2013/05/12

今秋公開予定の映画「キャプテン・ハーロック」について雑感

 敢えて触れずにきたネタだが、思うところだけは書いといた方が健康には良い。「実際に公開されたら出来が良かった」、なんてうれしい誤算な展開はエニタイム・ウェルカムなので念の為。

 「作品に対して何か語るのは実際にその作品を観てから」が個人的なルール、今回は投資リスク的な観点で思うところ。要は監督、脚本家である。

 私個人は"APPLESEED"、"EX MACHINA"、"STARSHIP TROOPERS: INVASION"を全く評価していない。興行的にも決して成功したとは言えない筈だ。ハリウッドでは3作もコケればもはやメガホンは握れないと聞く。これは監督に興行的観点からもプロフェッショナルであることを要求する風土と、監督予備軍の層の厚さという少なくとも二つの要素を念頭に置いて理解する必要がある。

 個人的意見としては、荒牧伸志氏は監督として一度干され、本作は別の人間が監督すべきだったと思う。別の人間が「今」思いつけないなら作らない(企画として温存する)事自体が投資となる可能性すらある。私が投資側なら、「今の」荒牧伸志氏にはこのレベルの大きな投資は絶対しない。もし荒牧氏が諸般の権利関係を処理して

 「本家"Genesis Climber MOSPEADA"ってやつを見せてやるぜ!(ホントは海外では"ROBOTECH"って呼んじゃうけどさ:P)」

なんてことを言い出したら、1/3ぐらいの額は出しちゃうかもしれない。カッコ内書きの海外での取り扱いも重要な要素である。この場合の投資はむしろその次の作品への投資のための繋ぎ料であり、「自分に投資する価値あり」とあらためて示す機会の提供である。それでもコケればホントの終わりである。

 脚本家でクレジットされている福井晴敏氏はマンガやアニメに理解があり、ハズしてこない所は評価されるべきだが、出来上がりに対してまだ定評があるわけではない。

 自作小説の映画化作品「ローレライ」「亡国のイージス」の出来も踏まえたうえで、どういう姿勢で本作に臨んでいるのか、作品の出来はそのあたりも問われることになるはずである。自作の映画化作品が口を出してもああだったのか、全部投げ渡してああだったのか、寡聞にして私は知らないが、本作では原作者が別にいる映画の脚本である。自作の映画化とは全く逆の立場に立っていることにどのくらい自覚的かは気になるところ。

 余談ながら、アルカディア号の船首にはいわゆる髑髏のマークがあしらわれているが、トレーラーでみる限り、安物の金属アクセサリにありがちな最も下品な方向性での造形が為されているやに見ゆる。このような造形を選ぶ人間とは絶対話が合わないなぁ、と心から思う。つまり、この造形を選んだ映画製作サイドの人間はもとより、劇中のハーロックともきっと私は友達になれないのだろう。

 いやぁ、あの造形は本当にセンスないと思うよ。

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