2021/04/05

オンラインのイベント集中回避へ“日時共有” 通信量急増対策

 エントリタイトル通りのタイトルのNHK記事によれば、総務省が何かやろうとしているらしい。要は、「同じタイミングでライブストリーミングをやらないように、業界内での調整のための仕組みを作る」ということらしい。個人的には「技術的知識がある人こそ、落としどころとしてそれぐらいしか提案できまい」とは思う。

 NTTに対して「機器更新に投資して通信容量増やせ」と言う人もいるだろうが、本質はそこじゃない。それも対処療法に過ぎず、極めて効率の悪い投資となることを理解されたい。新型光ケーブル(従来の1本分のスペースで50本だったかな?)開発とか、数年内に実用化予定の通信容量拡大のためのハードウェア技術開発にはきっちり投資しているし、実用化の目途も見えているようだ。機器更新するにも新型光ケーブルぐらいまでは待つべきだろう。

 もちろん5G技術は何の解決にもならない。5G網は末端(ラスト1マイル)に過ぎず、上流側の基幹線の通信容量拡大には全く寄与しない。無線かつ機器数増は通信速度のボトルネック要因となり得、基幹線から端末へなかなか送信できないデータの増加要因となるかも知れない。送信できないデータがあるということは基幹線にデータが留まるということなので、基幹線の通信容量を実質的に下げる要因とならないかと危惧する。

 他方、IPoE IPv6化だけでも最大+50%~+275%(さすがに4倍、+300%は無理)の通信速度増が私の環境でも見られている。最近IPoE IPv6とIPoE (IPv4 over IPv6)の導入が加速しているが、少なくとも直近の投資としては極めて筋が通っているように見える。5G網同様に基幹線の容量拡大には全く寄与しないが、末端~基幹線間で通信速度のボトルネック要因がほとんど無いため、基幹線の通信容量をより効率良く利用できる(通信データが基幹線に留まる時間が短縮される)可能性が高いと見ている。ただ私の環境、上り速度がいまいち出ない。

 過去エントリで触れているように、ライブストリーミングはTCP/IP通信プロトコルと極めて相性が悪い。通信容量が無限大でない限り、プロトコル違反前提のサービスとしか未だに思えない。根っこは「GoogleのStadiaサービス向け自社ゲームスタジオの閉鎖」と同じじゃないすかね。

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