本編より予告編(トレーラー)が、予告編より特報(ティーザー)が面白いっつー典型的に困った代物。企画はトンデモなく面白かったんじゃなかろうか。
面白くないとは言わないが、本作に散りばめられている類の下品さは個人的に生理的に受け入れにくいものだ。笑うよりも先にげんなりしてしまう。TVでたまに見ることがある重鎮とも言える芸人が、地方の営業では下ネタを連発しているのを見ているような居心地の悪さがある。ギャグ、コメディー、スケッチ(コント)ではなくただの酔っ払いのジョークの連発、良くてファルス(笑劇)だろう。字幕の訳の適当さ加減が下品さをやわらげているというのも困った感じ。「80年代の欧州ポルノを思い出してしまった」、などと書くのは自らの下品さと性的フェティッシュの方向性を披歴するようで上手くないのだが、風合いとしてはそんなところだ。
頭悪そうの見える(演出されている)人間が、さも頭悪そうな発言をしたり行動を取る姿は全然面白くない。ラスト(エンドクレジット頭)の処理はとても21世紀の映画とは思えない陳腐さで、想像力というより妄想力のみのありきたりの産物という気がする。新味はない、輝く才能の片鱗も見られない。
タダなら観ても良いけれど、「ムダ」より質の悪い時間の過ごし方になる可能性を警告しておこう。遺憾ながら大変勉強になりました。俺の人生の一部を返せ、金はくれてやるぜ!
ティーザーは今見ても最高ですね、音楽も良し。
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