2014/10/02

揺れる、香港

 「例え戦勝国であっても、敗戦国の憲法をいじってはならない」、これは国際法が至ったひとつの帰結である。「戦争でなければこの考えは適用されない」という意見は正しいが、「政体の実質的変更は憲法改定に等しく、それらは当事者により為されなければならない」という一種の理想、は戦時平時を問わず共通の価値観であろう。

 エントリタイトルは月並みだが、現在の香港での動きは現行の中共指導部の姿勢が明確になった時点でいつかは起こらざるを得なかったものであり、まずはそうとしか表現できなかったということでご理解頂きたい。

 最近起きた台湾立法院(国会に相当)占拠も中心的主体は大学生を中心とした若者であったが、香港での現在の動きの最初の主体も高校生を筆頭とする若者だという。

 香港で「真の自由選挙」を求める活動集団としては「オキュパイ・セントラル」があるが、やや急進的である故か、また中共によるガス抜き工作を疑う向きもある故か、一般香港市民の支持は半数にも及ばないという。今回の動きは、中共の方針とのみならず「オキュパイ・セントラル」へのアンチテーゼとしての側面も持つように見える。

 御嶽山の不幸な災害があったためか日本国内の本件に関する報道は皆無に近く、勢い情報を海外のニュースサイトなどに頼らざるを得ないのはなんとももどかしい。学生を中心に発生した運動が市民の支持を得ているのか、その辺りがまだ良く見えない現時点では今後の予測は難しい。運動そのものだけ見ていると、事の本質を見誤りかねない。「民主化」の美名の下で行われた非人道的行為は多いが、それはデモ実施側も同じだ。

 私の「もっと情報を!」の思いはまだ満たされない。

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