ドイツ陸軍の次期主力小銃と言うか次期主力アサルトライフルは、結局HK416A8ということになったらしい。
現在の主力アサルトライフルG36の不具合に関する話は、海外の一般ニュースサイトの記事で知った。その後の流れは基本Youtubeの"NHG:中の人げぇみんぐ【実銃解説】チャンネル"の動画での解説でまず知り、ネット上のニュース記事や政府機関のプレスリリースで裏取りする形で追いかけてきた。ちなみにかなり広めの文系知識をバックボーンとした極めて理系チックで論理的な構造を持つ"中の人げぇみんぐ 中の人A"さんのしゃべり/解説は、個人的には聞いていてとても心地良い。染み入る感じでスッと内容が頭に入ってくるのだ。
さて、ドイツ陸軍の次期主力小銃の選定過程は、全体としてはスムースであったものの、(現時点では)最後に割と大きめのどんでん返しが起きた形となった。 いったんヘーネル・ディフェンス社のMk556の採用が決定したのだが、最後まで採用を争ったヘッケラー・ウント・コッホ社のHK416の採用に突如決定がひっくり返った。原因は知的所有権絡み(訴訟による配備遅延リスクかコスト増のいずれかか?)らしい。
戦後のドイツ軍(西ドイツ国防軍)の主力アサルトライフルはG3、G36と共にヘッケラー・ウント・コッホ社製だった。Mk556が採用されたとのニュースに関する動画内で"中の人げぇみんぐ 中の人A"さんもそのことに触れていて、「ヘッケラー・ウント・コッホ社の系譜の断絶がついに起きた」旨の発言もしていた。まぁ実際私もそう思った。
だがちょっと待って欲しい、と言うかその思いと同時に頭に浮かんだ別の思いについてここでは触れておきたい。
ヘーネル・ディフェンス社は今や小さな会社だが、その歴史は戦前に遡る。世界で初めて「突撃銃(シュトゥルム・ゲベーア)≒アサルトライフル」と呼ばれた銃器は「StG44」だ。そしてこのStG44を設計、製作した会社こそヘーネル社(当時)だったのだ。だからヘーネルMk556の採用は、「アサルトライフルを生んだ国(の後継国家)の軍による、アサルトライフルを生んだ会社(の後継会社)が設計、製造するアサルトライフルの採用」となる。つまり、「世界最初のアサルトライフルの血筋の帰還/復権」との見方もできないかと思ったのだ。ただ、最後の最後でそれは成らなかったし、StG44とMk556の間に技術的な繋がりが無い点はとっても弱いのだが。
それはそうと、HK416はざっくり言ってAR15の動作機構をダイレクト・ガス・インピンジメント(ストーナー・エクスパンディング・ガス・システム)からショート・ストローク・ピストンに変更したものだ。この点はMk556にしても同じだし、SIG社を始めとした多くの会社でも同じ機構と類似した外観を持つ銃器が製造されている。これら「AR15っぽいけどAR15ではない銃器群=『AR15クローン』または単に『AR15』とは呼べない銃器群」を一言で表現する言葉を誰でも良いから早く決めてくれないものだろうか。 一々書いててめんどくさいんよね。
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