ソフトシンセは2?3本あれば十分だろ?
う~ん、これは色々と悩ましい。自分の環境から言うと、ソフトシンセ(サンプラーは除く)は以下の3つで確かにやりたいことはほぼカバーできる。
- 音色作り用:Cakewalk Z3TA+2
元々Cakewalk PsynIIが「音色作り用」だったのだが、開発も終了し、OSの64bit環境移行後に使えなくなったことも受け、Z3TA+2への完全移行を決断して購入した。ちなみにPsynIIは、これまた開発が終了した初期のDAW、Cakewalk Project5の添付ソフトシンセだった。「決断した」とか大げさに思うかもしれないけれど、「欲しい音が明確な」場合に「その音が作れる」ソフトシンセを持っておくことは「音色作り好き」にとっては重要で、新しいソフトシンセを使うということは「一から音色作り手順を勉強する」覚悟が要る。
音色作りのフローの分かり易さとエフェクトを使わなければCPU負荷が低いのがZ3TA+2の魅力だ。欠点は、最初のとっつきにくさと、音色作りの観点から肝心なことがマニュアルに一切書かれていないこと(操作方法しか書かれていない。ある意味致命的かも)。
- ベース用:NI Razor または NI REAKTOR(自作シンセ)
ベース音はRazorで仮音を取り敢えず設定し、必要に応じてREAKTOR上に組んである物理モデリング音源かZ3TA+2で作った音に後で差し替えるのがよくあるパターンだ。Razorで一から音を作ることはしないけど、プリセット音のバリエーションは着々と増えている。
Safe Bass機能がなければ実は貧相なソフトシンセという気がしないでもないが、実用性と言う観点からはSafe Bass機能は無敵だ。またボコーダーは使い易いし、そのバリエーションが多いのも魅力だ。
- プリセット、サンプルが豊富:KV331 Synthmaster
「あの曲のあの音が欲しい」時に便利なソフトシンセ。CPU負荷がもう少し低ければ、「音色作り用」の座をZ3TA+2から奪っていたかも知れない。使用頻度は「3曲中1曲に1音色」ぐらいで、問題なければとっととフリーズやバウンスしてしまう。
私個人は、「ビンテージシンセ(ハードウェア)をそのままシミュレートしたソフトシンセ」については否定的な立場だ。果たして的確な例えかどうか分からないが、「ミニ(車ね)に乗りたかったんだけど、ミニっぽいデザインの別の車に乗ってます」というのはツマらんだろう、みたいな感じで、「Moogの音が欲しいならMoogを使え」っていう極論が自分の信じるところということ。Synthmasterならば十分にMoogっぽい音やDXシリーズっぽい音は出せる訳で、ならばそれを使い込めばMoogシンセやDXシリーズをシミュレートした別のソフトシンセなんか要らんでしょうということです。
実際のところ、Synthmasterは個人的にはオーバースペックなぐらいで、音色作りのフローの分かり易さはおそらくZ3TA+2より上。
- サンプラー:Cakewalk D-Pro64bit
基本的にピアノ、弦楽器音源。以前に使っていたDAW、Cakewalk Sonar X1添付で、Cubase移行後も使っている。
- サンプラー(ドラム音源):Steinberg Groove Agent SE
DAW Cubase7.5添付。実際のところ、スネアとかはZ3TA+2で作って書き出したWaveデータに差し替えることが多い。音の差し替えはドラッグ&ドロップで直ぐ出来るので便利。
- サンプラー:NI KONTAKT
ドラム音源NI DM-307とSoundironのコーラス系サンプルデータを使うためにインターフェースとの位置付け。
- ピアノ:3種類使っている。ピアノまんまな音はD-Pro、他はSoundironのIron Pack1(サンプルパック)をKONTAKTで再生。ちなみにIron Pack1は$1.99(現在は$2.99)で喫茶店のコーヒー1杯よりも安いね。
- ベース:2種類使っている。Z3TA+2と、REAKTOR & Z3TA+2。
- ピアノ以外:Z3TA+2の1種類。冒頭の「ぎー」って感じの音やシンセブラスっぽい音は実は同一音色。低めの音程域では「ぎー」となるが、中程度の音程域ではシンセブラスっぽく、高めの音程ではフィルターの特性のせいで音が痩せるためシンセストリングスっぽくなるという我ながら上出来な自作音色ですよ。
- ドラム:Groove Agent SEのみ。ただし、複数出力チャンネルを用いていて、チャンネル毎にエフェクトのかけ方が全く変えてあります。