本エントリの内容は、それこそ子供のころに読んだ本やここ10年ほどにネット上で見た内容を多く含むので、間違いや勘違いが含まれている可能性があるよ。エントリタイトルを眺めながら「『インドア系ならトラックメイカー』と意外に発声時のリズムが似てる」と思うとか、俺って馬鹿だなぁ。
さて、
昨日、COVID-19の二重変異インド株の感染力(という謎のワード)が既存COVID-19の30倍という文章をネットで見た。また、インド国内ではこの二重変異株がイギリス変異株(感染力?が5倍)やブラジル変異株をほぼ駆逐してしまったとの調査結果もあるようだ。
なお、最近のインドでの感染爆発の原因として大規模宗教行事の実施が挙げられ、その実施を止められなかったモディ政権への国民の求心力低下まで起きた。が、やはり二重変異インド株の登場が感染爆発の主因のようである。
で、30倍と言えば、個人的にはスペイン風邪ウィルスの増殖速度に関わる数字だ。スペイン風邪の正体(変異インフルエンザ)が判明したのは1990年代も末期らしい。正体探しのブレークスルーは、いろんなものが埋まっていることで有名なシベリア、ツンドラ地域で発見された「スペイン風邪で亡くなった人のミイラ」だったそうだ。
ミイラの調査から、スペイン風邪がインフルエンザの一種であるウィルス性感染症であることばかりか、分子生物学的特徴も特定された。そして分子生物学的特徴とやらから「再現」されたスペイン風邪ウィルスは、毎年流行しているようなインフルエンザの30倍の増殖速度を実験で(おそらくガラス容器内で)示したそうだ。結果、感染源からは一定時間あたりの数にして従来の30倍のウィルスが放出される可能性が示唆される。
体内に取り込んだら感染に至ってしまうウィルス数が従来株と同じなら、まぁ感染力30倍となると言えなくもない・・・問題は、二重変異インド株は免疫系を回避する(免疫系が感染を検出するタイミングが遅れたり、検出に必要なウィルス数が上がる)特性があることだ。感染力が謎ワードなのは、後者の免疫系に関わる因子を考慮してるのかどうかが分からない、「書き手は意味を理解しているのか?」と疑わざるを得ない記述があふれていることに尽きる。
改めて書こう、そうは言っても30倍だ。ついに来た感がある。これ以上増殖速度が上がると感染即短期間で死亡となってしまい、流行できないままウィルス自体が死滅してしまうだろうという気がする。免疫系が気づく前に終わり、では人間の身体にできることは全く無い。
では、感染力?が同等?となったスペイン風邪による日本のダメージはどのようなものだったか。死者数/感染者は約1.7%(世界的には10~20%の範囲の数字を目にしてきた)と決して高い印象は受けないが、累計感染者数は当時の国民約5500万人のほぼ半分とされ、死者数で見ると決して馬鹿にならない、いやはや。
ただ現時点で目にした情報に基づけば、日本において二重変異インド株はスペイン風邪程の感染者は出さない可能性が高いと見ている。理由は簡単、伝わっているスペイン風邪の毒性よりも、二重変異インド株の毒性の方がかなり高いからだ。潜伏期間は短く、発症から2日程で発熱などの症状は治まって一旦回復したように見せておいて、本番の症状はそれ以降だそうだ。[追記3/15]インド二重変異株については、潜伏期間はむしろ長い(3週間以上もあり得る)と報道内容が変わってきている。従って、「発症から重症化」までの期間が短かくなったと理解しておくべきかと思う。[追記 ここまで] 当初からCOVID-19は体中の血管にダメージを与えて多臓器不全を引き起こすと言われてきたが、二重変異インド株の本番の症状はまさにそのようなものだという。肺炎はウィルスが増殖中の場所で起こるごく初期の症状に過ぎない。
今回の感染症に関する我が家のモットーは1年前から「罹ったら負け」。二重変異インド株の登場、加えて国内にも侵入済とのことで、その意味はますます現実味を帯びてきた。自分はともかく(どうせもう意識が無い)、家族がトリアージの対象になるような状況は考えるのも嫌だ。