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2014/08/11

「Dear Radio」Megpoidカバー、テストミックス #2

 "Z3TA+ FM Mix"と"MF Mix"のテスト版です。

  "Z3TA+ FM Mix"はカバーでは無くてコピー寄り、と言うか音色含めて何処までオリジナルに近づけるかというミックス。音は全てソフトシンセ"Z3TA+"によるもので、「サイン波オシレータ2個(Yamaha流には2オペレータ)のFM変調縛り」でスクラッチから作成。けっこうFM変調での音作りのノウハウが貯まりましたよ。MS-Exelで生成波形をシミュレートしながらの音作りはちょっと面白かったです。

 "MF Mix"は80年代風の作りを目指したところ、良い感じに"Michael Fortunati"(つまりMF)っぽくなってきたことから命名。"Michael Fortunati"のオリジナルの"Give me up!"と"BaBe"によるカバーバージョンのどちらに寄せようか思案中。

  "Michael Fortunati"のオリジナルの"Give me up!"、いや~80年代だなぁ。

 "BaBe"のカバーバージョンの"Give me up!"。このころはTVドラマ「スクール・ウォーズ」の影響でラグビーがちょっと人気だったんだよね。私は一度も観たことがないのだが。

 で、テストミックスです。

2014/08/04

「Dear Radio」Megpoidカバー、テストミックス

 だいぶ以前に耳コピしたデータを少しいじって原曲より少しハネさせてみた。音数は基本的に増やさず、位置(時間方向ね)をずらしただけの代物。手法としては以前の"The Model"と一緒ですな。

 ドラムはSpark2(ソフトドラムマシン)のパッドをMIDIキーボードに割りつけてノリ優先(バスドラムだけは打ち込み)でドラムパターンを6つ作成、その後パターンパッドをMIDIキーボードに割りつけてパターン再生順もノリでリアルタイム入力してみた。トータル1時間ぐらいの作業で、Spark2のこういう使い方は今後増えそう。Megpoidデータは古いものなので、何れ差し替えねばね。

2013/11/10

2013/11/9 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 文脈ははしょるけど、モノフォニックアナログシンセ(Roland System100M)を使ってスタジオでオーバーダビングによる楽曲制作するという企画。お題はYMOの有名な曲、あの歌謡曲っぽいつまらないアレですよ(これは誉め言葉の筈)。

 「オーバーダビング」というのは、複数のプレーヤーが「いっせいのせ」で楽器を演奏して録音するんじゃなくて、楽器毎に別録音すること。今回の企画では音源は単音しか出せない(同時に2音以上は出せない)モノフォニックシンセ1台(故障対策で+1台)だけなので、ベース、ドラム、メロディーなどを同時に鳴らすことは当然出来ない。だから、それぞれの音色を作ってはその音だけを録音していくしかない。

 あ、「多重録音」とか言ってたアレですよ。とは言え演奏データ自体は用意しておいたMIDIデータを使っているので、いわゆる「同期」は気にせずに音色作りに集中できる…という辺りを逆手に取って「こんなもんできました」というような展開。ただ、個人的には苦手な画だったので、音だけ聞いてました。ワイワイ感は良いんだけど、展開や画は最初っから最後まで痛い感じ。頭の回転が速い二人が向かいあっているのだが、一方は男性的な頭の良さ、もう一方が女性的な頭の良さの持ち主みたいな感じだからなんか咬み合わない、という感じの気持ち悪さ。会話が成り立っているようで実は成り立ってない、っつーか、要らん人をスタジオに入れてはいかんよ。

 オーバーダビングと言えば、映画「エクソシスト」で使われたマイク・オールドフィールドさんの楽曲「チューブラ・ベルズ」、ウェンディー・カルロスさんとか冨田勲先生とかのモーグ作品とかが完全にそういう作り方。何のことはない、実はかつての当たり前の楽曲の製作法なのだが、「出来上がりが読めない人間には出来ない」製作法でもある訳です。逆にハプニングをどう生かすか、みたいな所もある訳ですけどね。

 「ソフトシンセを立ち上げたら、まず全パラメータ設定を初期化します」という私の姿勢は、昔堅気的には正しいみたいです。ま、出来たものが全てですけど。

2013/09/23

SynthMaster 2.6、こいつは楽しい

 昨日の「電磁マシマシ」のゲスト、生方則孝さんから紹介のあったトルコのソフトシンセ"KV331 Audio SynthMaster 2.6"が楽し過ぎ。

 「電磁マシマシ」の音声だけ流しながらさっそく評価版をダウンロード、1時間程いじってから迷わず購入した次第。万人に勧められるかと言えば疑問だが、「Cakewalk PsynⅡが大好きだったけど後継のZ3TA+、Z3TA+2がなんか物足りない」、というピンポイントな人には手放しでお勧めする。30個のフリーVSTiプラグインをチェックする暇があるなら…買っちゃえ!

 ファーストインプレッションというか、思ったことをこちょっとだけ。
  • 音作りのフローはオーソドックス。Z3TA+シリーズの音作り経験があれば取扱説明書は不要。ただし、パラメータは多いよ。

  • 購入したのはStandard版、3×50種の追加プリセット込みで$129也。プリセットを追加しないFactory版は$99だが、音作りを学ぶ一番の早道は気に入ったプリセット音の分析に尽きる。Kraftwerk、冨田勲、Wendy Carlosが使った音色を再現したプリセットを中心に追加した。


  • 2オシレータ×2レイヤーなので4オシレータ?と見せて各オシレータの上流にはモジュレータがある。Z3TA+シリーズは6オシレータだけど、上流側のオシレータをモジュレータとして2オシレータ1組で全て使うと3オシレータ相当。基本波形の編集パラメータの多さはZ3TA+2の侮れない強みなのだが、SynthMaster2ではモジュレーション(PM、FM)だけでなく単一のオシレータで私の大好きな加算合成が使える。Z3TA+2で正攻法の加算合成に挑むとオシレータが幾つあっても足りないんだよねぇ。
    ユニゾン機能も強力だ。

  • フィルタのある種のエグさは生方さんの言葉の通り。シンセをいじらない人はフィルタと聞いてもピンとこないと思うけど、実のところグラフィックイコライザーの親戚と言って良い。グラフィックイコライザーは例えば低音域を強調したい時とかに使うけど、フィルターは低音域なり高音域なりをほぼ鳴らなくするものだ。
    シンセのフィルターにしかない特徴は「レゾナンス(共振)を許容するどころか、その効果もパラメータで制御する」こと。レゾナンス成分は元々の波形に含まれていない音だから、グラフィックイコライザーでは絶対発生させちゃいけない。歴史的には「共振しちゃう安いフィルター素子を使ったら面白い音が出せるシンセが生まれた」みたいな背景もあったようなので、フィルター素子の特性がシミュレート可能な機能の登場は必然だったのかもしれない。フィルターのパラメータだけセーブできる機能は、云わば「自分が設計したフィルター」をストックできるみたいなものだよね。

  • 2、3時間調べただけだけど、追加プリセットのパラメータ設定は本当に勉強になる。特に重要なのはCPU負荷を上げずに欲しい音を作るテクニックだ。追加プリセットは作成者毎にグルーピングされているので、作成者毎にパラメータを調べれば癖なりテクニックなりも見えてくる。
    とても驚いたのは「FM音源で作られた音」の再現にFM変調を使っていない場合が多々あること。これは「FM変調後の波形が既に用意されているから」という話じゃない。ソフトシンセは音色製作ツールであって「音色生成過程のシミュレータではない」ということなのだろう。
    何かちょっと目が覚めた感じ、こいつはちょっと厳しい一撃だよなぁ。

2013/09/22

2013/09/21 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 冒頭はiOS7話。これはこれで面白かったんだけど、如何せんゲストのお話が面白過ぎ。シンセ好きにはたまらない、何物にも代えがたい濃厚過ぎる貴重回。

 こんなことが起きるから「電磁マシマシ」は逃せない。

 ゲストは生方則孝さん。語られるエピソードひとつひとつが面白いだけでなく。とにかく話自体が面白い。個人的には福田裕彦さんとのユニット「生福(しょうふく)」で出したCD「内容のない音楽会」にシビれたクチ。「うまかろう君」とか「カシオペア風軍艦マーチ」とかジャケットが迷路だったとか、あぁ懐かしい。最初に「なまふく」と読んじゃったというのも痛いながら懐かしい思い出。

 現在はフランス在住で、肩書的にはフリーのサウンドデザイナー兼テルミン奏者とのこと。

 日本を飛び出すことになったきっかけもちょっと「日本的」ではない。多くのCM曲(♪三井のリハウス~とか)を手がけてきたが、手がけたとあるCM曲が当人に何の話もなく新録音され、更にこだわりのハーモニーが改変された。で、最初は穏当に抗議していたのだが、最後には本人曰く「大企業様とケンカした」、つまり損害賠償請求したということらしい。裁判自体は和解で解決したのだが、まぁ、日本の業界では干されるだろうと。う~む。

 印象に残った話題と感想をちょっとだけ。
  • 海外には「懲罰的損害賠償」というのがある。例えば企業から「年収の1割」に相当する被害を受けた場合、「企業の年度収益の1割」が請求できるというもの。額じゃなくて比率であることろが胆。確かにこれがあると米国企業が弁護士いっぱい雇ってるのも当然って感じがするよね。
  • フランスの会社は「一匹狼共同組合」で、休み時間も自由。で、フランスで会社人生活を経験してみたんだけど、「決まった時間に決まった場所に居るという状態が心身ともに負担」になっちゃう性分らしく、「1年3ヶ月でやめちゃいましたけどね」とのこと。
  • トルコのソフトシンセ"SynthMaster"が凄いとのことで、理由を聞いて納得。基本波形の数も多いのだが、まずフィルター特性を無段階で変えられる、さらに特定のデシベル域を意図的に歪ませられる、ということらしい。
    実はこれは凄い。
    実際、Cakewalk Z3TA+→Z3TA+2のフィルタ特性の変化に未だなじめていない自分の現実を前にすると、フィルタ特性はシンセのクセなり個性の重要因子であることは明らか。生方さんは「クセを作れるシンセ」と表現されてたけれど、裏を返すと「個性の無いシンセ」とも言える訳で、シンセの言わば宿命のひとつから逃れてる訳でやっぱり凄い。
    坂本龍一さんも購入したらしい。
    SynthMasterによるヴィンテージシンセの完コピ演奏がSoundcloud上で聞けますよ。
  • アナログシンセMini Moogは音が太いと言われているが、原因はミスでオシレータ出力とフィルタのインピーダンスが合ってないからだそうだ。結果として何が起きるかというと、フィルタが特定のデシベル域が歪んでしまい、レゾナンスを上げても音が痩せないということらしい。つまりクリーンなフィルタ特性では出ない音が太さや個性の秘密ということ。そりゃ「Cakewalk Z3TA+2と私の腕の組み合わせ」如きではあの音は作れませんわ。
  • あ、Lady Gagaのライブバンドのメンバーのシンセ音色もやってるそうな。
  • 世界テルミンフェスティバルとかあるそうな、チリで開催されたりしたそうな。
あとドドンゴとか…

2013/09/15

2013/09/14 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 配信中なのにこんなの書いてるということはもはや観ていないということ、今回は「秋のアイドル祭り」ということでシンセ話には行きそうもないので、Cubase立ち上げてごそごそやっている。この文章も、ヘッドフォンをとっかえひっかえしながら自作曲のミックス具合を確認しつつ打っている。

 ガチで聞いちゃうと案外ミスに気付かないものだし、アイディアも煮詰まってしまう。仕事でもそうだけどチェック作業は頭をいったん切り替えてやった方が絶対効率が良い。極端な時は、自分の楽曲のミックスチェックなのに、バッググラウンドで全く別の楽曲を再生していたりする。今日買ってきたSONYのヘッドフォンがシャリ寄りだということが実に良く分かる…まぁまだエージングしてないからなぁ……

 昼間は小一時間ほど「ゆかどち」の「上澄みと沈殿」のボーカルオンリー音源と格闘。バックトラックはOMD風とか1度ずれてるだけでまんま「時かけ」とかPowerpuff Girlsの主題歌っぽいとか4、5種類の骨格は出来ているんだけど、如何せん歌詞の下ネタ部分を聞くとやる気がガックリ失せてしまう。世代の為せる業か、自分が下品だから下ネタと思ってしまうのか、あははははは。どうせ完成しないならいっそのことディレクトリごとデータは全部捨てちゃおうか…はい、データ消しちゃいました!

2013/09/08

2013/09/07 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 U-stripでの視聴者数が800超えと多かった様で、番組としては何より。キラーコンテンツがより鮮明になってきたようです。かく言う私は観てませんでしたが…スウィートスポットがちょいと世間一般と違うんだなぁ、やっぱり。

2013/09/01

2013/08/31 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 「第2回ビジネス教習所」講師は「バカでも年収1000万円」が16万部突破のバカリーマン日本代表(らしい)伊藤喜之さん。

 言うことが面白いっつーか、正しい。言うだけでなくてその通り振る舞うという一点だけでも十分凄いが、当然当人はもっと凄い。お話のポイントは、
  • 「っぽい」ことが大事。同じことを言っても、やっても、「っぽい」方が、っつかーか「っぽい」ことで説得力が増しちゃう。「っぽく」なければ相手にされないとか、ゼロになり得る訳だ。
  • 「異端児である」こととか、「ズラす」ことが大事。要は、比較対象がなければ収入は当人が決められるし、既存のカテゴリーからズレた(当てはまらない)商品の値段も売る側で決められる。
  • 「フェラーリ理論」は正しい。まず自分から騙そう。夢は持つんじゃなくて、夢がかなったらのifで行動しちゃおう。ちなみに伊藤さんはランボルギーニ買っちゃたそうだ、「奇跡」に出会ったらGOしかない。
とか。個人的には、
  • 成功の糸は木曜日に降りてくる。
はかなり正しい。おそらく、水曜日までで脳が疲れちゃって、木曜日辺りで変な脳内配線が発生し始めちゃう気がする。途中すっ飛ばしてスタートがゴールと直接繋がっちゃうとか、しかもそれが正しかったとか。金曜日はもう脳がもう休んじゃってるんで、とにかく手を動かすことが多いんだわさ。

 ゲストお二人目は声優、諏訪彩花さん。まぁ内容は良い意味でぐだぐだだけど面白い雑談だったのだが、最後の最後で「やっぱり声のプロだなぁ」という展開、うむむ。

 と、いったんエントリを上げたんだけどエンディング直前に衝撃展開。

 inktransさん版Dear Radio没テイク!


2013/08/25

2013/08/24 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 1曲目というか1~3曲目は、パーソナリティ佐野電磁さんが作・編曲を手掛けた諏訪彩花さん&藩めぐみさんによる「エール!!」(ミニアルバム『弱虫ペダル』キャラクターソングCD VOL.2、発売は来月)。

 経緯ははしょるけど、ボーカルの音量違い3曲(基本バージョン、+1.5dbバージョン、+3dbバージョン)という普通じゃない展開。個人的には+3dbバージョンだが、音量と言うよりボーカルの輪郭がよりきっちり出てる方が好みということだ。佐野さんも言っていた通りこの種の話に正解はないけど、余りにボーカルへのリバーブが深くて輪郭がぼけるとオリジナルの声の味もつぶれてしまう感じがしてもったいない感が強い(カラオケでエコー利かせ過ぎみたいなものだ)。

 オケがクラフトワークネタだけに、オリジナルに忠実にボーカルもデッド寄りってのも有りなのではないか、と思うのはちょっと意地悪すぎるかな。

 ゲストはBUBBLE-B feat. Enjo-G。正直「誰?」だったのだが、終わってみればライブで4曲という聞いた(観た)者勝ちの貴重回。俺の部屋にも1回来てくんないか。

 連呼系お笑い寄りはアマチュアバンドなんかでは良くあるパターンなのだが、肩の力の抜け具合と言うか「笑えることやってんだから笑えよ感は希薄なのにとにかく笑える」という味はそうそう出せるもんじゃない。「10年やってたらアルバム1枚分の曲が貯まった」なんて話を聞くと、最初っから肩の力が抜けてるのは明らか。サングラスをかけたライブ時と普通の眼鏡をかけたトーク時で、MCのEnjo-Gさんの背筋の伸び具合や所作全般が明らかに変わるのはなんかおかしかったですよ。

 百の言葉よりとにかく聞いて頂戴ということだが、でも一言だけ。

 iTunesでソッコー全曲買っちゃいました

 あはは。


 撮影時は「禁煙3年目」だったとか。






2013/08/11

2013/08/10 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 1曲目、inktransさんの"Dear Radio(Sytrus Remix)"、良いですね~。

 惜しむらくはニコなんとかがアップ先であること。自らのコンテンツでないものまでクローズドで扱うサービスって言うのはビジネス仁義としてはどうなのよとしか思えず、どうも苦手なんだよなぁ。

 新コーナー「30分で5億売った男 presents ビジネス教習所」第1回の「教官」は、ビジネス書作家の俣野成敏さん。知ってる人は知ってるハズだけど「プロフェッショナルサラリーマン」という言葉が新しいかはグレー。お話の内容はフツー、だけどフツーでない人には彼の本を読んでフツーになってもらいたいとか思いつつも、だけど2「ビジネス書を読む時点でそいつはダメだろう」というのが俺らの認識。新しいことをするのが仕事の身としては、本に書いてあることは「新しい筈がない」のは明らか。とは言え、ビジネス書をやたら読む同僚もいる。その同僚の凄さは、読んだビジネス書の内容を3分以内で説明し、かつ他のビジネス書との比較までしちゃうこと。変にたくさんビジネス書を読むと、相互の矛盾とかに悩むことになるよ。

 個人的意見としては、サラリーマンならばこそ「社内外ともに自分のファンをたくさん作ること」が必要ではないかと思う。「アイツじゃなけりゃ」とか「この話はアイツだな」とか、どれだけ自分が指名されるかが勝負かと思う。自信は後から付いて来させれば良い。勘違いしてはいけないのは、ファンから得るべきが「人気」ではなく「信頼」であること。「信頼」を得るには言行を見せるだけでは不十分で、「結果」が必須。確かに、「一度取り組んだことは絶対形にする」は「結果」を得るための必要条件だ。

 2組目ゲストの伊藤賢治さんとパーソナリティー佐野電磁さんとのやり取りは絶妙。話題の4つの内1つのペースで豪快に心に刺さる。う~ん。
  • 「無人島に持っていきたい3つのコード(和音)」、取り敢えず爆笑。そんな話題、大学時代の音楽仲間の飲み会以来ほぼ15年ぶり。まさか死ぬ前に再びこの話題を耳にすることがあるなんて想像すらしてなかった。
  • リズムボックス Roland CR-8000。こいつは楽器店で触りましたよ。リズムパターン名"ENKA"が「演歌」であることに気付くまでに10秒程のタイムラグ、その後爆笑しましたが。
  • 伊藤さんの演奏するシンセが、え!KAWAI K-1!大学生の時バイトして買いましたよ!キータッチもプリセットの「ピアノ」の音もまさにKAWAIのピアノのもの。丸い感じの耳に優しめの音ですよ。懐かし~。
  • TASCAM PortaOne 4ch MTRも大学生の時バイトして買いましたよ!
  • YAMAHA QX-3シーケンサー。これは買えなかったけど、QX-5FDを大学生の時バイトして買いましたよ!メモリが64kBしかなかったから、一晩かけてベース一曲分を打ち込んだら"Memory Full"とかで進退極まっちゃったりとか。今だからこそ良い思い出、でも当時はマジ洒落にならなかったのな。マクロ機能は使いこなせなかったなぁ。ちなみにメモリが64kBあれば月着陸可能であることは、アポロ計画の月着陸船で実証済み。
  • 伊藤さんが記憶をたよりに演奏した「バスクリン」の昔のCM曲、♪今頃~って感じのあれはけだし名曲。タイトルなどは失念したけど("Good Night"だったっけ?)、音楽雑誌"Techii(テッチー)"のソノシートに収録された読者のデモテープ作品を本人がCM用にリバイズ/再録音したものだった筈。テープ早回し(つまりテープ速度を下げて録音)で、ボーカルのピッチとフォルマントを上げてましたね。ちなみに"Techii"は創刊号から休刊号まで持ってましたよ~。

2013/08/04

2013/08/03 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 プロ野球中継延長でラジオオンエアは結局10:55始まり。アンビエント・ドローン系音楽ショップ「murmur records」の相田悠希さんの出演部分がオンエアされなかったのは実にもったいない感じ。アンビエント・ドローン系については全くの門外漢である身としては、この種の話が聞けるだけでも貴重。語る対象に対して自覚的、真摯というのは有難いもの、「好き好き」だけでは他人に伝えられることは概して表層的だからねぇ。パーソナリティ佐野氏とのやり取りから覚えている部分をざっくり書き出すとこんな感じ。
  • 「アンビエント/(スラッシュ)ドローン」とひとくくりにされることが多いが、音楽ジャンルとしては全く別物。実のところ音楽ですらない。
  • アンビエントは「概念、考え方」、ドローンは「様式、形式」。故に並置すること自体がおかしい。
  • アンビエントは環境音楽とも呼ばれる。とあるシチュエーションで演奏していたエリック・サティは「私の音楽を聞かないで」と言ったが、そういう音楽こそまさにアンビエント。「アンビエント」という言葉は、ブライアン・イーノが導入。イーノのアルバム"Music for Airports"は実際にラガーディア空港(だったかな?)で使われた。
  • ドローンは絶えない持続音。アーチストにはギタリストも多くて、多数のエフェクターを縦列につないでコード一発で70分鳴りっぱなしとか。ホーミーとかと通じるところもあり、結構プリミティブな音楽様式では?
今時のアンビエントを聞いてみようということで、実はクリス・ワトソンのアルバムを2枚ほど買って聞いてみている。

 クリス・ワトソンは自然音を素材として録音し、設定したコンセプト或いはテーマに基づいて素材を編集することで作品化する手法を取っている。波や風の音、虫や鳥の鳴き声やはばたき音といった本当に自然由来の音、列車の車内外音といった人工物由来の環境音が素材だ。もともとBBCの音響エンジニアだった人らしいので、編集はお手のものということらしい。

 だが、少なくともクリス・ワトソンの作品はちょっと自分には合わないようだ、残念ながら。

 編集による自然由来音の異化、多数の素材それぞれの本来の文脈の分断化が人工的に過ぎるように感じられ、聞いていてつらいのだ。もともと散歩がてら街中の環境音、自然音を聞いて回る趣味があるからかもしれない。つまり、「自分の知っている自然音」との乖離の方が気になって仕方がないということだ。クリス・ワトソンの作品を聞いていると、一瞬一瞬だけれども不協和音を大音量で聞かされたようなどうしようもない違和感に襲われてしまう。要は聞く態度ができていないということなのだが、これはもはや習い性みたいなもので如何ともし難い。まぁ、"The Bee Symphony"はクラシカルの一種と思えば無問題。なんて書いていると、近所の湧水の音をまた聞きにいきたくなっちゃったなぁ。

 完全な脱線だけど、かの大震災のあとの4日程は電気も水も無く、車もほとんど走っていなかった。夜8時も過ぎると陽も暮れて真っ暗である。運転中の自動販売機はとてもうるさいから、近所をふらつくだけでも周囲から聞こえる音は新鮮だった。まぁ、実際のところは空腹でそれどころではなかったんですけどね。

 文脈は省くけど、相田さんは「電子音はかなわない」という発言をされた。個人的にはあくまで条件付きで同意だ。

 シンセの音は、ただしプリセット音ではなくてユーザーによって作られた音は、主体的に生み出された人工音であり、文脈無しでは存在し得ないし、存在する意味がない。そういう音は大事にしたいし、勝ち負けとは別次元で価値のある音だと思うのだ。

2013/07/28

2013/07/27 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 アクセスログを確認すると、タグ「電磁マシマシ」を定期的にチェックされている方が若干1名ほどおられるようです。有難うございます。ただ、感想の投稿は日曜日の午前中となりますので、午後からチェックされるのが吉かと思いますデス。

 さて。

 最初のゲストは電子楽器博物館の原田直樹さんと楽器屋さんでは入手できないシンセの数々、貴重回ですよ。「もうシンセはソフトシンセ(つまりPC上)だけにしよう」とのかつての決意がグラつくに十分な内容。ちなみに私の半田付の腕は4級ぐらいかなぁ…一応職業的実験屋だから。

 まず紹介されたシンセはフランス(らしい)のMutable InstrumentsのAnushri、Shruthi、Ambika。これらは基本的に組立キット(基盤、部品だけ。ケースはオプション)での販売で、購入したのはいいものの部品が足りなかったり壊れていたりとなかなか大変だったとのこと。半田付の腕だけじゃ挑めないってことですな。サイトを確認して頂ければ分かる通り、これらシンセの名前はインド由来っぽい。実際、"sh"、"ri"なんかのアルファベット綴りは、ヒンドゥー教の神々や神話での登場人物の名前で良く使われます、"Krishna"とか"Vishnu"とかね。音についてはしっかり太くて良い意味で「普通」だが、フィルタの効き具合などからは「こだわり感」がビシビシ。スペック表から想像できる最高のシンセを期待してもハズさないのでは?、と思わずにはいられない。

 最大の衝撃はチェコ共和国Standuinoのπ(パイ)。残念がらもはや売れ切れなのだが、その振る舞いを知ってしまうとどうしても欲しくなる。ドローン(単音で変化の無い長い音)系シンセは個人的には範疇外なのだが、ランダマイザーとパッチとの組み合わせから生み出される音はおそらく予測不可能、音自体よりも有り様が素晴らしい一品。触っていれば「π」という名前の意味も分かるのでは、という淡い期待もしてみたくなる。昔同じ「π」というタイトルの映画があって、ユダヤ数秘術と円周率との組み合わせにトンデモない秘密が隠されているという内容だったが、一脈通じるところもあるような。


 後半のゲストは「ゆかどち」。いやぁ、アレで良いですよ、前のめったまま行けるところまで行って欲しいと心から思いますよ。次の展開を期待してマス。

2013/07/21

2013/07/20 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 KORGの商品企画・坂巻匡彦さん、開発・高橋達也さん、KORG特集ではお約束の山口愛実さんを迎えての「KORG Volca特集」。

 "Volca"はシーケンサ機能を持ったアナログシンセ(一部PCMサンプリング音源搭載)で、ベースシンセの"Volca Bass"、ドラムマシーンの"Volca Beats"及びコードやメロディ演奏用の"Volca Keys"の3種類。スタジオには4セット、合計12台が用意され、全台同期演奏可能状態という事前情報もあって色々と期待していたのですが…

 坂巻さん、高橋さんのやり取りからは、"Volca"シリーズ開発時の状況の大変さだけでなく一種のユルさも覗えて面白かったのだが(「喫煙所始まり」とか良いじゃないですか)、後半に進むにつれて…なんとも期待していたのとは全く違う展開に。「ユルさの中にちらちら見えるプロの凄さ」みたいところが覗えることが多いのが 私にとっての「電磁マシマシ」という番組の面白さであり期待しているところ。今回ばかりは展開上そういうものが欠けてしまって不完全燃焼感が残っちゃったねぇ…ゲストの坂巻さん、高橋さん、そして"Volca"シリーズには全く非が無いだけに困っちゃうなぁ。

2013/07/14

2013/07/13 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 ゲストはSEGAのHiro氏とmaimaiちゃん(の中の人こと、SEAG広報の方。もちろん女性ですよ) 。もう近所のゲーセンは全て壊滅して久しいのでゲーム"maimai"なんてプレイするどころか見る機会もないのだが、チップチューンユニットYMCKの楽曲はチェックしているので「maimaiちゃんのテーマ」は既に購入していたりする。

 ゲーム音楽にはとんと疎いのでHiro氏と聞いてもピンとこなかったのだが、「ゲーム"After Burner"の音楽も担当した人ですよ。」と分かってしまっては「私にも是非『Hiro師匠』と呼ばせて下さい!」という感じ(苦笑)。家庭用ゲームコンソールを購入したのは就職後で機種は"SEGA MegaDrive"。もちろん"After Burner"を自宅でプレイしたかったから。

 今回のポイントは、何といってもHiro氏のSEGA入社直後の音源の紹介(いわゆる「バナナパフェ」)。時期的には1985~88年ごろということで、音源はオーディオカセットテープ、しかも4トラックMTR(マルチトラックレコーダー)で録音したものも混じっているという説得力の高さ。

 内容は、いわば楽曲スケッチ~チーム内検討用デモといったところとのことで、没になった"After Burner"用楽曲のスケッチ(メロディの一部は採用)も飛び出す貴重さ加減。初期のスケッチはポップキーボードの伴奏機能(数小節のドラム、ベース、コードの基本パターンは編集できて、再生中にキーボードでコードを左手で押さえるとベースやコードがリアルタイムに変化する機能)+メロディのリアルタイム演奏なので、勢いがビシビシ。スケッチということで録音のし直しなんてしていないということなので、メロディ演奏に時折躊躇してるようなニュアンスも乗っかっていたりして、ライブ感?いや「息遣い感」がとても良い。特にMTRでリアルタイム演奏のギターを重ねているスケッチでは「勢い」も「息遣い感」も気持ち良い。

 また、ラジオでは分からないHiro氏が「MTRの各トラック出力のレベル、イコライザー、定位を再生中にちゃっちゃっといじる姿」は当然のことながらとても様になっているとか、「20年以上前の自分の演奏するギターのチューニングのずれ」にダメ出しするとか、とにかく貴重回。

 番組最後の20分はHiro氏による"KORG M01D"楽曲製作ライブ状態。初めて触るということで、佐野氏の説明を受けつつも「成程。」を連発しながら4小節(だったかな?)の楽曲を製作してしまう。「(NINTENDO 3DSソフトなので画面は3Dで表示されるのを指して)無駄な機能だよね、音は3Dにしないの?」と当然と言えば当然のインプレッションで佐野氏を慌てさせ、「キーボード画面とスタイラスペンを使ってリアルタイムMIDIレコーディングは出来ないの?」という想定外質問でさらに佐野氏を一瞬凍りつかせるといった飽きない展開。幸い、後者はリピート再生を止めて単音なら(スタイラスペンでは一度に一つの鍵盤しか押せないから)できちゃうことが実証されました。良かった良かった。

 MTR(既にSEGA社内には無いらしい)を今時用意しちゃう番組スタッフも実は凄い。

 一点だけちょっとびっくりしたのは、佐野氏もHiro氏もYMCK製作のチップチューン用VSTiプラグイン "Magical 8bit Plug"のことは余り知らない様子で、プラグイン名称が出てこなかったこと。シンセサイザーで楽曲製作する人にも、ざっくり楽曲製作寄りの人と音色作り寄りの人がいるけれども、お二人とも基本的に前者ということなのかなぁ…。

 ちなみにこ1980年代後半は私は大学生で、CASIOのポップキーボードやMTR(TASCAM PortaOne)を使って友人達とワイワイガヤガヤ多重録音をやっていたころ。Hiro氏は「最初のころはまだMIDIシーケンサーが無くて…」と発言していたのでネット上で確認したところ、確かにMIDIシーケンサーの普及開始時期は1987年付近。当時バイトして買った"KORG SQ-8"が1986年発売(約3万円)、とても手が出なかった"Roland MC-500"も同年発売…あぁ、懐かしい。

 ネットで拾った"KORG SQ-8"の写真、けっこう小さいことが分かるでしょ?厚みはあるけど、MIDI端子の大きさ、電池の内蔵を考えるとこれ以上は薄くできないのだ。8トラックで最大6400音ってぇのは当時の私には十分すぎる機能。ただ基本的にデータ保存メディアは無かったから、再生後の音しか残せなかったのよ。

2013/07/13

"dg++"という表記を普及させたい。

 当事者にとっては迷惑なのだろうけど、アクセスログを信じる限りはさしてアクセス数もなく、インターネットにおいては太平洋の水分子1個にも満たないような存在のブログなんだから、このくらいのバカ話は良かろうと。

 以下は、食料買い出しのため2km程の距離をドライブ中に頭をかすめたもの。発端は、「米国人による自分の名前の発音が余りに凄すぎる」から「発音専用のアルファベット綴りを用意するならどう綴ろうか」である。ちなみにハングル文字、古代マヤ文字(構造はハングルに極めて似ている。まぁ使うことは無いが)、さらにヒエログリフ(これも使うことは無いだろうが)での綴りは確定させている。

 パスポートなどで用いるヘボン式(ヘップバーン式)ローマ字表記が、英語の発音とはほぼ無関係であることは海外旅行経験者ならご存知の通り。自分の実名をヘボン式で表記すると"a"だらけなのだが、これを「ア」と発音してくれる米国人はこれまでの人生において皆無である。じゃあどうなるかというと、「エイ」とか「アイ」となる。例えば"Nagata"なんてのは「ネェイゲェイテェ」みたいになる。そんな調子だから、発音されても自分の名前どころか、日本人の名字とも思えない。語感が「イエティ―」みたいで、まるでUMA(未確認生物)扱いされてるような気分にすらなる。

 加えてオーストラリア英語話者の私の名前の発音は、英語ダメダメな私ですら十分に区別できるぐらいまた違ったものになる。

 知り合いで英語ペラペラの日本人男性から聞いた話だが、夫婦でオーストラリア旅行中に旅行案内所で「××行きのバスは何時出るのか?」と窓口で尋ねたところ、「とても軽い。」との返事が返ってきてきょとんするしかなかったというのだ。ちなみにその知り合いの奥さんも日本人なのだが、英語ペラペラどころか米国の学校で「英語の教師」をしていたことがある程の人なのだ。

 種を明かせば、窓口の返事は"It's too late."、「(最終便は出てしまって)もう遅いですよ。」だったのだが、"late(遅い)"を「ライト」と発音されたので"light(軽い)"と夫婦共に解釈してしまったということ、ここでも"a"の発音が胆なのだ。個人的に大好きなミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」の主人公イライザもロンドン訛りの"a"の発音を矯正される。"take"は「タイク」→「テイク」といった具合で、劇中でクリアすべき課題として与えられるセンテンス"The rain in Spain stays mainly in the plain.(スペインでは雨は主に平野に降る)"も"a"だらけである。

 結局、「"u"を上手く使うしかないか…」というのが現時点での解、「"nut(ナット)"のナ、"gut(ガット)"のガ…」といった具合。でも、これもモンティ・パイソンズ・フライイング・サーカスのスケッチみたいでなんとも。

 で、ここからが本題。人間の脳というのは意識的に考えている事と微妙にズレた事も無意識に処理しているものだ。個人的にはその辺りを楽しんでいるし、いわゆる「(天から)突然降って来る」感覚の原因はそんなものだろうと考えている。

 さて、すっかり視聴が習慣化してしまった「CBCラジオ×U-strip夜用スーパー『電磁マシマシ』」のパーソナリティ佐野電磁氏は、"sanodg(サノディージ―)"という名義をソロアルバムなどで用いている。"a"の問題故、「西濃(セイノー)運輸の関連会社?」みたいな「西濃DG」と発音されるリスクはあるのだが、"dg"は「電磁」や「デジタル」に掛っていると思われ上手いなぁと純粋に感心していたのだ。で、そのような背景の下、ドライブ中に突如「天から降ってきた」のが

 "dg++"

である。是非、

 「電磁増々(でんじましまし)」

と読んで頂きたい。

 "dg++"でググっても、現時点ではダイレクトにヒットするページはないよ!

2013/07/07

2013/07/06 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 「ゆかどち」(CBCラジオレポートドライバーの大嶽由香里さんと下條由香里さんのふたりによるユニット)来襲、あの種のかしまし感ある光景を観るのはオヤジとしては久しぶり。ここんとこ職場には「おねえさん」しかいないからねぇ(笑)。ユニット名の由来が

 「由香里と由香里、どっち?」

みたいなところ、というのは意外感があって脳が「あっ」と喜ぶ類のちょっと面白い話、友人の友人の演劇ユニット「タテヨコ企画」(横田修さん(作・演出・美術)と舘(タテ)智子さん(俳優))とか脈絡無く思い出したりする。

 脱線次いでだけど、東京近郊に住んでる人は演劇を観に行くには絶対恵まれているんだから、お気に入りの劇団のひとつも見つかるぐらいまでちっさな劇場に足を運んでみてほしいなぁ。映画、音楽ライブ、寄席、劇団四季や宝塚みたいな大規模劇団などとはまた違う、空間、時間ってのがあるよ。

 さて、NINTENDO 3DS用ソフトKORG M01Dが7/10(時刻不明)から配信(ダウンロード販売)開始ということで、パーソナリティ佐野電磁氏自ら「ゆかどち」にM01Dの使用方法を伝授(?)、「リバーブ → お風呂」「ディレイ → 一休さん(アニメのオープニングの「すき」の連呼から)」とか、適当と言うか何と言うか。

 16ポリフォニックシンセにあこがれ、エファクターなんてせいぜいコーラスぐらいしか買えなかった貧乏学生時代の自分からすると、\3000-(だっけ?+DS本体価格)で24ポリフォニックシンセ・エフェクター・シーケンサ+αが手に入るというのは隔世の感がある。が、「20年以上もかかった」のは意外に長かったな、というのも正直な思いだ。

 かつて、(個人的な認識では突然発売された)CASIO SK-1という超廉価版サンプリングキーボードとの出会いが、使う使わないに関わらず私のPCには常にMIDIシーケンサかDAWがインストールされている状態に繋がっている。私や友人にとってSK-1が果たした役割を、KORG M01Dが新たな世代にとって果たすことになり得るのか。楽器きっかけでワイワイガヤガヤやるのも楽しいもの、打ちこみがPC主体となる前は、シーケンサ+マルチトラックレコーダー+シンセを抱えてシンセやドラムを持っている友人宅間を夜中にうろつき回ったもんですよ。

 ハードウェアの制限から「打ちこみ作業」が避けがたく獲得せざるを得なかった一種の作業の密室性、発表先という出口が無いという閉鎖性は、インターネットの普及とともにかなり解消され、特に地理的に遠いことは制限にならなくなった。NINTENDO 3DS + KORG M01Dの軽さ、小ささは即機動力であり、むしろ身近なところの閉鎖性の打破に有効だ。「打ちこみ」もワイワイガヤガヤやれるということ、積極的に友人と貸し借りし合うってのも良いと思うよ。ベースにこだわるやつ、音色作りだけが好きなやつ、実は自分がプロデュース属性だったとか、色んな発見があるかもね。

 もし自分に中学生ぐらいの子どもが居て、彼/彼女がKORG M01Dを購入したら?

 「ちょっと貸せ!」って3DSを奪って10分程シーケンスをいじった後、「これがミュンヘンビートってやつよ!」なんて誇らしげに打ちこんだものを子どもに聞かせそうだね。

2013/06/30

2013/06/29 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 さて、観るとどうしてもシンセがいじりたくなる「電磁マシマシ」、今回もノーゲストのいわゆる「電磁ノビノビ」。終わってから「ありがちなシンセベースの音」の"z3ta+2"(ソフトシンセ)による大量生産に挑んでしまい夜更かし気味。"Retrologe"(やはりソフトシンセ)はなんか音が濁らないんだよなぁ。

 文脈は省略するけど、"The Shamen"とか"Deee-Lite"とか90年代初頭のグループの名前が飛び出したりして、ほぼ同世代なのだなぁと実感.。(とは言え、個人的には90年代初頭と言えば"LFO"なのだ。)

 シンセいじりは発売されたばかりのKORGの"Volca Beats"と"Volca Bass"。パーソナりティ佐野電磁氏が連発する

 「イイねぇ!」

の声の張り具合が半端ない。"Beats""Bass"ともに「成程納得の音」なのだが、「パラメータ振りきっちゃった時どこまで行くんだろう」って辺りはハードウェア故に気になるところ。ホント、どこまでイケるのかなぁ。

 パラメータ範囲のエッジ付近で「どうしてでも使いたくなる面白い音」が出るようなハードウェアが昔は結構ありましたよね。大学の実験室に持ち込んで電源に変圧器挟んだりして、「吹っ飛ぶ(壊れる)か、唯一無二の音か」みたいな…今に輪をかけて馬鹿でした。今ソフトシンセを使う理由の一つは「コンデンサが吹っ飛ぶ心配をしなくても良い」からなのかもなぁ…

 それにしても、"z3ta+"と"z3ta+2"のフィルタ特性違い過ぎませんかねぇ?レンダリングレベルの問題?ん~?

2013/06/23

2013/06/22 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 今回はゲストなしの電磁ひとりマシマシ。放送開始も21:45からで、U stripでだらだら展開で開始。

 佐野電磁氏はNHKテレビ小説「あまちゃん」にどハマりとの由。個人的にはクドカン(宮藤官九郎氏)の脚本やキョン2を苦手としてきたこともあって完全に食わず嫌い状態。クドカン脚本の苦手どころは一種の分かり易さと、物語の前提として持ち込む非日常性への肌の合わなさ。もうちょっと具体的に書くと、脚本の狙いどころや物語に持ち込んだ前提が見えてくると、エピソードのひとつひとつにあざとさが感じられがちとなってしまうこと。

 だからといってクドカン脚本を否定する意図は全くなく、むしろ「物語全体とエピソード間に一貫性が感じられる」という点で常にクオリティは高く、キャッチ―さ具合も含めて「上手いなぁ。」と唸ることも少なくないのだ。単に、脚本家が面白いと思う点と私のツボとがずれているだけの話、致命的と言えば致命的なのだが。

 さて、佐野氏が挙げた電磁マシマシリスナー向けの「あまちゃん」キーワードは、「YMOの『君に胸キュン』」、フィーチャー具合が半端じゃないそうな。能年玲奈さん演じる主人公がヘッドフォンでこの曲を聞きながら、歌詞の「キュン」を曲に合わせて呟くシーンなんかもあるそうですよ。電磁マシマシだから「能年亭」なる表現が飛び出るのはお約束。

 紹介のあった機材はRoland JV-1080音源モジュール(1994年)。同時発音数64音というのは、1985年後半の同時発音数がせいぜい16音の機材をいじっていた身としては夢のような音数。「なるほどね」という音が次々飛び出すと感じる辺りは世代的に致しかたない。

 いわゆる「オーケストラヒット(オケヒット)」という音色は、今となってはやはり恥しい、というか余りに一気に流行り過ぎたということなのだろう。だって、80年代後半ですらネタと化していた訳("TOPS"のアルバムの確か「ディスコ鎮魂歌」(タイトルうろ覚え)とかね)ですからねぇ。

 ちなみに「オケヒット」はもともとオーケストラが「じゃん!」と鳴らした音をサンプリングしたもの、ティンパニやら管楽器やら弦楽器やらの奇麗なアンサンブルの一瞬を切り出した様なものなので音程は一つではない。音楽雑誌にはよくヒット曲の楽譜が載っているのだが、佐野氏によれば「『オケヒット』という音色が認知される以前には、含まれる音程ひとつひとつが採譜されていた(アンサンブル自体が再現されていた)」なんてことがあったそうな。

0:24あたりの「ゃん(休み)でれでれでっ」ってのが「オケヒット」。当時初めて聞いた時は、既存の曲の一部を逆回転再生したのではないかと推測したものだ。


 あと、先週配信回の過去ライブが公開されていたのは「事故」だったそうな。確かに見られなくなっている、っつーかそれより古い分もですか!

2013/06/16

2013/06/15 CBCラジオ×U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 ゲストは松武秀樹氏。

 「4人目YMO」として知られているが、YMOを細野晴臣氏のソロの延長で仕方なく聞き始めた身としては、"Logic System"、"Akihabara Electric Circus"の人だ。

つまり、私は
ってことですよ、20年以上前からね。

 "Akihabara Electric Circus"の"TV(1989)"は米国TVシリーズのテーマ曲カバー集で、今日チェックしたところでは日本のiTunesで購入できるようになっていた。残念ながら"Logic System"の全てのアルバムはiTunesではまだ購入できるようにはなっていない。「音色は"TV"がカラフルな感じ、"Logic System"の『東方快車』がモノトーン気味とかなり対照的」というのが個人的な印象だ。「Tansu(Moogモジュラーシンセの愛称)だけに(音色の)引き出しが多い!」なんつって。

 松武氏のお話の多くは田中雄二著「電子音楽 in JAPAN」などでも触れられていた内容だが、やはりディテールのレベルが上がっているし、文章では伝えにくいが故に書籍では涙を飲んで割愛したに違いない本人の感覚に根ざした言葉が伝えるニュアンスは豊潤だ。

 印象深かったのは、やはりMoogIII-Pシンセに関する冨田勲氏がらみのエピソード。音色を作っている過程を(身体で隠すようにして)見せてくれなかったとか、その日の仕事を終えるとパッチ(シンセモジュール間の結線)を外すのみならずツマミも全て0にしてしまうとか、冨田氏の有り様を伝えるエピソードかと思う。特に後者はデキる人の机上にありがちな光景、仕事中は結構散らかっているように見えて、帰宅時には奇麗に片付いているみたいな。

 シンセサイザーポリッシャー(本人談)として重要な曲、アルバムとして、ガーション・キングスレイの"Popcorn"とウェンディ・カルロス(当時は男性だったのでウォルター・カルロス)の"Switched-On Bach"を挙げたのは普通過ぎて意外なぐらいなのだが、「徹頭徹尾王道を貫いた」ということなのだろう、少なくともここまでは。なんたって「シンセの音を変えなきゃいけない!」って言っちゃったんだから、ワクワク。


 まぁ、観てつかぁさい。

 あ、松武氏が編曲した上坂すみれさんの「テトリアシトリ」のイントロが猛烈に刺さりましたよ(2:07:00辺りから)、これは発売されたら買っちゃうなぁ。


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2013/06/09

2013/06/08 U-strip夜用スーパー「電磁マシマシ」

 遠山明孝氏をゲストに、特別講座「あなたも1時間でサイケデリックトランスが作れる」を開催。前番組の野球中継が延びたので、結局ラジオ放送は無しとなり、U-stripのみという展開。

 CBCラジオでは「放送無し」となった場合はお酒とおつまみが出る決まりらしく、シャンパンと紙コップがスタジオに登場。シャンパンは瓶を完全に空けてしまい、パーソナリティの佐野電磁氏の挙動、言動には途中からアルコールの影響が露わ。まぁ、面白かったからイイヨイイヨ~、ということで。

 1曲目は佐野氏が約20年前に「ハウスってなんだろ?」などと考えながら作ったという曲「ソード・ダンス」。ハチャトリアンの「剣の舞」を素材にした本人曰く「勢いネタ一発」。だいたい18:00~23:00。



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 1990年ごろは、私もほぼ同じ疑問を持ちながらやたらめったらにCDを買って聞いていたころで、今になってみれば現在の主要なダンスミュージックの主要ジャンルのご先祖様はだいたい出揃っている。実際、「ソードダンス」のドラムパターンには、一瞬とはいえドラムンビートや他ジャンルの典型的なパターンが度々現れる。後半の特別講座「あなたも1時間でサイケデリックトランスが作れる」の良い前振りにもなってたんじゃないかなぁ。

 で、「あなたも1時間でサイケデリックトランスが作れる」。(過去ライブに収録なし)

 スタジオでFL Studioを使いつつ、まずいわゆるリズム隊(キック(バスドラム)、ベース、ハイハット、スネア、ベースと同時に鳴るようなシーケンス)の遠山流骨格作り法を具体的に説明。具体的さという意味では伝授に近く、サイケデリックトランスに取り組みつつ「なんかイマイチ」って感じで悩んでいる人には絶対突破口に成り得る内容。

 個人的にはトランス系は聞かないし作りもしないけど、キックなどのリリースを削ったり裏拍を積極的に使ったりキックの位置でベースを抜いたりすることは日常的にやっている。これは、トランスなどのジャンルが確立される直前の「なんでもあり時代の楽曲の記憶」から、おそらく無意識にピックアップした「自分にとって気持ち良い音」なのだろうと思う。

 現在の自分が聞かないジャンルに若いころの自分が「気持ち良い音」と感じた要素が強く引き継がれている、というのは何とも奇妙な感じ。じゃあ今後トランス系の曲を聞こうと思うかと問われれば答えは「ノー」だ。「リズムがしっかりしていれば上モノは最小限で良し。」というのが立ち位置だからだ。「トランスを、スーパーソゥ(有名な音色)とリバーブ抜きで。」というオーダーは実際問題として現在では成立しないだろうと。

 ひとつ「えっ?!」と思ったのは、紹介された遠山流ではベースに類似の音色でシーケンスを二音重ね、一音目はセンター、二音目は左右に振るという点。二音目相当の音を一音目のディレイで作るという方法を良く使う身としてはちょっと意外な感じがしたのだが、空間の広がり感の表現には「二つの音色が似てるがちょっと違うことが重要」という考え方には説得力がある。もちろん、左右に振る二音目に深めリバーブを利かせるという点も忘れちゃいけない。ちょっと人力ディレイ(ディレイ成分も打ちこんじゃう)っぽいと言えばぽいけど、本質は違う。

 結局、曲は「FLMASK」の名で完成(?)。仔細は省くけど、「(会社で)佐野さん!取れましたぁ!」に大爆笑。ちなみに「QなんとかMASKとかFLMASK」が分かる人は現在どのくらいいるのかなぁ…現在のインターネットは(ほぼ)国境無き実質的な無法状態だからね。若い人はきょと~んだろうねぇ。

 来週のゲストは松武秀樹氏。分かる人には直ぐ分かる、何なのこの一連の凄い展開は!来週も逃せませんよ。