2015/02/22

朝日新聞は軍国主義がお好き?

 某報ステを観ていて、某新聞社の解説委員らの発言内容の一貫性の無さに愕然とした。例えば「軍国主義」という表現を使ったが、軍国主義をどう定義して使っているのか大いに疑問だ。素直な解釈は「中国や韓国が日本を『軍国主義化した』と呼んだ場合は『軍国主義』」というものであろう。それぐらい恣意的かつ適当に使っているということだ。

  昨夜はネット上で興味深い意見を目にした。曰く、「朝日新聞社は自らを報道機関ではなく、言論機関だと考えているのではないか」。これは卓見だと思うが、おそらくこの表現の揶揄するところは「朝日新聞社は報道と言論の区別がついていない」ということであろう。朝日新聞には「報道機関」や「言論機関」の定義もできない低レベルな連中が多い可能性が高いと言う事だ。

  ファシズム国家(これも多数の定義がある)、警察国家、右傾化も同様だ。「軍国主義」を漠然と「戦前日本の国家体制」などと安易に定義してしまうと、現在は中央政府と敢えて独立させてある自治消防組織の独立を否定する発言は矛盾でしかない。戦前の「反省」も踏まて論理的に確立された体制を、理由も明確にしないまま否定するような、「戦前」の体制に戻すことを是とするような発言を平気でする。

  歴史を知らない者は過去はおろか現在についてだって語ってはいけない。間違っている事がほぼデフォルトであることが避けられず、事実を伝えるべき報道機関あるなら尚更そう、ましてや間違った前提に立つ言論機関なんて存在自体が矛盾だ 。他者の行動を暴走と断言する神経を心底疑う、少なくとも論理的じゃないし、個人的にはせめて自らの暴走の落とし前をきっちり付けてからにしろと言いたい。左ならば自ら「総括」してもらっても私自身は全く構わない、言論機関たらんとすれば殲滅され得る事もちゃんと覚悟してもらわないと困る。以前のエントリでも触れたとおり、殲滅する主体が海外である可能性の方がむしろ高いというのが今の日本なのだ。

  国防権を地方に移譲することは実質的な地方の独立であり、国家の定義までにきっちりと立ち入らないまま安易に何かを語ること自体がでたらめだ。「あいまいに断言しない」語り口を使っていても、「そうも解釈でき得る」自己の発言には責任を持たなければならない。TVに登場した一般人のコメントの中にも輪をかけて思考停止具合が際立っているものがあった。私ならテロのリスクよりも他国に占領されるリスクの方が怖い。戦争をしない、ということは軍事力を背景とした他国の侵略を受け入れるのと等価である点はリアリティとして受け入れなければならない。

 「日本人の平和ボケ」の正体だが、それは世界的なリアリティを知らず、そのくせ他国の人間も日本人と同じように考え、行動すると根拠無信じることではないか、と強く思うようになってきた。「『戦争をしない他国』の領土を占領し、居住する他国人を殺害、自国民を居住させればその占領地は平和である」という歴史的な事実を踏まえたリアリティを前に「殺害されたくない人」はどう振る舞うべきなのだろうか。 古来からの防人の存在しかり、竹島しかり、である。

  脱線するが、押井守氏の所謂ケルベロスシリーズで、自治警察組織は準軍事組織のキャラクターを備え、自治警察組織からは制御不可能な特機隊(通称、ケルベロス)を目の敵にする。ケルベロスは警察機関ではあるが、いざ出動となれば相手の殲滅が大前提である。これはほぼ軍の治安出動に担わせる状況だ。ケルベロス動乱を引き金に自衛隊が治安出動するに至り、ケルベロスは自らの存在意義を自ら絶つと共に自衛隊により必然的に殲滅、排除される。

  個人的にケルベロスシリーズに感じる魅力は、この種の皮肉の効いた矛盾の解決過程が背景に横たわるところにある。前提とした世界観、つまり日本は第二次世界大戦の敗戦国ではあるが戦勝国を代表するのはドイツである、を受け入れれば、以降はほぼ機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)宜しくやがてケルベロスが消える(歴史的使命を終える)という全体的な流れは必然でしかない。このような物語構造は古典的で単純故に力強く、論理的故に弾力性に富む。そのような枠組みの中の一エピソードの遊び代は大きい。

Megpoid Whisper、「神様のいうとおり」のカバー

 「神様のいうとおり」は「四畳半襖の下張」、もとい、アニメ「四畳半神話体系」のED曲だった。原作の某先輩がらみのエピソードには無難に触れるだけで、まぁ、原作小説を上手く料理していたとの印象が強い。いやあ、これはほぼ手放しで褒めているといると言って良い。キャラクター原案はイラストレーターの中村佑介氏だが、今この文章を打っているPCのWindow起動画面、壁紙、車用のiPod Touchの壁紙も中村氏のイラストを一部加工して使わせてもらっている。もちろん、画集も持っている。

 楽曲「神様のいうとおり」には通常のバージョンと「バージョン Z80」という別ミックスがある。

 Z80はほぼ間違いなく、組み込み分野では未だその末裔が幅を利かすCPU/MPUのことだろう。私が学生のころはZ80はマイコン(今で言うところのパソコン)でも使われており、8-bit処理時代を代表するCPU/MPUのひとつと言えよう。しかし、今やPCのCPUは16bit、32bitを経て、64bit処理が当たり前となった。「バージョン Z80」の意味はおそらく古い時代の音(音色)を使っている、ということだろう。ただ、ファミコンやNEC PC-8801などのPSG音源やFM音源を思わせるような古い音色ではない。チップチューンのレベルまでは行かないという微妙なところだ。

 今回はコンセプト重視で、手順から何からそのコンセプトに沿ったアプローチを採った。これは別に自分の行為を自慢したいるとかカッコ良いとか言ういたい訳ではなく、単に「趣味でやってるんだから自由なんだよ」と言いたいだけなので為念。

 で、コンセプトとは「バージョン MOS6510」である。MOS 6510はコモドール64という古いPCに使われたCPUで、要はZ80より古いというぐらいの記号としての意味しかない。ただし、コモドール64は独自の音源チップSIDを採用しており、言わば「SIDっぽい音」というのは歴然と存在する。故に「バージョン MOS6510」とは、「SIDっぽい音」を取り込みつつ、同時発声音数も抑えた音数節約バージョンとでも言い換えられる。要は「スタイル」を理由に耳コピをサボったということだ。それと、SIDは8-bit処理チップであること、フィルタを持っていること、サンプリング(録音)とその再生ができるという点も忘れてはいけない。ちなみに完全に「SIDっぽい音」のみで構成された楽曲は一般的にチップチューンに分類される。

 バックトラックの作成手順は、コモドール社が後に発売するアミガ(アミーガ)で花咲く音楽用ファイルフォーマットmodを強く意識したものだ。modフォーマットは、サンプルした音源をも含む音色データ、と言うか波形データ群と、どの波形データをどのタイミングで、どの音程で、どの定位(左右の位置)で鳴らすかという演奏情報を含んでいる。演奏情報だけならMIDIデータもそうだろうと言う事になるが、もう一歩踏み込むと、modフォーマットでは数小節の演奏データを再生単位として、それら再生単位をどういう順番で何回再生するかという形で演奏データを管理する。

 このようなmodフォーマットのデータ管理方法を踏まえ、今回のバックトラックの音はまずソフトシンセZ3TA+2とNI Massiveで全て自分のイメージに沿って作り、wave形式で単音毎に書き出した後にサンプラーBattery4のパッドに割り当てるというとっても面倒な事をしている。つまり、3音の和音は3つの異なるwaveファイルを同時に再生(パッドをトリガーする)して作った、ということだ。もちろん、本当に面倒だから間違いなく2度とこんなことはやらない。どうせ音数節約バージョンだからやろうと思った、と言うのが本当のところだ。なお、音色作成では、使える基本波形を矩形波とノイズのみと縛ったが、フィルタやLFOによるピッチや左右の定位制御は積極的に行った。

 最後はポスト処理だ。ボーカルも加えてDAWからwave形式ファイル(ビット深度24-bit、サンプル周波数48kHz)で書きだした後、波形編集ソフトを介してビット深度8-bit、サンプル周波数22kHzのwave形式ファイルにコンバートした。本来無音となるべきところでノイズが聞こえるのは、このように意図的に音を劣化させたのが原因だ。実際のところ、ビット深度やサンプル周波数の変更はDAW上でもシミュレートできるのだが、今回ばかりはそうはしなかっただけに過ぎない。

 出来はともかく、手間だけはかかっているのだよ。

2015/02/20

それはないない、色々と

 昨年だけでなく一昨年のエントリでもちょこっと揶揄しているのだが、かの方の「それはないない」具合に拍車がかかってきたとネット上の某大規模掲示板などで話題だ。皆やっぱりそう思っていたのかぁ…と感慨もひとしお。ホント、TVでのしゃべりを聞いても雑誌などの文章を読んでも適当さ満開だからね。明らかに勉強していない、調べ物は苦手なのかな?

 あはは、ライブドアニュースの記事、「韓国ナッツリターン問題の影響で財閥を取り締まる『ナッツ法』制定へ」。安定の本質外し、「何かをきっちり定義する」能力が無いと大陸法型法体系に基づく法治国家は成立させられない。「ないない」だと一旦思ったけどそれは日本だから、某国ならば実は「あるある」だなと思い直しましたよ。情痴もとい情治国家の暴走は国内外に常に敵を求め続けることでのみ生きながらえ、更に過激化(マヌケ化)するばかり。

 あはははははは、wowkoreaの記事、「韓国・平昌冬季五輪 宿泊施設不足分はホームステイなども活用」。どうするどうなるそれはないない、某国の想定外の言行は続く、誰が使い始めたかは知らないが、「斜め上」という表現の的確さが・・・的確さが・・・あははははははは・・・

  そして日本赤軍の件。彼らは未だ負け続け、これからも勝てないのだ。その理由は「勝つために必要な最小限の能力すら無い」というたった一つの欠点を持つが故である。そんな人、今でもたくさんいないかな?あ、いきなりTV画面の中に一人現れましたよ。

 日本赤軍の母体たる赤軍派のメンバーはかつて「われわれは明日のジョーである」と言った。ならば「私は『七人の侍』の農民の一人に過ぎない」と言おう。

2015/02/19

F-4ファントムII、ISIS空爆参加!?

 ISIS(ISIL)に対する空爆にF-4ファントムIIが参加したという。結構古い機体なのだが、日本の航空自衛隊でも現役の一時代を築いた名機と言って良い。マンガ「ファントム無頼」のアレですよ。

 で、何処の機体かと言うと、どうもイランらしいというのがちょっと驚きだ。

 まず、パフラビー(パーレビ)王政時代のイランは金持ちの親米国家だったので、F-4どころか米国以外でF-14トムキャットを使用した唯一の国である。と言うか、過去形にするのは間違いでF-14もまだ現役らしい、米国本国ではもう運用されていないにも関わらずである。しかし、イラン・イスラム革命以降はむしろ反米国家となったからF-14なんて部品の供給は既に無かった筈であり、どうやって維持しているのかについて未だ納得できる説明を聞いた事がない。F-4は生産機数も多く、多くの国で運用されたから、部品入手の敷居はF-14よりは低いだろう。とは言え、米国との対立姿勢を維持しつつ、日本でも「爺さん」などと呼ばれるような古い機体を実戦投入できる能力に対しては畏敬の念すら湧く。戦争中にも関わらず共食い整備で稼働率40%以下は当たり前、なんていう某国とは覚悟からしてレベルが全く違う。

 次いで、イランはまごうことなきイスラム国家であり、シーア派イスラム教が国教という事実がある。ISISのシャリーア(イスラム法)解釈は独自性、恣意性が過ぎるとされるが、根っこにはスンニ派イスラム教における解釈がある。シーア派とスンニ派の宗派対立があるとは言え、バリバリのイスラム国家がISIS空爆を実行したという事実は重い。

 そして、イラン軍機の空爆実施にあたって米軍との調整はなかったという。 つまり、F-4によるISIS空爆は、完全にイラン独自のオペレーションだという事だ。故に今回のイランのISIS空爆を「参加」と呼ぶことは適切ではなく、イランなりの何らかの損得勘定があると解釈した方が良いかと思う。しかし、解釈に必要な情報が全く足りないのが実にもどかしい。

 単に石油価格の問題か、イラクへの干渉か、はたまた何らかの国内問題とのリンケージでもあるのか。謎は増えるばかりだ。

Hospital Records、有難や有難や。

 "Hospital Records"でピンとこないなら今回はパスしてOK。

 こういう物を公式に上げてもらえるのは本当に有難い。London Elektricityはライブ盤の出来が本当に良かったりするからねぇ。ま、今回のは基本DJワーク+αですが。自分の為に貼っておきます。

 例えば、これがスタジオ。

で、ライブ。

2015/02/18

「すごいよぉ~! こわいよぉ~!」、もはや性能は異次元!韓国K2戦車!

鳳凰網の12日付の報道によると、韓国陸軍の機械化歩兵師団は京畿道で11日に行った訓練で、同国が開発した新型戦車「K2」の砲撃訓練を行った。韓国メディアはこの戦車について先ごろ、「能力は中国と日本の現在の主力戦車より上で、アジア最強だ」と報道。「5キロメートル先で7両並んだ中国の99式戦車を貫通するほどの威力がある」と伝えていた。
「5キロメートル先で7両並んだ中国の99式戦車を貫通するほどの威力がある」

「5キロメートル先で7両並んだ中国の99式戦車を貫通するほどの威力がある」

 ラインメタル社製55口径120mm滑腔砲って凄いんだねぇ。と言う事は、同じ砲を装備したレオパルド2A6も異次元の破壊力を持つってことですか?でもそんな話は聞かないねぇ・・・

 ちなみにこれは一世代前のK1戦車の有名な動画、後半がポイント。潔いと言えば潔いですね。

 でもこれには納得できる理由があります。発展型として搭載砲を大口径化した際に車体周りは一切設計変更しなかったため、物凄く重量バランスが悪くなったそうで。砲塔を真横に向けて発砲すると地面の状態や車体の傾斜具合によっては横転するとか、なかなかスリリング、でも心ある人は絶対乗せたくない戦車です。

 とは言え、ロシアのT-90戦車でもスタックする時はスタックするもの。

朝日新聞「素粒子」のおバカぶり

 朝日新聞の夕刊一面には「素粒子」という「面白くない大喜利」 みたいなコーナーがある。以前のエントリでも執筆者の不勉強具合、論理性の無さ具合を揶揄したが、2/17には次の一文が登場した。
昔はしょうゆだって借りたもの。隣近所のつきあいは薄くなり。日韓のお金の融通協定おわる。ああ金の切れ目。 
はい、朝日新聞の座布団全部持ってっちゃってください。「隣近所」とまとめる誤魔化し体質は健在、「西隣一軒」だけだよ。

 で、思い出したのが「隣組」という古い歌。隣組自体は連帯責任の名の下、容易に相互監視機能を付与できるので良し悪しなのだが、歌詞は隣組の良い面にスポットを当て、かつ良き隣組の前提が含まれている。

隣組
作詞:岡本一平 作曲:飯田信夫
  1.  とんとんとんからりと隣組
     格子を開ければ顔なじみ
     廻して頂戴回覧板
     知らせられたり知らせたり
  2.  とんとんとんからりと隣組
     あれこれ面倒味噌醤油
     ご飯の炊き方垣根越し
     教えられたり教えたり
  3. とんとんとんからりと隣組
     地震や雷火事どろぼう
     互いに役立つ用心棒
     助けられたり助けたり
  4.  とんとんとんからりと隣組
     何軒あろうと一所帯
     こころは一つ屋根の月
     纏められたり纏めたり
「知らせられたり 知らせたり」? 粉飾決算、闇為替介入、中共への機密情報漏えいを止めれ。事実を言うと怒るの止めれ。
「教えられたり 教えたり」? パクるの止めれ。
「助けられたり 助けたり」? 反日が国是では...
「纏められたり 纏めたり」? 蝙蝠外交のしっぺ返しはこれから、驚異の自称バランサー。
昔はしょうゆだって借りたもの。隣とのつきあいは薄くなり。日韓のお金の融通協定おわる。ああ、せめて借りたしょうゆさしぐらいは返すもの。 
昔はしょうゆだって借りたもの。隣とのつきあいは薄くなり。日韓のお金の融通協定おわる。ああ、しょうゆは返さなくてもお礼のひとつぐらいはあっても。
おまけ

 東洋経済オンライン「働かぬタカリ屋は、身内であっても絶縁せよ」。
 産経ニュース「『慰安婦像設置で嫌がらせ受けた』朝日新聞を提訴 在米日本人ら」。

2015/02/17

朝日新聞とFNNですよ

 ロイターの報道によると、期限切れが目の前の日韓通貨スワップ協定について「韓国から正式な延長要請はなかった」そうです。

 ふむ、朝日新聞やFNNの報道をどう考えましょうか?

 朝日新聞やFNNの報道にあった韓国からの延長要請というのは非公式?そもそも非公式とは?

 事務方からは要請があったけど、政権からは要請がなかった?

 ふ~ん、となると朝日新聞やFNNの報道内容は何かしらねぇ、朝日新聞とFNNの報道は。朝日新聞の報道を引用して日本叩きに利用した韓国の新聞もあるようなので、場合によってはこれは所謂ヨースレンダリングでは?ソースを辿って行ったら「誰もそんなこと言ってない」とか。

 要請したけど「要請した事は黙っていてくれとか言ってきたのではいか」との推測もあるようです。いやはや、実にありそうな展開です。しかし、公にできないのであればそれは「非公式」ですよね、「非公式」。今までとはちょっとちがうんだなぁ、なんせ現在進行形のリアル拉致国家だし。

2015/02/16

イランの超音速戦闘機!

 イランの独自開発だそうですが、ノースロップF-5とスホーイSu-27を微妙に混ぜたような形状です。ステルス性向上策でしょうか、V字型に近い配置の2枚の垂直尾翼が特徴的です。その名もSaeqeh 2 (Thunderbolt 2)!

2015/02/15

DAW Studio One Artist DL版、¥999也。しかし!

 DAWアプリケーション Studio Oneが期間限定でディスカウントとなっている。入門グレードのArtistは¥999と安いが、VSTなどのプラグインが使えない事を思うと余りお勧めできない。むしろ入門者ならば、言わばArtistグレードのフリー版のStudio One Freeを触ってみる事をお勧めする。かく言う私もStudio One Free(Windows 64bit)をダウンロードして少し使ってみた。

 オープンソースなどのフリーで使えるDAWソフトウェアは一通り触ってみたが、正直なところどれも自分のニーズとはマッチしてこなかった。私の主なニーズは
  1. VSTiプラグインとしてソフトシンセサイザが使えること
  2. MIDIデータ入力がめんどくさくないこと 
  3. 安定して動作すること(クラッシュしないこと)
  4. Windows7 64bitで使えること
の4点に過ぎないのだが、それでもなかなかというのが実情だ。

 3点目は開発中のオープンソースアプリでは確かに厳しい条件で、DAWアプリに関しては所謂安定版の登場まで1年くらいまだかかりそうだという感じがする(これは伸び代(藁)。2点目は、多用する機能の操作手順が面倒くさいと結局いじらなくなってしまう事の裏返しだ。例えば同じピアノロール画面上でのMIDIデータ入力でも、Cubase6ではマウスだけでデータ入力できたが、Sonar X1ではマウスを操作しつつCtrlキーも押さなければならなかった。このような「たった一つのキーを押す手間」が実のところ相当うっとおしいし、何故そのキーを押さなければならないのか全く理解できなかった。ほとんどこの一点を持って私はSonarからCubaseに乗り換えたと言って良い。

 DAWアプリも出自は大まかに2系統に分かれる。ひとつはMIDIデータ作成から始まりオーディオ編集機能が統合したもの、もうひとつはハードディスクレコーディングソフトにMIDIデータ入力機能を統合したものである。私のニーズには前者の系統がマッチし易いし、Cubaseなどはその典型であろう。後者はオーディオデータ編集には優れるもののMIDIデータ入力操作が煩雑なものが多い。海外ではFL Studioの人気(シェア)が最近は高い様だが、理由の一つは出自が3つめの系統、すなわち現行のDAWアプリの概念(MIDIデータとオーディオデータをほぼ等価に扱える)或いは所謂カジュアルユーザーのニーズが確立されてからのプロダクトである事も大きいと思う。出自に依存したような操作の煩雑さが無く、操作自体もロジカルで一貫性があると言う事だ。オーディオデータを使う事があっても編集はしないのであれば、renoiseの様にキーボード入力に特化したインターフェースもアリだ(Mod Tackerとして見れば普通ではあるが)。

 さて、Studio One Freeは1点目を除けば私のニーズは満たす。触った限りではなかなか使い易いのではないかとも思うが、操作には独特の癖がある。「やりたい事がはっきりしている場合にアプリを立ち上げた時点でどうすれば良いかが分かる」という点では未だProject 5を越えるアプリに出会った事が無いのだが、残念ながらStudio One Freeの操作も他のDAWを触ったことのない人間には分かりにくいだろう。Cubaseユーザーとしての使用感は、
  • アプリ自体の動作が軽い
  • ピアノロール画面でのMIDIデータ入力はマウスだけでできる。ペイントツールの場合、既に入力済みのデータをクリックするとデータを削除する。
  • オートメーションの入力のためのツール(ペイントツール、直線ツールなど) が充実していて、かつ直観的に使える
  • オーディオデータの切り貼りも動作が軽い
  • トラックへのエフェクトのインサート方法がなかなか分からなかった
と言ったところだ。最後の点はとある領域をダブルクリックすれば良いのだが、せめて専用のボタンでも表示してくれていれば、とも思う。

 とは言いつつも、Studio One FreeはDAW初心者には基本的にお勧めだ。機能としては物足りないかも知れないが、これを触ってみて、かつ「アレもしたい、コレもしたい」とならない様では高いお金を出してまで別のDAWアプリを買うのは馬鹿馬鹿しい。つまり、Studio One Freeを触ってみることで、自分にとってDAWが必要かどうかという点が結構明確になるんじゃないかと思う。

 なお、Studio One Free単体では音が出ない(音源としてバーチャル・インストゥメントのPresenceが添付されているが、データが含まれていない)ので、フリーの拡張コンテンツを本体インストール後に別途追加インストールする必要がある。追加コンテンツのインストールは簡単で、Studio One Free起動後に「メニュー=>Studio One=>Studio One インストール...」を選べば専用のウィンドウが開き、ダウンロードからインストールまでがワンストップで実行できる。「PreSonusユーザーアカウントからコンテンツをインストール」を選ぼう。