「4人目YMO」として知られているが、YMOを細野晴臣氏のソロの延長で仕方なく聞き始めた身としては、"Logic System"、"Akihabara Electric Circus"の人だ。
ってことですよ、20年以上前からね。
"Akihabara Electric Circus"の"TV(1989)"は米国TVシリーズのテーマ曲カバー集で、今日チェックしたところでは日本のiTunesで購入できるようになっていた。残念ながら"Logic System"の全てのアルバムはiTunesではまだ購入できるようにはなっていない。「音色は"TV"がカラフルな感じ、"Logic System"の『東方快車』がモノトーン気味とかなり対照的」というのが個人的な印象だ。「Tansu(Moogモジュラーシンセの愛称)だけに(音色の)引き出しが多い!」なんつって。
松武氏のお話の多くは田中雄二著「電子音楽 in JAPAN」などでも触れられていた内容だが、やはりディテールのレベルが上がっているし、文章では伝えにくいが故に書籍では涙を飲んで割愛したに違いない本人の感覚に根ざした言葉が伝えるニュアンスは豊潤だ。
印象深かったのは、やはりMoogIII-Pシンセに関する冨田勲氏がらみのエピソード。音色を作っている過程を(身体で隠すようにして)見せてくれなかったとか、その日の仕事を終えるとパッチ(シンセモジュール間の結線)を外すのみならずツマミも全て0にしてしまうとか、冨田氏の有り様を伝えるエピソードかと思う。特に後者はデキる人の机上にありがちな光景、仕事中は結構散らかっているように見えて、帰宅時には奇麗に片付いているみたいな。
シンセサイザーポリッシャー(本人談)として重要な曲、アルバムとして、ガーション・キングスレイの"Popcorn"とウェンディ・カルロス(当時は男性だったのでウォルター・カルロス)の"Switched-On Bach"を挙げたのは普通過ぎて意外なぐらいなのだが、「徹頭徹尾王道を貫いた」ということなのだろう、少なくともここまでは。なんたって「シンセの音を変えなきゃいけない!」って言っちゃったんだから、ワクワク。
まぁ、観てつかぁさい。
あ、松武氏が編曲した上坂すみれさんの「テトリアシトリ」のイントロが猛烈に刺さりましたよ(2:07:00辺りから)、これは発売されたら買っちゃうなぁ。
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