2018/05/09

「銀河英雄伝説 Die Neue These」への不安

 Gyao!で観てます。私と「銀河英雄伝説」という作品との関係はと言うと、原作、旧アニメシリーズともにリアルタイム、ビデオ化以前から地域のSF好きが作った無名の「銀河英雄伝説」同人誌に短編小説を寄せたり、その表紙を描いたりしてました。まぁそういう距離感を持つ身ということです。

 キャラデザインに関わる話は余りするつもりはありませんが、女性キャラのデザインで使っている要素幅が狭い感じがあり、今後キャラごとの描き分けが十分にできるのかちょっと不安になりました。以前のエントリではキルヒアイスについて似た懸念を持つことに触れています。対して、声優さん方は本当に良い仕事をしていると感じます。声による「キャラごと、キャラの状態/気分の描き分け」への支援は期待できそうです。

 ちなみに某アニメの女性キャラ群「Dパイ(フォレスト、可能性としてヤクルトおばちゃんも含めておこう。ただしヤクルトおばちゃんは全盛期ならば暗殺者枠でも有り得、おっさんまたは超美少女の変装の可能性が・・・)」個々のキャラの立て方、描き方は、教科書的ですらあります。が、「分かりやすくてかつ(少なくとも初見では)面白い」というその一点をきっちり抑えていて、観ていて実に上手いものだと思いました。ただし、赤塚不二夫原作アニメチックな演出は抑える方向が良いと思います。業務内容ごとや勤務内外で髪型を変えたり(変える人と変えない人、または変えたように見えない人が居る事も含みますよ)とか、芸が細かいと言うよりはリアルな印象を受けてます。今回のフレデリカは髪が長めのデザインなので、髪型も演出上で上手く使って欲しく思います。

 まぁ、旧アニメ版の声から推定される演出意図だと、常にきちっとしているせいで結果として髪型が変わらない・・・という事だったのかもという可能性はあるのですが。普段から「可愛い可愛い扱いしていたり」とさらに演出の幅を狭めてしまうと、作品的に「本当に可愛く見えるべきとき」にそう描けなくなる可能性がありますからね。「頬を赤く染めて視線を下に外し」ではうっかりすると60年代の演出ですし、端正なキャラデザインでそれではギャグにしかなりません。部下、恋人、新妻、未亡人、国家元首・・・さぁ、それぞれの演出プランや如何に(個人的には、眼鏡、コンタクトレンズネタは封印をお願いしたい)?

 で、本エントリにおける「本当の不安」はここからです。

 「製作者は劇中で視聴者に最小限の説明しかしない方針」のように見受けられます。現時点までの「脚本の淡白さ」は、世界観の説明すらほぼせず、時間経過の描写もかなり曖昧です。従って私の印象、見立てが妥当であれば、原作や旧アニメを知らない視聴者は、周辺情報を漁ること無しに「銀河英雄伝説 Die Neue These」が描いている内容を理解できるとは思えません。

 なるほど、現実世界には「説明的なセリフ」が存在できる余地はほとんどありません。ですから、そういう状況下で如何に上手く「説明的なセリフ」やそれを代替する画や描写を作品に盛り込むかという部分に物語の語り手の腕が問われるのです。「全ての説明を冒頭のナレーションまたはテロップで済ませる」という荒業もありますが、その使用が許される本編のレベルは「世界中から桁違いの収益を上げられる出来」である必要があるでしょう。

 実のところ、「作品単体だけでは作品自体が理解できない」小説や映画などは以前から存在しますし、理由も様々です。ただし、たいてい失敗作扱いされています。

 「銀河英雄伝説 Die Neue These」についても、最初は「脚本家が原作や旧アニメが好きすぎて、それらを知らない視聴者が居ることにまで気が回っていない」とすら思いました。が、作画されたものやキャラの劇中の発言は「脚本の淡白さ」を補うどころか、情報や意味の有無という意味では脚本に劣らず淡白(説明的な要素が皆無)なのです。

 「某回廊」や「某要塞」は「中学校」ではありません。つまり、誰もが知っていたり、そこに所属したことがあるような想像可能な場所ではありません。そんな状況下、「某回廊」や「某要塞」がどういうものかについての説明をほぼ省いたまま、「銀河英雄伝説 Die Neue These」は要塞攻略戦を描き始めようとしています。これでは攻略の困難さすら視聴者には伝わらず、それを反映したキャラのセリフの意味も理解されないでしょう。これは大いなるコミュニケーションの欠落ではありませんか?

 利点と言えば、「物理的に核爆発が起こり得ない条件下で核爆発を発生させた方法を説明せずに済むかも」ぐらいでしょうか。

 さて、同様の不安について、より直接的に本ブログで触れた作品が既にあります。

 「自分と他人は考え方や意見が、解釈が違う」というのは対人間コミュニケーションの基本です。ですから「合意形成」が必要であり、作り手は必要に応じて言葉を尽くすべきなのです。如何に効率良く、分かりやすく、確実に言葉や画で視聴者に必要な情報を伝えるか・・・それも可能な限り視聴者には自然に受け入れられるように・・・プロの仕事足らんとすればここは問われます。「他者が自分と同じように考える、解釈することを前提とし、加えて前提の理由を当人の個人的な感覚や気分に置く」ととあるアニメ作品のようになりかねません。また、「個人的な感覚や気分」を「思い込み」や「思い入れ」に置き換えれば分るように、この種の悲劇はリメイクの方が発生しやすそうです。

 かつて私は、とあるアニメ作品に対する一種の批判のために「物語至上主義」という言葉を本ブログ内で使いました。別の表現をすれば、物語を語るに必要なことは全て触れる(=コンテクスト/文脈の明確化)、物語を語るに不必要なことは「物語を語ること以外の意図」が無い限り触れない(=ノイズの低減、ミスリードのためのミスリードの排除など)、個人的感覚や気分に基づく判断は実行内容から完全に排除(=自慰行為、過剰な自画自賛や非論理的物語展開の隠蔽、回避など)となります。

 「銀河英雄伝説 Die Neue These」、果たしてどう仕上がっていくでしょうか?・・・不安でしかない(饅頭的に・・・んですがねぇ。

2018/05/07

[隣のDivisionさん] 2018年度初頭のゲーム内経済

 Ubisoftの会計年度は4月~3月で、日本の多くの企業と同じである。だからUbisoftにとっても現在は2018年度初頭、年度の最初の一カ月が経過したところである。

 プレイしている方ならご存知の通り、The Division内の経済基盤はディビジョンテックに大きく移行した。オープンワールドの戦闘任務やクラフト任務の報酬にもディビジョンテック(25個)が含まれるようになり、シーズンパス所有者へのサプライドロップにもディビジョンテック(100個)が含まれる。名前付き武器やクラシファイド装備を分解すればもれなく、高品質の武器や装備を分解しても低確率だがディビジョンテックが入手できる。オープンワールド追加地域内のアラート任務の成功報酬もディビジョンテックだ。

 ディビジョンテックの使い道は、現実として最適化ステーションでの武器や装備の最適化しかない。最適化1回に必要なディビジョンテック量は50個と決して少なく無い。が、ドロップ品の品質に期待できないことに変わりない以上、ギアスコアアップ向上策として最適化ステーションは活用せざるを得ない。

 個人の最適化結果について記しておこう。
  • 平均ギアスコア274から288(現在)への上昇はほぼ最適化だけによる。
  • 初期のギアスコアが280未満である武器や装備の場合、最大限にまで最適化して到達できるギアスコアはほぼ286、またはそれ未満である。ギアスコアの上昇幅としては8~10が典型的だが、後述するように例外がある。
  • 現行のギア構成では、3つの全武器、6つ中の5つの装備のギアスコアが286である。最適化ステーションでのギアスコア上昇は既に全て不可である。
  • 現行のギア構成での装備単体の最高ギアスコアは295である。この装備はドロップ品であり、ドロップ時のギアスコアは277だった。つまりこの装備のギアスコアの上昇幅は18であり、例外的に大きい。
となれば、プレイ時間が限られるなどドロップ品数やキャッシュの入手数自体が制限されるプレイヤーほど、ディビジョンテック取得数を増やすことに力点を置いた方が効率よくギアスコアを上げられるように見える。例外品がそうであるかを確認するにも例外品を最適化するにも、相応のディビジョンテックがなければならないからだ。

 最適化ステーションは明らかにゲームチェンジャーだ。これの登場によって、ワールドティアや敵レベルを上げずとも、新しく高いギアスコアを導入しなくとも、プレイヤーにはギアスコアを高め続けられる可能性が、あくまで可能性が残される。

 そして運営は楽チンだ。だらだらとプレイし続けるプレイヤーを繋ぎとめる仕組みとしてはなかなか良い・・・最も気に入っているのは値段だ・・・有償アップデートでこのような怠惰な運営をしようものならプレイヤーを怒らせかねない。

 最適化ステーションとディビジョンテックを基盤とするゲーム内経済の変更はゲーム延命を望む運営サイドにとって低コストという意味で名案だが、複数キャラクター間のクレジットなどの共有化といった他のシステム変更とは(目立たないながらも)すこぶる相性が悪い、かなりザルと言って良さそうに見える。

 例を挙げよう。

 実のところ本エントリでは「ゲーム内経済」と言う言葉をわざわざ使っている。これはクラフト機能を介することで、例えば武器パーツなどを「一定比率=一定の交換レート」でディビジョンテックに変換できるからである。クレジット種を増やし続けつつそれらの間の一定比率交換、すなわち一種のゲーム内経済の確立を拒絶し続けたのがThe Divisionだった。だが、「名前付き武器を分解すれば1つのディビジョンテックが必ず入手できる」という新たな仕組みと「名前付き武器のブループリントを使ったクラフト」を利用すれば、クラフト→分解の過程でクラフトに必要なパーツとディビジョンテックとの間の交換レートが「明確に」決まる。クラフトした武器は通常クレジットの定額で買い取ってもらえるから、ディビジョンテックと通常クレジットとの交換レートも「明確に」決まる。まず交換レートが存在し、それら交換レートに「確率的変動が発生しない」という状態は、The Division内では初めてだろう。

 「運営サイドにそんな意図は無かったのに、ゲーム内に交換レートが生まれてしまった」なら、運営は恥の上塗りをしたと言えよう。いつものようにこの開発会社のやることは薄っぺらい。

 で、実はここが最大の問題なのだが、「名前付き武器のブループリント」は現在入手可能なのだろうか?昨日ぶらついた時には「名前付き武器のブループリント」自体を店で見つけられなかったのだが・・・。つまり購入可能時期に「名前付き武器のブループリント」を購入したプレイヤーだけが現在多めにディビジョンテックが入手できる不平等状態になっていないか?という話だ。(コメント頂いた通り、ストーリーミッションをクリアしたプレイヤーは拳銃「ダマスカス」のブループリントを所有しています。)

 ちなみに私はテネブラエのブループリントを所有している。クラフトに必要な武器パーツは黄色6個と決して多くはない。オープンワールド旧範囲巡回だけで50黄色武器パーツ/30分程度の入手は可能なので、1時間当たり20個程度のディビジョンテックが追加で、かつ確実に入手できることになる(分解して得られた武器パーツはクラフトに再利用できるので、実はクラフトに必要な武器パーツは1個マイナスの黄色5個となることに注意!)。これを大きいと見るか小さいと見るか・・・個人的には大きい。同数のディビジョンテック入手には5回程度のアラート任務達成が必要だが、任務内容によっては30分近いプレイ時間が求められる。

 名前付き武器の購入は1ディビジョンテックの入手と同等なので、フェニックスクレジットとディビジョンテックとの間にも、実は「一定範囲内の交換レート」が既に存在する。更に・・・とは言え大事なことので繰り返しておく。 「名前付き武器のブループリント」を持たないプレイヤーはこのゲーム内経済には参加できないのだ。

2018/04/29

GW前処理事案 - The Division2に必要なのは

ネットコードをせめて「普通」にすることだ。

 ただし、そんな話は(状況として理解し難いが)全く聞こえてこない。

 せめて誰か「Massiveはネットコードに一切関与させていない」とか、「Massiveはアバターのゲーム制作で忙しいので、実際にはSnowdrop2エンジンにしか関わっていない」とか、「旧作のクリエイティブディレクターはクビにして(大朗報)、ザ・クルー2しかやらせない(大悲報)」ぐらいは言ってくれないだろうか。

 我々には何らかの夢が必要だ。

 ネットコードとは、ゲームのサーバーとクライアント間の通信内容及び通信頻度などを指す。The Divisionのネットコードの酷さ、特に通信頻度の低さはベータ版時代から問題視されており、加えて未だに改善されたとの話が無いと言う事実は壮絶とすら言える。有名どころのFPSでは、早い段階のアップデートにネットコード改善が含まれている事も珍しくない。

 ちょっと実験をやってみた。現在The Divisionでは「ブラックアウト」とか言う何か分からないイベントを実施中で、とにかく通信が安定していない。時間さえ選べば10分と持たずに通信がダウン、二日に1回くらいはサーバーダウン、敵はワープし放題で、時間を選ばなくともインプットラグは十分に体感可能である。そこでインプットラグを色々と測定してみた。

 測定方法はこんな感じだ。
  1. 背後で音楽(♩=120前後)を再生しながらプレイを録画
  2. 操作(銃の発射、スキルの発動など)を音楽(要はドラム音)に合わせて実施
  3. プレイ録画上で、操作した音楽上のタイミング(要はドラム音)と実際の操作への反応で発生した音のタイミングを比較
  4. 比較には、自作の信号処理ソフトを使用 (分解能0.06ミリ秒)
 主要な結果はこんな感じ。
  • アサルトライフル発砲開始:240ミリ秒
  • LMG発砲開始:250ミリ秒
  • 追尾マイン投擲:260ミリ秒
  • 手榴弾投擲:130ミリ秒
  • 前転:120ミリ秒、400ミリ秒内に2回目は実施不可
  • パルス:240ミリ秒
  • ヘッドショットキル時の画面と音とのタイミング差:140ミリ秒
どうも125ミリ秒辺りが肝になっている雰囲気だ。発砲系の処理はサーバーからの返答が必要なので、125×2=250ミリ秒ぐらいとなっているという判断だ。

 ちなみにWorld of Warships、アジアサーバーでのping値は通常40ミリ秒前半、込んでも120ミリ秒は超えない(が、さすがに100ミリ秒を越えるときはやらない)という通信環境である。

 音楽をやっている人なら、125ミリ秒(=1/8秒)というのが途轍もない時間遅れだということは分るだろう。 ♩=120(1分間に1/4分音符が120拍、昨今のダンス曲なら♩~135、速めのD&Bなら♩~176辺り)における125ミリ秒は1/16分音符と同じ長さである。こんな遅れじゃリズムがグダグダとなってしまう。

 とあるFPSにおける通信頻度は25回/秒(25ミリ秒以下のラグ)で、総通信ラグは80ミリ秒未満とされる。つまり通信頻度は未だ「普通の1/3~1/4」ということになる。ping値80(ミリ秒)超ではRainbow Six Siegeのプレイは既にキツいと聞いたこともある。そりゃそうだ、これにサーバー反応などのラグが加われば120ミリ秒級またはそれ以上の体感ラグ発生は避けられない。The Divisionの通常状態のラグは Rainbow Six Siegeがまともにプレイできなくなるラグよりも大きいのである。

 なおSteamDBによれば、最近のRainbow Six Siegeの1日の同時プレイヤー数はThe Divisionのそれのほぼ100倍以上で、The Divisionリリース直後のピーク値と同等となっている。金、技術、対顧客コミュニケーション、マネジメント含め、通信事情に関するThe Divisionの不手際(としか解釈できない状態)は、事前の評判が決して高くはなかったRainbow Six Siegeと比べても目立つ。「口先だけのThe Division、多少ゆっくり目だが改善内容を具体的に宣言した上でそれを着実に実行していくRainbow Six Siege」、などととある知り合いは言う(ブログ主はRainbow Six Siegeはプレイしていない)。

 加えてワープし放題状態での敵の最大移動距離は、キャラ肩幅基準で最大4倍程度という感じである。なので「普通の1/3~1/4」という数字はここでも多少意味が出てくる。そりゃ肩幅の数倍もワープすれば隣の部屋に行っちゃうでしょ。なお、これを超えるようなワープ幅が発生するような状況では、サーバーとの切断が発生してしまうようである。

 ちなみにゲームエンジンのSnowdropについては、「とある開発者が自分の分野の技術内容について疑いようも無い嘘をついている」点を指摘したことこそはあるものの、基本的にベタ褒めしてきた。ポイントは「小せぇことは良いんだよ」張りの「使わない(または使わないことにどっかの段階で判断された)機能のぶった切り」による軽量化である。音声処理、特に爆発音などの処理の実装は如何にも雑そうだし、植生の処理も遅いっつーか流儀が古く見える。要は描画機能の一部を除き、既存のライブラリをそのまま使っているだけのエンジンなのだろう・・・それも見識だ。まぁ車の窓が銃撃でいったんは壊れたりするのは良いとして、所謂「Car door closing simulation(車のドアを閉じるシミュレーション機能)」 は新エンジンであるSnowdrop2には要らないでしょう。

 さて、昨今の「普通のネットコード」には当然対チート性も要求される。ネットコードに関してはRainbow Six Siegeのそれの評判が良いようなのだが・・・

GW前処理事案 - Farcryさん、如何っすか

Farcry 3

 主人公は誘拐された友人達(遊び友達、恋人、兄弟)を助けたい。最初はめっちゃ弱い。助けてくれる人達もいるが、それぞれが異なる意図を持っていて善意からという筈もない。だがそこに欲望は有っても嘘は無い。敵ボスの御託は御託には違いないが、内容はちょっと面白い。

 良いじゃないの、主人公の最初のヘタレ具合はプレイヤーのそれと同じじゃないか。主人公に感情移入しよう。以降で起こることは冒険じゃない、人殺しだ、イカれた連中同士のガチの殺し合いだ。

Farcry 4

 主人公は何も知らない。何しにそこに来たのか、いきなり目の前に現れた敵大ボスとの関係性も知らない・・・それもほぼラストまで。主人公は成長しない、殺す相手は軍人だが悪人ですらない普通の人達だ。主人公はサラリーマン軍人相手のシリアルキラー、共感しがいなんて端から無い。善意を、御託を声高に叫ぶ反乱者達の具体的な「善意の発露」を見よ。

 良いじゃないの、敵大ボスに感情移入しよう。支配する小国なんてどうでも良い。かつて惚れた異性の子供が成長した姿で主人公としてやってきたのだ、自分の力を見せつけよう、自分の所行を全て見せつけよう。御託は「自分自身の生死をコントロールする目的のためだけ」に「主人公に向かってのみ」発しよう。その結果として主人公が自分をどうしようとしてくるか、ガチで試そうじゃないか。

 惚れた異性の息子の手で殺されるかもだって?それこそ「それをその地で守ってきた」甲斐があったってもんだ。

Farcry 5

 保安官って何?何で逃げない。

 主人公たる保安官は何を考えているのか理解できない、当然ながら感情移入なんかできない。宗教集団の連中の御託は純粋に御託であり、ピュアに下らない。意図的にここまで酷い中身としたのならそれも才能だし見識だが、それら能力の使いどころが間違っている。故にこちら側にも感情移入できる存在はいない。

 洗脳ネタでの楽曲の使い方や、とあるエンディングクレジットで使用した楽曲の選択などのセンスの無さは、元ネタを愛する人々(例えば映画ファン)への侮辱かとすら感じてしまう。元ネタへの愛は無い、ただの引用、スタイルだけを気取ったただのパクリだ。だからそういう部分を省いていこう。

 朝鮮戦争、キューバ危機、ベトナム戦争などなどに対する米国の反応の「ステレオタイプ」も合わせてはぎ取っていくんだ。もしサングラスのレンズに"TURBO"ってロゴが書かれていたら消してしまおう。ただ「パラノイア」まではぎ取るのはちょっと待つべきだ。本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に何も残らなくなる可能性がある。作品と呼ぶべきものの基盤に気分を置いてはいけない。米国は実在する国家であり、住人がいて、様々な文化もあるんだ。「ステレオタイプ」を理由に、「気分」の名の下に、無意識であっても作り手が自分達の無知や不勉強ぶりを誤魔化そうとしてはいけないんだ。作り手が誤魔化せば誤魔化すほど、ゲーム中のキャラクターの「御託」は「パラノイア」の色彩を帯びていく、説得力は無くなっていく、ゲーム内においてすら意味が無いものになっていく。

 その結果、Farcry 5の特徴が露わになる。Farcry 5には何も残らない。これまでのFarcryにあった「構築された世界観」は存在しない。「このゲーム内世界、有り得ないように見えるんだけど・・・もしかしたら・・・」とプレイヤーにぎりぎり思わせるマジックが存在しない。と言うか、そのようなマジックがゲームを魅力的にするために必要であること、故にその部分に力を入れなければならないことをFarcry5の作り手は理解していないのか、結果としてそれにかかわる最低限必要な要素すらゲームに与えていない。作り手は必要な知を得ることに怠惰に過ぎ(或いは知っていると勘違いし)、結果として無知と不勉強の結果を金銭を払った人間に押し付けている。

 さぁ、「気分には溢れたものの(その気分を是とするかと言うと、私にとっては無意味だ)、明らかに米国ではない(存在する米国とゲーム内の米国の一部との境界の存在をプレイヤーに感じさせることが必要とされるマジックなのだ。『ホープカウンティが米国の一部であることを必須としたラストに向かうストーリー』を語ろうとする以上、『ホープカウンティが米国の一部であること』がゲーム内で具体的に語られ、強調され続ける必要があるんだ)」空虚な世界内でどう振る舞うかはプレイヤー次第だが、それははたして魅力的だろうか?個人的には実につまらない。

 Farcry3で顕著に見られたUIなどのゲーム内2Dグラフィック、アニメーションへのアーティスティックなまでとも言えるこだわりは、Farcry5では全く感じられなかった。Farcry3における上述のマジックの正体は、実際のところは「一貫性を感じさせる異国情緒」であり、それは「実在しない国や島」を舞台としたFarcry3に必要な「世界観」の大部分と等価と言って良い。では「世界観」の残りが何かと言うと、殺人のための機械、すなわち武器の存在と、それらがゲーム内世界に与えている影響力である。そのため、例えば「蝶の一部とも自動小銃の一部とも見えるようデザインされた2Dイメージ」がゲーム中で使われている意味は明らかである。おそらくFarcry3ではUIのデザイン要素は、「異国情緒に溢れつつも武器と暴力が支配するゲーム内世界」という世界観の強化を担うべく意図をもってデザインされた「マジック」の一部なのだ。

 まぁ、Farcry5内にもこの種の「マジック」を与えるべくデザインされたのであろうと思わせられる要素もある。が、それらがロシア構成主義チックだったりと、個人的にはむしろナチズムやファシズム下や共産主義下のプロパガンダ美術に近く感じてしまう。それは実際の米国の一般的なパブリックイメージから余りに遠い・・・かと言え(自粛)であることや(自粛)であることを揶揄していたりとかなら余りに下品で色々な方面に失礼だし、「高い城の男」ばりの「存在していない米国」の暗喩としては意味論的にも機能的にも全く寄与していない。

 一方、Farcry4では音楽に「マジック」の機能の多くが委ねられた。Farcry5にもそのような意図を感じさせられところもあるが、意図自体は全く分からなかった。映画「博士の異常な愛情」のラストの核攻撃シーン(実際には核爆発試験の映像を編集したもの)では、"We'll meet again"という楽曲が流れる。人類滅亡か!?と言う状況下に「再び会いましょう」という楽曲が流れる、という一点において皮肉の類を感じても十分だと思う。が、この曲が第二次世界大戦開戦年の作であり、歌詞がそのような世界状況を反映したものであること、イギリスの楽曲であることなど、色々と知っていれば観客が受ける印象も変わり得るだろう。引用したYoutube動画で使われた画像は、まさに"We'll meet again"という楽曲が生まれ、求められ、歌われた時代のものだ。

 このような要素間の意味ある関係性を時にコンテクスト(文脈)と呼ぶ。コンテクストは文学のみに用いる概念ではない。例えば地形や植生、地層の構成、岩石の種類などはその土地の歴史を反映しており、地学者にとっては読み取るべきコンテクストである。アポロ計画の後半の宇宙飛行士は地学的コンテクストの読み方を地球上で習得した上で月面に向かった。アポロ計画後半のミッションは学問的色合いが強いが、それは宇宙飛行士達の地学的コンテクストの読み取り能力に明らかに支えられている。ここで私が言うコンテクストの有無とは、知性や見識の有無とほぼ同意なのである。

 更に言えばこの楽曲、冷戦期のイギリスで準備されていた「核攻撃を受けた後の国民向けラジオ放送プログラム」内で使われる予定であったという話が存在する。もしそうならば、映画「博士の異常な愛情」のラストで"We'll meet again"という楽曲が流れている状況は、「(少なくともある期間ではイギリスで)起こり得た現実」であって何らの皮肉も含んでいないとも、「起こるかも知れないことが分かっていながら何故避けられなかったんだ!」といった無数の叫び声が飛び交う悲壮なシーンの背景のラジオ音とも解釈可能だろう。映画「博士の異常な愛情」のラストは、私が把握している範囲の知識だけでも上記の様に多層的に解釈でき得るものなのだ。映画「博士の異常な愛情」は、笑いのネタのセンスは当時ですらやや古典的に見えるぐらい古めだが、監督、脚本、音楽、俳優、タイトルバックアーチスト諸々・・・曲者ぞろいに過ぎる。彼らが作中に導入した要素のコンテクストをすべて互いに把握している可能性はほぼ間違いなくゼロだろう。

 対してFarcry5における同楽曲の取り扱いはどうだろうか?上述したように、私には「映画『博士の異常な愛情』のラスト」の表層的な引用に過ぎず、パクリとすらも呼びたくない条件反射レベルの知性の感じられない行為にしか見えないのだ。コンテクストが無いからである。

 私(ブログ主)のお勧めは、Farcry 5なんかには一切関わらないことだ。代わりにヒッチコック映画を観る、なんてのはどうだろう。ヒッチコック映画ではないけど、まぁ、映画「陰謀のセオリー」は音楽を使った洗脳ネタの使用例として無視はできませんなぁ・・・こんなに参考になる先例があるのにね、酷いものです。

GW前処理事案 - Lightwave3D 2018の過去バージョンとの互換性

 0.3パッチのリリースでやっとまともになったか、と言ったところ。非平面ポリゴンに対するレンダラーのトレランスは更に低下。「レンダラーも別の意味でまともになった」と言ってしまえばそれまでだが、一部のモデラーツールの低精度さ、処理の適当さなど旧レンダラーの非平面ポリゴンに対するトレランスの非常識なまでの高さ故に許されてきた部分ももう限界だろう。

 ただ、従来よりも低コストでノイズが下げられるという意味では良いレンダラーとも言えそうだ。サードパーティであるOctaneレンダラーの出方次第ってのもあるが、GPUへの対応を期待したいところではある。

 透明(ガラスなど)や半透明(プラスチックなど)の物質のサーフェイス設定の互換性維持はレンダラーの仕様変更により原理的に不可能になった訳だから、要は残りの部分はどうかってことだよね、結局。

 0.2パッチでイメージテクスチャーのコンバージョンが(非常識にもこのタイミングでやっと…それまでは完全に除去されるだけだった)実装され、0.3パッチでは反射回りのコンバージョン不具合がかなり是正された。後はリグ、特にGenoma導入前のIK、FK混在リグの納得できるレベル(つまり、人体が人体の形を維持している状態)での再現ですなぁ・・・

 なお、以下に示した画像(VF-1Aバルキリー、コスモゼロ)の作成で使用したデータは、パッチ0.3で旧データを読み込んだ上で、キャノピー等の透明部分のサーフェイス設定のみ手動で修正したものだ。また、主翼後退角の変更などレイアウト上での編集はかなり実施しているので、自分でも初めて観る画像ばかりなんですよ。
  0.3パッチ導入以降の金属表面の反射具合の再現(サーフェイス設定の互換性維持)はかなり良い。

2018/04/23

TVアニメ『ひそねとまそたん』EDがですね・・・

結構おいしい曲持って来たなぁって感じ、編曲もFrance Gall版からはあまりいじってきてないみたい。歌詞中の「・・・モ・ナムール」の最後の「ル」は、France Gall版並みに続く音とはっきり切って発音してもええんやで(と思います)。
 ま、こちらのFrance Gall版を先に知っている身としては・・・画も含めたEDの元ネタ感がですね・・・

2018/04/07

・・・この期に及んで「はいふり」に動き?

「ハイスクール・フリート」劇場版制作決定

とか全くもって想定外、商売的にはどーなんでしょ。

 で、TVシリーズでの「日常生活が(伊達ではない三重の安全装置があるとはいえ)ガチ命がけ」という物語世界・・・これは「日常はあくまで日常」というガルパンのそれとはある意味逆の構造・・・な辺りを個人的には最も面白がってました。商売的な話はともかく、作品の出来という観点からは両者を比べても意味無い感じです。

 ちなみに、ゲームWoWs (World of Warships)の私の港には「はるかぜ」 があったりします(汗

2018/03/31

続・ 音楽漁り?再開

 いやはや、この2週間の体調は酷かった。簡単に言えば睡眠障害が突然発生したのだ。もういい歳なので、一日2時間半程度しか眠れない日が三日も続くとダウンしてしまう。幸い障害発生前に処方してもらっていた薬(短期間型の鎮静剤)を使うと1時間程度眠れたので、(当然、会社は休ませてもらった上で)この薬を一日複数回使用して無理やり睡眠時間(らしきもの)を確保、翌日何とか病院に行くことができた。現在は長期間型の鎮静剤も処方してもらい、一日5時間程度の睡眠時間を確保している有様だ。

 で、医者からは「うつ症状の再発」と言われ、思い当たる節もある・・・のだが、方や現時点では「なんか違うかなぁ」という思いもある。と言うのも、のろのろとして効率は悪いのの、睡眠時間が伸びてからは部屋の片付けや掃除を「さしたる億劫さを感じることなく」割とかっちりやってしまうのだ。個人的な経験に照らせば「何をやるにも億劫」は「典型的なうつの症状」だ。身体は未だ辛いが気分は決して悪い状態ではない・・・まぁ、自他ともに認めるうつ状態時よりはかなりマシな状態ではないかと考えているということだ。

 あと、1カ月ぐらい前(禁煙開始からほぼ半年)からそれ以前より頻繁に煙草を吸いたいと思うようになった・・・と言うのもある。この期に及んではもう煙草に手は出したくないが、今の不調から逃れられるならとか思わなくも無いところが情けないやら辛いやら・・・

 と言うような健康状態下、エントリのタイトル通りに音楽漁りを2週間ぶりに今日(再)再開したという次第だ。とは言えストレス耐性は未だ低いから、多少なりとも好みと合わない楽曲は辛くなるので聴いていられない。従って今日の音楽漁りの結果は、特定の音楽ジャンル/ジーンにおける「私の好み」の外縁に近いんじゃないかと言う気がしないでもない。

 ではそんな外縁っぽい楽曲をまず一つ、この楽曲にたどり着いたのは単なる偶然としか言えない。なお、著作権がどうのこうのとか気になる人は聴かない方が良いんじゃないかという気が微妙にしないでもない、Future Funkカテゴリっぽいので(なお、同アーティスト?の別楽曲も幾つか聴いてみたけど、基本的には聴く価値無い感じだねぇ)。ちなみにNightcoreは全く聴けないことも判明、フォルマントをいじらずに単にピッチアップされた女声が続くのは聴いててホント辛いんだよなぁ・・・

 ついでにもう一曲。こちらはFuture Bassとされる楽曲群の中で私が気に入った最も古い曲(2014-15年)。だからどうしたって言われても困りますけど。

2018/03/12

The DIvision2だってさ(待て、特に情報がある訳じゃない)

 先週、Ubisoftからも公式に製作中とのアナウンスがありました。「詳細はE3で」ということなので、3ケ月は情報は出てこないことになります。ちなみに3月はUbisoftの会計年度最終月ですね。

 という訳で何か書けるというタイミングでもないのですが、本アナウンスに絡んでちょっとクスッとなったことがあったので触れておきましょう。

 とあるサイトのThe Division2に関する記事の中に「UIなどに変更がある」という記述があり、ちょっとびっくりさせられました。

 どこから出てきた情報なのでしょうか?結論から言うと、記述の元になったのは(動画中に引用された)「The Division(The Division2ではない)のトレーラー」の様なのです。

 かつてThe Divisionは「グラフィックスのダウングレード」で名を馳せました。これは「実際の製品のグラフィックスがトレーラーのグラフィックスと比べて表現のディテールが(かなり)劣っていた」ためで、非難や中傷など総じてネガティブな反応をユーザーなどから受けました。UI表現もトレーラー中の方が実際のゲームより全般的に凝っています。ですからそれが「The Divisionの発売数年前のトレーラーである」ことを知らずに映像だけ観ると、「次のThe Division」に見えてしまうのも致し方ないでしょう。

 でもこれ、「知らない、ということはそれだけで色んな意味でとても危ない」というお話でもありますね。くわばらくわばら・・・ 

 これは発売約3年前のトレイラー。「マップ表示表現のトレイラーと製品との違い」だけはベータ版をプレイした際にがっかりした記憶があります。(別画面に切り替えない)トレイラー中のマップ表現がとても印象的だったんですよ・・・

2018/03/06

Lightwave3D 2018.0.2アップデート来る!

 最初っからこうでなくっちゃね。「Lightwave3D 2015以前のバージョンで作成したオブジェクトを読み込んだ場合に、サーフェイス設定が削除されてオブジェクトがつやつやの灰色一色になってしまう」問題がある程度解決されました!良かった良かった。

 テクスチャ設定の再現が良好なので、旧データのコンバージョンの手間が大幅に低減されそうです。

 ただし、レンダラーが変わったせいなのか反射光周りの設定は高確率で化けます(と言うより、特定の値に固定される感じ)。下の図はLightwave3D11で作成したシーン及びモデルファイルをレイアウトに読み込んだ結果です。反射の設定が化けたせいでキャノピーが真っ白になってしまってます。銀色の部分の反射も若干変化してますね。