した状態での再起動が必要だ。このような状態発生のひとつの回避方法は、ヘッドフォン用の延長ケーブルをPCフロントのヘッドフォン端子に刺して絶対抜かず、ヘッドフォンの交換は延長ケーブル経由とすることである。もうこの時点でハードウェアとOSの連携が取れなくなっていることが分かる。この連携を担うものこそがBIOSなのは言うまでもない。

 結果として延長ケーブルのメス側端子が常にが手元にある状態となり(PC本体はお気持ち遮音と綺麗なエアフロー経路の確保を目的とした簡便な仕切り板の向こう、1m強離れたところに置いてある)、ヘッドフォンの交換の億劫感がエラく下がった。

 次いで原因その2。メインDAWであるCubase Proのバージョン11へのアップデートに合わせてGeneric ASIOドライバーもアップデートされたが、BluetoothヘッドフォンがDAWのアウトプットの選択肢として表示されなくなった。ASIO4ALLやFLStudioASIOと言った他のASIOドライバーでは選択肢として表示されるので、これはOSではなくドライバーの問題だろう。ただ私の環境では、DAWとASIOドライバーとの相性からGeneric ASIOドライバー以外の選択肢は無いので、SONY WH-1000XM3をCubase Proで使いたければ有線接続するしかない・・・ん?、有線接続ならBluetooth接続を原因とするレイテンシは気にしなくて良くなるぞ、アレ?

 最後に原因その3。まず、Sonarworks Reference4 Headphone Editionを後継製品のSoundID Reference Headphone Editionに最近アップグレードした。利用しているオンライン決済サービスからのクーポンなどを最大限活用し、かなりお得にアップグレードできた。次いで、Youtubeでお勧めされたシユウさんの動画 「【最強ヘッドホン】全ての音が見える『YAMAHA HPH-MT8』は、聴いてるだけで音作りが上手くなるぐらいヤバい。」を観て、さらにSonarworks Reference4でYAMAHA HPH-MT8の周波数応答特性を確認したところ「(少なくとも周波数応答特性に関しては)成程!」となったことが大きい。

 SONY WH-1000XM3の周波数応答特性は下図の紫のラインだ。黒い水平な直線が「味付け」の無いフラットな特性であり、私がモニタリング用ヘッドフォンに求めている理想の特性、作り手や送り手の意図した音が再現できる特性だ。50Hz以下の領域でも実際よりも大きな音で再生する特性となっているので、音がモコモコし易い。また1k~5kHz付近の音を実際よりも小さく再生する特性は多くのヘッドフォンで見られるが、6dbを超える再生音量の低減はやり過ぎだ。

対してYAMAHA HPH-MT8の周波数応答特性は下図の通りで、明らかにSONY WH-1000XM3よりもフラットだ。

 

 周波数応答特性がフラットな方が「音が良くなり得る」或いは「聞き心地が良くなり得る」理由は考えてみれば単純で、「プロが楽曲のマスタリング時などに使用している機器の音周波数応答特性が基本的にフラット」であるからに他ならない。作り手、送り手の意図通りの音が再現されるから、と言い直しても良い。

 「じゃぁさっさとYAMAHA HPH-MT8を買ったら?」と思ったあなたは正しい。だがヘッドフォンは実際に装着してみないと分からないことも多く、新型コロナ禍下の田舎暮らしの身にはなかなか実物に触る機会が作れない。まぁ金銭的に余裕が出てくれば、実物を触らないまま何かをポチりそうであることは否定しない。

 一方、「SoundID Reference Headphone Editionとやらがあれば、別にYAMAHA HPH-MT8なんて買う必要なくね?」と思ったあなたもかなり正しい。実際、ここで触れていないものも含めて様々な要因から現状の私はそういうポジションを取っている。故に「有線接続前提で」SONY WH-1000XM3がDAWモニタリング用に復帰した訳だ。何のかんのとノイズキャンセリング機能の利点はバカにできない、バッテリーの持ちも良い。物理的にはやっぱり重いけどね。

 とは言え、SoundID Referenceにもレイテンシがある。20~60ms台なので基本打ち込みしかしない私には許容範囲だが、録音する人には耐えがたいレイテンシだろう。故に「SoundID Referenceがあれば良くね?」と言うのはあくまで私のようなDAWの使い方をしている人間にしか当てはまらない訳で、YAMAHA HPH-MT8とかを使って低レイテンシとフラットな周波数応答特性の音を両立するのが王道なのは変わらない。

2021/03/13

Kill all Killer survices!!またはDellはもうダメかもしれんね

 本エントリは
・2019~2020年に購入したDell Technologies社PCのユーザー

・フレッツ光回線でIPv6 IPoEサービスを使用開始
したところ
・Youtubeへのアクセス自体が遮断されて困っている方
に役立つかもしれないメモです。FacebookなどIPv6でしか提供されていないサービスでの類似トラブルも、同じ方法で解決できるかもしれません。お約束ですが、本エントリの内容は私のトラブル対応経験と感想です。トラブル対応手順などの説明を意図したものではなく、本エントリの記載内容に基づき発生した如何なるトラブルに対しても責任は持ちませんのであしからず。

 で、原因はプレインストールされている"Killer Control Center"及び/またはその関連サービスのようです。このKiller~の名前のソフトウェアサービス群はネットワーク通信の優先順位などを制御していますが、私に言わせればメモリやCPU負荷の無駄です。「目論見通り動作すればストリームビデオ視聴も常時接続ゲームも快適」となるのでしょうが、高速のインターネット回線に直接接続されている環境以外ではメリットが見出せません。当然「安かろう、悪くなかろう」なマンションタイプ光回線利用者にはそもそも制御するだけの価値のあるデータ通信量が得られないので、こんなソフトウェアサービスの使用は電気の無駄。

 ネットを調べると、「タスクトレイにある"Killer Control Center"を起動し、制御設定を変更(通信内容の優先順位を変更)したら解決した」といった例もあるようですが、ここでは全てのサービスを使わないようにする(無効化する)手順にのみ触れます。なお、使わない機能は削除(アンインストール)する方が筋が良いですし、すっきりします。しかし、DellSupportAssistを有効にしている場合はアップデート時に自動的に再インストールされるらしく、むしろ無効化しておいた方が煩雑になりません。使いたければ何時でも有効化できますし、アップデートされても無効化している限りは動作しません。

 やることは以下の通りです。
①"Killer Control Center"をOS起動時に起動しないようにします。つまり、スタートアップ項目から外します。
② 関連するすべてのサービスを無効化します。

 まず①ですが、図の左下のウィンドウを参照してください。タスクマネージャー>スタートアップタブで"Killer Control Center"を選択し、右下の「無効にする」ボタン(図は無効化後なので、逆に「有効にする」となっている)を押します。「状態」が「無効」になればOKです。あと、タスクトレイ内にある"Killer Control Center"の終了をお忘れなく。

 ②では"msconfig"というコマンドを使います。
 タスクバーに検索窓がある場合は"msconfig"と入力してエンターキーを押します。すると図中左上のような「システム構成」のウインドウが開きます。検索窓が無い場合は、プログラム>Windowsシステムツール>コマンドプロンプトで図中右上のような黒背景のウィンドウを開くので、やはり"msconfig"と入力してエンターキーを押せば「システム構成」のウインドウが開きます。
 システム構成>サービスタブを選び、「製造元」を押して製造元の名前順にサービスを並べ替えます。そして製造元が"Rivet Networks"及び"Rivet Networks, LLC."のサービスの左側(左端)のボックスのチェックを全て外します。ウィンドウ右下の「適用」ボタンを押し、状態が「停止」となればOKです。

 この時点でYoutubeに正常にアクセスできるか試してください。トラブルの原因が私と同じであればアクセスできるようになっている筈です。もしそれでもトラブルが解決していない場合は他のネット上の知恵に頼ってください、現時点では私は白旗を上げます。

 Dell社(当時)は"SmartByte"というやはり"Rivet Networks"社のソフトウェアで過去に類似のトラブルを起こしています。検索すればそれに関するブログ記事などを見つけることができるでしょう。そんなブログの幾つかには「Dell社のサポートが役に立たなかった」旨が書かれていました。今回の件でも、同様にDell technologies社のサポートが役に立たない可能性は高いと思います。以前のエントリで書いたように、別の(機能を結構売りとしている)プレインストールソフトは使用開始直後にやはり無効化してますし、不具合の多いOSのアップデートもやらかしています。DellSupportAssistも信用できないので、私はアップデートも含めて全て手動で使っています。

 プレインストールソフトの不具合への対応の悪さ、或いは不具合に対応できない状況は、経験的にかなり不味い兆候です。 それらは消えたGateway2000社や90年代末の低迷期のApple社の状況を彷彿とさせます。実のところDell社製品との付き合いは公私含めて長いのですが、この4年程はいろいろとやらかし(トラブルの原因が自社にありながら、自社では解決できない事例)が増えている気がします。「これ、暫くダメかもしれんね」って思わず思うことがありますね。

2020/12/11

「サイバーパンク2077」はバグだらけ!?

[追記:2020/12/14] プレイ時間も20時間に近づいてきたが、今だバグもクラッシュも一切無し。PS4版は大変みたいだねぇ・・・[追記ここまで]

 本作の購入は暫く様子見するつもりだったけど、「バグだらけだー!クラッシュだらけだー!」とのSteamでのレビューを読んですかさず購入。バグ好きの性向は如何ともしがたい。ゲーム購入は3年ぶりくらいかな?

 だが6時間程度のプレイでは1個のバグにも遭遇せず、1回のクラッシュすらも発生しなかった。残念無念、だがまだあきらめないぞー!

 ちな、PC、Core i7-10700、RTX2070Super、メモリ32GB、グラフィック設定は高ベースのカスタム(ファンが五月蠅くない上限。サブサーフェススキャッタリングは必ずON、酔うのでモーションブラーは必ずオフ)。Steam経由起動、Firefoxタブ約20+Thunderbird+タスクマネージャーを並列起動。バックグラウンドではNorton360、nVIDIAやLogicoolのソフトウェアも稼働。安定稼働のミソはメモリの余裕(約15GB)?fpsの60固定?特定のグラフィックオプション設定?

2020/11/21

自分が使ってきたGPUの歴史を紐解いてみる

 Youtubeのホーム画面で「さつまいもの物置部屋。」さんの動画「GPUの歴史シリーズ 総集編【ゆっくり解説】」がレコメンドされる。「GPUの歴史シリーズ」はリアルタイムで既に観ていたから流そうかとも思ったが、「なんと総集編とな!」、と言うことで拝見。「等速で観ているだけで視聴者の貴重な人生から約1時間を奪っていく(気づくと奪われていた!)」という凶悪?とも言える大作である。

 で、動画を拝見しながら思ったのが、「自分はどんなGPU(およびグラフィックアクセラレータチップ)を使ってきたのかな」だった。と言う訳で、まだ病気療養中なれど多少の体調改善が見られてきているので、自分の記憶を探りつつ文章を紡ぐ、と言う健康ならなんてことないんだけど現時点では地味にキツい負荷を自らに課してみようと思う。ただほぼ30年間にわたる話になるので、適宜ネット上の情報でチェックはするものの、記憶違いや勘違いが含まれているだろうことは明記しておく・・・ごめんなさい。

 「こんなエントリ、誰が読むのか?」との疑問はごもっとも。本エントリは誰にも読まれなくても良いんやで。

 さて、時代は90年代初頭、バブル崩壊直前のことである。私の部屋の机上にはNEC PC-9801DXがあった。本機、後に沖縄方面にドナドナされる。CPUはintel 80286 10または12MHz(スイッチ切替)、グラフィックは内蔵チップによるアナログ16色・640×400ドットだった。バブル崩壊後、EPSON PC-486(詳細型番失念)を購入。この時期にしてPCIバスを備えながら、コネクタの形状、寸法は独自規格と言う困ったチャンだった。CPUはIntel 80486DX4 100MHzとパワーアップされるが、グラフィック性能はNEC PC-9801DXと変わらなかった。そしてここまでは、正直のところPCとは和エロゲー専用機だった。若かったんやでしゃーない。

 転機はMicrosoft Windows 3.1(3.0ではない)の登場とAT互換機の日本への本格上陸(≒DOS/Vの登場)で訪れた。まず、前者はNEC PCおよびEPSONの互換機向けにグラフィックアクセラレータなどと呼ばれたグラフィックカード製品を生んだ。その一つが「I-O DATA GA-1280A」である。チップは「I-O Data ZF-16」で、16bitカラー(65,536色)・1280×800ドットをサポートし、Windows 3のグラフィック描画サブシステムであるGDIをアクセラレートする。加えて対応したゲームなら、DOS環境からでも利用できる。16bitカラーやMacやPCで絵を描いたことがある人には分かってもらえると思うけど、人間の目の色の分解能はやっぱりすごいね。16bitカラーなんて色数としては十分じゃない。

 さて、

このカードを使って遊んだゲームの代表としては、カジュアルコンバット3Dフライトシミュレータである「ストライクコマンダー」がある。辛い点は拡張バス(Cバス)が16bit幅と狭いため、16bitカラー・1280×800ドットだとフレームを下から上へと(Bitmapデータの並び順)1ライン単位で書き換えている様子が分かってしまうところだ。おそらく6~8フレーム/秒ぐらいのフレームレートしか出ていなかったろう。だが、色数、画面解像度の向上(とCバス用サウンドブラスターの追加によるオーディオ機能の画期的レベルの向上)の魅力は余りに大きく、「Windowsに進むにしても(実はMacintoshユーザでもあった)ゲームをやるにしても、次に買うのはAT互換機だ」との意を強くした。

 そしてAT互換機が本格上陸、国内でも流通し始める。加えて職場には元々米国製機器が多かったため、制御用としてAT互換機を普段から触る機会が多かった。あまつさえそのころには、勝手にLANケーブルを張り、昼休みにはFPSの「DOOM」の対戦プレイまでするようになっていたのだ。ちなみに会社のAT互換機でメジャーだったグラフィックチップは「S3 Trio 32」だった。

 初AT互換機(以下、PC)はプロサイドのBTO機で、CPUはIntel Pentium 100MHz、グラフィックチップは「S3 Trio 64」だった。まだ駅前に大きな駐車場があったころ、同期入社の同僚と車で秋葉原まで出かけての購入である。購入タイミングは実はPentium 120MHz発売の翌週で、予算的理由から一種の型落ち品を選んだ形となった。S3 Trioシリーズにはドライバも含めて優等生的な印象がある。ドライバのサイズが小さめでロード時のメモリ使用量が少なく、それだけゲームにメモリを割り振りやすかった。また同時に購入したゲームは、FPSの「DOOM II」、コンバットフライトシミュレータの「TFX」だった。その後もVGAの海外製ゲームを多数プレイした。あ、当時としては基盤がめちゃでかかったISAバス用サウンドカード「Creative Sound Blaster AWE32」もPC購入の同日に別途購入した。

 ちなみにマザーボードはASUS製だった。「エイサス」やで、「アスース」ってなんやねん。あ~今は「エイスース」なんか。

 90年代も後半に入るころ、「Geocities」などのホームページ、今で言うところのウェブページの無料ホスティングサービスが普及し始めた。趣味のページを立ち上げてみたりしつつ、タブレットで絵を描く機会が増えた。そこで憧れの「MGA-2064W」チップを用いた「Matrox Millennium」を購入した。正直お財布には厳しい買い物ではあったが、評判通りの発色の良さ、色にじみの無さに大感激したのは忘れられない。こいつは傑作だ。一方、このころに一旦PCでゲームをしなくなるが、それはSEGAとかSONYの所為である。

  さて、再びPCでゲームをし始めたのは、アクションゲームの「Tomb Raider」、FPSの「Quake」、コンバットフライトシミュレータの「Eurofighter 2000(EF2000)」の登場による。これらの共通点は何だろう?そう、3dfx社のゲーム向けOpenGLサブセットであるグラフィックライブラリGlideに対応させるパッチが早々に公開されたVGAグラフィックスのゲームだ。そして私のPCのMillenniumの隣の拡張スロットには、すぐさま「Voodoo」チップを積んだ「3dfx Monster 3D」が刺さる。ちなみにMonster 3Dはゲーム以外に用途が無いのだが、Glide登場時の衝撃は余りに大きく、パッチを当てたゲームの見栄えやフレームレートは別物という価値は何物にも代えがたかった。

 Voodooは今でもお気に入りのチップと言って良いのだが、結局Monster 3Dカードは更新されなかった。3dfx社の迷走も原因だが、Microsoft社のDirect3Dの普及、高機能化と、所謂GPUの登場が止めとなった。例えば「EF2000」のアップデート版「Super EF2000」はDirect3D対応のWindows専用版として登場し、「nVIDIA GeForce2 MX」上で快調に動作した。ここで唐突なGeForceの登場となったが、これはWindows98からWindows2000への移行と機を同一として新PCを自作した際、既存パーツがほとんど引き継げなかったことに起因する。最近は落ち着いているけれど、このころはグラフィックカード用の拡張バス含め、様々な規格が頻繁に更新されていたのだ。AGP!、AGPって何だ?引き継げたのは、おそらくフロッピードライブぐらいだったのではなかろうか。

 ところで「nVIDIA GeForce2 MX」については特に思い出がない。繋ぎのつもりで中古品を使ったことや、特にトラブルを経験しなかったからだと思われる。では、繋ぎの先として何を予定していたのか?そう、nVIDIA社に吸収された元3dfx社チームが開発を主導したとされるGeForce FXチップ使用のカードであった。「Voodooの夢、再び」・・・の筈だったのだが、最初の「nVIDIA GeForce FX 5800」は有名な「爆熱爆音」チップとなり、さすがにこれは購入を躊躇せざるを得なかった。結局「nVIDIA GeForce FX 5900 Ultra」チップを用いたMSI社のカードを導入したのだが、ハードとしての性能的なリープ/ジャンプは常識的な範囲に収まっており、「Voodooの夢、再び」とはならなかった。ただ発色は良く、色にじみも無く、画質には文句なかった。そして再びPCでゲームをしなくなるのだが、おそらくインターネットへの接続コストが低下して所謂ネットサーフィンしている時間が伸びたことと、仕事が忙しくなったことが原因ではなかったかと思う。

  件の「nVIDIA GeForce FX 5900 Ultra」のカード、結構長く使っていたのだがゲーム用途では使っていなくてもやっぱりファンが五月蠅めではあった。その後会社の後輩から貰った中古の「nVIDIA GeForce 6800 GT」チップ使用のカードを経て、「nVIDIA GeForce GTX 640」チップ使用のカードに落ち着いた。これはもうゲーム使用を考えてはいない選択だ。「五月蠅いのは嫌、追加電源は嫌」と言った意思が透けて見えるではないか。チップのアーキテクチャーも電力効率重視のKeplerである。

 ここで何度目かの転機が来る、趣味の3Dモデリングの本格化だ。

 対象となるアプリケーションは「Newtek Lighwave3D」だ。3D描画速度命っぽいアプリなのでGPUにも投資すべきと考えるだろうが、それは半分正しく、半分間違っている。この種のアプリではDirect3DよりもOpenGLでの描画性能が重要で、nVIDIA社製品なら「GeForce」シリーズではなく「Quadro」シリーズのチップを積んだカードを選ぶのが正道と言える。だが、「Quadro」シリーズはめっちゃ値段が高い。次いで、3Dモデリングでの3D描画は間欠的、部分的であり、高フレームレートで常に画面全体が再描画され続ける3Dゲームとは描画挙動が異なる。故に、当時は3Dモデリングのために高価なゲーム向け高性能カードを選ぶことは、コストパフォーマンスが決して良いとは言えなかった。アプリの設定でチェックを一つ外すだけで、数万円高いカード使用時よりも動作が軽くなるとなれば、色々考えてしまう。もちろん、高性能カードの方がモデリング作業のストレスが小さいことは認めるし、性能が低くても問題無いといっても限度はある。

 ただこのころから多くの3DアプリがCUDAコアを描画以外の用途で積極的に使い始める。指数演算が速かったからだ。別の言い方をすれば、PCでもGPUコンピューティング的な使い方がされ始めたのだ。ならば、電力効率やメモリ帯域幅、CUDAコア数などでGPUを選ぶと言う考え方も有りとなる。3DMarkのスコアでは直接見えない指標だ。「nVIDIA GeForce GTX 640」はCUDAコア数的には大いに見劣りするものの電力効率は高く、CUDAコアの利用が始まったばかりの過渡期にはコストパフォーマンス的には(たまたま)悪い選択肢ではなかった。

 ここで「(CUDAコアの無い)AMD(ATI)のGPUはどうなの?」と思った方も多かろう。はっきり言って、上記の視点からはAMD製品は選択肢になり得ない。この分野はnVIDIAの一人勝ちだったのだ。あと、そうでなくてもAMD(ATI含む)のGPUが出てこないことは気になっていたかもしれない。実はAMD(ATI)のチップは最初から選択肢としてこなかったの実態だ。理由は単純で、Windows3.1時代に仕事で使っていた会社支給PCのATI社のドライバの出来が余りに悪すぎて苦労したため、AMDを含めて印象が悪いのである。

 より厳密に言うと、Windows3.1時代の経験からという今や不合理としか言えない理由によって、3Dゲームと言ったチップの最大性能を引き出すような尖った使い方ではAMD(ATI)製品は信用できない、と言うことだ。逆に、大解像度2画面でMicrosoft OfficeとメーラーとUnixサーバーを動かす、と言った業務遂行などで求められる緩めの条件下ではむしろAMD(ATI)のチップを選んできた。これはメモリ周りの処理がATIの方がnVIDIAよりも圧倒的にスマートで、かつ省電力で安かった時代(ただし性能も低い)の経験が尾を引いている。GPU予算をケチって、メモリ増やストレージ容量増に予算を振り向けられた訳だ。

 次の転機はゲーム絡みである。SteamでDOS時代の古いゲームを漁っていたところ、Ubisoft社の「Farcry 3」が大幅値引きされて売られているのに出くわした。「FPSもHalo以来だねぇ」などと思いつつ気軽に購入ボタンをぽちったのが、今回のその転機ってやつである。結論から言おう。

 「Farcry 3」は面白かった、来月発売の「Farcry 4」も買おう。そして「nVIDIA GeForce GTX 640」は能力不足も甚だしい。ここでは関係ないけど便乗しておくと、「Farcry 5」は完全なる糞だ。

 で、会社の後輩に「どうしよう?」と相談したところ、後輩が余らせていた「nVIDIA GeForce GTX 960」チップを積んだカードを、翌日の朝、オフィスの私の机の上に不法投棄してくれることになった。翌日回収されたカードは、さっそく私のPCで再利用されることとなる。気が付くと、3DCG業界の定番ツール、アプリのCUDAコアの利用は一気に加速していた。またCPUの能力不足も顕著となり始めていた。

 説明順が逆となったが、「Matrox Millennium」を使い始めるあたり以降からここまでのPCは全て自作機だった。ただ歳を喰ってくると、悲しいかな自作もちょっと面倒臭くなってくる。新しいBIOSも今ほど簡単に入手できなかったし、相性問題の情報も今ほど充実してないし、とにもかくにも「情熱とでも呼ぶべき何か」が要る。各種規格が乱立し、将来の主流規格が見えにくいとどうしても腰が重くなる。私の場合、メモリの規格にいまいち追いていけなくなった(≒記憶していることだけでは店頭で判断できなくなり始めた)のがきっかけと言って良い。その4年ほど前には5台のPCを自作、LinuxをOSにケルベロス型クラスターを独力で構成して仕事に使ってたのにね・・・ちゃんと通信頻度を考えて作ったプログラムによる並列計算はやっぱり速かったなぁ(遠い目)

 と言う訳で、以降のPC本体は全てDell社のXPSシリーズとすることになる。昔からXPSシリーズのミソなのかクソなのか分からないところは、電源自体が悪いと思ったことは無いものの、電源容量に本当に余裕が無いことだ。このため、キャンペーン価格だとお得感あるぐらいの安めの価格で入手できる反面、電源容量的に無茶な構成への機器交換は最初からあきらめた方が良い。Dell社の「やや安かろう、やや良かろう」具合は、私の感覚では長期にわたり絶妙なところを突き続けている。

 最後は駆け足で、特に面白い話も無いので、直近のDell XPSシリーズでのCPUとGPUの組み合わせの変遷を列挙しておこう。

  • Intel Core2 Duo E6600 + nVIDIA GeForce GTX 960
  • Intel Core i7-4790 + nVIDIA GeForce GTX 960
  • Intel Core i7-4790 + nVIDIA GeForce GTX 970
  • Intel Core i7-4790 + nVIDIA GeForce GTX 1070
  • Intel Core i7-10700 + nVIDIA GeForce RTX 2070 Super

 直近での「もう*TX *70で良いやん」という割り切り感が我ながら凄いですな。

 ちなみに「nVIDIA GeForce GTX 960」はSONY PS2とともに自治体の電子機器類リサイクルボックスに行き、そのごく一部は東京オリンピック?!のメダルに含まれている可能性がある。「nVIDIA GeForce GTX 970」はオフィスの同僚の机上に不法投棄され、その後はその同僚の自宅にて暗号通貨のマイニングに短期間ながら従事したと聞く。「nVIDIA GeForce GTX 1070」は処分保留中であり、私の自室にあって最凶の鈍器のオーラを纏いつつ、モニタの前からすぐ手の届くところに現在横たわっている。特にバックプレートが頼もしい。

 んじゃ、GPUと言えばやっぱり3DMarkベンチなので、結果が残っているものだけ。

2020/11/16

続・Dell XPS 8940 System BIOS 1.0.4、やらかす?

  昨日Dellのサポートページを見ると、BIOS 1.0.5がリリースされていた。バージョンアップの内容は「起動時のCPU温度センサ検出値異常への対策(みたいな感じだったかな、斜め読みなのでかなり適当です)」と言うことで、BIOS 1.0.4へのアップデートで私のPCで発生した「音声デバイスの出力端子の異常への対策」ではない。

 結論から書いておくと、バージョン1.0.5へのアップデートでは「音声デバイスの出力端子の異常」は全く発生していない、まぁ良きかな良きかな。

 なお、「バージョン1.0.4(異常あり)→1.0.3(異常なし)→1.0.4(異常あり)→1.0.3(異常なし)→1.0.5(異常なし)」という私のアップデート経験からは、バージョン1.0.4のオーディオ周りの不具合には明らかに再現性がある。ちなみにWAVES | MaxxAudio Proというオーディオ絡みのアプリ、ドライバ、サービスは全てBIOS 1.0.3の時代に削除している。またいったん古いバージョンとしたRealtek High Definition Audioのドライバは、BIOS 1.0.5へのアップデートに先立ってWindows Updateによって勝手にアップデートされた、と言うか元に戻されていたことを付記しておく。つまりRealtek High Definition Audioのドライバは特に悪さはしていなかったのだろう、と言うことだ。

 ついでに蛇足話を2つ。

 一つ目はWAVES | MaxxAudio Proについて。

 WAVES | MaxxAudio Proはサウンド・チューニングツールであり、イコライジングや仮想サラウンド技術を用いて「実際にPCが使用される環境で良い音を実現」すると言うのが触れ込みだ。最近はプレインストールしているメーカーPCも少なくないようである。だが、それは音の定位(聴覚上の音の位置)や周波数分布・波形を変え、時に残響音や他の音を原音に付加する。

 これら音の改変は私にとっては改悪や誤魔化しとしか思えないため、そんなものがプレインストールされていると知った時点で躊躇なくアンインストールしてしまった。と言うか、WAVES | MaxxAudio Proの存在に気づくまで、聞くに堪えない音しか出てこなくて頭を抱えてしまっていたのだ・・・なんだこのモコモコした音は!スピーカーの位置すら決められない!・・・ネットを漁れば、明らかにWAVES | MaxxAudio Proを原因とする「新しいPCを買ったのですが、音が変です。」と言う投稿を見つけられる。

 WAVES | MaxxAudio Proは全機能オフにできるのだからアンインストールする必要は無いのでは、と考える人もいるだろう。ただWAVES | MaxxAudio Proの処理は完全にソフトウェアによものなので、全機能をオフ(実際にはバイパスしているだけの可能性もある)にしてもCPUに負荷をかけるし、ミリセカンドオーダーでの音の遅延(レイテンシ)は避けられない。「絶対使わない」以上、アンインストールするのが合理的な判断だと思う。

 ちなみにもう手放せなくなったオーディオ関連のソフトウェアとしてsonarworks Reference 4がある。私が持っているのはHeadphone Editionであり、ヘッドフォンの作り手が「良い音を実現」するためにヘッドフォンに与えた周波数再現特性を「無効にする」ことができるアプリケーションだ。この機能は「実際にPCが使用される環境ではなく、スタジオでのミキシング時の音の再現」を志向するものであり、WAVES | MaxxAudio Proがやることとはむしろ逆向きであることが分かるだろう。なおOS関して私がシグナルパスを調べた限り、音声信号はWAVES | MaxxAudio Pro → sonarworks Reference 4としかならなかった。逆順だったなら、WAVES | MaxxAudio Proをアンインストールせずに残すという選択肢もあったかと思う。他方DAW使用時のシグナルパスは良く分からなかったが、WAVES | MaxxAudio Proによるレイテンシが見込まれる以上、アンインストールがやっぱり賢明だろう。

 二つ目はBIOSのバージョンアップ頻度について。

 バージョン1.0.4から1.0.5のリリースの間隔は2週間しかない。対してバージョン1.0.3から1.0.4、バージョン1.0.2から1.0.3のどちらのリリース間隔も約2ヵ月ある。やはりバージョン1.0.4は短命に見える。と言う訳で、リリースから2ヵ月経っていないバージョンのBIOSには安易にアップデートしないことにしよう。

2020/11/13

続・Cubase11へアップデート(年貢支払い)

 先のエントリでは触れなかったけど、Cubase Pro11のライセンス認証(アクティベート)には一悶着どころではないゴタゴタがあった。漠然と「認証サーバーかユーザデータベースの管理サーバーのどちらかにトラブルが出ているな」と考えていたが、どうも当たらずとも遠からずだったよう。

 今朝(11/13)、おそらく製品ユーザ全員に向けてと思われる、Steinberg社プレジデントからのメッセージのメールが届いた。状況だけ抜き出すと、認証サーバーの能力が負荷(認証要求)に追いつかず、ライセンス認証がなかなか進んでいないということらしい。このため、Cubase Pro11の「アップグレード及びアップデート」の販売を現在中止しているとのことだ。あとメッセージ中には、「ライセンスが失われることは無い」、と明記されている。まぁ、この一文が無いと未だ認証が成功していない人は不安だろう。

 ただ新規通常版やアカデミック版の販売は続けていることから、「サーバーの能力≒ハードウェアの計算能力」の不足がそもそもの原因ではなくて、ソフトウェア的なトラブルか、ストレージやメモリといったサーバーの構成機器のトラブルを起点として、一部サーバーの停止などによる「サーバーの能力≒ハードウェアの計算能力」の不足状態が発生しているのでは、と言う気はする。もともとブラックフライデー(今年は11/27)を予定に進めていた発売を前倒した結果、新規ハードウェアのテストが不十分だったとか初期不良を起こしたとか、知らんけどね。

 なお私の場合は、ライセンス管理サーバーへの接続エラーでCubase 10.5のライセンスがPC上のライセンス管理ソフト(eLicenser)上から消えてしまったり、24時間の時間限定ライセンスでいったん認証されたりと正直かなりスリリング。これらの状態、私のPC上とSteinberg社のアカウント情報データサーバー上とライセンス管理サーバー上とで、認証状態が一致していない時間があったということですからね。どの時点でどこの状態を「正しい」としてもらえるか、何気に怖い。人の手で1件づつロールバック(時間を遡ってデータを確認)しながら処理したとか、最悪のシナリオも否定はし難い。で、Steinberg社のWebページで確認できる私のアカウント情報が正しければ、私のライセンスが正常に認証された時刻はPCの電源を落としてから3時間後ぐらい、11/12早朝のことでしたとさ。

 ちなみに購入のためのショップへのログインにも当時は問題は起きていて、Steinberg社の日本語のWebページからはログインできず(リンクが壊れていたり、ログイン待ちが10分以上続いたり)、結局私は英語版のWebページからログインしました。と言うわけで、Steinberg社の今回のトラブル、実際には結構広範囲のものではないかと思ったり思わなかったり。

 あ、今見ると確かに「近日発売」になってますね。

2020/11/12

Cubase11へアップデート(年貢支払い)

 DAWのCubase Pro11を10.5からアップデート、占めて¥11,000也。Cubaseは毎年年末に0.5刻みでバージョンアップがあるため、「年貢」などとも呼ばれます。実は昨年の10.5はバグレベルの変な挙動が多かったので、結局ほとんど10(最終的に10.0.50)を使っていました。いや実際、ライセンスを持っている別のDAW、FL Studioへの本格的な移行も考えていたぐらいだったのです。

 Cubaseの助かるところはアップデートをインストールしても古いバージョンを上書きせずに残してくれること、つまり上述のように10.5をインストールした状態でも10など(残してあればや9や8でも)古いバージョンが使えることです。おかげで今年もCubaseユーザとして年末を迎えられそう・・・となりました。

 さて、Cubase Pro11ですが、新規機能についてはまだ語れません、なんといってもアップデートしてから未だ1時間程度ですから。なのですが、既にお気に入りと言うか、助かりポイントが多数ありました。代表的なもの2点だけ触れておきましょう。

  • 設定データの初期化が不要!!!
    少なくともCunbase8.5~10.5ではアップデート後に設定データの初期化が要求されていましたが、今回のアップデートではそれがありませんでした。結果、インストール完了から2,3分で、インストール前までアップデータ前のバージョンで編集していたプロジェクトを新しいバージョンで編集できてしまいました。設定データを初期化すると編集してきたファイル/プロジェクトの履歴が消えるし、プラグインデータベースも一からの作り直しとなります。これらは結構うざいんですよ。

  • とにかくイキナリちゃんと動く、10.5のような変な挙動なし!!!
    まぁ、10や10.5で編集してきたプロジェクトを読み込み、再生してみて、というレベルでのお話ではあります。VariAudioとか使いだしたら、10や10.5同様に初期不良的な変な挙動はあるかもしれません。が、10.5などは最初の起動段階で頭抱えるレベルに挙動不審でしたから、印象が全然違います。

 まぁ、ぽちぽち触りますか・・・

 今回はとっても参考になりました!つーか、アップデートのリリースを知ったのは昨夜のこの動画のおかげ、今年は例年よりアップデートが早くないかなぁ。

2020/11/01

Dell XPS 8940 System BIOS 1.0.4、やらかす?

 エントリタイトルにもあるDell社のPC、XPS 8940のBIOSをアップデートしたところ、内蔵オーディオ(Realtek High Definition Audio)が挙動不審になった。

 具体的には、リア、フロントともにミニピンジャック音声出力端子をシステムが認識しなくなった(未接続扱いになった)、つまり音が出なくなったのだ。また起動直後はフロントの出力だけヘッドフォンが接続されているのを認識することもあるが、ジャックを抜き差しすると二度と認識してくれない。さて困った。

 結局System BIOSを1.04(2020/10/27)から1.03(2020/9/2)に戻すことで取り合えず解決はしたのだが、いまいち釈然としないところはある。とは言え、「PCなんてそんなもん」と言えばその通り。ハードウェアは基本論理的だが、ソフトウェアはそのあたり結構怪しい。

 なお今回のSystem BIOSのアップデートはSupportAssistなるDell社のツール経由で実行した。が、よりにもよってRealtek High Definition Audioドライバのアップデートも一連のプロセスとして続けて実行させてしまったため、原因のありどころがBIOS側なのかドライバ側なのかの分からなくなってしまった。現時点では、Realtek High Definition Audioドライバも一つ前のバージョンに戻している。まぁ、時間のできたときにでも手動でアップデートしてみようと思う。

 さて、検索エンジン経由でこんなエントリに行き着いてしまった人がいたとすれば、高確率であなたのDell XPS 8940も私が経験したものと同じ不具合を起こしているのではなかろうか。もしそうなら、何も考えずにDell社のサポートページに行こう。アップデートに関してはSupportAssist経由は小回りが利かず、効率が悪い。

 さて、

 「製品の識別」欄でサービスタグを使って検索すれば、ドライバなどのインストーラのリストが表示される。次いで「Dell XPS 8940 System BIOS」欄右端の下向きの「<」をクリックして詳細表示とする。すると「バージョン」という項目が現れ、現行バージョン(1.0.4, 1.0.4)という表示に加えて「以前のバージョン」というリンクが見つかるだろう。このリンクをたどれば、バージョン1.0.3のSystem BIOSインストーラがダウンロードできる。

2019/12/07

EDIROLブランド製品とWindows10バージョン1803サポートの終了

 本ブログのキラーコンテンツ的エントリと言えば「Windows10でEDIROL PCR-M1が使えるようになったよ!」。2015年のエントリだが、未だに月当たり10回以上のアクセスがある。内容は、Windows10用ドライバがサポートされなかったEDIROLブランドMIDIコントローラを、Windows8用ドライバを使ってWindows10上で使えるようにする方法の説明だ。今では同じ内容をもっと丁寧に説明しているブログもあるので、なかなかにニーズがある情報のようだ。

 ただエントリで説明している方法は「マイクロソフト社的に推奨されないもの」なので、Windows10の大型アップデートを適用するとご破算、ドライバや設定は引き継がれない。そのため半年毎の大型アップデートの度に件のエントリ記載の手順を繰り返さなければならない。ちなみに私は、2017年夏のPCR-M1の故障を機にIK MULTIMEDIA iRig Key(Windows10のUSB接続MIDIキーボード標準ドライバが対応)を新たに導入した。このため、件のエントリで説明した方法が未だ有効なのかどうかは確認できなくなっている。

 で、この一カ月の件のエントリへのアクセス数が3倍以上に急増した。 一瞬「?」となったが、ちょっと思い当たる節もあったのでそれについて書いておこうと思う。

 Windows10のバージョン1803、つまり2018年3月バージョンのサポート期限が2019年11月いっぱいで切れた(筈)。このためだろう、バージョン1803を使用していたPCでは10月初旬ごろから盛んにバージョン1909(最新バージョン)へのアップデートを促すメッセージが表示されるようになった。と言うのも、親が使っている実家のPCがそういう状態になっていたのだ。色々な手を尽くしたものの実家のPCのアップデートは失敗し続けたため(結局、「コンピュータに加えた変更を元に戻しています」となる)、バージョン1909のクリーンインストールを余儀なくされた。

 ちなみにアップデートログによれば、アップデート失敗の原因は古いバージョンのWindowsフォルダのバックアップコピーの失敗だった。少し具体的に書くと、「古いバージョンのWindowsフォルダ」を含むドライブの指定が、本来あるべき「C:」ではなく「D:」となっていたのである。無いフォルダをコピーしようとするからエラーになる。ググってみると分かるのだが、同じ原因での失敗はバージョン8.1以前のWindowsからWindows10へのアップデート時に既に発生が報告されている。由緒あると言うか、これ、マイクロソフトに原因があるでしょ?

 さて、そのような経験を踏まえると、この一カ月ほどの間に(失敗はしなかったにしても)Windows10の予定外の大型アップデートを強いられた人は少なくないと思える。そしてこの予定外の大型アップデート適用が、上述した件のエントリへのアクセス数の急増の原因ではないかと推測している。実際のところはどうなのだろう?

 アクセスがあること自体、またエントリの内容が役に立ったということがあれば単純に嬉しい。と同時に、「ブランド消滅からほぼ10年、未だ愛されてるEDIROL製品があるんだなぁ」とちょっとほっこりした気分にもなりますね。

2016/07/31

グラフィックスカードをGTX 1070カードにアップデート!

 ゲームをやるからと言うより、むしろGPUを使うアプリやツールを幾つか使っている関係でグラフィックスカードをアップデート。

 CUDAベースのアプリ/ツールの高速化が主眼なので、グラフィックスチップはnVIDIA製一択です。本体電源容量の実力も考慮して、TDP150W級、追加電源8pin×1のGTX 1070チップのカード、GIGABYTEのG1 Gamingを隣町のショップで購入しました。購入価格は消費税込みで6万円チョイだったので、現時点では高くもなく安くもなくといったところでしょうか。

 ある時期までは発熱を嫌ってDP120W級までで良しとしてきたのですが、昨今のGPU利用アプリ/ツールの増加に伴ってTDP150W級も解禁としました。その第一弾が先代のGTX 970カードだったのですが、性能はともかくとにかくGPU温度が上がる上がる。回していると直ぐにデフォルトの温度制限値79℃に達してしまいます。CPUのみならず何枚ものカードを焼いたというPC自作派時代のトラウマからは抜け出せず、GPU温度が72℃を越えないように実質的にダウンクロックして使っていたのが実態でした。それでも、冷却ファンの音がふと気になることは少なくありませんでした。

 対してGTX 1070、評判通りGPU温度上昇は控えめです。 冷却機構の性能向上も一因でしょうが、デフォルト設定ならばベンチマークアプリを回し続けても70℃越えは極々まれにしか発生しません。夏も盛り、室内温度30℃での結果ですから、いやはや十分許容できるGPU温度です。ベンチマーク実行中にファン音が気になることもありましたが、実は音源はCPUファンだったというのがオチでした。

 では、参考までに定番の3DMark/Fire Strike(1080p)のベンチマーク結果です。

 某GTX 970カード
  • 10377(デフォルト設定)
 GIGABYTE GTX 1070 G1 Gaming
  • 14097-14170(ゲーミングモード/デフォルト設定)
  • 14287(オーバークロックモード/プリセット設定)
  • 13893(エコモード/プリセット設定)
  • 14232(パワーターゲット111%)
ざっくり+40%のスコア増で、文句なし。

 あと書き忘れていたのですが、GPU利用アプリ/ツールの性能向上にはカードのメモリサイズも影響します。GTX 970のカードでは実質的に使えるメモリの上限は3GB(4GB搭載していても)です。対して今回のカードのメモリサイズは8GB、これは状況によって凄く効きそうですよ。

2015/03/28

PC更新したよ。

 待望の新規PCが水曜日にデリバリーされ、今日は環境やデータの移動だけで1日かかってしまった。ケースが一回り小さくなったので作業用スペースは増えたが、スピーカーからの音の回り込み特性が完全に以前とは別物になってしまってスピーカーを含めた配置には今現在も悩んでいる。

 今回の新規PCへの移行では、Windows7自体が持つ「Windows転送ツール」を利用した。このツールは「旧PCの設定をほぼそのまま新規PCに持っていける」というもので、Max OS Xなどと比べて格段に面倒くさいWindows PCの移行の助けとなる。このツールによるデータ転送方法は、データ転送専用のUSBケーブルを使う、ネットワークを経由する、外付けHDなどの外部記憶装置へ専用データを書き出す、の3種類がある。今回はバックアップ用に使っているUSB接続外付けHDを用い、3番目の方法でやってみた。

 ただし、Windows転送ツールは旧PCにインストールされたアプリケーションの設定は転送できるものの、大部分のライセンス情報やアプリケーションは基本的に転送してくれない。従って、新規PCへのアプリケーションのインストールはデータ転送後に別途やらなきゃならない。幸いにして、件のUSB接続外付けHDにはアプリケーションのセットアッププログラム、アクティベーションコードの一覧表も格納してあるので、データ転送後はそのままインストール作業に進むことができた。ツールのおかげでネットワーク関係の設定は旧PCから引き継がれているので、ネットワークケーブルを物理的に繋ぐだけでインターネット接続は完了だ(ネットワークケーブルを繋ぐ前にセキュリティソフトのインストールをお忘れなく!)。

  さて、今回のPC移行で起きたトラブルらしいトラブルと言えば、「PCとは別に用意していたグラフィックボードを挿すとPCが起動しなくなった」点ぐらいだ。結論から言うと、用意していたグラフィックボードをPCのBIOSが認識できなかったの原因だ。極めてピンポイントの情報だけれど、ググッても英語のページしか引っかからなかったから、まあ、書いておいても良いかもね。
  今日は目が疲れたのでここまで。

2015/03/14

PCをアップデートするよ!

 これでも8年前まではPCは自作していた。コンバット・フライトシミュレータとかやっていたから、今で言うところのゲーミングPCでも上のレベルの性能を追求した。CPUのオーバークロックは当たり前、CPUを買うにも製造番号(同じCPUでも製造工場によってオーバークロック耐性が違っていたりしたから)までチェックしていた。

 が、歳をとってゲームをしなくなり、また自作することによるコストメリットも薄れて来たあたりで「DELLで良いや」って感じになってしまった。今使っているPCはDELLのデスクトップで、7年間以上トラブルらしいトラブルもないまま現在に至っている。欠点と言えばハードディスクのデータ転送速度が元々低かったことで、メモリ増設である程度はカバーできたもののボトルネックであることには変わりない。ちなみになぜDELLかと言うと、「DELLは10年後もPCビジネスをやっている」という根拠無き直観に基づくもので、少なくとも8年は直観通りだったということだ。

 さて、車もそうだったのだが、それなりに高価な買い物は私の場合はほぼ間違いなく「半ば衝動買い」である。「半ば」という意味は、「欲しいっ!」という衝動には一切応じないが、「買うなら今だ!」と言う自分の直観(ゴーストの囁き?)には素直と言う事だ。まず「欲しいっ!」があって、それをいったん忘れて、然るべき時期が来れば虫の知らせのように「買うなら今だ!」という精神状態が突如やって来る。大抵は3~4年忘れている。

 今回のPC購入の決断も、と言うか決断すらしたのかも怪しい。会社で仕事中にふと「さぁ、PCを更新しよう」と思い、退勤後に自宅でDELLのサイトにアクセス、15分ほどで購入手続きを終えてしまった。今頃は太平洋上を日本に向かっている筈である。購入モデルの選定では、SSDドライブを使うかどうかと搭載メモリサイズの2点だけはちょっと悩んだが、それも本当にちょっとだけ。何故ちょっとかと言うと、事前に何も調べていないんだからそもそも判断基準が無い訳で、悩むこと自体が無理なのである。

 こんな調子なのだが、後で色々調べてみたらなかなか自分のニーズにマッチした構成になっているのがある意味恐ろしい。と言うか、私の人生は万事そういう感じなのである。ちなみに購入モデルは何かのキャンペーン対象品で(在庫処分扱いとは別。おそらくホビーユースには値段が高く、プロユースには性能が不足、かつDELL内のゲーミングPCブランドAlienwareとも構成が被るので売りにくい商品なのではないかと邪推)、CPU価格以上の値引きというオマケ付きだ。

 新規PCへの要求は、まず(ホビーユースの範疇で)長整数及び倍精度浮動小数点演算速度が高いCPUを搭載し、周辺機器がその足を引っ張らないことである。この要求は主に2つのニーズに対応している。

 一つめのニーズは、DAWであるCubase使用時の私へのストレスを下げること。

 使った事の無い人には分からないと思うけど、DAW起動中は常にCPUに一定以上の負荷がかかっている。音楽製作ツールであるDAWはリアルタイム音響生成・合成処理が基本で、アプリ操作者の操作に即座に反応する必要がある。リアルタイム処理という点ではソフトウェアシンセサイザーも同じで、それなりにつくり込んだデータをCubaseにロードしただけでCPU使用率60%は当たり前となる。CPU負荷を下げるため、これ以上は編集しない演奏データはフリーズ(演奏結果を音声データとしてディスクに書き出し、以降はリアルタイムの音声合成処理はせずに書き出した音声データを再生する)するのだが、ここでハードディスクのデータ転送速度が低いことが現行PCではボトルネックになっている。CPU使用率或いはディスクアクセス負荷の何れかが再生中に一瞬でも100%となると、ほぼ半々の確率でCubaseはクラッシュするし、場合によってはハードディスク上のデータまで破壊する。

 Cubase設計者も馬鹿ではないので、ハードディスクからの音声データ読み出しは巧みにスケジューリングされている。しかし、例えばPiapro Studio(ボーカロイド・エディターの一種)といったプラグインがどのタイミングでディスクからデータを読み出すかまではCubaseは知ることができない。故に、Piapro Studio上でボーカロイドデータにブレス音(息継ぎ音。ボイスバンクと呼ばれるボーカロイドの音声ライブラリには含まれず、独立した音声データファイルとして提供される)を追加した途端、クラッシュが頻発するといった状態になり得る。また、フリーズデータが大きくなれば、いずれリアルタイム処理に必要なデータ転送速度がハードディスクの最大データ転送速度を越えてしまうのも必然だ。

 上記のブレス音の件は原因究明まで時間がかかったが、色々と得るものもあった。代表的な知見は、「Piapro Studioではトラックにブレスが含まれている場合、トラックがミュート状態でもハードディスク上のブレス音データ読み出し処理をする」だ。Piapro Studioを使っていて、急にホストDAWのクラッシュが増えたり、再生時のノイズが増えたりした場合、Piapro Studio上でのブレスの使用を疑う価値がある。少なくともCubaseの場合は、ブレス音は音声ファイル自体をオーディオトラック上に置くか、Groove Agentなどのサンプラーのパッドに割り当てて使うか(大抵の場合、音声データはメモリ上にロードされる)の何れかにした方がクラッシュの防止という観点からは良い様だ。

 もう一つは、3DCGアプリであるLightwave3Dのレンダリング時間の短縮だ。レンダリングというのは、モデルを配置、照明やカメラを設定した後の「画を計算して得るプロセス」である。これはCPUの演算速度がダイレクトにモノを言う。

 現行PCのCPUはIntel Core2 Quad 2.66GHz(4スレッド=4並行処理)、現在太平洋上の新規PCのCPUはIntel Core i7 3.6GHz(4コア、8スレッド)だ。ネット上を調べると、同じデータを様々なPCやMacでレンダリングした際のレンダリング時間を互いに報告しあっている海外スレッドがあった。報告者の何人かはメールやメッセージをやり取りしたことのある人間で、カナダのVFX業界のフリーランサー達だ。さすがに飯のタネだけあって、彼らの使っているPC、と言うかWS(ワークステーション)の仕様は凄くて、8コアCPU×2=16コアはもはやお約束だ。しかも十中八九DELLだ。

 さて、フリーランサー達のWSでレンダリング時間40分のデータ、現行PCと購入PCで予測されるレンダリング時間はどうだったろうか?公平を期すためにOSはWindows 7 64-bit、メモリは16GB(新規PCのメモリ搭載量は32GB)のPCに絞って報告されているデータを集計してみた。結果は、現行PC相当の仕様のマシンで9時間~11時間30分、新規PC相当の仕様のマシンで2時間~2時間40分となった。ざっくり、1/3以下のレンダリング時間短縮が見込めるということだ。この差は実は大きい。

 もしあなたがサラリーマンなら、1日8時間程度は会社に居るだろう。現行PCで24時間かかるレンダリングを実施する場合、現行PCでは翌日にならないと結果が分からないが、新規PCなら出社時にレンダリングを開始すれば退社時に結果が確認できる。結果も見てミスを発見しても、細かなミスならば退社までにデータを手直しして再レンダリングしてしまえば、翌日の出社時には望む結果が得られているだろう。レンダリング時間の短縮はユーザーのワークフローの自由度向上に効くが、やはり1/2以下ぐらいまでは短縮されないと「劇的な効果」は得られない。

 Lightwave3Dではレンダリングに割り当てるスレッド数を制限できる。だからスレッド数は全スレッド数の半分しか割り当てないと言う様な使い方ができる。これまではレンダリングには全スレッドを割り当てていたのでレンダリング中はメールチェックぐらいしかできなかったが、新規PCではレンダリング時間を従来以下としつつ、レンダリングしながらも現行PCのフルパワー状態以上のCPUパワーが享受できると見る事ができよう。やっぱり両者の差は大きい。

 加えて、新規PCのCPUは十分な能力のグラフィックチップを内蔵している。

 3DCGのレンダリング処理は並列化処理に向いているので、やはり並列化処理に特化したグラフィックチップ(GPU)によるレンダリング演算はプロユースでは既に一般化しつつある。Lightwave3Dデータに対応したGPUレンダラーも既に存在し、レンダリング時間がCPUのみの場合の1/30以下という結果も得られている。つまり、Lightwave3Dが本格的にGPUレンダリングをサポートするようになれば、画面表示はCPUのグラフィックチップに任せ、「レンダリング演算専用のグラフィックカード(或いは一昔前のTeslaのような並列演算専用カード)」を挿す、なんて贅沢も可能となるんじゃないかなぁ…と思う。

 ちなみに新規PCのデリバリー予定は1週間後だ。来週の土日は新規PCの環境整備で潰れそうっすなぁ。