Q.ビーメラ4は辺境か?
まず事実を確認しよう。
第15話「帰還限界点」の開始時点で地球滅亡まで最長310日、終了時点で298日である。つまり、第15話のストーリーは最長12日間内の話となる。劇中でドメル上級大将はバランで作戦を部下に説明しているから、ガミラス艦のバランからビーメラ4周辺宙域への移動時間は12日以下ということになる。また、ヤマトは60日プラスアルファで地球からビーメラ4周辺宙域に到達していることにもなる。
これらの数値に間違いはないよね?
テロン、すなわち地球はガミラス帝国の版図の中では辺境とされる。つまり、ガミラス帝国から見て辺境と呼べる宙域までの航宙時間は、ゲシュタムジャンプを使えばバランから60日とかからないことになる。ヤマトの航宙は紆余曲折を伴ったものだから、トラブルなく移動できれば30日でもお釣りがくるのかも知れない。実際、島大介は「35日の遅れ」を劇中で口にしている。
て~ことは、「バランから到達に30日かかる宙域は辺境」で間違いないだろう。では12日かかる宙域はどうか?航宙に要する時間の観点からは判断材料が無い、というのが実態だ。が、天の川銀河への版図拡大を図りながらビーメラ星系内の亜空間ゲートを使用していないということは、バラン~ビーメラ星系の移動にはさして苦労は無いと考えるのが合理的だ。
つまり、ビーメラ4はガミラス帝国にとって辺境とは見なし難い。で、本題。面倒臭いので遠まわしはやめよう。
Q.「イズモ計画派」は馬鹿ばかりなのか?
少なくともヤマトに乗り込んでいる連中は馬鹿ばかりとしか思えない。想像力に欠けるか、自分で考えることを止めて(誰かの言うままに動いて)いるかのどちらかに見える。
ガミラス軍はバランに1万隻の戦闘艦艇を簡単に集結させられるのみならず、バランからビーメラ4への移動も苦にしない。となれば、地球からビーメラ4に地球人類が移住したとしても、発見されれば2週間と保たずに壊滅させられるのがオチだ。壊滅を免れるためには軍の再建が必須だが、移住開始までの猶予はせいぜい270日、最初の移民のビーメラ4到達からどのくらいガミラス帝国の目を逃れられるかは全く分からない。というより、逃れられる筈もない。軍の再建に使える時間など無いのだ。おそらく、大型ミサイルの20発もあれば地球人類はこの宇宙から消え去ってしまう。つまり、ビーメラ4への移住を考えるという一点だけで、「イズモ計画派」の理性や想像力の欠如を指摘するに十分なのである。
まぁ、ヤマトクルーがガミラス帝国の勢力範囲を把握していないだろうことは間違いないのだが、そういう状況を視聴者に陽に伝えるような描写は劇中になく、逆にガミラス帝国の勢力範囲をクルーが気にする描写もない。ただし、新見情報長がガミラス帝国の勢力範囲を把握できていないことや、ヤマトの航宙がガミラス帝国の勢力圏により深く入っていくことと等価である可能性を考えていないことは、劇中の行動や言動から明らかだ。亜空間ゲートの情報が、ガミラス帝国の中心宙域、或いは支配宙域のコア宙域の推定に使える筈で、今後の真田副長の分析に期待しよう。
ついでに地球はどうなってるの、という点にも思いを巡らしてみよう。
ヤマトとの戦闘で太陽系内のガミラス軍の拠点は全て壊滅した。遊星爆弾が落下することは無くなり、人類滅亡まで1年の猶予を確実なものとしたことになる筈だ。で、次は?
確かに地球人類は絶滅の危機に瀕しているのだが、それは地球に居る限りにおいてのみ正しい。火星のテラフォーミングがどの程度のレベルなのかは不明だが、劇中で火星の海ははっきりと描かれ、総監督がオーディオ・コメンタリーでもそれに触れたことは無視できない。少なくとも火星の一部では人類が生存できる可能性が大なのだ。
もう言いたいことは分かるよね?
「大局的視点からの物語への一貫性、論理性の付与」、その踏み絵のひとつは踏まれるどころか大きく踏み外され、新たな踏み絵も先に控えているのである。
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