2013/09/29

「初音ミクV3 ENGLISH」ってば

 ボーカロイド製品のアクティベーションでは専用サーバーへの接続が必要だ。

 聞くところによると昨日はそのサーバーが高負荷で落ちちゃったんだそうだ。凄いもんだね「初音ミク」は…とか書きつつも、実は私もサーバーダウンの影響を受けた一人。おそらくサーバー復旧前後に何回かアクティベートに挑んだタイミングだったようで、4回ほどネット接続エラーでアクティベーションに失敗。成功するまでに迷惑メールが11件届いちゃったよ、あ、俺のPCちゃんとネットに繋がってるじゃん、あははって感じ。

 これで一気に「初音ミク楽曲の質が向上」なんてことが「もし」起ってしまった場合、その原因分析はちょっと面白いですよ。はたして原因は「初音ミクV3」の出来の良さなのか、それともMacもサポートしたことなのか、とか。大げさに言えば、林檎使いは窓使いよりも本当にセンスが良いのかっつー話にけりがが付くかも知れんよ、ということですよ。俺みたいな元熱狂的林檎使い(SYSTEM6まで)はどっちですか?

 で、知ってる人は知ってるように、俺は基本的に「ボーカロイドはウィスパー系以外は英語バージョンしか買わないよ」という人、ということは裏を返せば「初音ミクV3 ENGLISH」は買っちゃう可能性はある訳で、ハイハイもちろん買いましたよ、と。アクティベーションの件はそういうことです。

 んで、「初音ミクV3 ENGLISH」はどうなのよ、という話なんだが、なんだかなぁ…。自分の中のベンチマークは"VOCALOID2 SONiKA+V3 Voacloid Engine"で、こいつは余裕で超えてもらわないといかんのだけれども、ん~。

 滑舌は明らかに「Megpoid Eng. > 初音ミクV3 Eng.≧ SONiKA+V3 Engine」、これはフォルマント特性とも無関係じゃない。

 "Megpoid Eng."はとにかく声がひっくり返ることが多くて難渋するが、これまで触った限りは"初音ミクV3 Eng."はほとんどひっくり返らない。と言うか、"初音ミクV3 Eng."(そしておそらく「初音ミク」自体)が「声が裏返りっぱなし」なのだろうと。なので編集しててもなかなか味が出ないと言うか、1時間も聞いているともう勘弁というか、触る度に使う気が失せるというか、少なくとも触ってても面白くはないことと、意外に「初音ミク楽曲」では声質自体がいじられてきていないのだなということを身をもって知った次第。

 周波数の話をすると、"VOCALOID2 SONiKA"自体は30Hz以下の低周波数成分が多く、かつ2kHz以上の高周波数成分が少ないので、全体としてもこもこした印象になる。低周波数成分はイコライザーで削れば良いのだが、中周波数成分とのバランスを取るために高周波数成分をイコライザーで持ち上げると音質が全体としてどうしてノイジーになり、さらに音自体が痩せてしまう。結果、「もこもこ」か「(痩せて)スカスカ」かの二者択一とならざるを得ない。"Megpoid Eng."は中~高周波数成分ともに多めで、強めにイコライザーを利かせても音が痩せにくく、声質が変わらない範囲で落とし所を見つけ易い。周波数成分分布は"Megpoid Eng."が実際の人声により近いので、人声を使う場合のノウハウがかなり活用できる。

 "初音ミクV3 Eng."は低、中周波数域ともに低く、もともとからして「痩せた」音だ。確かにこれはいじり代がない。破綻しにくいという意味では使い易いのかもしれないが、引き出しが一個しかないようなもの、というのも如何なものか。

 "VOCALOID2 SONiKA"でも、「もこもこ」と「スカスカ」を重ねて使うという奥の手が実はある。それぞれの音量とリバーブのカットオフ周波数域の設定によっては格段に聞き易い音質になるよ。

 ちなみに"初音ミクV3 Eng."で中周波数域だけ豪快に持ち上げると、個人的には何を言っているのか分からなくなる。要は重要なフォルマント成分が高周波数寄りにあるということだろう。「声が裏返りっぱなし」というのはそういうことだ。おそらく、Skypeとか通しても何を言っているのか分からなくなるんじゃなかろうか。

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