2013/02/10

エフゲニ・ボジャノフのピアノにビビる

 本日の「題名のない音楽会」にはピアニストのエフゲニ・ボジャノフが登場。

 1曲目のショパン「華麗なる大円舞曲」の冒頭の響きですっかり魅了される。何か音が違う、厳密にはこの曲の音として記憶している音と明らかに違う。テンポの変化も少し癖があるかもしれない。時折映像と音楽がズレているかのような錯覚を覚える不思議な感じ。が、とにかく聞いていて気持ち良い。2曲目のラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番 第1楽章」も圧巻。ラフマニノフ好きとしては大満足、これも本当に気持ち良い。

 クラシカルであるから音の足し引きは無いはずである。番組中のコメントによれば秘密の一つはペダルの使い方にあるのだそうだ。さらに「響きを調整するために演奏環境によってペダル操作も変える」のだという。上述の映像と音のズレ感は、手や指の動きと音との関係だけを無意識に追いかけてしまったための錯覚かもしれない。ざっくり言えば、手や指の動きは主に音のアタック(立ち上がり)を、ペダル操作は音のリリース開始のタイミング(音の継続具合)を制御している。音の響きをリリースタイミングでも調整しているならば、指や手、腕の動きからだけでは生み出される響きが予測できないのも道理かとも思える。タイトルの通り、日曜日の朝からすっかりビビってしまった次第である。

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