<茶番>
昨年末に愛車の車検を通したりとかの出費を勘案し、今回の冬ボーナスはマウスの購入にしか使いませんでした。とは言え購入したマウスは4個、どれもゲーミングマウスなのでお高めです。これまでゲーム用に愛用していたマウスが不調、加えてラインアップ落ちしたので、新しいお気に入りを見つけねばならないのです。で、それらマウスの設定調整に"The Division"を使っていたのですが、その話をした知り合いから
とのお約束の有り難いお言葉を頂きましたとか頂きませんでしたとか。いやはや、Steamで購入ボタンをポチりそうになりましたよ。すまん、まだ買ってないです。
</茶番>
アップデート1.6とラストスタンドDLCのPTS(パブリック・テスト・サーバー) が運用中だが、PvPリバランスが主体なので全く興味が無い。公式フォーラムなどでは「PvPerとそれ以外」の意見/要望の対立が散見されるが、結局のところPvP派はあくまで一般的なPvP派、換言すれば「The DivisionにおけるPvP」と言うような踏みこんだ意見/主張をする訳でも無いので不毛感はぬぐえない。
手直しは多少されたようなのだが、サバイバルDLCのPvEモードの実装具合には未だ中途半端感がまとわりついている。私は「推測するに元々サバイバルDLCにはPvEモードなんか無かった」派なので、「リリース時期を多少遅らせたところで時間に追われた実装は碌なものにならない」との理解だ。
ラストスタンドDLCについても同様に「推測するに元々ラストスタンドDLCではプレイヤーのノーマライズなんて考慮してこなかった」派の立場に立つ。以前からノーマライズが前提としてあれば、この期に及んで(アップデート1.4を反故にするような)装備セットボーナスや武器ダメージの大幅見直しが発生する筈もなく、DZへのノーマライズの導入も可能だった筈としか思えないからだ。少なくとも、「DZにはノーマライズは導入しない」と早い段階で明言できた筈だ。おそらく開発は未だにノーマライズ導入を望んでいない、望んでいるのは親会社であろう。
以前のエントリで私は「The Divisionは3週間でやることが無くなる、特にPvEer」と述べたことがあるが、Steamのプレイヤーベースの昨今の挙動を見るに、当たらずとも遠からずといった感じだ。年末、年始の50%ディスカウント期間から3週間以上が経とうとしている現在、既にアップデート1.4以前に見られたものと同等の割合で減少し始めている。 もしアップデート1.4、1.5が本当にPvEersに望ましいものであったなら、減少するにしてもその割合は下がっても良さそうなものだがそうなってはいない(ただし、実は大量Banが有ってプレイヤーベースの減少に影響している可能性は否定しない)。チャットから判断する限りは、50%ディスカウント期間に増えたプレイヤーの多くが簡体漢字、ハングルを使うプレイヤーと言える。これら文字をチャットで見る機会が最近急減しているのも明らかで、新規プレイヤーがあっさりとゲームから離れている印象を受ける。
さて、本題。エントリタイトルとは裏腹に実のところはアップデート1.5の時点での総括になる。あくまで「のっそりのんびり、心赴くままソロプレイ」スタイルの一PvEerの観点からの総括だ。
総合評価
Tom Clancy's The Division
ガキンチョのガキンチョによるガキンチョのためのゲーム。
ソロプレイのみなら総プレイ時間100時間程度が楽しめる限界なので、¥3000以下の価格が妥当、60%以上のディスカウントが必要。
★★☆☆☆
開発は想像力、他者への共感力、客観視能力に欠け、おそらく社会や世界に関する教養としての知識も欠く。典型的な「類は友を呼ぶ」状況は、耐えられないまでの不快さを人によっては与えるだろう。このゲームが面白いと言う社会人は、世間で全く苦労していない幸せな人達か、単なるガキンチョなのであろう。ここで言う「ガキンチョ」とは、「お前ら本当に何にも知らないんだなぁ」「お前らそうじゃないんだなぁ」と言いたくなるような「うんざりさせられる大人」を主に指すんだぜ。
ストーリー
★★★★☆
The Divisionの世界を一貫するようなストーリーは実は無かった、単なる「謎解きキャンペーンミッション」が有っただけ、ということが露わになってしまったので-1★。ただし、「謎解き」はプレイヤーにとってキャンペーンを進めるモチベーションを十分すぎるほど喚起していたので高評価。
グラフィックス
★★★☆☆
一見奇麗で評価できるがリアルさにははなはだ乏しく、標準。リアルさの乏しさは、ほぼ影の処理の一貫性の無さに起因する。環境光及びスポット光源の影の処理はかなり(確立された手法に従い)巧みだが、点光源の一部、面光源の大部分で影が発生しない。特に面光源にキャラクターが接近した時の違和感は激しい。面光源や一部の点光源ではオブジェクトやキャラクターを明るく照らしだすが、影が全く発生しない。また照らし出す明るさの距離に対する減衰が実世界と全くマッチしていない。
これらはおそらく「開発が"Dynamic Global Illumination"と称した」光源処理を施したところであろうと思われる。本来の"Global Illumination"は大量の計算量とメモリ量を要する処理であり、リアルタイムでそれを処理するかの如き開発の発言には失笑したものであった。3DCGでライティングに苦労した経験があれば、照らされている側の明るさや色よりも影の方が見た目のリアリティへの影響が大きいことが分かる。故に影の処理こそが光源処理の本丸と言える。
影が無い時点で光源処理の本質を大きく踏み外していると言える。いや、"Global Illumination"と称した時点で嘘つき(或いはガキンチョ)と言える。
オブジェクトのモデルはディティールも高くリアルだが、ゲーム性にはほとんど寄与していないので限りなく無意味なのはなんとも。
オープンワールド性
評価対象外
オープンワールドの必要条件である「サンドボックス性」を一切備えていないので、オープンワールドゲームでは最初っから有り得ない。こんなものをオープンワールドと称する時点で嘘つき(或いはガキンチョ)と言える。大部分の建築物には入れず、実質的なマップ面積が小さいことはがっかり要素。
音楽
(★★★☆☆)
好みが分かれるため括弧付き。個人的には好みのジャンルであり、ゲームの雰囲気とのマッチング具合も悪くないと思う。ただし、楽曲単体としてはさして面白くはなく、この種の音楽ジャンルでは定番のフレーズがちりばめられている感じ。音色の平凡さは特筆すべきレベルだが、ゲーム中で浮かないことへの配慮なら大人の仕事ということになろうか。なお、ゲーム中の楽曲は音楽担当者の普段の作風とはかなり違い、明らかにゲーム用であることを意識して書かれた楽曲群であろうことが伺え、珍しく「プロの仕事感」あり。現在は「このような駄作ゲームからは縁切りさせたい」という強い思いから、BGM音量は0とさせて頂いている。
イヤーワンDLC
★☆☆☆☆
「アンダーグラウンド」はPvE追加コンテンツだが、ミッションのバラエティは無いに等しく、2回目以降のミッションでは初回ミッションと大差ないエクスペリエンスしか得られない。アップデート1.3時代にはPvEソロプレイヤーにとって唯一の装備アップグレードパスだったためつまらなくともプレイする価値が見出せたが、アップグレード1.4のワールドティア(ワールドクラス)導入後にはその価値すらも失われた。エクスペリエンスが充実する訳でもなく、PvEソロプレイヤーにとっては既に要らない子。アップデート1.3時代は¥1000、現在は¥0で妥当。
「サバイバル」「ラストスタンド」はPvEソロプレイヤーにとって最初っから要らない子。本体ゲームがワールドティア導入によりルートゲーム化に大きく舵を切ってしまった以上、これらDLCが提供するエクスペリエンスの有り様の意味は論理的に言って消失。「サバイバル」を評価するプレイヤーの少なくない数のプレイヤーが「サバイバルしかプレイしない」という事実は意味消失の裏返しと言えよう。「サバイバル」は新しいファンを得た様だが、それまでのプレイヤーからの支持はあまり受けなかった感じで、斯く言う私も全く興味が無い。
運営、サーバー
★★☆☆☆
ゲーム進行の大部分の処理がサーバーサイドで行われるため、高効率ネットコードによるラグ抑制 は必須なのだが、未だにサーバー側の処理遅延やバグが原因と思われるラグは解消されない。またサーバー側処理が制限と思われる不可能操作(連続してできない操作や特定の操作に対して不可能時間がある)が多く、プレイヤーの戦術の自由度を大きく損ねている。
PC版については未だアンチチートシステムが導入されていない。運営・開発の説明を受け入れるならチート行為もラグの原因となっているということで、PvEソロプレイヤーであってもアンチチートシステムの不在は問題と言える。
公式フォーラムのモデレーターの投稿内容を見るに、かなり質が低い。その辺りを散々叩かれたモデレーターが逆ギレ、転職する事案も発生した。サポートも対応がエラく遅いらしく、内容も含めて公式フォーラムなどによる限りは評判は悪い。PC版はUbisoft日本法人は流通・販売に関与していないため、日本国内においてはサポート対象外。
その他
各銃の特性やModの効果など、ミリタリー好きならば一度ならず首をひねることになろう。グラフィックスからリアル寄りを期待しては間違いなく裏切られる。
特に「タレント」はリアル感を大幅に削ぐ。敵を倒すとHPが一定値回復するとか、オカルト要素以外の何者でも無い。またタレントが後から変更できるとか、「タレント(=生まれつき備えているもの)」 の全否定である。この種の非論理性はゲームシステム全体に染みわたっている。この種の中途半端なやり方が苦手な人は少なくない筈だ。
運営、開発の無責任な発言は昨今はさすがに鳴りを潜めたが、かつては酷いものだった。とは言え「嘘」は積み重ねられてきた。ベータ版(PC)ではチート行為が蔓延、運営は「リリースまでにアンチチートシステムを導入する」と述べた。一般にアンチチートシステムが指すのはチート行為を自動検出し、場合によってはアカウントのBanも行うプログラムを指す。が、そういう意味でのアンチチートシステムは未だ導入されていない。現行の通報型アンチチート対策すらもリリース時には実装されておらず、通報機能すらもしょっちゅうエラーを吐く有様である。またアップデート1.1の際の「これからはナーフは無い、バフだけだ」とかリリース前の「マイクロトランザクション(ゲーム内少額課金)はやらない(会場内拍手!)」とか、蓋を開けてみれば嘘ばっかりなのである。
「ローグプロトコル」のガキンチョさ具合については、本ブログで散々触れてきたので割愛する。そもそも【のっそり】(=「のっそりのんびり、心赴くままプレイ」)が【のっソロ】に途中から変わったのは、一重に「ローグプロトコル」のお陰なんだよなぁ・・・