TVで絶賛?放映中。予備知識ゼロで当時劇場で感じたあれらを追体験するのかな、と思うと非常に遺憾、でも取り敢えず流しっぱなしにしておきましょう。
まずは小六禮次郎さんの音楽。ゴジラ映画としてはキャッチ―さに欠けてもう二つぐらい、凄く残念。
飛び跳ねる巨大フナムシ・・・スーパーX登場の伏線?!あのフナムシはいかん、凄いばかりにいかんですなぁ。
実はスーパーX登場にずっこけたクチ、カドニウム弾にもびっくり、なんじゃこのゴジラは・・・って話ですよ。まぁ、登場人物の語りで伏線張りまくりではあるんですが。ちなみに「富士一號」って書いて分かる人はどのくらいいるのかな?
「爆発!中野」こと特技監督・中野昭慶さんの爆発は健在、つまり爆発し過ぎさせ過ぎ。凄いねぇ。
ゴジラが海から埠頭の自衛隊を一気に粉砕するシーンは「新ゴジラとは如何なる存在か」を伝える割と出来の良いシーンだとは思うのだが、もうちょっとカメラ位置が低い方が良いんじゃないかなぁ・・・中野さんにはキャメラマン的な感性が乏しかったのだろうか、というのが当時からの思いだ。カット割、アングルだけじゃなく、ライティングやフィルム発色特性にさえ無頓着だったのではないかとすら思う。当時のフィルムはそれ以前のフィルムと較べて青色がちゃんと出るようになっていたから、夜間シーンでも影に青~白色が乗ってしまって全体的に明るくなってしまうのだ。
シナリオも微妙、散漫な印象だ。「日本沈没」的な登場人物毎のストーリーの並置でほぼいっぱいいっぱいのところに来て、ゴジラが加わる。難しいのは良く分かるんだけどね・・・田所博士、もとい一国の総理ともあろう方がそこで泣いてはいけませぬ。
如何にも80年代な風俗、光景はご愛嬌。駄作じゃないけど傑作でもない。「もちっとどうにかなったんじゃないか感がハンパない」という意味で凄い一品。あ、カメオ出演ってのはやっぱり素人くさくてウザいですなぁ。