2015/02/28

世の中、もっと大事な事がある。

 Asahi.com日本語サイトの英文記事「OLYMPICS/ Head of 2018 Winter Games scotches claims of delays」に微妙に失笑。"scotch"という動詞には「止める、もみ消す、~を潰す、~を弾圧する、~を撲滅する」といった意味があるが、上品な(棒)私としては「オリンピック/2018年冬大会の最高責任者、準備スケジュール遅延の指摘を一蹴」ぐらいに訳しておこう。

 記事の見出しだから多少度どぎつい表現を選んだという線も否定できないが、この単語を選んだ記事執筆者に何か含むところがあった可能性の方が高いように思う。例えば「無理筋」、「全力での必死の否定」、「顔真っ赤」といったものが介在したような事態を"scotch"という単語に込めたのでは、と言う「見立て」(某報捨て風)だ。でも、まぁそんな事はどうでも良い。世の中、もっと大事な事がある。
RIO DE JANEIRO--All venues for the 2018 Winter Olympics are on schedule and no events will be held outside host city Pyeongchang and nearby Gangneung, said the head of the Games as he refuted suggestions of delays.

リオ・デ・ジャネイロ - 「2018年冬のオリンピックの全ての競技施設の準備は予定通りに進んでおりホストであるPyeongchang市と隣接するGangneung市以外の場所で行われるイベントはない」 オリンピック最高責任者はスケジュールに遅延が発生しているという指摘を否定した。(拙訳スマソ)
 記事の内容はさておいて、この記事に対応する日本語記事はAsahi.comの検索では引っかからない。まぁ日本には関係無い話なのでニュースにならない、と言われればそうだが、「日本語サイト内の英語記事にはする」と言う状況自体には反応に困って失笑するぐらいしかできない。いや、本当に日本無関係なの?と本当は突っ込みたい。でも、まぁそんな事はどうでも良い。世の中、もっと大事な事がある。

 大事なことは、
  • 2018年冬オリンピックの準備はスケジュール通りに進んでいると、大会最高責任者が公式に明言した、スケジュール遅延の指摘も公式に否定したようだ。公式に、だ。
  • 本件よりももっと大事なことは世の中にいっぱいあるので、細かい事にはかかわっていられない。故に、 「2018年冬オリンピックの準備はスケジュール通りに進んでいる」という平昌オリンピック最高責任者の公式な発言を受け入れよう。なんといっても世の中、もっと大事な事がある。
  • 朝日新聞社の本件の取り扱いは遺憾なまでに極めて理解に苦しむ事実ではあるが、もっと大事なことは世の中にいっぱいあるので細かい事にはかかわってはいられない。故に、 「『2018年冬オリンピックの準備はスケジュール通りに進んでいる』という平昌オリンピック最高責任者の公式な発言があった」という報道がAsahi.comの英文記事で為され、かつ対応する日本語記事は無かったという事実のみ心に銘記して「朝日だから捏造では?」、「朝日にとって都合が悪い事実だから報道しない権利をまたもや行使したのでは?」といった「朝日だから系」の懸念はこの際スルーしよう。なんといっても世の中、もっと大事な事がある。
ってこと。

追記(2015/3/1):

 日本経済新聞に「平昌冬季五輪、IOCと合同作業部会 準備を迅速化 」 という記事を見つけた。
【リオデジャネイロ=共同】
 2018年平昌冬季五輪の大会組織委員会は27日、遅れが懸念されている会場建設などの準備を迅速化するため、国際オリンピック委員会(IOC)や会場の関連自治体、国際競技連盟の代表者が参加した合同作業部会を設立することを決めた。今後毎月会合を開く。
 組織委はリオデジャネイロで開かれたIOC理事会で、会場変更がないことやテスト大会を予定通りに実施することを報告した。
 組織委によると、そり競技の施設建設は15%まで進み、アルペンスキーのテスト大会は17年に行う。財政難が不安視されているが、趙亮鎬会長は「新しい国内スポンサーとの契約をもうすぐ発表できるはずだ」と述べた。
ふ~ん,前代未聞の展開の様です。記事の文章も色々と含みが感じられるものとなっています。
でも世の中、日本や私達が貢献できるもっと大事な事がいっぱいあるので、IOCと韓国で宜しくお願いします。ただし、JOC(日本オリンピック委員会)の動きだけはきっちり監視しておきましょう、ヘンなのが居るからさ。

2015/02/27

ISの文化遺物破壊の様子をTVで観ながら、ちょっと思ったのだが・・・

 ウィキペディアの「偶像崇拝」の項目を見ると、モーセの十戒の一つが引用されている。
あなたはいかなる像も造ってはならない。上は天にあり、下は地にあり、また地の下の水の中にある、いかなるものの形も造ってはならない。あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。
 — 新共同訳聖書 出エジプト記 20:4-5、「モーセの十戒」
 待て待て、「造ってはならない」、「ひれ伏したりしてはいけない」、「使えてはいけない」としか書いてないよ。 少なくともこの記述からは、他者が他者の価値観に基づいて造った像を壊す理由には全くならない。幾ら十戒がネガティブ・リスト(やってはいけない事のリスト)とは言え、この様な行為は不寛容/非寛容が過ぎる。
 
 念の為、「モーセの十戒」を確認しておこう。
  1. 神が唯一の神である
  2. 偶像を作ってはならない(偶像崇拝の禁止。別の神を作っても拝んでも仕えてもならない) 
  3. 神の名をみだりに唱えてはならない
  4. 安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ(6日間働いてすべての仕事をし、7日目はどんな仕事もしてはならない) 
  5. あなたの父と母を敬え 
  6. 殺してはならない 
  7. 姦淫してはならない(結婚前、配偶者以外との性行為) 
  8. 盗んではならない(誘拐を指しているとの見解もある) 
  9. 偽りの証言をしてはならない 
  10. 隣人の家を欲しがってはいけない(妻、奴隷、牛、ろば等全て) 
 2.は既に触れた通り、3.は「神をたたえる言葉がいっぱい聞こえる戦場の動画」を見るに他者の神ながら余りに酷い扱いに暗澹とした気分になる。6.、8. はISは完全にアウト、存在そのものが否定されてしまう。7.、10.は実態を確認しないと分からないが、奴隷制の復活させたとする報道が正しければおそらくアウト。奴隷相手だと何をしているか分かったものじゃない。

2015/02/26

今日も朝からブーメラン!

「今朝さ、TVのワイドショーでさ、あの川崎の事件の件、ツイッターとかネット上で容疑者の名前なんかがやり取りされてる事について『そういうことをする人間にはそれ相応の責任がある』ってことを力説していた人が居てさ・・・」

 と。

「・・・それがテ○朝の社員でね。」

で、会社の喫煙室で大爆笑炸裂、あぁ、豪快にブーメランだねテ○朝さん。報道内容に対する責任もあるし、所謂「報道しない権利」の行使もほどほどに。某島の中学生にもその辺りは見透かされている様ですよ、老婆心ながら。

 ロイターの記事「アングル:安倍政権への批判後退か、メディアの自粛ムード強まる」、もなんだかなぁ・・・単なる自爆、無能の裏返しの責任転嫁にしか見えないじゃんか。わざわざ敵を作るように振る舞ってきたのに相手から敵認定されたら掌返してビビりますか、そうですか。技術の世界ではそういう人を卑怯者と呼びます。

 他の多くの業界では既に当たり前、あなた達の業界もついに「本物かどうか」ってのが試される時代になってきた、というだけじゃないかなぁ、テヘペロ

 なお、当ブログでの表現「ブーメラン」は下記の様に定義される。

 「天に唾するような行為」≠「天に唾する行為」≒「天に唾する行為、かつ行為者が○○」=「ブーメラン」

あなたの車のターボは?

 東洋経済オンラインの記事「三菱重工とIHI、ターボ事業が大繁忙の理由」を読んで思わず「へぇー」。
自動車用ターボは、米ボルグワーナーと米ハネウェル、三菱重工、IHI(石川島播磨重工)の4社で市場の9割以上を寡占。以前は米系2社で6割以上のシェアを占めていたが、日系2社が徐々に勢力を増し、現在は4社ともシェア2割台でほぼ拮抗している。
 で、自分の車(FIAT 500 Twinair)のターボチャージャーはどこ製なのか調べてみたところ、やはり三菱重工系だった。 オランダのMitsubishi Turbocharger and Engine Europe B. V.はフィアットだけでは無く、PSA(プジョー、シトロエン)、BMW、ポルシェにもターボチャージャーを供給しているとのことだ。ボッシュなどの自動車部品では有名どころもターボチャージャーサプライヤーたらんと頑張っているようだが、シェアはまだまだということらしい。

 Twinairエンジンは空冷2気筒エンジンで排気量は900ccもない。だが、1900回転という比較的低回転数で十分なトルクが得られる面白いエンジンで、街中をキビキビ走り抜けたい(キビキビ走り抜けてるつもり)向きには向いた仕様だと思う。アクセルを踏み込んでいくと、踏み込んだ分だけもりもりとトルクが増していくのが感じられるストローク範囲があるのだ。これは他の車では感じた事が無い不思議な感覚だ。

2015/02/25

カモフ Ka-52 偵察/攻撃ヘリコプターのプロモーション?

 二重反転ローターが特徴のKa-52ヘリコプター。ROSOBORONEXPORT社(ロスオボロンエクスポルトまたはロソボロンエクスポルト、ロシアの防衛産業専門輸出企業体)のプロモーションビデオの様です。"as well as"(~だけでなく~も)、"simultaneously"(同時に)という表現が多用される辺りにKa-52の「売り」を何処においているかが見え隠れします。

いっぺんやってみ。

 思考実験ばかりじゃつまらないし、雑音が多くて本質が良く見えない。まぁ学究肌であるつもりだから、「実験のつもり」で断交とかいっぺんやってみたらどうかって本気で思う。 とは言え、「やっても景色が変わらなかった」って結果になりそうで実は怖い。

 キムチカクテルで乾杯!(四コマ韓国情報)のキムチカクテルさんが非○三原則ロゴを作成されています。毒気が無いのがなんとも魅力。「助けたら負け、教えたら負け、関わると負け」、肝に銘じて私も平和ボケとこれからも戦いますよ。
あと、某報捨てで相変わらず某新聞社解説委員がブーメラン発言連発、どうでも良い一般論、正論は百害あって一利無し。本当に何処に向かって発言しているのか、誰に向かって発言しているのかさっぱり分からないね。

2015/02/24

映画「コマンド戦略」のモデル、第一特殊部隊のドキュメンタリー

 映画「コマンド戦略」は、米国-カナダ連合部隊である第一特殊部隊の編成からイタリア戦線での活躍までがモデルとなっている。映画の原題の"The Devil's Brigade"は直訳すれば「悪魔の旅団」だが、これは実際にドイツ軍が第一特殊部隊を「黒い悪魔」と呼んだことにちなむと言う。

 これはその第一特殊部隊のドキュメンタリーだ。訓練キャンプの実際の光景など、映画中のそれらのイメージとほとんど違和感が無いのには少し驚かされましたよ。

サイレント・イーグルとかサイレント・ホーネットとか見たかったなぁ(棒

 さて、韓国の次期国産戦闘機開発計画、所謂KF-Xが相も変わらず迷走の度合いを深めている。実はこのエントリ、じっくり一週間ぐらいかけて書こうとしていたのだが、余りに情況の変化が目まぐるしく、とてもじゃないがフォローしきれないと匙を投げるに至った。

 現状は、下記の通りだ。2つのコンソーシアムの入札となるというのが普通の国の有様だが、そこは韓国であり、そう簡単に事が進むとは思えない。
  • 韓国の防衛関係航空機製造メーカーKAIとロッキード・マーティン社のコンソーシアムは健在。ただしロッキード・マーティン社は韓国への技術供与には全くコミットしていないとされる。
  • 実は航空機製造会社でもある大韓航空のコンソーシアム・パートナーがボーイング社からエアバスD&S社に変わった。つまりボーイング社は手を引いた事になる。エアバスD&S社は旧ユーロファイター社を含むので戦闘機製造能力はある。
    大韓航空とエアバスD&S社との間で了解覚書(MoUまたはMOUと略される)が結ばれたが、エアバスD&S社は覚書について「エアバスD&SがKF-Xに 参加するわけではなく、KF-X事業に参加する大韓航空に協力する」と説明している。つまり、技術供与については覚書外の協議事項となっている、っつーか 素直に解釈すれば技術供与をする気は無く、「買え」と言っているに等しい。そもそもMoUには「双方ともに独占的に交渉を始めるよ」ぐらいの意味しかな い。
参考情報としては以下のようなものがある。
  • ボーイング社が手を引いた事により、F-18サイレント・ホーネットの実用化の芽はほぼ無くなった。例外はF-35B、Cの実用化、本格運用開始に致命的な遅延が発生した場合のみと言ってい良いだろう。F-15サイレント・イーグルについては、 F-15の製造ラインをわざわざ維持までして韓国次期戦闘機入札に臨んだにも関わらずボーイング社は屈辱的なまでの煮え湯を飲まされたことになる。多少でも学習能力があれば当然の行動と言える。実はボーイング社は無人ステルスジェット機に関しては押しも押されぬ米国のトップ・プレイヤーである。
  • 韓国は次期戦闘機としてロッキード・マーティン社のF-35を選定したが、米国議会による輸出承認はまだされていない。韓国は「F-35買うんだから」とロッキード・マーティン社に技術移転を迫っている訳だが、まだ「韓国が買えるかどうかは不透明」というのが実態だ。
    さらに言えば、韓国はF-35の購入に、米国の軍事資金援助スキームを利用する。このスキームは開発途上国などが米国兵器を購入する際に米国が購入資金を一 時的に拠出するというもので、国が責任を持つ一種の長期ローンのようなものだ。利点は、輸出企業は入金に関して国の保証を得られるため輸出に伴うリスクを 最小限とできる、 輸入国は総体的に短期間で所定の数量の兵器を輸入、運用できるといったところにある。しかし、それは「米国の利益があってこそ適用されるスキーム」である点は重要だ。また、このスキームでの購入の場合、輸出企業から見ての顧客、或いは入金元はあくまで米国であり、韓国ではない。
    さらにさらに言えば、同じスキームを用いた韓国KF-16戦闘機の近代化改修事業は、米国から管理費の上積みを要求されたり、請負企業から予算超過分を請求されたりと散々な状況にある。一部報道が正しければ、改修のために輸送されてきた機体がとても飛べる状態に無く、近代化改修の前提となる既存の筈の高価な部品が何処にも 見当たらなかったり、分解された形跡があるのみならず出鱈目に組み立てられていたりしたためとされる。つまり、「ついでに飛べるように修理してくれ」と言わんばかりにスクラップを送られてきたので修理代を追加して請求することにしたと言う事である。
  • KF-Xでは部分的ではあるがステルス化を必須事項としている。エアバス社自体にはステルス機の製造実績はない。そもそも「部分的なステルス化とは何ぞや」という点は曖昧なままだ。
 以下は古い、途中まで書いたエントリの中身である。


 韓国の次期国産戦 闘機開発計画、所謂KF-Xが相も変わらず迷走中の模様。迷走のキーとも言える原因は、「国産」戦闘機計画なのに「核心技術」を海外から導入しなきゃ成立 しないところと、そもそも開発計画としては予算が1ケタは余裕で低いところにある。では、迷走ぶりを簡単にまとめておこう。

 そもそものKF-X計画は2000年ごろに始まる。 完成予想図を描いた段階で格安での国産開発が可能と誰かが判断、 開発費用の一部をインドネシアに負担させるとともに60人規模のインドネシア技術者も受け入れての開発スタート…の筈だったのだが具体的な成果が出ないま ま開発予算が0とされ、公式にもKF-X計画は中止となった。可哀想なのはインドネシアで、金や人を出しながら得るもの無しで終ってしまったことになる。

  が、昨年になってKF-X計画が再び立ち上がる。ただし、今回はというか昨年は一応の進展があった。具体的には、「単発(エンジン一台)ではなく双発(エ ンジン二台)とすることにした」ことが公式に韓国国防部から発表されたのだ。早速完成予想図や模型が作られたのは言うまでも無い。ただし、今回は予算以外 は総体的に現実的な判断が併せて公式に示された。「韓国内の技術だけでは国産戦闘機の開発は不可能。KF-Xに必要な『核心』技術については米国に技術移転を求める」とし、具体的な「核心」技術をリストアップしてさえ見せたのだ。

  核心技術の内容はさておいても、技術移転にはお金がかかるし、先端技術が移転される保証もない。が、ここで韓国の話はとんでもない方向に向かう。韓国は昨 年、KF-Xよりも導入時期の早い次期戦闘機として米国・ロッキード・マーティン社のF-35戦闘機の導入を決定した。併せて韓国は、KF-X計画に必要 な「核心」技術の移転をロッキード・マーティン社に求める事も明らかにしたのである。つまり、「あなたのところの製品を買ってあげますから、タダで技術移 転して下さい」とロッキード・マーティン社に求める事にしたと言うのだ。

 ん?

  韓国の次期戦闘機選定も迷走した。韓国は国際入札を実施、最終的に応札したのは米国・ロッキード・マーティン社、米国・ボーイング社と欧州・ユーロファイ ター社の3社だった。機体はそれぞれF-35 ライトニングⅡ、F-15サイレント・イーグル、タイフーンだ。入札は予算超過、実体は韓国の予算不足、を理由に100回を越えたともされ、タイフーンは 応札時の提出書類の不備を理由に途中脱落、入札価格と韓国予算がついに折り合うことなく契約先が決まらない事態となった。結局、韓国はF-35導入でロッ キード・マーティン社と随意契約することとした。国際入札って何だったのという話だし、随意契約と言う事は F-35の価格はロッキード・マーティン社に決定権があるということで、そもそもの韓国の予算不足とは相容れない。そこで、KF-X計画と結び付けて「あ なたのところの製品を言い値で買ってあげますから、その次の国産戦闘機のための技術移転をタダでして下さい」と言い出したということなのである。

 ここで可哀想なのは実質的にロッキード・マーティン社の当て馬にされたボーイング社だ。本件の受注に備え、閉鎖予定だったF-15イーグルの生産ラインを維持していたとの報道もあった。サイレント・イーグルは名機F-15イーグルの高ステルス化バージョンである。

  対レーダーステルスの基本は、照射されたレーダー波を照射方向に反射しないことである。このため、まずは横方向のどの向きから見ても垂直面ができないよう な機体形状にする。次いで、ジェットエンジンの空気吸入口が正面から見えないようにする。 F-22などのステルス機では機体の空気取り入れ口からエンジン入口までの経路がS型に2回曲がっており、エンジン入口は機体正面からも見えないように なっている。エンジン入口からのレーダー波反射は大きく、最近のレーダーではエンジン入口に対応したレーダー波反射強度が大きい領域の数、大きさ及び距離 から機体の特定までできるのが実態だ。最後にミサイルなどは全て機体内に収納し、発射する時以外は剥きだし状態とはしない。

  サイレント・イーグルの「サイレント」は、高い対レーダーステルス化されていることを指す。F-15イーグルは名機だが、設計は1960年代であり、ステ ルス性は全く考慮されていない。そのため、垂直尾翼は文字通り垂直に立ちあがっており、真横から見れば巨大な垂直面となっている。また、エンジン入口は正 面から丸見えで、搭載するミサイルなどは全て剥きだしだ。サイレント・イーグルでは以下のような対策を取るとされる。まず垂直尾翼はF-22やF-35な どの他のステルス機と同様にそれぞれ外側に傾斜させる。機体の空気取り入れ口からエンジン入口までの吸気経路にはレーダー波吸収材などが配置され、エンジ ン入口のレーダー波反射強度を下げる。ミサイルなどの搭載兵装は、全て機体側面に追加する兵装格納庫(コンフォーマル・ウェポンベイ)に格納する。
 これら全ての特徴を備えたサイレント・イーグルと称される機体に飛行実績は無いが、実寸模型(モックアップ)は製作されてメディアに公開もされているし、ウェポンベイなどの個別機能を実証するための機体は実際に飛んでいる。
 確かに"사일런트 이글"(サイルヱントゥ・イグル)って表記されてるよね。
 1:10辺りに現れる島は正直竹島っぽくない?
   実際のところ、韓国の予算規模からすれば実績のあるF-15の発展型、おそらく最後の発展型であろうサイレント・イーグルの次期戦闘機としての導入はそこ そこ現実的だ。そして、これがボーイング社が受注を期待した理由でもあるし、一旦はサイレント・イーグルの導入が決まったという報道があった理由でもあろ う。が、結局はロッキード・マーティン社が受注となった。何故だろうか?

  色々と理由は取りざたされたが、実はサイレント・イーグルには避けられない特性、と言うか、運用方法によっては重大な欠陥があった。作戦行動可能範囲が従 来のF-15と較べても狭いのである。要は搭載可能燃料の量が少ないのである。F-15イーグルが長距離ミッションに投入される場合は、機外燃料タンクを 翼や機体の下に搭載するのが前提となる。空爆目的で用いられるストライク・イーグルと呼ばれる機体では、機体側面に取り外し可能の大型燃料タンク(コン フォーマル・タンク)が既に取りつけられている。が、サイレント・イーグルではステルス性を損ねるために機外燃料タンクは搭載できず、追加大型燃料タンク (コンフォーマル・タンク)も追加兵装格納庫(コンフォーマル・ウェポンベイ)が既にあるために取り付けられない。とある報道では、サイレント・イーグルでは朝鮮半島の空軍基地から竹島まで往復できないことを理由に、とある人が採用に駄目出ししたとされる。

 ああ、韓国らしい話になって来ましたね。

 KF-X計画は再び

2015/02/22

朝日新聞は軍国主義がお好き?

 某報ステを観ていて、某新聞社の解説委員らの発言内容の一貫性の無さに愕然とした。例えば「軍国主義」という表現を使ったが、軍国主義をどう定義して使っているのか大いに疑問だ。素直な解釈は「中国や韓国が日本を『軍国主義化した』と呼んだ場合は『軍国主義』」というものであろう。それぐらい恣意的かつ適当に使っているということだ。

  昨夜はネット上で興味深い意見を目にした。曰く、「朝日新聞社は自らを報道機関ではなく、言論機関だと考えているのではないか」。これは卓見だと思うが、おそらくこの表現の揶揄するところは「朝日新聞社は報道と言論の区別がついていない」ということであろう。朝日新聞には「報道機関」や「言論機関」の定義もできない低レベルな連中が多い可能性が高いと言う事だ。

  ファシズム国家(これも多数の定義がある)、警察国家、右傾化も同様だ。「軍国主義」を漠然と「戦前日本の国家体制」などと安易に定義してしまうと、現在は中央政府と敢えて独立させてある自治消防組織の独立を否定する発言は矛盾でしかない。戦前の「反省」も踏まて論理的に確立された体制を、理由も明確にしないまま否定するような、「戦前」の体制に戻すことを是とするような発言を平気でする。

  歴史を知らない者は過去はおろか現在についてだって語ってはいけない。間違っている事がほぼデフォルトであることが避けられず、事実を伝えるべき報道機関あるなら尚更そう、ましてや間違った前提に立つ言論機関なんて存在自体が矛盾だ 。他者の行動を暴走と断言する神経を心底疑う、少なくとも論理的じゃないし、個人的にはせめて自らの暴走の落とし前をきっちり付けてからにしろと言いたい。左ならば自ら「総括」してもらっても私自身は全く構わない、言論機関たらんとすれば殲滅され得る事もちゃんと覚悟してもらわないと困る。以前のエントリでも触れたとおり、殲滅する主体が海外である可能性の方がむしろ高いというのが今の日本なのだ。

  国防権を地方に移譲することは実質的な地方の独立であり、国家の定義までにきっちりと立ち入らないまま安易に何かを語ること自体がでたらめだ。「あいまいに断言しない」語り口を使っていても、「そうも解釈でき得る」自己の発言には責任を持たなければならない。TVに登場した一般人のコメントの中にも輪をかけて思考停止具合が際立っているものがあった。私ならテロのリスクよりも他国に占領されるリスクの方が怖い。戦争をしない、ということは軍事力を背景とした他国の侵略を受け入れるのと等価である点はリアリティとして受け入れなければならない。

 「日本人の平和ボケ」の正体だが、それは世界的なリアリティを知らず、そのくせ他国の人間も日本人と同じように考え、行動すると根拠無信じることではないか、と強く思うようになってきた。「『戦争をしない他国』の領土を占領し、居住する他国人を殺害、自国民を居住させればその占領地は平和である」という歴史的な事実を踏まえたリアリティを前に「殺害されたくない人」はどう振る舞うべきなのだろうか。 古来からの防人の存在しかり、竹島しかり、である。

  脱線するが、押井守氏の所謂ケルベロスシリーズで、自治警察組織は準軍事組織のキャラクターを備え、自治警察組織からは制御不可能な特機隊(通称、ケルベロス)を目の敵にする。ケルベロスは警察機関ではあるが、いざ出動となれば相手の殲滅が大前提である。これはほぼ軍の治安出動に担わせる状況だ。ケルベロス動乱を引き金に自衛隊が治安出動するに至り、ケルベロスは自らの存在意義を自ら絶つと共に自衛隊により必然的に殲滅、排除される。

  個人的にケルベロスシリーズに感じる魅力は、この種の皮肉の効いた矛盾の解決過程が背景に横たわるところにある。前提とした世界観、つまり日本は第二次世界大戦の敗戦国ではあるが戦勝国を代表するのはドイツである、を受け入れれば、以降はほぼ機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)宜しくやがてケルベロスが消える(歴史的使命を終える)という全体的な流れは必然でしかない。このような物語構造は古典的で単純故に力強く、論理的故に弾力性に富む。そのような枠組みの中の一エピソードの遊び代は大きい。

Megpoid Whisper、「神様のいうとおり」のカバー

 「神様のいうとおり」は「四畳半襖の下張」、もとい、アニメ「四畳半神話体系」のED曲だった。原作の某先輩がらみのエピソードには無難に触れるだけで、まぁ、原作小説を上手く料理していたとの印象が強い。いやあ、これはほぼ手放しで褒めているといると言って良い。キャラクター原案はイラストレーターの中村佑介氏だが、今この文章を打っているPCのWindow起動画面、壁紙、車用のiPod Touchの壁紙も中村氏のイラストを一部加工して使わせてもらっている。もちろん、画集も持っている。

 楽曲「神様のいうとおり」には通常のバージョンと「バージョン Z80」という別ミックスがある。

 Z80はほぼ間違いなく、組み込み分野では未だその末裔が幅を利かすCPU/MPUのことだろう。私が学生のころはZ80はマイコン(今で言うところのパソコン)でも使われており、8-bit処理時代を代表するCPU/MPUのひとつと言えよう。しかし、今やPCのCPUは16bit、32bitを経て、64bit処理が当たり前となった。「バージョン Z80」の意味はおそらく古い時代の音(音色)を使っている、ということだろう。ただ、ファミコンやNEC PC-8801などのPSG音源やFM音源を思わせるような古い音色ではない。チップチューンのレベルまでは行かないという微妙なところだ。

 今回はコンセプト重視で、手順から何からそのコンセプトに沿ったアプローチを採った。これは別に自分の行為を自慢したいるとかカッコ良いとか言ういたい訳ではなく、単に「趣味でやってるんだから自由なんだよ」と言いたいだけなので為念。

 で、コンセプトとは「バージョン MOS6510」である。MOS 6510はコモドール64という古いPCに使われたCPUで、要はZ80より古いというぐらいの記号としての意味しかない。ただし、コモドール64は独自の音源チップSIDを採用しており、言わば「SIDっぽい音」というのは歴然と存在する。故に「バージョン MOS6510」とは、「SIDっぽい音」を取り込みつつ、同時発声音数も抑えた音数節約バージョンとでも言い換えられる。要は「スタイル」を理由に耳コピをサボったということだ。それと、SIDは8-bit処理チップであること、フィルタを持っていること、サンプリング(録音)とその再生ができるという点も忘れてはいけない。ちなみに完全に「SIDっぽい音」のみで構成された楽曲は一般的にチップチューンに分類される。

 バックトラックの作成手順は、コモドール社が後に発売するアミガ(アミーガ)で花咲く音楽用ファイルフォーマットmodを強く意識したものだ。modフォーマットは、サンプルした音源をも含む音色データ、と言うか波形データ群と、どの波形データをどのタイミングで、どの音程で、どの定位(左右の位置)で鳴らすかという演奏情報を含んでいる。演奏情報だけならMIDIデータもそうだろうと言う事になるが、もう一歩踏み込むと、modフォーマットでは数小節の演奏データを再生単位として、それら再生単位をどういう順番で何回再生するかという形で演奏データを管理する。

 このようなmodフォーマットのデータ管理方法を踏まえ、今回のバックトラックの音はまずソフトシンセZ3TA+2とNI Massiveで全て自分のイメージに沿って作り、wave形式で単音毎に書き出した後にサンプラーBattery4のパッドに割り当てるというとっても面倒な事をしている。つまり、3音の和音は3つの異なるwaveファイルを同時に再生(パッドをトリガーする)して作った、ということだ。もちろん、本当に面倒だから間違いなく2度とこんなことはやらない。どうせ音数節約バージョンだからやろうと思った、と言うのが本当のところだ。なお、音色作成では、使える基本波形を矩形波とノイズのみと縛ったが、フィルタやLFOによるピッチや左右の定位制御は積極的に行った。

 最後はポスト処理だ。ボーカルも加えてDAWからwave形式ファイル(ビット深度24-bit、サンプル周波数48kHz)で書きだした後、波形編集ソフトを介してビット深度8-bit、サンプル周波数22kHzのwave形式ファイルにコンバートした。本来無音となるべきところでノイズが聞こえるのは、このように意図的に音を劣化させたのが原因だ。実際のところ、ビット深度やサンプル周波数の変更はDAW上でもシミュレートできるのだが、今回ばかりはそうはしなかっただけに過ぎない。

 出来はともかく、手間だけはかかっているのだよ。