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2014/07/21

2199劇場版の副題は・・・

 もうどうでも良いと思っているので今日知ることになったという。

 エントリタイトルの件は、「追憶の航海」と「星巡る方舟」だそうです。

 ほんっとーにセンスねぇな、プロじゃねぇな、と思います、少なくとも再構成版に過ぎないなら。

 「箱舟」って、どこをどうひねくり回せば論理的に出てくるのか。あ、「箱舟」が指す先がヤマトじゃなく、かつ先のシリーズには含まれていないエピソードに「箱舟と呼べる船」が出てくるなら別にかまいませんけれどね。でも、そっちの船がメインになっちゃうの?ヤマトには「箱舟」なんて要素は一片もない、百歩譲ってイズモ計画派(非論理的、非現実的無能集団)の妄想に過ぎないじゃないですか。

 「追憶」とか好きだね、ホント。雰囲気でやっちゃうのは○○、それしかできないなのは××な○○。

 きっとあなた方が愛しているのは自分、ヤマトじゃない。

2014/07/15

「ゴジラ(1984)」、やっぱり凄い

 TVで絶賛?放映中。予備知識ゼロで当時劇場で感じたあれらを追体験するのかな、と思うと非常に遺憾、でも取り敢えず流しっぱなしにしておきましょう。

 まずは小六禮次郎さんの音楽。ゴジラ映画としてはキャッチ―さに欠けてもう二つぐらい、凄く残念。

 飛び跳ねる巨大フナムシ・・・スーパーX登場の伏線?!あのフナムシはいかん、凄いばかりにいかんですなぁ。

 実はスーパーX登場にずっこけたクチ、カドニウム弾にもびっくり、なんじゃこのゴジラは・・・って話ですよ。まぁ、登場人物の語りで伏線張りまくりではあるんですが。ちなみに「富士一號」って書いて分かる人はどのくらいいるのかな?

 「爆発!中野」こと特技監督・中野昭慶さんの爆発は健在、つまり爆発し過ぎさせ過ぎ。凄いねぇ。

 ゴジラが海から埠頭の自衛隊を一気に粉砕するシーンは「新ゴジラとは如何なる存在か」を伝える割と出来の良いシーンだとは思うのだが、もうちょっとカメラ位置が低い方が良いんじゃないかなぁ・・・中野さんにはキャメラマン的な感性が乏しかったのだろうか、というのが当時からの思いだ。カット割、アングルだけじゃなく、ライティングやフィルム発色特性にさえ無頓着だったのではないかとすら思う。当時のフィルムはそれ以前のフィルムと較べて青色がちゃんと出るようになっていたから、夜間シーンでも影に青~白色が乗ってしまって全体的に明るくなってしまうのだ。

 シナリオも微妙、散漫な印象だ。「日本沈没」的な登場人物毎のストーリーの並置でほぼいっぱいいっぱいのところに来て、ゴジラが加わる。難しいのは良く分かるんだけどね・・・田所博士、もとい一国の総理ともあろう方がそこで泣いてはいけませぬ。

 如何にも80年代な風俗、光景はご愛嬌。駄作じゃないけど傑作でもない。「もちっとどうにかなったんじゃないか感がハンパない」という意味で凄い一品。あ、カメオ出演ってのはやっぱり素人くさくてウザいですなぁ。

2014/07/08

「ゴジラ」、やっぱり上手い

 映画「ゴジラ(昭和29年)」を初めて観たのはかれこれ30年近く前、自宅近くの小さな映画館(おそらく20席以下)を貸し切り状態(つまり客は私だけ)でのことだ。当時もとっても感心したのだが、今TVで観ながらそれを追体験している。

 何が感心するって、まずカットのつなぎ方が出色だ。単に画をつなぐという話ではなく、つなぎ部分の音響効果や音楽も計算されたものだろう。暗転、ゴジラの鳴き声、着陸した飛行機のカットへといったつなぎ方は実に見事だ。ワイプかフェードか、カットのつなぎ方の選択にも文脈、明確な意図が感じられる。とにかくワイプ、というジョージ・ルーカス氏の作風と全く違う。モンタージュによるカットの切り替えタイミングは総じて早めで、人や乗り物の移動感を殺さず、極めてリズミカルである。その代わり、時間の経過はカットの切り替えを使って効率良く(?)省略されている。

 カット自体も、静止画的なものか登場人物などの移動を追うものかなどの区別が明確で、よく吟味されていると思う。移動や撮像対象の配置には左右だけでなく奥行き方向も使う。このようなカット構成は結果として「カメラの存在」を観ている側に強く意識させる。本多猪四郎監督のタッチはドキュメンタリーのそれに近いと言われるが、「カメラの存在」とドキュメンタリーは不可分だ。ただし、カメラそのものの動きは限定的というか、おそらく最小限に抑えられている。「如何にも手持ちカメラ風」のぶれが加われば、10年程前に流行った私が大嫌いな「ドキュメンタリー風の絵作り」に極めて近い風合いになるだろう。

 それをやらないのが「品格」というものだ。

 特殊撮影を担当した円谷英二氏がキャメラマン出身というのもポイントだ。特殊撮影カットも本編と類似した「品格」を備えている。これは本作品にとってとても幸せなことだ。

 伊福部昭氏の音楽自体、音楽作品に対する評価を近年良く耳にするようになったのは嬉しい限り。同時期の劇音作家の中では突出してリズム重視の作風と言える。メインタイトルの楽譜にゴジラの足音や鳴き声のタイミングまで書かれていたのは有名な話だが、映画が総合芸術たらんとすればこの種のこだわりは必須だろう。映画「日本誕生」や「わんぱく王子の大蛇退治」に見られる画と音楽の見事な同期、それらが産み出す相乗効果は圧巻だ。

 さて、「ゴジラ」の放送も終ろうとしている。

 最後に原作の香山滋氏に少し触れておきたい。香山滋氏は今ならばホラーとミステリの境界領域、かつて変格探偵物と呼ばれた分野の作家だ。80年代後半にこの分野の再評価ムーブメントがあり、復刻版の発売や古本屋周りの甲斐あって彼の作品はほぼ全作読んでいる。

 劇中、古生物学者の山根博士が「200万年前のジュラ紀」と発言する。が、実際のジュラ紀は約1億5000万年前であり、200万年前は石器時代である。このようなケアレスミスを香山氏が犯すとは考えにくい、むしろ意図的と見做すべきだろう。比較的受け入れられている解釈は、「ゴジラは人類そのもの、核兵器を作り自らの生存すら脅かす特異な生き物のメタファー」というものだ。香山氏の作風は良く言えばロマンチック、時に過剰なまでに感傷的、悲観的だ。「ゴジラが核兵器ではなく人類そのもののメタファー」という視点に立つと、ラストの山根博士のセリフの意味合いも違って聞こえないかな?

2014/06/25

"The Interview"トレーラー

 北朝鮮が舞台となった映画と言えば、「ステルス」(人民軍がちょっとカッコいい)とか「チーム・アメリカ」(笑)とか「ダイ・アナザー・デイ」(ほとんどSci-Fi)とか。本作も舞台は北朝鮮の模様。主人公たちは"Kim Jong-un"暗殺のために平壌に乗り込むようですよ。無慈悲!まさに無慈悲!

2014/06/02

ネオ東京ではないですが…映画「アキラ」トレーラー

 唐突だけど、ひょうな事から映画「アキラ」(1988)のトレーラーを目にする。

 冒頭、「2019年 オリンピックを翌年に控えたネオ東京」とのテロップにちょっとびっくり。そうか、「ネオ」は付いてないけれど、「アキラ」の世界観でも2020年は東京オリンピックだったんだな…とちょっと遠い目。

 「アキラ」は劇場でリアルタイムに観ましたが、個人的には「風の谷のナウシカ」と同様、「これは本当の終り方じゃないな」という印象でやや不完全燃焼感がありました。単に、2時間向きの題材じゃなかったんじゃないかしらん、ということなんでしょうけど。

2014/05/10

FIAT 500L - GODZILLA - TV Commercial

 FIAT 500Lってどうですか、という辺りは置いといて、今度のゴジラの姿がトレーラーよりも良く分かります。肩から腕にかけての造形は「大アマゾンの半魚人(ギルマン)」を思わせちゃうなぁ…微妙。

2014/05/01

Godzilla、アジア向けトレーラー

 何か飛んでます!「奴らを戦わせよう("Let 'em fight."かな)」みたいなセリフもあります。う~ん、これは想定外。

追加です。0:30辺りとかの背景に注目!あの腕にはトレーラーで見覚えが…「三大怪獣」ってこと?

2014/04/25

「キングが帰って来た」、そいつはGodzilla!

 エントリタイトルのカッコ書きの部分は、映画”Godzilla ゴジラ”(日本では7月公開予定)のPR用ポスターのキャッチコピー。海外でも敢えて「日本語」らしいです。

 ローランド・エメリッヒ監督版は今やゴジラ界(?)の大トラウマですが、今度は如何に?

 富士のすそ野は東宝特撮映画(と引用、パロディ)にとっては一種の聖地。宇宙港があったり、異星人の地下移動要塞が現れたりしましたが、今回はどうやら原子力発電所が建っている模様。ちなみに、日本にはでっかい冷却塔を持つ原子力発電所はありませぬ。まぁそのあたりはご愛嬌、でも原子力発電所を出したゴジラ映画は大抵駄作寄り…

 津波の描写がありますが、観てて結構辛い自分に気付きます。う~ん、あの恐怖感は(自分の経験は高さ0.5mぐらいだったけど)経験した人間以外にはなかなか分かってもらえないだろうなぁ…

2014/04/07

毎日新聞デジタル”宇宙戦艦ヤマト2199 : 出渕監督に聞く”を読む

 久しぶりに2199ネタ。毎日新聞デジタルの記事、「宇宙戦艦ヤマト2199 : 出渕監督に聞く オファーは『天命』」(2014年04月05日)を一読。

 新作劇場版とやらもやっぱり駄目っぽい、監督も監督自身も変わんねぇのな、な雰囲気濃厚。
 「ヤマトができるのはとにかく楽しかった。自分が楽しいと思っていると、作品にもそれが出てくるんだなと思った」としみじみと語る。
そこ、駄目だったところその1。あなたが何処を楽しんでいるかはおそらく半分ぐらいは分かっているつもりだ。しかし、全体として見たとき、あなたが楽しんでいるだろう辺りは全く物語の成立性に寄与していなかった。ただの食い散らかしになっていなかったか。
「(13年の)テレビ版から今作に入った方には特に見ていただきたい。本当に違いますから。意図したわけではないんですが、劇場上映版は全7章がいい形で
まとまった。章ごとにアプローチ、切り口が違っていて、章ごとに味わいも違う。まとめて見るには非常に見やすくなっている。もちろん計算はしたんですが、
ここまでカチッとはまるとは思っていなかった」と自信をのぞかせる。
そこ、駄目だったところその2。章毎にトーンが違うのは言われなくたって分かる。問題は、先のシリーズでは、全体として見たときに「章毎にトーンが違う」ことが全く物語の成立性に寄与していなかったじゃないか、ということ。ただ違うだけだったじゃないか、というより、本来ガチガチかつ針に糸を通すような繊細な構成が求められる部分に限って、はぐらかしたり、抒情的な描写で誤魔化したりしてたよね。

 故に、劇場版で全体として纏め切れれば拍手も讃辞も惜しまない。ただ、やろうと思っても難しいこのようなことにどれだけ自覚的に取り組もうとしているのかは甚だ疑問だ。
「劇場版は自分たちがこうしたかったというものがピュアな形で出ているので、そういう部分も含めて見てもらいたいですね」と語る。
ここは驚きポイント。「ピュアな形ではない」先のシリーズはどう位置付ければ良いのよ。「ピュアな形」ってあんた、より食い散らかしを先鋭化するつもりなのか。せめて「よりピュアな形」と言って欲しかった。
「実はヤマト自体をモデリングし直しています。劇場用にもう少し緻密にやろうということで、細かい部分で直しを入れたり、ディテールを足していたりするので、そういうところも見どころではあると思いますね」と明かした。
だからぁ、そこじゃぁないんだってば。「できるのが分かっていること」だけやってちゃ見てる側は尚更面白くもなんともないし、それじゃぁ作品は何時まで経っても終わらせられない。プロフェッショナルってのは「終わらせられる」力量のある人のことだ。何時までアマチュア意識が抜けないのか。
「『天命かな。これはやらないといけない』と。あえて“火中のクリ”を拾う心境だった」と当時を振り返る。
さすがにこれには同意と言うか、感情移入はできる。が、「天命」とは不可分な「覚悟」ってぇのはただやりゃぁ示せるってもんじゃぁない。

え、覚悟なんて無い?

空耳だと思うけど、それじゃぁこいつに手をつけちゃいけねぇし、自ら「天命じゃない」って言ってるようなもんだねぇ。「天命」は「覚悟」のある人間にしか下されないよ、普通。

2014/03/16

映画「宇宙兄弟」をTVで初めて観ましたよ。

 TV画面ながら映画のマジックの一部なりともを体験、撮影の上手さが光る幸せな作品。

 画面の締り具合はまさに映画のそれ。ストーリーのシリアスさをきっちりと支えるだけでなく、ストーリーに映画的リアリティを与える重要な要素だ。

 照明も上手いなぁ~と思って観ていたが、2ヶ所ほど「あれっ?」ってなっちゃったのはちと残念。映画のマジック(嘘)にどうしても気付かずにはいられない瞬間だ。詳しくは触れないけど、あのカット(映画的嘘)の次にあの影は.ないよなぁ…ってのがひとつ。3DCGをやってる人はすぐに分かると思うよ。実現が大変なのは承知なんだけど、多少画面が暗くなっても良いからそこは影のエッジがぼけてなくちゃ、映画では一度ついた嘘はつき切らないとね。

 あと、「燃料搭載量=最高速度」という観点からは月ロケットであの小ささはないよなぁ、月到着まで何日かかることやら…これは、元宇宙オタクのグチですね。打ち上げ直後の加速は確かに結構大きいようにも見えたから、そこはそれって感じですかね。

2014/02/27

9POTA, 再び

 著作権上は問題あるんだろうけど、田舎暮らしには有難いYoutube。ソ連のアフガニスタン侵攻に材を取った映画"9 POTA"が再びアップロードされました。あ、キリル文字の英語アルファベット転写では"P→R"ですよ。英語字幕に挑戦する気があるなら一度は観ておこう。

 新兵の髪をバリカンで刈るシーン、実は部下思いの鬼教官、すさんだ前線…米国の情緒的な戦争映画もかくやのお約束の展開もありますが、まずはこの題材で映画が作られたことが重要かと思う。ムジャヒディーンの描き方にも注目、どこまでが意図的なのか、それとも監督は単に「ブラックホークダウン」がやりたかったのか、色々と見方はあろうかと思います。あ、テーマ曲はけっこう好きなのですが、どこにも売ってないなぁ…。

 ついでに"Hamburger Hill, 再び"。

 こちらは米国のベトナム戦争映画。ベトナム戦争映画は当たり外れが激しいけど、本作は当たりの方。演技、カメラにアマチュア臭いところもあって完成度には多少疑問もあるんだけど、むしろ初々しい感じがしてしまう不思議作。残念ながら音楽はかなり残念な方。

 残虐なカットも多いので視聴注意。

2013/12/17

"Godzilla"トレーラー

 制作してるんだかしてないんだか、ここ2年ほど噂だけはあった"Godzilla"、今回は本当のようです。ゴジラ自体はちらっとしか見えませんが、首らしい首がないデザインは好きじゃないなぁ…あ、冒頭の音だけ聞いてるとモノリスが出てきそうですね。

2013/11/13

ヘンリー・マンシーニのメロディには抗えない

 先の日曜日にイタリア映画「ひまわり」がBS11で放映された。最後に観たのはいい加減子どものころだったので、真面目に一度は観てみるかとばかりにチャンネルを合わせた。音楽はヘンリー・マンシーニだ。

 モーリス・ジャールと並んで、マンシーニの楽曲にはお気に入りが多い。例えばこれ。

 もうたまらんですよ。さらにこれ、映画自体は「トンデモ」でしたけどね。

 そして「ひまわり」。

 宮川泰さんの宇宙戦艦ヤマトの楽曲群とも一脈通じるところがあるような…単に楽器編成が似てるとか、そんなレベルのお話ではないと思います。

2013/11/07

一回は観とけ!三度!

 映画「ライトスタッフ」などで存在感を示したローバジェット(低予算)VFXスタジオ乱立時代のひとつの到達点、「ロボジョックス(Robot Jox)」。B級ですよ、そうですよ。でも「宇宙空間では爆発音がしない」と言う点は実にリアル、問題は「宇宙に行った理由が不明」というところ。最後の戦闘に出てくる多脚敵ロボも何気にカッコいいと思います。

2013/10/13

うちのiPod touchさん

 今回は私信。

 遠方の友人との電話で、「ついに音楽ライブラリが64GBのiPod touchでも本格的にきつくなってきた、ホーム画面は殺風景だよ」と言ったところ、「んじゃ、見せろ」と。とは言え、実は壁紙だけには少しこだわりがあり、1台毎に違うテーマ、というか違う作家さんの画像データを同期させています。

 アプリもムービーもビデオも今週中盤から全部削除したので、使うのはミュージック、時計、カレンダーぐらい。1台にはアプリとして「ポルトガル語-日本語辞典」だけは入れてありますが。

 1台は長大中さんの絵が壁紙です。複数の画風を持つ人で、「紅衛兵&筆のタッチが残っていてギリギリ写真じゃないことが分かる」という辺りが私のストライクゾーン。一種の制服フェチなのかも知れませんが、皆が同じ服を着るという状況下でこそ個々人の個性が強く出るような気がします。

 ちなみに紅衛兵や文化大革命については、一時期手に入る本は全て読んだ気がします。タイトルは失念しましたが、中国共産党が正式に文化大革命を総括した分厚い論文の日本語版も読みました。知り合いの中国出身の研究者と文化大革命について話をしたことがありますが、極めて否定的な見解を持っていました。個人的には、引き続く「下放」が残した多くの禍根が印象的でした。下放をテーマとした女性視点の映画として米国映画「シュウシュウの季節」があります。ほぼ同時期に中国で製作された「初恋のきた道」と較べてみるのも一興ですぞ。

 もう1台は中村佑介さんのイラストが壁紙です。私が画集を持っている作家さんは、高畠華宵、リキテンシュタイン、そして中村さんの三人だけです。

2013/10/10

映画「キャプテンハーロック」ってどうだったの?

 観てもいない映画について触れるのは個人的にはルール違反なのだが、ちょいと思うところだけは書いておこうと思う。

 事実誤認があった場合はごめんなさい。

 「キャプテンハーロック」に関する情報で、正直びっくり半分がっかり半分だった点がある。CGキャラの動きがモーションキャプチャによるものということだ。個人的な意見だけど、キャプチャデータを使っちゃったら「アニメ」じゃない、おそらく"Animation"でもない。「幾らなんでも今時それは無いだろう」、というのが偽らざる感想だ。

 ディズニーに魂売っちゃおうが、Pixer Animation Studioでは3DCGキャラの動きは今だっていわゆる「手付け」だ。CGキャラの等身がどうのとかいう問題じゃない、"Animation Studio"と名乗るのは伊達ではないのだ。アニメーターの経歴もあり、昨今は3DCG演出で存在感のある板野一郎氏も、3DCGキャラの動きはやはり「手付け」が基本だとの考えと聞く。

 私は「キャラの動きにモーションキャプチャデータを使った3DCG作品」を否定したい訳ではない。

 単に、「キャラの動きにモーションキャプチャデータを使った3DCGムービーが作品たり得るなんていう考え自体が大いなる間違いで勘違い、最初っから踏み外してる。加えて言えば、そんなもんに金を出す人間の感性には言葉もない」と言いたいのだ。

 テクスチャーに頼りきったCGキャラ+モーションキャプチャデータによる動き、この組み合わせはPCやコンソールゲーム機のゲーム中ムービーの「かつての」定番手法だ。そのような手法を使いながら「作品たり得るもの」が作れるだけの力量がある人間は、力量があるが故にそんな手法は選ばないだろう。裏を返せば「そのような手法を選んだ」時点で、おそらく製作サイドに私が期待する「力量」はないということだ。

 更に被せるならば、「私が期待する力量」とは「想像力+創造力」である。或いは本人が本当にやりたいことをやりつつ、どうでも良いメロドラマを追加することで大ヒット映画をでっち上げてしまったジェームズ・キャメロン氏が持つような一種の「ずるさ」だ。

 モーションキャプチャ技術は、そもそも3DCGムービー製作のコスト(お金だけでなく時間も)低減のための技術だ。

「キャプチャデータをどう加工し、映像と言う最終的なアウトプットにどれだけの要素を新たに付加できるか」、

「最初」の勝負どころはそこにある。面白いもの、新しいものはその更に先にまで進まなければ手に入らない。キャプチャデータをそのまま使っただけでは何も生み出されない、出来上がりは物理エンジンのデモ映像レベルが関の山だ。30年来のSIGGRAPHウォッチャーとしては、「18年前だったら『凄い!』と言えたかもしれない」って感じかな。

 ちなみにモーションキャプチャ使って製作費30億円って、モーション手付けだと人件費膨らんで100億円とかかかるってことですか?節税対策?なんか変なお金の流れとか無いですか?

2013/10/06

映画の大好きなオープニング3題

 今回のエントリはちょっとまったりと。すっと思い出せる「映画の大好きなオープニング3題」のご紹介です。「大好きな映画」のオープニングではありませんので念の為。

 まずは"The Billion Dollar Brain"。英国と言えばエスピオナージ(スパイ)映画ですが、本作もそんな一本。まぁ、映画のストーリーは原作小説のそれから大きく逸脱して、悪い意味で007寄りになってしまってます。製作のHarry Saltzmanは007シリーズの共同製作者でもあります。オープニングタイトルはコラージュなどを駆使した如何にも当時に多かった形式ですが、本作のものも出来は秀逸です。
 次いでは007シリーズから"Golden Eye"。「ゴールデンアイ制御システム」の如何にも実在しなさそうな佇まいや、ファムケ・ヤンセン演じるのゼニア・オナトップ(すげー名前!)の暴れっぷり(?)とか、何気に好きな作品です。オープニングタイトルは「ソビエト連邦崩壊」という状況をダイレクトに反映したものですが、煙、拳銃の銃口を女性の口から出すなど絵作りはフェチ度が高いと言うかかなり変態的です。まぁ、悪く言えば品がない、ということなんですが。
 最後は"Contact"。尺が長めなので少しダレるところもありますが、基本的には良作でしょう。オープニングタイトルは衛星軌道ぐらいから見下ろした地球の夜側の画、(映画製作時の)今時のラジオ放送っぽい感じの音で始まります。画面の地球が小さくなるにつれラジオらしき音声の内容が古くなっていき、やがて音は無くなります。つまり、画面に映し出されている宇宙空間は、人類がラジオを使い始めた時点の電波すら届いていないぐらい遠いということです。地球からのラジオ電波が届いていないのですから、その空間からの光も地球には届いていません。そして、その宇宙空間の情景を少女時代の主人公は想像力という力で見ています、といった感じのカットでオープニングタイトルは終わります。劇中で、主人公はそんな地球からはるか離れた宇宙の情景を実際に目にすることになるのです。

2013/08/20

一回は観とけ!再び

 マズい、マズいよYoutube。日本語字幕まで付いてるよ。小学生の時にTVで観て泣きました。「冒険者たち」は文句なく名作!!

2013/07/21

Gyaoで映画「WINDS OF GOD」(1995)を改めて観る

 やはり個々人の「映画の観方、読み方」が何気に露わになりそうな映画。

 明らかに舞台上のセットでの撮影、窓外があからさまに書き割りなセットでの撮影、ラストの漫才シーンに代表されるロケーション撮影などと、冒頭の「WINDS OF GOD」を上演しているという劇場のカットとの関連性をどう捉えるか…解釈は解釈に過ぎないし、語られる物語自体の価値には影響しないものの、元々舞台劇であったものを映画にすることの意味合いには個人差が出てしまうだろう。

 何かが変わってしまったことの映像表現には少なくと二つ方法がある。ひとつは、変わったものを変えてしまうこと、もう一つは変わったもの以外を全て変えてしまうこと。カメラが切り取った映像の主体を誰とするかが一つのキーだ。

 『映画「WINDS OF GOD」』は「構造」だけでもけっこう味わい深く、他人の「読み方」がどうしようもなく気になるのだ。

 零戦の色が地上と空中で違うとか、特攻機なのにドロップタンク付けてるとかは「それらをちゃんとできない(そういう事に感度が無い、他人が同じことをやっても気づかないか気にしない)人達」が作ったんだから、と納得しましょう。決して笑いどころではありません。出来ん人は出来んのですよ。

2013/06/03

映画"EUROPA REPORT" トレーラー

 全くノーチェックだった映画"EUROPA REPORT"のトレーラーが公開に。カット切り替え時に「でーーーん」って音を入れるのは最近のトレーラーでは定番、観てる方は飽きちゃうよね。

 近未来、リアル指向のSci-Fiとのこと。タイトル中の「エウロパ」は木星の衛星のひとつ。表面を覆う氷の下には海があると考えられており、太陽系内で地球以外に生命が発生するならばまずエウロパだろうとの見解を持つ人は少なくない。

 トレーラーでは、人類初の有人エウロパ探査機「エウロパ・ワン」の打ち上げから船内の様子、エウロパ表面やエウロパの海中から見上げた氷原などのカットを見ることができる。最後付近の処理はリアリスティックなそれまでのカットとは少しちぐはぐなホラータッチだが、やや似た構造の「プロメテウス」のトレーラーと較べても、こっちの方が面白そう。

 とはいえ、トレーラー中で使われているモニタリングカメラの映像を本編でどの程度用いているのかは気になる。別エントリで書いた通り、カットのリアリスティック感をこの種の映像に頼る作りだと、映画体験としての面白みには欠ける可能性があるからだ。

 "3D"との表記が出てこないのは好感。TVで観た「バイオハザード/アフターライフ」が余りに「映画ではない」ことに実は驚かされたのだが、冷静に観てみるとカメラアングルやカット割り、音響効果や視覚効果に至るまでが「3Dに奉仕させられている」様が露わでガックリしてしまった。「映画たらしめん」とする意思と行動が作り手側にないと、3Dはすぐにアトラクション映像になってしまうということかな?

 まぁ、観てちょ。