遠山明孝氏をゲストに、特別講座「あなたも1時間でサイケデリックトランスが作れる」を開催。前番組の野球中継が延びたので、結局ラジオ放送は無しとなり、U-stripのみという展開。
CBCラジオでは「放送無し」となった場合はお酒とおつまみが出る決まりらしく、シャンパンと紙コップがスタジオに登場。シャンパンは瓶を完全に空けてしまい、パーソナリティの佐野電磁氏の挙動、言動には途中からアルコールの影響が露わ。まぁ、面白かったからイイヨイイヨ~、ということで。
1曲目は佐野氏が約20年前に「ハウスってなんだろ?」などと考えながら作ったという曲「ソード・ダンス」。ハチャトリアンの「剣の舞」を素材にした本人曰く「勢いネタ一発」。だいたい18:00~23:00。
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1990年ごろは、私もほぼ同じ疑問を持ちながらやたらめったらにCDを買って聞いていたころで、今になってみれば現在の主要なダンスミュージックの主要ジャンルのご先祖様はだいたい出揃っている。実際、「ソードダンス」のドラムパターンには、一瞬とはいえドラムンビートや他ジャンルの典型的なパターンが度々現れる。後半の特別講座「あなたも1時間でサイケデリックトランスが作れる」の良い前振りにもなってたんじゃないかなぁ。
で、「あなたも1時間でサイケデリックトランスが作れる」。(過去ライブに収録なし)
スタジオでFL Studioを使いつつ、まずいわゆるリズム隊(キック(バスドラム)、ベース、ハイハット、スネア、ベースと同時に鳴るようなシーケンス)の遠山流骨格作り法を具体的に説明。具体的さという意味では伝授に近く、サイケデリックトランスに取り組みつつ「なんかイマイチ」って感じで悩んでいる人には絶対突破口に成り得る内容。
個人的にはトランス系は聞かないし作りもしないけど、キックなどのリリースを削ったり裏拍を積極的に使ったりキックの位置でベースを抜いたりすることは日常的にやっている。これは、トランスなどのジャンルが確立される直前の「なんでもあり時代の楽曲の記憶」から、おそらく無意識にピックアップした「自分にとって気持ち良い音」なのだろうと思う。
現在の自分が聞かないジャンルに若いころの自分が「気持ち良い音」と感じた要素が強く引き継がれている、というのは何とも奇妙な感じ。じゃあ今後トランス系の曲を聞こうと思うかと問われれば答えは「ノー」だ。「リズムがしっかりしていれば上モノは最小限で良し。」というのが立ち位置だからだ。「トランスを、スーパーソゥ(有名な音色)とリバーブ抜きで。」というオーダーは実際問題として現在では成立しないだろうと。
ひとつ「えっ?!」と思ったのは、紹介された遠山流ではベースに類似の音色でシーケンスを二音重ね、一音目はセンター、二音目は左右に振るという点。二音目相当の音を一音目のディレイで作るという方法を良く使う身としてはちょっと意外な感じがしたのだが、空間の広がり感の表現には「二つの音色が似てるがちょっと違うことが重要」という考え方には説得力がある。もちろん、左右に振る二音目に深めリバーブを利かせるという点も忘れちゃいけない。ちょっと人力ディレイ(ディレイ成分も打ちこんじゃう)っぽいと言えばぽいけど、本質は違う。
結局、曲は「FLMASK」の名で完成(?)。仔細は省くけど、「(会社で)佐野さん!取れましたぁ!」に大爆笑。ちなみに「QなんとかMASKとかFLMASK」が分かる人は現在どのくらいいるのかなぁ…現在のインターネットは(ほぼ)国境無き実質的な無法状態だからね。若い人はきょと~んだろうねぇ。
来週のゲストは松武秀樹氏。分かる人には直ぐ分かる、何なのこの一連の凄い展開は!来週も逃せませんよ。
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