2021/11/04

小林泉美さんのアルバム6タイトル、再販!

 再販なのか、再販の再販なのか。2021年リマスター版が再販に当たるのか、などと私の頭の中にクエスチョンマークは尽きないが、まあ、ね。

 「何故、今?」という経緯については「もうそういうの止めんてくんないか」感はあるのだが、 小林泉美さんのアルバム6タイトルが今月下旬にあらためてリリースされることは目出度い。特にきっかけがあった訳でもないのに氏の作品や氏自身についてより多くの人に知ってもらいたい、と言う一リスナー、一ファンとしての思いがこの数年私の中で大きくなってきていたので、なんかちょっと嬉しくもある。

 アニメ「うる星やつら」への楽曲提供などがあるためか、同氏の楽曲そのものに触れたことのある人は多いように思う。ただ、氏自身の音楽活動自体や比喩的な意味での「顔」を正確に知る人の数は、楽曲に触れたことのある人の数に比べれば余りに少ないのではないかとも同時に思う。私にしても氏に対する初期の認識は「ポップな楽曲を次々生み出すフェアライトCMI使い」だったが、80年代にレコード漁りをしているうちに「おや、ちょっと違うぞ」となったクチだ。今回再販されるタイトルは、基本的にデビューから「一時的に完全にフェアライト使い」になる直前までの作品群だ。演奏家としてはキーボディストということになるんだろうが、とにかく音の一つ一つが聴いてて疲れてしまうぐらい切っ先鋭く、刺激的な楽曲が少なくない。

 ちなみにフェアライトCMIはサンプラー・シーケンサー機能付きの一種の高級シンセサイザーだ。知っている人は知っている、東海林修氏らによるカバーアルバムシリーズである「デジタルトリップ」シリーズのほぼ唯一の音源であり、映画「フルメタル・ジャケット」のサントラでも使われている。なお某書によれば、「デジタルトリップ」の「デジタル」はスタジオが新規購入した「デジタルレコーダー」から採ったもので、シリーズ自体がこのレコーダーの購入費回収手段として企画されたものだという。突然ながら、映画「トップガン2」予告編冒頭の「ゴーン」というベル系の音は個人的には実にフェアライトCMIの音っぽい。

 フェアライトCMIは「一人オーケストラが可能」と当時言われたが、むしろ作詞・作曲、演奏からプロデュースまで一貫した楽曲製作作業が可能なマルチな才能を持つ人々に、まさにそのように使いこなされた印象が本当に強い。そして小林泉美氏もそんな使いこなしをさらりとこなしてしまった一人だと思う。先に高級シンセサイザーとの表現を使ったが、実際のところフェアライトCMIは音楽制作のためのワークステーションとでも呼ぶべき存在であって、現在において対応するのはDAWなのかも知れないなとふと思う。

 閑話休題。

 今回の再販は6タイトルで、内5タイトルについてはレコードを持っているし、iTunesライブラリにも取り込み済だ。ボーナストラックの多さはちょっとズルいぐらいで所有しているタイトルについても購入を考えてしまうぐらいなのだが、それはさておいても問題は所有していない1タイトルを購入するかどうかだ。現時点でCD以外の媒体でのリリースの情報が無いので、先の大地震以来はCD1枚と言えども持ち物を増やしたく身としてはなかなかに悩ましい。

 あと、個人的には映画「翔んだカップル(1980)」のサントラのデジタル再販を強く希望! 実家にレコードは有る筈なのだが・・・

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