[追記(2022/11/30)]
頂いたコメントの中に「(PCR-1は)Windows8のドライバでなくWindows7のドライバで同様にやってみましたら出来ました!」との情報がありました。
[追記ここまで]
以前のエントリでも触れた通り、USB接続のMIDIキーボード/コントローラであるEDIROL PCRシリーズはWindows10がサポート外となった。ただ、Windows10のドライバモデルはWindows7や8と基本的に変わらないので、Windows7や8用のドライバが使える筈なのだ。しかし、実際のところRolandで公開されているWindows8.1対応のドライバセットアッププログラムを実行してもドライバはインストールされない。状況としてはWindowsのバージョンチェックの段階ではねられている感じだった。
とは言え、やっぱりPCRはWindows10でも使いたい。震災の経験から音源ハードウェアを一掃してしまったためコードひとつ拾うこともできない。PCRが使えない状況では、DAWを触ることすら億劫になっていたというのが実態だった。
さて、そんな中ググって見つけたのが、Windows7/8/8.1対応のドライバセットアップファイルを用いて、Windows10にPCRドライバをインストールする方法だ。
オリジナルの手順はCakwalkのユーザーフォーラム(英語)に記載されている。 結果から書けば、Windows10でPCR-M1が使えるようになった。CubaseやKONTAKTからもちゃんとWindows7時代と同様に認識される。
ドライバのインストールには以下の2点をクリアする必要がある。
- Windows8用のドライバファイルをWindows10用に偽装する
- インストールに必要な「(Windows10用の)ドライバの署名」が無いが、Windows10に無視させる
では具体的に私が実際にやった手順を書いていこう。私のWindows10は64bit版だ。32bit版の場合は適宜対応する部分を読み替えて欲しい。まず1点目のクリアからだ。
- Windows8/8.1対応のドライバセットアップファイルの圧縮ファイルをRolandのサイトからダウンロードする。私が使ったのはpcr_w81d_v101だ。
- ダウンロードした圧縮ファイルを展開し、ディレクトリ
[上位ディレクトリ]\pcr_w81d_v101\pcr_w81d_v101\Files\64bit\Files
内のファイル
RDIF1027.INF
をテキストエディタで開く。Window10のデフォルトではファイルをダブルクリックすればメモ帳で開かれる。 - テキストエディタで2ヶ所ある文字列
Roland.NTamd64.6.2
を
Roland.NTamd64.10
に書き換え、ファイルを保存する。おそらく書き換える数字はWindowsの内部バージョンだ(6.2はWIndows8、10はWIndows10)。つまり、Windows8用のドライバファイルをWIndows10用に偽装したことになる。
(Windows10 TH2のバージョンナンバーは10ではなく1511になった。変更後の数字は10ではなくて1511にしないといけないかもしれない。)
一見するとこれでもうドライバがインストールできそうに思うが、そうは問屋が卸さない。セットアップファイルにはWindows10での動作やセキュリティ上の安全を保証する「ドライバの署名」が含まれていないからだ。 そこで2点目をクリアする手順に進もう。
ここからは少し面倒臭いが、要は「ドライバの署名が無くてもユーザーの責任でドライバがインストールできる特殊なモード」でWindows10を起動することで、署名が無い問題を回避してドライバをインストールしてしまおうという算段だ。
(Windows10 TH2では、「シフトキー+再起動」で「オプション選択」以降が選べるようになった。この方法を使うと以下の1、2の作業は不要。)
- コマンドプロンプトを起動する。
[スタート>すべてのアプリ>Windowsシステムツール>コマンドプロンプト]
- shutdown.exe /r /o /f /t 00
とタイプしてEnterキーを押す。 - 「再起動しています」という画面になってしばらくすると、「オプションの選択」画面が表示される。以降は下記の通り選択していく。
トラブルシューティング>詳細オプション>スタートアップ設定
「再起動」ボタンを押すとPCが再起動される。 - 再起動後、「スタートアップ設定」画面が表示されたら、F7キーを押して「7) ドライバー署名の強制を無効にする」を選ぶ。
- Windows10が起動されたら、 先程保存したファイル
RDIF1027.INF
を右クリックし、コンテクストメニューから「インストール」を選ぶ。
ダイアログが表示されるので、「強制的にインストールする」みたいな方を選ぶ。
エラーを示すダイアログが表示されなければドライバのインストールは成功だ。
デバイスマネージャー上でもインストールされていることが確認できるね!