アップデート1.4のPTS(パブリック・テスト・サーバー)もフェーズ4(ウィーク4)に入り、一部情報では月曜日にも運用が停止されるとのことだ。私の見るところ、PTSまで運用しながら開発会社Massiveの得たものはあまりに少なく、得られなかったものは多く、失ったものも多い。
以降では個人的な思いをつらつらと書くだけだが、これまでエントリでのやや乱暴な結論などの判断の背後にあった考えは多少なりとも補完されるはずだ。まぁ、世の中こんなことを考える人もいるのね、ぐらいに流してもらえれば幸いだ。
では始めよう。
開発会社MassiveのPTSにおけるテスターへの問いとはどのようなものだったのか?
これはPTSの意義に関わる話だ。テスターたるプレイヤーに何をテストすることを求めたのか、フィードバックとしてどのようなものを期待したのか等とも言いかえられる。質問が適切でなければ、質問以降の全ては無駄にしかならないのがこの世の中だ。
状況だけから言えば、Massiveの問いは単純だ。
「こんなん作りましたけど、どうでしょう?」
これではどんなフィードバックを期待されているのか全く分からない。またこうとしか解釈できない「エージェント・ブリーフ(テストの手引きみたいな一文)」とやらの内容に、PTSが文字通りパブリック(PC版ゲーム購入者全員対象)となったフェーズ2(ウィーク2)の初っ端からがっくりきたことを告白しておこう。
個人的に期待していた質問は、例えば、
「現在もプレイしているプレイヤーの立場から、さらにプレイが楽しくなるにはどうすれば良いと思いますか?」
と言った当たり障りのないものか、やや踏み込んで、
「昔からこうしておけばこのゲームから去ったプレイヤーをもう少し引き付けられたかとも思うのですが、どうでしょう?」
ぐらいまではぶっちゃけて良かったのではないかと思う。後者は完全に商売視点の生臭い問いではあるが、ゲームのリバイブには避けて通れない、正直な問いかけとも言える。
ただし、この後者の問いであっても状況は最初からねじれている。相当する問いは、「既にゲームから去ったプレイヤー、まさに去ろうとしているプレイヤー、去るかどうか判断しかねているプレイヤー」に対して本来されるべきだからである。そして、PTSのテストプレイヤーも「既にゲームから去ったプレイヤー、まさに去ろうとしているプレイヤー、去るかどうか判断しかねているプレイヤー」であることが理想だった筈だ。だが、実際にPTSにそんなプレイヤーがいたとしても少数派で、次々と発生するバグや公式フォーラム等の投稿内容にはうんざりしたのではないかと思う。
ここまで書けば、私がPTSを評価していない理由がより見えてきたのではないかと思う(ここで注意して欲しいのは、リリースされるだろうアップデート1.4を私はそのまま受け入れるつもりであるということだ。私が問うているのは一貫性、論理性と過程だ。)ゲームのリバイブ、つまりプレイヤーベース再獲得という目標に対して、
- Massiveは適切な問いかけをしなかった
- Massiveは適切な相手に問いかけなかった
結果、
- 大部分のテストプレイヤーは「自分にとってどうか」という観点からしかフィードバックしなかった
- 一部のテストプレイヤーは「プレイヤーベースを取り戻すには」との観点からもフィードバックしたが、その数は少なく、テストが進むにつれて無くなっていった
となり、極端に言えば「難しい vs. 簡単過ぎ」という本来あるべきとは違うところに議論の焦点が当たるに至る。が、それすらも複数の視点から(プレイヤーの進捗度や志向などの様々な因子を考慮した)といった深い議論とはならなかった。
加えて、
- テストされたバージョンはバグ、グリッチが余りに多く、英語版以外では表示類すら仕上げられていなかった
- ウィーク3でエリートNPCのダメージナーフ率をアナウンスの倍としていたようなミスがあった(Massiveはバグと呼んでいるが、明らかにミスである)
とMassive側の不手際は目を覆わんばかりだった。
更に、
- アップデート1.4の発表以降は、ゲーム本体側のバグフィックス等プレイヤーの利益となるメンテナンスは一切なされていない(開発向けのモニター機能は強化されたりしている)
と、既存プレイヤーに対する目配りの無さは「終わっている」と言って良いほどの異常事態と言える。
PTSの運用期間にどれほどのプレイヤーをコンソール版が失ったか、考えるだに恐ろしい。まぁ、セールがあったとは言え2週間ほど前ですらPC版を購入する人がいる状態だから、今後プレイヤーベースがどう転がるかは単純に理性的にあっては 予測し難い。とは言え、いったん増えたSteam経由のプレイヤーベースも、既にそれ以前と同等~より大きいペースでの純減に転じている。
その2では「ワールドレベルティアと難易度」について触れようと思う。