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2014/06/22

近況、十六度。:2時間でここまで2題

 本日は昼飯と夕飯の間に「2時間でここまで」×2に挑戦。

 要は使える時間を明確に区切った上でベストエフォートでどこまで行けるかを試すということなのだが、重要なのはアウトプットを事前に見積っておくこと。目的が「自分の今の調子や実力を適切に見積もれるか」をチェックすることだからだ。結論から言うと、一題は50点ぐらいで失敗、もう一題はかろうじて60点の合格ぐらい。

 ただし、お題はお気楽なものだ。

一題目:宇宙戦艦ヤマト(1974)のガミラス三段空母(多層空母)の画像をネットで収集、形状を検討し、Lightwave3D(3DCGアプリ)上でプロトタイプモデリング(スケッチみたなもの)まで終える・・・50点

 そもそもの躓きはアングルド・デッキの有無。

 年齢的には「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士達」世代なので、ガミラス三段空母の形状はバンダイのプラモデルが記憶上の基準。加えて、「デザインモチーフは第二次世界大戦の空母」、「宇宙空間で何故アングルド・デッキ?、しかも多層デッキなのに」という思い込みから「アングルド・デッキはあり得ない」とそれまで確信していたのだ。が、ちょっとググるだけでそうは問屋が卸さない事が分かった。宮武氏のデザイン画はやっぱりアングルド・デッキっぽいよね?

 「アングルド・デッキごときで何の騒ぎ」と思うかも知れないけれど、実在の空母のアングルド・デッキの向き(角度)や長さには根拠がある訳で、ただ船の進行方向から傾いた向きのデッキがあれば良いって訳じゃない。別にデザイン画の解釈も理詰めであるべし、と言いたいのではないので念の為。

 デザイン画から想定されるアングルド・デッキの幅、長さが実在の米国原子力空母と比して余りに小さめなので、「アングルド・デッキと解釈すべきか?」と言う、より根本的な疑問にぶち当たってしまったというのが正直なところだ。単なる張り出しという解釈も可能だけど、それもどうかなぁって感じで、Lightwave3Dを立ち上げたところでタイムアウト。船底部の処理も含め、宿題を残した形だ。

二題目:死蔵状態のソフトウェアドラムマシン、Arturia SPARKのCubase7.5(DAW)上でのワークフローを理解するため、これと既存の楽曲データを使って兎に角一曲でっちあげる。・・・60点

  プリセットの様々なドラムパターンを20分ぐらい聞きまくってから方向性と使う楽曲データを決定し、10分程でマニュアルの必要個所だけ読んで必要な操作を確認、後は淡々とデータ編集と音量調整に終始した。

 SPARKはドラムパターンをドラッグ&ドロップでDAWのトラック上にMIDIデータとして配置できるので、今回はその機能押し一本でやってみた。従って、ドラムパターンの一部変更は全てDAW上だ。まぁ、一度決めた方向性は時間的に変えようがないので、「やりたかった事」は割と伝わるんじゃないかなぁ。

 既存の楽曲データからザクザクとデータを削っていくのはやっぱり快感。コード(和音)は捨てたが、ベース音は微妙に入れてある。あと、SPARKのコンプレッサの癖が今ひとつ掴めず、音量調整はまだまだという感じ。もう少しパート毎で音量差をつけたかったんですがね。

 "Alternative3"は文字通り「第3の選択」、3つ目のミックス違いだったからで、昔の英国TV番組や細野晴臣さんの楽曲とは無関係ですよ。

2014/06/18

超初心者向けCubase7.5+Vocaloid(その2)

 今回は縦方向の音の位置の話。

 音の高い/低いはピッチだけじゃなくて、音の縦方向の位置にもざっくり当てはまる。バスドラムのドン!という音は下から、ハイハットのチキチキした音は上からそれぞれ聞こえる傾向がある。では、これらの上下方向の音位置の調整はどうすればできるだろうか?

 イコライザで周波数成分をいじる、例えば上から聞こえる様にしたければ低周波成分を削り、高周波成分を強調すれば良い。が、この方法だと、人声やVocaloid音声のように幅広い周波数帯域に渡る複数の周波数成分の音量バランスが重要な音では、音の特徴そのものが変わってしまう。人声やVocaloid音声で高周波成分を削っていくと、徐々に発音が曖昧になっていく。これは所謂「フォルマント成分」まで削ってしまうためだ。

 では原音の周波数特性を変えずに音を上下方向に動かすには具体的にどうすれば良いだろう?

 一般的な方法は、リバーブエフェクトで高周波側を強調することだ。つまり原音の周囲に、原音と較べて高周波成分を多く含む音をまとわりつかせてやれば良い。Cubase7では4種類のリバーブがプリセットで用意されているが、Roomworksの場合を例に挙げよう。

 これが、"Music Plans"で「Vocaloid音声を上に上げる」ために用いたリバーブ設定。ただしこのエフェクトはセンド(音声をエフェクト用の別チャンネルに送ること、Cubaseでは「FXチャンネル」に送ること)先で利かせているので、リバーブ成分の音量は原音とは独立して調整している。ポイントは、中央左寄りの青い横向き三角形の辺りの表示。
 "Surr. Vocal Plate"を選んだ場合のデフォルト設定はこんな感じ。
先に書いたように、リバーブ成分の音量に関わる右上のMixの値は気にしないで欲しい。デフォルト設定では青い横向き三角形の上下に白い横向き直角三角形が見える。この設定では白い直角三角形の横向きの長さは同等だ。これは、高周波域(上)、低周波域(下)ともにリバーブ成分が同等に含む事を表している。

 一方、最初に示した図では、白い横向き直角三角形の横向きの長さが上下で違う、下が極端に短い。これはリバーブ成分の低周波成分(下)が短時間で減衰するということだ。結果としてリバーブ成分は原音に較べて高周波成分が卓越する。よって、原音と同時に鳴らすとリバーブ成分に引っ張られるイメージで原音もより上からに聞こえるようにできるということだ。何処をどういじれば良い感じにできるかは試行錯誤して欲しい。この種のノウハウはケースバイケースの場合が多いし、実際にやってみたことしか当人の身に付かないからね。まず白い横向きの直角三角形の長さを変える方法を確認することから始めてみて欲しい。実際、私も2年ほど前は「この表示の意味は何?」って感じだったんだから。

 ちなみに"Music Plans"ではシンセ音の定位に上記の方法を多用していたので、この方法だけではVocaloid音声の他の音との分離が十分にできなかった。そこで、ちょっと変化球を使ってみたところ意外に上手くいったのでちょっと触れておこう。「原音の高周波数成分を強調しただけでは効果が薄い」ならば、「原音に無い高周波成分を、原音を元に付け加えてみよう」という趣向だ。具体的には"Modulation"カテゴリの"Metalizer"を使ってみた。
 右端のスライダーが原音に対するエフェクト音の割合(エフェクトレベル)だ。このスライダを動かすだけで、面白いように音の聞こえる位置が上下した。"Metalizer"自身は音を強烈に歪めるエフェクタだから、バックトラック無しで聞くと音の特性が変わっている事は直ぐ分かってしまう。が、ドラムやシンセといったバックトラックと一緒に聞くと、低いエフェクトレベルでは音の特性の変化よりも音が聞こえてくる高さの変化の方が圧倒的に大きい。理詰めでいったん考えて気楽に試してみる、実際日々そんなもんですよ。

2014/06/17

超初心者向けCubase7.5+Vocaloid(その1)

 エントリタイトルで「その1」をうたってはいますが、「その2」以降があるかは未確定。あくまで、DAW触り始めのVocaloid3ユーザーに有益と思える事項に出会った際に適宜上げていきます。ラベル(タグ)は「超初心者」です。

 PiaproStudioは使い易いが、細かな発声タイミング調整はバウンス(Waveファイルに書き出し)してから直接編集した方が絶対効率が良い。使っている人ならご存知の通り、Cubase7にはVariAudioというモノフォニック音源(ボーカルなどの単音音源)のピッチ(音程)とタイミングを調整するツールがある。他のDAWでも同じ機能を持つツールがありますな。

 今回の話は、「Vocalodの発声タイミングがVariAudioでイマイチ上手く調整しきれない」という人に今一度チェックしてみて欲しいポイントだ。

 下図はPiaproStudioで編集したVocaloid音声をいったんバウンスしてから、VariAudioに読み込んで少しいじったところ。赤、或いは黒(選択されている状態)の長方形が音声のピッチ(縦方向)と開始及び終了時刻(横方向)を表している。読み込んだ波形の発音は「Making music(メイキング・ミュージック)」だ。今回のポイントは、波形を見ると黒色の長方形の右端よりも右側(時間的には後)に小さいピークがあること。これはこのピークに対応した音をVariAudioが「ピッチがない」と判定したということを表している。だが、このピークに対応した音の発声タイミングは結構重要なのだ。
  具体的に「ピッチがない」と判定された音は「ミュージック」の「ク」、或いは「ミュージッ」の「ッ」だ。上図から分かるように、バウンスした波形データでは「ッ」の発声タイミング(波形上の小さなピーク)が143小説2拍目(143.2)よりやや遅れている。この差が聞いた時の違和感、或いは自分の思い描くボーカル音声像との差の原因となり得る。実際、そうなっていた訳だ。

 じゃあVariAudio上で「ッ」のタイミングが変えられないかと言うと、そんなことはない。「ッ」は「ピッチがないと判定された」だけであって、あくまで黒い長方形で表されている音節の一部だ。だから、黒い長方形の右端をちょっと動かしてやれば、下図のように「ッ」に対応した波形のピーク位置を望む位置に合わせられる。
 VariAudioによる発声タイミングの調整は長方形の両端の左右移動で行うが、結局のところ調整後の発声タイミングは波形を見なければ分からない。発声タイミングをクォンタイズしたいからといって、長方形の両端位置を単純にクォンタイズしても駄目だということだ。

 VariAudioによってVocaloid音声の発声タイミング調整をする場合は、あくまで波形を見ながら調節しよう。また、「ピッチがない」とVariAudioが判定した音についても、タイミング調整ができることを忘れないでおこう。