2015/02/28

中共新型原子炉の運開遅延、理由は言えない。

 東芝の子会社、ウェスチングハウス・エレクトリック社の最新型の発電用原子炉AP1000の初号機は中共に建設された。本来は既に営業運転に入っている筈だったのだが、営業運転前の試運転の期間が延長され、営業運転開始が遅れるとの報道があった。ただ、これら一連の報道で共通しているのは、「理由が明らかにされていない」という点である。勢い、推測や非公式情報が飛び交う事態となっている。

 これは米国製冷却材ポンプの出荷遅延に伴う工期延長とそれに伴う建設コスト増(大型プラントの建設には短期的に大金が必要となるため、一般的にローンが組まれる。建設期間長期化は利益のない状態での利子支払い期間の長期化と等価であるため、建設遅延の原因対策へのコストとのダブルパンチとなる。)とは別件だ。

 AP1000は米国内でも建設中だから、何れは理由は明らかになるだろう。あり得ない事態とは思うが、AP1000を運用する米国発電事業者に未だ遅延理由が明らかにされていないとすると、将来的にウェスチングハウス・エレクトリック社は勝ち目のない訴訟リスクを間違いなく抱えることになる。米国規制当局も黙っていないから、ウェスチングハウス・エレクトリック社内からホイッスル・ブロワー(内部告発者)が現れるリスクも生じる。ホイッスル・ブロワーは言わば「沈む船から逃げ出すネズミ」でもあるから、そうなった場合の背景にある状況は推して知るべしとなる。やはり原子炉エンジニアリング会社であるジェネラル・エレクトリック-日立・ニュークリア・エナジー社は、ホイッスル・ブロワーの内部告発内容に基づいて、米国の原子力規制当局に対して賠償金を払ったことがある。

 中共の発電事業者もウェスチングハウス・エレクトリック社も何も語らない状況を「中共的」と捉えるか否かの姿勢の違いが、本件に対するその人の反応にかなり反映されていて、傍観者としては面白い状況にある。確度が高いとされる同じ情報を複数の人間から耳にしたが、もしその情報が正しければ「中共的」とも言いかねるな、というのが実感だ。米国で同じ事が起きても公衆に対して「理由は言えない」はおそらく使えるだろうし、米国の規制当局も「十分な情報が提供されており、状況は正しく認識されている」ぐらいのコメントは出すだろう。ポイントを周辺住民などの公衆への健康被害の有無に絞れば、明らかに「無い」と言えるからだ。

 経験的に言える事がある。「理由は言えない」という表現が「少なくとも優秀とされる人」の口から出た場合、「関係者には状況は正しく認識されている」と見做すのが鉄則だ。そして「関係者には状況は正しく認識されている」かつ「理由は言えない」となった場合、技術屋の観点に絞れば、事態に企業の持つノウハウといった機密事項が深く介在しているか、原因が設計段階に遡られるような致命的なトラブルの何れかの可能性が高いと言える。原子炉となるともうちょっと情報が欲しいというのが正直なところだが、新設計の発電設備の初号機という括りでは決して珍しい状況では無い。

 ちょっと気になっているのは、中共の原子力規制当局からの本件に関する公式声明などの報道が昨日の段階でも未だ見られないことである。中共の公的機関となれば「中共的」な挙動から自由とはとても言えないだろう。しかし、IAEA(国際原子力機関)から先に本件に関する声明などが出されると中共の「面子」へのダメージは避けられない。そのため、どこかの段階で国際社会の「正道」と中共の「面子」との軋轢が表面化する可能性がある。原子力がらみとなれば中共の「面子」なぞ省みるべき価値なんて無いからだ。

 中共は既にAP1000の発展型である華龍(CAP1400)の建設に着手している。こちらの案件にも波及効果があるようだと、関係者の口が重くなるのは致し方無いだろう。この種の話の裏取りには、「最近誰が一時的に音信不通(行き先秘匿)になっているか」が一つの手掛かりとなるのだが、残念ながら私の人的ネットワークはそこまでは広くないのだよ。

世の中、もっと大事な事がある。

 Asahi.com日本語サイトの英文記事「OLYMPICS/ Head of 2018 Winter Games scotches claims of delays」に微妙に失笑。"scotch"という動詞には「止める、もみ消す、~を潰す、~を弾圧する、~を撲滅する」といった意味があるが、上品な(棒)私としては「オリンピック/2018年冬大会の最高責任者、準備スケジュール遅延の指摘を一蹴」ぐらいに訳しておこう。

 記事の見出しだから多少度どぎつい表現を選んだという線も否定できないが、この単語を選んだ記事執筆者に何か含むところがあった可能性の方が高いように思う。例えば「無理筋」、「全力での必死の否定」、「顔真っ赤」といったものが介在したような事態を"scotch"という単語に込めたのでは、と言う「見立て」(某報捨て風)だ。でも、まぁそんな事はどうでも良い。世の中、もっと大事な事がある。
RIO DE JANEIRO--All venues for the 2018 Winter Olympics are on schedule and no events will be held outside host city Pyeongchang and nearby Gangneung, said the head of the Games as he refuted suggestions of delays.

リオ・デ・ジャネイロ - 「2018年冬のオリンピックの全ての競技施設の準備は予定通りに進んでおりホストであるPyeongchang市と隣接するGangneung市以外の場所で行われるイベントはない」 オリンピック最高責任者はスケジュールに遅延が発生しているという指摘を否定した。(拙訳スマソ)
 記事の内容はさておいて、この記事に対応する日本語記事はAsahi.comの検索では引っかからない。まぁ日本には関係無い話なのでニュースにならない、と言われればそうだが、「日本語サイト内の英語記事にはする」と言う状況自体には反応に困って失笑するぐらいしかできない。いや、本当に日本無関係なの?と本当は突っ込みたい。でも、まぁそんな事はどうでも良い。世の中、もっと大事な事がある。

 大事なことは、
  • 2018年冬オリンピックの準備はスケジュール通りに進んでいると、大会最高責任者が公式に明言した、スケジュール遅延の指摘も公式に否定したようだ。公式に、だ。
  • 本件よりももっと大事なことは世の中にいっぱいあるので、細かい事にはかかわっていられない。故に、 「2018年冬オリンピックの準備はスケジュール通りに進んでいる」という平昌オリンピック最高責任者の公式な発言を受け入れよう。なんといっても世の中、もっと大事な事がある。
  • 朝日新聞社の本件の取り扱いは遺憾なまでに極めて理解に苦しむ事実ではあるが、もっと大事なことは世の中にいっぱいあるので細かい事にはかかわってはいられない。故に、 「『2018年冬オリンピックの準備はスケジュール通りに進んでいる』という平昌オリンピック最高責任者の公式な発言があった」という報道がAsahi.comの英文記事で為され、かつ対応する日本語記事は無かったという事実のみ心に銘記して「朝日だから捏造では?」、「朝日にとって都合が悪い事実だから報道しない権利をまたもや行使したのでは?」といった「朝日だから系」の懸念はこの際スルーしよう。なんといっても世の中、もっと大事な事がある。
ってこと。

追記(2015/3/1):

 日本経済新聞に「平昌冬季五輪、IOCと合同作業部会 準備を迅速化 」 という記事を見つけた。
【リオデジャネイロ=共同】
 2018年平昌冬季五輪の大会組織委員会は27日、遅れが懸念されている会場建設などの準備を迅速化するため、国際オリンピック委員会(IOC)や会場の関連自治体、国際競技連盟の代表者が参加した合同作業部会を設立することを決めた。今後毎月会合を開く。
 組織委はリオデジャネイロで開かれたIOC理事会で、会場変更がないことやテスト大会を予定通りに実施することを報告した。
 組織委によると、そり競技の施設建設は15%まで進み、アルペンスキーのテスト大会は17年に行う。財政難が不安視されているが、趙亮鎬会長は「新しい国内スポンサーとの契約をもうすぐ発表できるはずだ」と述べた。
ふ~ん,前代未聞の展開の様です。記事の文章も色々と含みが感じられるものとなっています。
でも世の中、日本や私達が貢献できるもっと大事な事がいっぱいあるので、IOCと韓国で宜しくお願いします。ただし、JOC(日本オリンピック委員会)の動きだけはきっちり監視しておきましょう、ヘンなのが居るからさ。

2015/02/27

ISの文化遺物破壊の様子をTVで観ながら、ちょっと思ったのだが・・・

 ウィキペディアの「偶像崇拝」の項目を見ると、モーセの十戒の一つが引用されている。
あなたはいかなる像も造ってはならない。上は天にあり、下は地にあり、また地の下の水の中にある、いかなるものの形も造ってはならない。あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない。
 — 新共同訳聖書 出エジプト記 20:4-5、「モーセの十戒」
 待て待て、「造ってはならない」、「ひれ伏したりしてはいけない」、「使えてはいけない」としか書いてないよ。 少なくともこの記述からは、他者が他者の価値観に基づいて造った像を壊す理由には全くならない。幾ら十戒がネガティブ・リスト(やってはいけない事のリスト)とは言え、この様な行為は不寛容/非寛容が過ぎる。
 
 念の為、「モーセの十戒」を確認しておこう。
  1. 神が唯一の神である
  2. 偶像を作ってはならない(偶像崇拝の禁止。別の神を作っても拝んでも仕えてもならない) 
  3. 神の名をみだりに唱えてはならない
  4. 安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ(6日間働いてすべての仕事をし、7日目はどんな仕事もしてはならない) 
  5. あなたの父と母を敬え 
  6. 殺してはならない 
  7. 姦淫してはならない(結婚前、配偶者以外との性行為) 
  8. 盗んではならない(誘拐を指しているとの見解もある) 
  9. 偽りの証言をしてはならない 
  10. 隣人の家を欲しがってはいけない(妻、奴隷、牛、ろば等全て) 
 2.は既に触れた通り、3.は「神をたたえる言葉がいっぱい聞こえる戦場の動画」を見るに他者の神ながら余りに酷い扱いに暗澹とした気分になる。6.、8. はISは完全にアウト、存在そのものが否定されてしまう。7.、10.は実態を確認しないと分からないが、奴隷制の復活させたとする報道が正しければおそらくアウト。奴隷相手だと何をしているか分かったものじゃない。

2015/02/26

今日も朝からブーメラン!

「今朝さ、TVのワイドショーでさ、あの川崎の事件の件、ツイッターとかネット上で容疑者の名前なんかがやり取りされてる事について『そういうことをする人間にはそれ相応の責任がある』ってことを力説していた人が居てさ・・・」

 と。

「・・・それがテ○朝の社員でね。」

で、会社の喫煙室で大爆笑炸裂、あぁ、豪快にブーメランだねテ○朝さん。報道内容に対する責任もあるし、所謂「報道しない権利」の行使もほどほどに。某島の中学生にもその辺りは見透かされている様ですよ、老婆心ながら。

 ロイターの記事「アングル:安倍政権への批判後退か、メディアの自粛ムード強まる」、もなんだかなぁ・・・単なる自爆、無能の裏返しの責任転嫁にしか見えないじゃんか。わざわざ敵を作るように振る舞ってきたのに相手から敵認定されたら掌返してビビりますか、そうですか。技術の世界ではそういう人を卑怯者と呼びます。

 他の多くの業界では既に当たり前、あなた達の業界もついに「本物かどうか」ってのが試される時代になってきた、というだけじゃないかなぁ、テヘペロ

 なお、当ブログでの表現「ブーメラン」は下記の様に定義される。

 「天に唾するような行為」≠「天に唾する行為」≒「天に唾する行為、かつ行為者が○○」=「ブーメラン」

あなたの車のターボは?

 東洋経済オンラインの記事「三菱重工とIHI、ターボ事業が大繁忙の理由」を読んで思わず「へぇー」。
自動車用ターボは、米ボルグワーナーと米ハネウェル、三菱重工、IHI(石川島播磨重工)の4社で市場の9割以上を寡占。以前は米系2社で6割以上のシェアを占めていたが、日系2社が徐々に勢力を増し、現在は4社ともシェア2割台でほぼ拮抗している。
 で、自分の車(FIAT 500 Twinair)のターボチャージャーはどこ製なのか調べてみたところ、やはり三菱重工系だった。 オランダのMitsubishi Turbocharger and Engine Europe B. V.はフィアットだけでは無く、PSA(プジョー、シトロエン)、BMW、ポルシェにもターボチャージャーを供給しているとのことだ。ボッシュなどの自動車部品では有名どころもターボチャージャーサプライヤーたらんと頑張っているようだが、シェアはまだまだということらしい。

 Twinairエンジンは空冷2気筒エンジンで排気量は900ccもない。だが、1900回転という比較的低回転数で十分なトルクが得られる面白いエンジンで、街中をキビキビ走り抜けたい(キビキビ走り抜けてるつもり)向きには向いた仕様だと思う。アクセルを踏み込んでいくと、踏み込んだ分だけもりもりとトルクが増していくのが感じられるストローク範囲があるのだ。これは他の車では感じた事が無い不思議な感覚だ。

2015/02/25

カモフ Ka-52 偵察/攻撃ヘリコプターのプロモーション?

 二重反転ローターが特徴のKa-52ヘリコプター。ROSOBORONEXPORT社(ロスオボロンエクスポルトまたはロソボロンエクスポルト、ロシアの防衛産業専門輸出企業体)のプロモーションビデオの様です。"as well as"(~だけでなく~も)、"simultaneously"(同時に)という表現が多用される辺りにKa-52の「売り」を何処においているかが見え隠れします。

いっぺんやってみ。

 思考実験ばかりじゃつまらないし、雑音が多くて本質が良く見えない。まぁ学究肌であるつもりだから、「実験のつもり」で断交とかいっぺんやってみたらどうかって本気で思う。 とは言え、「やっても景色が変わらなかった」って結果になりそうで実は怖い。

 キムチカクテルで乾杯!(四コマ韓国情報)のキムチカクテルさんが非○三原則ロゴを作成されています。毒気が無いのがなんとも魅力。「助けたら負け、教えたら負け、関わると負け」、肝に銘じて私も平和ボケとこれからも戦いますよ。
あと、某報捨てで相変わらず某新聞社解説委員がブーメラン発言連発、どうでも良い一般論、正論は百害あって一利無し。本当に何処に向かって発言しているのか、誰に向かって発言しているのかさっぱり分からないね。

2015/02/24

映画「コマンド戦略」のモデル、第一特殊部隊のドキュメンタリー

 映画「コマンド戦略」は、米国-カナダ連合部隊である第一特殊部隊の編成からイタリア戦線での活躍までがモデルとなっている。映画の原題の"The Devil's Brigade"は直訳すれば「悪魔の旅団」だが、これは実際にドイツ軍が第一特殊部隊を「黒い悪魔」と呼んだことにちなむと言う。

 これはその第一特殊部隊のドキュメンタリーだ。訓練キャンプの実際の光景など、映画中のそれらのイメージとほとんど違和感が無いのには少し驚かされましたよ。

サイレント・イーグルとかサイレント・ホーネットとか見たかったなぁ(棒

 さて、韓国の次期国産戦闘機開発計画、所謂KF-Xが相も変わらず迷走の度合いを深めている。実はこのエントリ、じっくり一週間ぐらいかけて書こうとしていたのだが、余りに情況の変化が目まぐるしく、とてもじゃないがフォローしきれないと匙を投げるに至った。

 現状は、下記の通りだ。2つのコンソーシアムの入札となるというのが普通の国の有様だが、そこは韓国であり、そう簡単に事が進むとは思えない。
  • 韓国の防衛関係航空機製造メーカーKAIとロッキード・マーティン社のコンソーシアムは健在。ただしロッキード・マーティン社は韓国への技術供与には全くコミットしていないとされる。
  • 実は航空機製造会社でもある大韓航空のコンソーシアム・パートナーがボーイング社からエアバスD&S社に変わった。つまりボーイング社は手を引いた事になる。エアバスD&S社は旧ユーロファイター社を含むので戦闘機製造能力はある。
    大韓航空とエアバスD&S社との間で了解覚書(MoUまたはMOUと略される)が結ばれたが、エアバスD&S社は覚書について「エアバスD&SがKF-Xに 参加するわけではなく、KF-X事業に参加する大韓航空に協力する」と説明している。つまり、技術供与については覚書外の協議事項となっている、っつーか 素直に解釈すれば技術供与をする気は無く、「買え」と言っているに等しい。そもそもMoUには「双方ともに独占的に交渉を始めるよ」ぐらいの意味しかな い。
参考情報としては以下のようなものがある。
  • ボーイング社が手を引いた事により、F-18サイレント・ホーネットの実用化の芽はほぼ無くなった。例外はF-35B、Cの実用化、本格運用開始に致命的な遅延が発生した場合のみと言ってい良いだろう。F-15サイレント・イーグルについては、 F-15の製造ラインをわざわざ維持までして韓国次期戦闘機入札に臨んだにも関わらずボーイング社は屈辱的なまでの煮え湯を飲まされたことになる。多少でも学習能力があれば当然の行動と言える。実はボーイング社は無人ステルスジェット機に関しては押しも押されぬ米国のトップ・プレイヤーである。
  • 韓国は次期戦闘機としてロッキード・マーティン社のF-35を選定したが、米国議会による輸出承認はまだされていない。韓国は「F-35買うんだから」とロッキード・マーティン社に技術移転を迫っている訳だが、まだ「韓国が買えるかどうかは不透明」というのが実態だ。
    さらに言えば、韓国はF-35の購入に、米国の軍事資金援助スキームを利用する。このスキームは開発途上国などが米国兵器を購入する際に米国が購入資金を一 時的に拠出するというもので、国が責任を持つ一種の長期ローンのようなものだ。利点は、輸出企業は入金に関して国の保証を得られるため輸出に伴うリスクを 最小限とできる、 輸入国は総体的に短期間で所定の数量の兵器を輸入、運用できるといったところにある。しかし、それは「米国の利益があってこそ適用されるスキーム」である点は重要だ。また、このスキームでの購入の場合、輸出企業から見ての顧客、或いは入金元はあくまで米国であり、韓国ではない。
    さらにさらに言えば、同じスキームを用いた韓国KF-16戦闘機の近代化改修事業は、米国から管理費の上積みを要求されたり、請負企業から予算超過分を請求されたりと散々な状況にある。一部報道が正しければ、改修のために輸送されてきた機体がとても飛べる状態に無く、近代化改修の前提となる既存の筈の高価な部品が何処にも 見当たらなかったり、分解された形跡があるのみならず出鱈目に組み立てられていたりしたためとされる。つまり、「ついでに飛べるように修理してくれ」と言わんばかりにスクラップを送られてきたので修理代を追加して請求することにしたと言う事である。
  • KF-Xでは部分的ではあるがステルス化を必須事項としている。エアバス社自体にはステルス機の製造実績はない。そもそも「部分的なステルス化とは何ぞや」という点は曖昧なままだ。
 以下は古い、途中まで書いたエントリの中身である。


 韓国の次期国産戦 闘機開発計画、所謂KF-Xが相も変わらず迷走中の模様。迷走のキーとも言える原因は、「国産」戦闘機計画なのに「核心技術」を海外から導入しなきゃ成立 しないところと、そもそも開発計画としては予算が1ケタは余裕で低いところにある。では、迷走ぶりを簡単にまとめておこう。

 そもそものKF-X計画は2000年ごろに始まる。 完成予想図を描いた段階で格安での国産開発が可能と誰かが判断、 開発費用の一部をインドネシアに負担させるとともに60人規模のインドネシア技術者も受け入れての開発スタート…の筈だったのだが具体的な成果が出ないま ま開発予算が0とされ、公式にもKF-X計画は中止となった。可哀想なのはインドネシアで、金や人を出しながら得るもの無しで終ってしまったことになる。

  が、昨年になってKF-X計画が再び立ち上がる。ただし、今回はというか昨年は一応の進展があった。具体的には、「単発(エンジン一台)ではなく双発(エ ンジン二台)とすることにした」ことが公式に韓国国防部から発表されたのだ。早速完成予想図や模型が作られたのは言うまでも無い。ただし、今回は予算以外 は総体的に現実的な判断が併せて公式に示された。「韓国内の技術だけでは国産戦闘機の開発は不可能。KF-Xに必要な『核心』技術については米国に技術移転を求める」とし、具体的な「核心」技術をリストアップしてさえ見せたのだ。

  核心技術の内容はさておいても、技術移転にはお金がかかるし、先端技術が移転される保証もない。が、ここで韓国の話はとんでもない方向に向かう。韓国は昨 年、KF-Xよりも導入時期の早い次期戦闘機として米国・ロッキード・マーティン社のF-35戦闘機の導入を決定した。併せて韓国は、KF-X計画に必要 な「核心」技術の移転をロッキード・マーティン社に求める事も明らかにしたのである。つまり、「あなたのところの製品を買ってあげますから、タダで技術移 転して下さい」とロッキード・マーティン社に求める事にしたと言うのだ。

 ん?

  韓国の次期戦闘機選定も迷走した。韓国は国際入札を実施、最終的に応札したのは米国・ロッキード・マーティン社、米国・ボーイング社と欧州・ユーロファイ ター社の3社だった。機体はそれぞれF-35 ライトニングⅡ、F-15サイレント・イーグル、タイフーンだ。入札は予算超過、実体は韓国の予算不足、を理由に100回を越えたともされ、タイフーンは 応札時の提出書類の不備を理由に途中脱落、入札価格と韓国予算がついに折り合うことなく契約先が決まらない事態となった。結局、韓国はF-35導入でロッ キード・マーティン社と随意契約することとした。国際入札って何だったのという話だし、随意契約と言う事は F-35の価格はロッキード・マーティン社に決定権があるということで、そもそもの韓国の予算不足とは相容れない。そこで、KF-X計画と結び付けて「あ なたのところの製品を言い値で買ってあげますから、その次の国産戦闘機のための技術移転をタダでして下さい」と言い出したということなのである。

 ここで可哀想なのは実質的にロッキード・マーティン社の当て馬にされたボーイング社だ。本件の受注に備え、閉鎖予定だったF-15イーグルの生産ラインを維持していたとの報道もあった。サイレント・イーグルは名機F-15イーグルの高ステルス化バージョンである。

  対レーダーステルスの基本は、照射されたレーダー波を照射方向に反射しないことである。このため、まずは横方向のどの向きから見ても垂直面ができないよう な機体形状にする。次いで、ジェットエンジンの空気吸入口が正面から見えないようにする。 F-22などのステルス機では機体の空気取り入れ口からエンジン入口までの経路がS型に2回曲がっており、エンジン入口は機体正面からも見えないように なっている。エンジン入口からのレーダー波反射は大きく、最近のレーダーではエンジン入口に対応したレーダー波反射強度が大きい領域の数、大きさ及び距離 から機体の特定までできるのが実態だ。最後にミサイルなどは全て機体内に収納し、発射する時以外は剥きだし状態とはしない。

  サイレント・イーグルの「サイレント」は、高い対レーダーステルス化されていることを指す。F-15イーグルは名機だが、設計は1960年代であり、ステ ルス性は全く考慮されていない。そのため、垂直尾翼は文字通り垂直に立ちあがっており、真横から見れば巨大な垂直面となっている。また、エンジン入口は正 面から丸見えで、搭載するミサイルなどは全て剥きだしだ。サイレント・イーグルでは以下のような対策を取るとされる。まず垂直尾翼はF-22やF-35な どの他のステルス機と同様にそれぞれ外側に傾斜させる。機体の空気取り入れ口からエンジン入口までの吸気経路にはレーダー波吸収材などが配置され、エンジ ン入口のレーダー波反射強度を下げる。ミサイルなどの搭載兵装は、全て機体側面に追加する兵装格納庫(コンフォーマル・ウェポンベイ)に格納する。
 これら全ての特徴を備えたサイレント・イーグルと称される機体に飛行実績は無いが、実寸模型(モックアップ)は製作されてメディアに公開もされているし、ウェポンベイなどの個別機能を実証するための機体は実際に飛んでいる。
 確かに"사일런트 이글"(サイルヱントゥ・イグル)って表記されてるよね。
 1:10辺りに現れる島は正直竹島っぽくない?
   実際のところ、韓国の予算規模からすれば実績のあるF-15の発展型、おそらく最後の発展型であろうサイレント・イーグルの次期戦闘機としての導入はそこ そこ現実的だ。そして、これがボーイング社が受注を期待した理由でもあるし、一旦はサイレント・イーグルの導入が決まったという報道があった理由でもあろ う。が、結局はロッキード・マーティン社が受注となった。何故だろうか?

  色々と理由は取りざたされたが、実はサイレント・イーグルには避けられない特性、と言うか、運用方法によっては重大な欠陥があった。作戦行動可能範囲が従 来のF-15と較べても狭いのである。要は搭載可能燃料の量が少ないのである。F-15イーグルが長距離ミッションに投入される場合は、機外燃料タンクを 翼や機体の下に搭載するのが前提となる。空爆目的で用いられるストライク・イーグルと呼ばれる機体では、機体側面に取り外し可能の大型燃料タンク(コン フォーマル・タンク)が既に取りつけられている。が、サイレント・イーグルではステルス性を損ねるために機外燃料タンクは搭載できず、追加大型燃料タンク (コンフォーマル・タンク)も追加兵装格納庫(コンフォーマル・ウェポンベイ)が既にあるために取り付けられない。とある報道では、サイレント・イーグルでは朝鮮半島の空軍基地から竹島まで往復できないことを理由に、とある人が採用に駄目出ししたとされる。

 ああ、韓国らしい話になって来ましたね。

 KF-X計画は再び

2015/02/22

朝日新聞は軍国主義がお好き?

 某報ステを観ていて、某新聞社の解説委員らの発言内容の一貫性の無さに愕然とした。例えば「軍国主義」という表現を使ったが、軍国主義をどう定義して使っているのか大いに疑問だ。素直な解釈は「中国や韓国が日本を『軍国主義化した』と呼んだ場合は『軍国主義』」というものであろう。それぐらい恣意的かつ適当に使っているということだ。

  昨夜はネット上で興味深い意見を目にした。曰く、「朝日新聞社は自らを報道機関ではなく、言論機関だと考えているのではないか」。これは卓見だと思うが、おそらくこの表現の揶揄するところは「朝日新聞社は報道と言論の区別がついていない」ということであろう。朝日新聞には「報道機関」や「言論機関」の定義もできない低レベルな連中が多い可能性が高いと言う事だ。

  ファシズム国家(これも多数の定義がある)、警察国家、右傾化も同様だ。「軍国主義」を漠然と「戦前日本の国家体制」などと安易に定義してしまうと、現在は中央政府と敢えて独立させてある自治消防組織の独立を否定する発言は矛盾でしかない。戦前の「反省」も踏まて論理的に確立された体制を、理由も明確にしないまま否定するような、「戦前」の体制に戻すことを是とするような発言を平気でする。

  歴史を知らない者は過去はおろか現在についてだって語ってはいけない。間違っている事がほぼデフォルトであることが避けられず、事実を伝えるべき報道機関あるなら尚更そう、ましてや間違った前提に立つ言論機関なんて存在自体が矛盾だ 。他者の行動を暴走と断言する神経を心底疑う、少なくとも論理的じゃないし、個人的にはせめて自らの暴走の落とし前をきっちり付けてからにしろと言いたい。左ならば自ら「総括」してもらっても私自身は全く構わない、言論機関たらんとすれば殲滅され得る事もちゃんと覚悟してもらわないと困る。以前のエントリでも触れたとおり、殲滅する主体が海外である可能性の方がむしろ高いというのが今の日本なのだ。

  国防権を地方に移譲することは実質的な地方の独立であり、国家の定義までにきっちりと立ち入らないまま安易に何かを語ること自体がでたらめだ。「あいまいに断言しない」語り口を使っていても、「そうも解釈でき得る」自己の発言には責任を持たなければならない。TVに登場した一般人のコメントの中にも輪をかけて思考停止具合が際立っているものがあった。私ならテロのリスクよりも他国に占領されるリスクの方が怖い。戦争をしない、ということは軍事力を背景とした他国の侵略を受け入れるのと等価である点はリアリティとして受け入れなければならない。

 「日本人の平和ボケ」の正体だが、それは世界的なリアリティを知らず、そのくせ他国の人間も日本人と同じように考え、行動すると根拠無信じることではないか、と強く思うようになってきた。「『戦争をしない他国』の領土を占領し、居住する他国人を殺害、自国民を居住させればその占領地は平和である」という歴史的な事実を踏まえたリアリティを前に「殺害されたくない人」はどう振る舞うべきなのだろうか。 古来からの防人の存在しかり、竹島しかり、である。

  脱線するが、押井守氏の所謂ケルベロスシリーズで、自治警察組織は準軍事組織のキャラクターを備え、自治警察組織からは制御不可能な特機隊(通称、ケルベロス)を目の敵にする。ケルベロスは警察機関ではあるが、いざ出動となれば相手の殲滅が大前提である。これはほぼ軍の治安出動に担わせる状況だ。ケルベロス動乱を引き金に自衛隊が治安出動するに至り、ケルベロスは自らの存在意義を自ら絶つと共に自衛隊により必然的に殲滅、排除される。

  個人的にケルベロスシリーズに感じる魅力は、この種の皮肉の効いた矛盾の解決過程が背景に横たわるところにある。前提とした世界観、つまり日本は第二次世界大戦の敗戦国ではあるが戦勝国を代表するのはドイツである、を受け入れれば、以降はほぼ機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)宜しくやがてケルベロスが消える(歴史的使命を終える)という全体的な流れは必然でしかない。このような物語構造は古典的で単純故に力強く、論理的故に弾力性に富む。そのような枠組みの中の一エピソードの遊び代は大きい。

Megpoid Whisper、「神様のいうとおり」のカバー

 「神様のいうとおり」は「四畳半襖の下張」、もとい、アニメ「四畳半神話体系」のED曲だった。原作の某先輩がらみのエピソードには無難に触れるだけで、まぁ、原作小説を上手く料理していたとの印象が強い。いやあ、これはほぼ手放しで褒めているといると言って良い。キャラクター原案はイラストレーターの中村佑介氏だが、今この文章を打っているPCのWindow起動画面、壁紙、車用のiPod Touchの壁紙も中村氏のイラストを一部加工して使わせてもらっている。もちろん、画集も持っている。

 楽曲「神様のいうとおり」には通常のバージョンと「バージョン Z80」という別ミックスがある。

 Z80はほぼ間違いなく、組み込み分野では未だその末裔が幅を利かすCPU/MPUのことだろう。私が学生のころはZ80はマイコン(今で言うところのパソコン)でも使われており、8-bit処理時代を代表するCPU/MPUのひとつと言えよう。しかし、今やPCのCPUは16bit、32bitを経て、64bit処理が当たり前となった。「バージョン Z80」の意味はおそらく古い時代の音(音色)を使っている、ということだろう。ただ、ファミコンやNEC PC-8801などのPSG音源やFM音源を思わせるような古い音色ではない。チップチューンのレベルまでは行かないという微妙なところだ。

 今回はコンセプト重視で、手順から何からそのコンセプトに沿ったアプローチを採った。これは別に自分の行為を自慢したいるとかカッコ良いとか言ういたい訳ではなく、単に「趣味でやってるんだから自由なんだよ」と言いたいだけなので為念。

 で、コンセプトとは「バージョン MOS6510」である。MOS 6510はコモドール64という古いPCに使われたCPUで、要はZ80より古いというぐらいの記号としての意味しかない。ただし、コモドール64は独自の音源チップSIDを採用しており、言わば「SIDっぽい音」というのは歴然と存在する。故に「バージョン MOS6510」とは、「SIDっぽい音」を取り込みつつ、同時発声音数も抑えた音数節約バージョンとでも言い換えられる。要は「スタイル」を理由に耳コピをサボったということだ。それと、SIDは8-bit処理チップであること、フィルタを持っていること、サンプリング(録音)とその再生ができるという点も忘れてはいけない。ちなみに完全に「SIDっぽい音」のみで構成された楽曲は一般的にチップチューンに分類される。

 バックトラックの作成手順は、コモドール社が後に発売するアミガ(アミーガ)で花咲く音楽用ファイルフォーマットmodを強く意識したものだ。modフォーマットは、サンプルした音源をも含む音色データ、と言うか波形データ群と、どの波形データをどのタイミングで、どの音程で、どの定位(左右の位置)で鳴らすかという演奏情報を含んでいる。演奏情報だけならMIDIデータもそうだろうと言う事になるが、もう一歩踏み込むと、modフォーマットでは数小節の演奏データを再生単位として、それら再生単位をどういう順番で何回再生するかという形で演奏データを管理する。

 このようなmodフォーマットのデータ管理方法を踏まえ、今回のバックトラックの音はまずソフトシンセZ3TA+2とNI Massiveで全て自分のイメージに沿って作り、wave形式で単音毎に書き出した後にサンプラーBattery4のパッドに割り当てるというとっても面倒な事をしている。つまり、3音の和音は3つの異なるwaveファイルを同時に再生(パッドをトリガーする)して作った、ということだ。もちろん、本当に面倒だから間違いなく2度とこんなことはやらない。どうせ音数節約バージョンだからやろうと思った、と言うのが本当のところだ。なお、音色作成では、使える基本波形を矩形波とノイズのみと縛ったが、フィルタやLFOによるピッチや左右の定位制御は積極的に行った。

 最後はポスト処理だ。ボーカルも加えてDAWからwave形式ファイル(ビット深度24-bit、サンプル周波数48kHz)で書きだした後、波形編集ソフトを介してビット深度8-bit、サンプル周波数22kHzのwave形式ファイルにコンバートした。本来無音となるべきところでノイズが聞こえるのは、このように意図的に音を劣化させたのが原因だ。実際のところ、ビット深度やサンプル周波数の変更はDAW上でもシミュレートできるのだが、今回ばかりはそうはしなかっただけに過ぎない。

 出来はともかく、手間だけはかかっているのだよ。

2015/02/20

それはないない、色々と

 昨年だけでなく一昨年のエントリでもちょこっと揶揄しているのだが、かの方の「それはないない」具合に拍車がかかってきたとネット上の某大規模掲示板などで話題だ。皆やっぱりそう思っていたのかぁ…と感慨もひとしお。ホント、TVでのしゃべりを聞いても雑誌などの文章を読んでも適当さ満開だからね。明らかに勉強していない、調べ物は苦手なのかな?

 あはは、ライブドアニュースの記事、「韓国ナッツリターン問題の影響で財閥を取り締まる『ナッツ法』制定へ」。安定の本質外し、「何かをきっちり定義する」能力が無いと大陸法型法体系に基づく法治国家は成立させられない。「ないない」だと一旦思ったけどそれは日本だから、某国ならば実は「あるある」だなと思い直しましたよ。情痴もとい情治国家の暴走は国内外に常に敵を求め続けることでのみ生きながらえ、更に過激化(マヌケ化)するばかり。

 あはははははは、wowkoreaの記事、「韓国・平昌冬季五輪 宿泊施設不足分はホームステイなども活用」。どうするどうなるそれはないない、某国の想定外の言行は続く、誰が使い始めたかは知らないが、「斜め上」という表現の的確さが・・・的確さが・・・あははははははは・・・

  そして日本赤軍の件。彼らは未だ負け続け、これからも勝てないのだ。その理由は「勝つために必要な最小限の能力すら無い」というたった一つの欠点を持つが故である。そんな人、今でもたくさんいないかな?あ、いきなりTV画面の中に一人現れましたよ。

 日本赤軍の母体たる赤軍派のメンバーはかつて「われわれは明日のジョーである」と言った。ならば「私は『七人の侍』の農民の一人に過ぎない」と言おう。

2015/02/19

F-4ファントムII、ISIS空爆参加!?

 ISIS(ISIL)に対する空爆にF-4ファントムIIが参加したという。結構古い機体なのだが、日本の航空自衛隊でも現役の一時代を築いた名機と言って良い。マンガ「ファントム無頼」のアレですよ。

 で、何処の機体かと言うと、どうもイランらしいというのがちょっと驚きだ。

 まず、パフラビー(パーレビ)王政時代のイランは金持ちの親米国家だったので、F-4どころか米国以外でF-14トムキャットを使用した唯一の国である。と言うか、過去形にするのは間違いでF-14もまだ現役らしい、米国本国ではもう運用されていないにも関わらずである。しかし、イラン・イスラム革命以降はむしろ反米国家となったからF-14なんて部品の供給は既に無かった筈であり、どうやって維持しているのかについて未だ納得できる説明を聞いた事がない。F-4は生産機数も多く、多くの国で運用されたから、部品入手の敷居はF-14よりは低いだろう。とは言え、米国との対立姿勢を維持しつつ、日本でも「爺さん」などと呼ばれるような古い機体を実戦投入できる能力に対しては畏敬の念すら湧く。戦争中にも関わらず共食い整備で稼働率40%以下は当たり前、なんていう某国とは覚悟からしてレベルが全く違う。

 次いで、イランはまごうことなきイスラム国家であり、シーア派イスラム教が国教という事実がある。ISISのシャリーア(イスラム法)解釈は独自性、恣意性が過ぎるとされるが、根っこにはスンニ派イスラム教における解釈がある。シーア派とスンニ派の宗派対立があるとは言え、バリバリのイスラム国家がISIS空爆を実行したという事実は重い。

 そして、イラン軍機の空爆実施にあたって米軍との調整はなかったという。 つまり、F-4によるISIS空爆は、完全にイラン独自のオペレーションだという事だ。故に今回のイランのISIS空爆を「参加」と呼ぶことは適切ではなく、イランなりの何らかの損得勘定があると解釈した方が良いかと思う。しかし、解釈に必要な情報が全く足りないのが実にもどかしい。

 単に石油価格の問題か、イラクへの干渉か、はたまた何らかの国内問題とのリンケージでもあるのか。謎は増えるばかりだ。

Hospital Records、有難や有難や。

 "Hospital Records"でピンとこないなら今回はパスしてOK。

 こういう物を公式に上げてもらえるのは本当に有難い。London Elektricityはライブ盤の出来が本当に良かったりするからねぇ。ま、今回のは基本DJワーク+αですが。自分の為に貼っておきます。

 例えば、これがスタジオ。

で、ライブ。

2015/02/18

「すごいよぉ~! こわいよぉ~!」、もはや性能は異次元!韓国K2戦車!

鳳凰網の12日付の報道によると、韓国陸軍の機械化歩兵師団は京畿道で11日に行った訓練で、同国が開発した新型戦車「K2」の砲撃訓練を行った。韓国メディアはこの戦車について先ごろ、「能力は中国と日本の現在の主力戦車より上で、アジア最強だ」と報道。「5キロメートル先で7両並んだ中国の99式戦車を貫通するほどの威力がある」と伝えていた。
「5キロメートル先で7両並んだ中国の99式戦車を貫通するほどの威力がある」

「5キロメートル先で7両並んだ中国の99式戦車を貫通するほどの威力がある」

 ラインメタル社製55口径120mm滑腔砲って凄いんだねぇ。と言う事は、同じ砲を装備したレオパルド2A6も異次元の破壊力を持つってことですか?でもそんな話は聞かないねぇ・・・

 ちなみにこれは一世代前のK1戦車の有名な動画、後半がポイント。潔いと言えば潔いですね。

 でもこれには納得できる理由があります。発展型として搭載砲を大口径化した際に車体周りは一切設計変更しなかったため、物凄く重量バランスが悪くなったそうで。砲塔を真横に向けて発砲すると地面の状態や車体の傾斜具合によっては横転するとか、なかなかスリリング、でも心ある人は絶対乗せたくない戦車です。

 とは言え、ロシアのT-90戦車でもスタックする時はスタックするもの。

朝日新聞「素粒子」のおバカぶり

 朝日新聞の夕刊一面には「素粒子」という「面白くない大喜利」 みたいなコーナーがある。以前のエントリでも執筆者の不勉強具合、論理性の無さ具合を揶揄したが、2/17には次の一文が登場した。
昔はしょうゆだって借りたもの。隣近所のつきあいは薄くなり。日韓のお金の融通協定おわる。ああ金の切れ目。 
はい、朝日新聞の座布団全部持ってっちゃってください。「隣近所」とまとめる誤魔化し体質は健在、「西隣一軒」だけだよ。

 で、思い出したのが「隣組」という古い歌。隣組自体は連帯責任の名の下、容易に相互監視機能を付与できるので良し悪しなのだが、歌詞は隣組の良い面にスポットを当て、かつ良き隣組の前提が含まれている。

隣組
作詞:岡本一平 作曲:飯田信夫
  1.  とんとんとんからりと隣組
     格子を開ければ顔なじみ
     廻して頂戴回覧板
     知らせられたり知らせたり
  2.  とんとんとんからりと隣組
     あれこれ面倒味噌醤油
     ご飯の炊き方垣根越し
     教えられたり教えたり
  3. とんとんとんからりと隣組
     地震や雷火事どろぼう
     互いに役立つ用心棒
     助けられたり助けたり
  4.  とんとんとんからりと隣組
     何軒あろうと一所帯
     こころは一つ屋根の月
     纏められたり纏めたり
「知らせられたり 知らせたり」? 粉飾決算、闇為替介入、中共への機密情報漏えいを止めれ。事実を言うと怒るの止めれ。
「教えられたり 教えたり」? パクるの止めれ。
「助けられたり 助けたり」? 反日が国是では...
「纏められたり 纏めたり」? 蝙蝠外交のしっぺ返しはこれから、驚異の自称バランサー。
昔はしょうゆだって借りたもの。隣とのつきあいは薄くなり。日韓のお金の融通協定おわる。ああ、せめて借りたしょうゆさしぐらいは返すもの。 
昔はしょうゆだって借りたもの。隣とのつきあいは薄くなり。日韓のお金の融通協定おわる。ああ、しょうゆは返さなくてもお礼のひとつぐらいはあっても。
おまけ

 東洋経済オンライン「働かぬタカリ屋は、身内であっても絶縁せよ」。
 産経ニュース「『慰安婦像設置で嫌がらせ受けた』朝日新聞を提訴 在米日本人ら」。

2015/02/17

朝日新聞とFNNですよ

 ロイターの報道によると、期限切れが目の前の日韓通貨スワップ協定について「韓国から正式な延長要請はなかった」そうです。

 ふむ、朝日新聞やFNNの報道をどう考えましょうか?

 朝日新聞やFNNの報道にあった韓国からの延長要請というのは非公式?そもそも非公式とは?

 事務方からは要請があったけど、政権からは要請がなかった?

 ふ~ん、となると朝日新聞やFNNの報道内容は何かしらねぇ、朝日新聞とFNNの報道は。朝日新聞の報道を引用して日本叩きに利用した韓国の新聞もあるようなので、場合によってはこれは所謂ヨースレンダリングでは?ソースを辿って行ったら「誰もそんなこと言ってない」とか。

 要請したけど「要請した事は黙っていてくれとか言ってきたのではいか」との推測もあるようです。いやはや、実にありそうな展開です。しかし、公にできないのであればそれは「非公式」ですよね、「非公式」。今までとはちょっとちがうんだなぁ、なんせ現在進行形のリアル拉致国家だし。

2015/02/16

イランの超音速戦闘機!

 イランの独自開発だそうですが、ノースロップF-5とスホーイSu-27を微妙に混ぜたような形状です。ステルス性向上策でしょうか、V字型に近い配置の2枚の垂直尾翼が特徴的です。その名もSaeqeh 2 (Thunderbolt 2)!

2015/02/15

DAW Studio One Artist DL版、¥999也。しかし!

 DAWアプリケーション Studio Oneが期間限定でディスカウントとなっている。入門グレードのArtistは¥999と安いが、VSTなどのプラグインが使えない事を思うと余りお勧めできない。むしろ入門者ならば、言わばArtistグレードのフリー版のStudio One Freeを触ってみる事をお勧めする。かく言う私もStudio One Free(Windows 64bit)をダウンロードして少し使ってみた。

 オープンソースなどのフリーで使えるDAWソフトウェアは一通り触ってみたが、正直なところどれも自分のニーズとはマッチしてこなかった。私の主なニーズは
  1. VSTiプラグインとしてソフトシンセサイザが使えること
  2. MIDIデータ入力がめんどくさくないこと 
  3. 安定して動作すること(クラッシュしないこと)
  4. Windows7 64bitで使えること
の4点に過ぎないのだが、それでもなかなかというのが実情だ。

 3点目は開発中のオープンソースアプリでは確かに厳しい条件で、DAWアプリに関しては所謂安定版の登場まで1年くらいまだかかりそうだという感じがする(これは伸び代(藁)。2点目は、多用する機能の操作手順が面倒くさいと結局いじらなくなってしまう事の裏返しだ。例えば同じピアノロール画面上でのMIDIデータ入力でも、Cubase6ではマウスだけでデータ入力できたが、Sonar X1ではマウスを操作しつつCtrlキーも押さなければならなかった。このような「たった一つのキーを押す手間」が実のところ相当うっとおしいし、何故そのキーを押さなければならないのか全く理解できなかった。ほとんどこの一点を持って私はSonarからCubaseに乗り換えたと言って良い。

 DAWアプリも出自は大まかに2系統に分かれる。ひとつはMIDIデータ作成から始まりオーディオ編集機能が統合したもの、もうひとつはハードディスクレコーディングソフトにMIDIデータ入力機能を統合したものである。私のニーズには前者の系統がマッチし易いし、Cubaseなどはその典型であろう。後者はオーディオデータ編集には優れるもののMIDIデータ入力操作が煩雑なものが多い。海外ではFL Studioの人気(シェア)が最近は高い様だが、理由の一つは出自が3つめの系統、すなわち現行のDAWアプリの概念(MIDIデータとオーディオデータをほぼ等価に扱える)或いは所謂カジュアルユーザーのニーズが確立されてからのプロダクトである事も大きいと思う。出自に依存したような操作の煩雑さが無く、操作自体もロジカルで一貫性があると言う事だ。オーディオデータを使う事があっても編集はしないのであれば、renoiseの様にキーボード入力に特化したインターフェースもアリだ(Mod Tackerとして見れば普通ではあるが)。

 さて、Studio One Freeは1点目を除けば私のニーズは満たす。触った限りではなかなか使い易いのではないかとも思うが、操作には独特の癖がある。「やりたい事がはっきりしている場合にアプリを立ち上げた時点でどうすれば良いかが分かる」という点では未だProject 5を越えるアプリに出会った事が無いのだが、残念ながらStudio One Freeの操作も他のDAWを触ったことのない人間には分かりにくいだろう。Cubaseユーザーとしての使用感は、
  • アプリ自体の動作が軽い
  • ピアノロール画面でのMIDIデータ入力はマウスだけでできる。ペイントツールの場合、既に入力済みのデータをクリックするとデータを削除する。
  • オートメーションの入力のためのツール(ペイントツール、直線ツールなど) が充実していて、かつ直観的に使える
  • オーディオデータの切り貼りも動作が軽い
  • トラックへのエフェクトのインサート方法がなかなか分からなかった
と言ったところだ。最後の点はとある領域をダブルクリックすれば良いのだが、せめて専用のボタンでも表示してくれていれば、とも思う。

 とは言いつつも、Studio One FreeはDAW初心者には基本的にお勧めだ。機能としては物足りないかも知れないが、これを触ってみて、かつ「アレもしたい、コレもしたい」とならない様では高いお金を出してまで別のDAWアプリを買うのは馬鹿馬鹿しい。つまり、Studio One Freeを触ってみることで、自分にとってDAWが必要かどうかという点が結構明確になるんじゃないかと思う。

 なお、Studio One Free単体では音が出ない(音源としてバーチャル・インストゥメントのPresenceが添付されているが、データが含まれていない)ので、フリーの拡張コンテンツを本体インストール後に別途追加インストールする必要がある。追加コンテンツのインストールは簡単で、Studio One Free起動後に「メニュー=>Studio One=>Studio One インストール...」を選べば専用のウィンドウが開き、ダウンロードからインストールまでがワンストップで実行できる。「PreSonusユーザーアカウントからコンテンツをインストール」を選ぼう。

日本から最も遠い国

 日韓通貨スワップ協定の期限切れが約1週間後の2/23に迫って来た。FNNや朝日新聞の報道によると、韓国はスワップ上限額のアップと期限延長を申し込んできたが、日本政府はスワップ自体を延長しない(終了する)方針だと言う。是非その方向でお願いしたい。韓国総体とはあまりに価値観が違いすぎる、十分「価値観外交」の埒外だ。韓国に進出した日系企業の決済対策?知らんがな。ただ韓国の外貨準備高も十分らしいし(棒、円と元は直接取引が可能だから上手くやって頂戴。とにかくウォンは要らんです。

 この報を聞いてちょっと思い出したのが、会社の喫煙所での馬鹿話における結論。

 日本に最も近い国は? → ロシア(北方領土)。
 日本から最も遠い国は? →  韓国、なんと言ってもほぼ地球一周分離れている。

もう、こんな距離感で良いんじゃないですか。

2015/02/14

テレビ東京「永遠の0」第2回、雑感。

 まだ全3回の2回め、かつながら観だからは内容には触れない。ただ、映像作品として見た場合に気になった一点については触れておきたい。

 全3回でほぼ6時間だから冗長となるのは致し方ない、何と言っても原作を読むに要する時間の倍以上あるからだ。冗長であること自体は全く問題ない。が、冗長故にシーンの力強さ、一連のカット群が観るに耐えられるかがどうしても試される。全てのシーンが力強ければ、例え「冗長」であっても「丁寧に作られている」という印象が強くなる筈だ。

 CGカットはセンスが良い。まずライティングが抜群に上手く、次いでCGが明らかに苦手とするカットや素材にはおそらく意図的かつ徹底してCGを使っていないと思う。単独で見れば寂しいカットもあるが、結局のところシーンとして捉えればそつがないと言って良い。

 となるとシーンの力強さの有無は演者に負うところがどうしても大とならざるを得ない。つまり、演者の格の違いみたいなものが如実にシーンの力強さに現れてしまうという事だ。少なくとも第2回に関しては、登場する演者によってシーンの力強さや説得力があまりにまちまちだ。とても観ていられない時間域と思わずやってる作業の手を止めて見入ってしまう時間域とのシーンの出来の落差が物凄く大きいのだ。これは映像作品にとってはとても残念なことだ。

2015/02/12

殲十出撃!

 殲十、或いはJ-10は中共人民解放軍の主力戦闘機。デザインの類似性から、イスラエルが一時期開発していた軽量戦闘機「ラビ」の技術が入っているのでは、と良く言われます。ちなみに「ラビ」は米国の圧力などもあり敢え無く開発中止、代替として米国からF-16シリーズが導入されます。その後のイスラエルにおけるF-16の進化、魔改造ぶりはけっこう凄く、オリジナルに取り込まれた技術すらある程。

 さて、エントリタイトルの「殲十出撃」は人民解放軍(赤い星に八一ですな)が製作した映画。色々と突っ込みどころはあるのですが、相当暇な人だけ観て下さいな。っつーかCGじゃなくてもっと実機の映像使えば良いのにね。

2015/02/09

お花畑ジャーナリスト vs 一部マスコミ vs 小学二年生:アフターサーヴィス


 さて、過去のエントリで某ジャーナリストが小学二年生未満の思考しかできていない事に触れたが、多くのジャーナリストに同じフラグが豪快に立ちまくっている様だ。

 今回の旅券返納は、旅券法19条の規定「旅券の名義人の生命、身体又は財産の保護のために渡航を中止させる必要があると認められる場合」に基づくものだ。一方で、日本国憲法では22条で「海外渡航の自由」を保障しており、上記の規定による返納命令は史上初、異例中の異例といえる。

杉本さんの「渡航宣言」を掲載していた朝日新聞は、いち早く8日付朝刊の1面でこの問題を報じ、「踏み込んだ対応は論議も呼びそうだ」との見解を示した。同日の「報道ステーションSUNDAY」(テレビ朝日系)でも、ジャーナリストの後藤謙次さんが、「渡航の自由を超えた『報道の自由』への配慮が、政府はどこまであったのかな、とそこが非常に気になりますね」と疑問を呈している。

ツイッターでは、ジャーナリストの常岡浩介さんが、「憲法の自由権への直接制限ですから、ジャーナリストだけでなく、全国民、全人類への挑戦です」「今では中国にすら移動の自由があるが、日本はイスラム国への恐怖に駆られて9条以外の憲法も自主的に放棄し、北朝鮮並の不自由国になるのね。これこそ、テロへの屈服だよねえ」と激しい言葉で批判している。また、アジアプレス大阪オフィス代表の石丸次郎さんも、「恐れていた事態。このような取材者に対する強権発動は絶対に許されない」とツイートするなど、報道に携わる人々を中心に、反対の声が強い。
 「今では中国にすら移動の自由がある」とか、サクッと嘘をついてはいけない(私の情報ソースは知り合いの中共人民の一人、もちろん現役)。それにarterna の記事「岩上安身氏らが声明『自粛という名の翼賛体制に抗する』」。
ISILによる邦人人質殺害事件後、現政権の施策を批判することを自粛する動きを懸念し、ジャーナリストで市民グループ「国民投票/住民投票」情報室・事務局長を務める今井一氏は、「翼賛体制構築に抗する」という声明を発表した。この声明には、岩上安身氏、香山リカ氏、坂本龍一氏ら約1000人のジャーナリスト、表現者などが賛同している。9日に記者会見を開き、正式に発表する予定だ。(オルタナ副編集長=吉田広子)

「私たちは、『ISIL』と称する組織・集団による卑劣極まりない邦人人質惨殺事件を強く非難し、抗議するものである。また、この憎しみと暴力の連鎖の帰結として起きた事件が、さらなる憎しみや暴力の引き金となることを恐れている。同時に、事件発生以来、現政権の施策・行動を批判することを自粛する空気が国会議員、マスメディアから日本社会までをも支配しつつあることに、重大な危惧を憶えざるを得ない」(声明文(案)から)

 同声明では、自粛が広がることで、戦時と同じように「物言えぬ空気」がつくられることを危惧し、「表現の自由」を訴えている。 今井氏は、「テレビ番組のキャスター、コメンテーターをはじめ、作家、映画監督、俳優など、言論・表現に携わる人々すべてに、『誰が、どの党が政権を握っていようが、政権への批判や異議申し立てを自粛するようなことをしてはならない』」という考えから、今回の声明を発表するに至った。

記者会見は9日、参議院議員会館で行われる。
自由過ぎるよ皆。「翼賛体制」とか思考停止具合、ピントの外れ具合が酷いよね。

 ネット上の意見で笑っちゃったのは、「あれだけ『湯川さんや後藤さんを殺したのは安倍(首相)だ』って繰り返せば、そりゃシリアへの渡航を国が許す訳無いじゃないですか」と言うもの、ああいう人達は至極何時もの通りということですか。例えば安保闘争の敗因は私の目からみれば完全に「戦略の欠如」「勝つ気無し」、そういう近視眼的にわーわーを繰り返すだけという有様は半世紀経っても変わらないんだなぁ・・・と言うか、本当に目的があって、かつ戦略のある人間はこんなやり方を最初っから採らないということなんだろうね。

2015/02/08

/plog/ CHIPSPEECHのテスト!

 以前のエントリで触れた"CHIPSPEECH"を試そうと言う事で、何の迷いも無く映画「攻殻機動隊」のオープニング曲、"Making of Cyborg"を演らせてみた。まずはボーカロイドでは落とし所が難しいネタだ。

 "CHIPSPEECH"は理由は分からないけれど「ひらがなによる歌詞入力」にも対応しているので、1時間もかからずにヴォーカル?トラックは出来た。歌詞入力にはコンピュータ向け発音記号体系であるX-SAMPAも使えるが、マニュアルを読む限りは全ての発音をカバーしている訳では無さそうだ。少なくともドイツ語などのゲルマン系ヨーロッパ言語で特徴的な音は残念ながら使えない。

 バックトラックはソフトドラムマシン"SPARK2"と"CHIPSPEECH"で2時間程で組んでみたもの、今回はヴォーカルのメロディーともに鍵盤からリアルタイム入力したMIDIデータを編集というスタイルを採ったが、やっぱり私は演奏者としては並み以下どころか駄目駄目ですわ。

 吾(あ)が舞えば 麗(くわ)し女(め) 酔ひにけり~

お花畑ジャーナリスト vs 一部マスコミ vs 小学二年生

 実際のところは分からないので「自称」を付けさせていただくが、ISIL支配地域への渡航を計画していた某自称ジャーナリストのパスポートを国が取り上げたとの報道があった。報道によれば自称ジャーナリストは「表現・報道・取材などの自由を侵害された」と述べたと言う。

 某報道番組では朝日新聞の人間などが「日本国民の生命の保護と日本国民の様々な自由との間」に何か対立でもがあるかのようなに偉そうにしゃべっているが、これは笑止だ。

 では、小学二年生時の私のクラスメート、そして一人の先生に登場してもらおう。そこまでの経緯は省略するが、社会の時間にクラス内でちょっとした議論が起きた。
職業選択の自由があるなら、泥棒も職業ではないか。なぜ、職業とは認められないのか
所詮小学生だから議論は空回りする。偉いのは先生で、15分程の間は生徒の議論に一切口を挟まなかった。そんな中、クラスでもキレ者だった某友人の発言によって議論が動いた。
自由は無制限じゃない。何か制限がある筈だ
そこで先生が議論が始まって初めて口を開いた。
その制限とはどういうものか、皆で考えてみましょう
さらに議論は10分程続き、クラス内で大枠の認識は一致した。すなわち、
他人に迷惑をかける行為は、自由にやって良い行為には含まれない。自由は他人に迷惑をかけない限りにおいてのみ、保証される
 小学二年生の議論としては上等だったと思う。最後に再び先生が口を開いた。
少し難しいですが、「公共の福祉」という考え方があります。他者に迷惑をかけることは「公共の福祉」に反する行為と見做されます。ですから泥棒と言う行為は「公共の福祉」に反しているので、警察に捕まれば自由に街中を歩く事も食べたい物を食べる事も自由に便所に行く事もできなくなります。つまり日本国民であっても泥棒の自由は制限されることになるということですね。
職業というのは回り回って自分や他人を幸せにするものでなければなりません。他人を幸せにするという行為は「公共の福祉」に合致します。対して泥棒と言う行為は他人を不幸にするので、「公共の福祉」という考えからは職業と見做されないのです。
詳しくは中学生になってからまた勉強することになるでしょう。
 まさに目からウロコだった。それから約5年後、多少世の中の仕組みを分かり出した私の耳にこの先生がかつて左派学生運動の闘士だったという話が聞こえてきた。60年安保闘争などの学生運動にからむ本は既に読んでいたし、当時の左派思想も表層的には知っていたから意外な感じはしなかった。「警察に捕まれば云々」のくだりは、案外自分の経験を踏まえての発言だったのかもしれない。

 さて、自称ジャーナリストの「表現・報道・取材などの自由を侵害された」との発言が日本という法治国家においては自分勝手な言いがかりに過ぎないという点は、小学二年生時点の私ですら論破できる。後藤健二氏はその辺りの機微をかなり理解していた節があるので某自称ジャーナリストの∞倍マシな可能性が高い。「自己責任」という表現はかつて首相も務めた某「ワンフレーズ政治家」の一種の負の遺産なので余り好きではないのだが、極めて本質的であるが故に捨て難いのが実態だ。ここでの「自己責任」とは、「公共の福祉」からの逸脱、裏を返せば国が当人の自由を保証できなくなった状態を指す事と考えても良い。ただし実体は、当人も含めて誰も当人の生き死にに責任が持てないという、もう迷惑千判も甚だしい状態なのだが。

 「行使した自由の結果の責任をまだ自らが取れる余地がある状態」はまだ良い。責任から逃げ続ける先には究極的にはまさに「自己責任」しか残されないのだよ、某新聞さん。

 ISILに拘束されたり殺されたりするのは勝手だが、それなら「公共の福祉」に則って生活している日本人の税金を使う事態を招いたり、 「公共の福祉」に則って生活している日本人をISILに「敵」認定させたり、或いは 「公共の福祉」に則って生活している日本人が国際社会で肩身の狭い思いをする事態を招いたりする可能性を皆無としてから「あなたの言う自由とやら」を行使して頂きたい。要は、小学二年生でも分かり得る事を理解していない低レベルの頭の中がお花畑状態だから、あなたのパスポートは取り上げられ、 「公共の福祉」に則って生活している日本人なら謳歌できる自由の一部が停止されたに過ぎないということだ。「馬鹿」や「××」の一言で片づけないのはせめてもの慈悲である。

 テレ朝も酷いものである。未だにISILのプロパガンダ映像を挟んだ映像を平気で流している。カナダ、フランス、米国在住の知人によれば、それらの国のテレビ放送の状況からみると「ISILのプロパガンダ映像を一部とは言え公共の電波に乗せることは今や異常」ということである。これは非常に単純な話で、これらの行為が「公共の福祉」に反するとのコンセンサスが既にあり、かつ、そのような行為が「テロ支援」として規制、立件の対象となる法律も一部の国では既に存在するからである。世界標準、少なくとも欧米の標準に照らすならば、幾ら声高に「報道の自由」を叫ぼうとも「ISILのプロパガンダ映像」を放送するテレビ局は「公共の福祉」に反しているが故に「報道の自由」は制限されても仕方がない。それを直接規制、立件する法律が無い事を良い事にやりたい放題、とも見える点には注意しておいた方が良いと思う。

 「両論併記」とか戯言を抜かすなら、ヨルダン側の映像だって電波に乗せるべきだ。落ちてきた爆弾が女性整備士によって取り付けられていたり、メッセージが女性に記載されていたりした場合、その爆弾で死んだISILメンバーは天国に行けるのだろうか?彼らは女性に殺されたとは言えないか?映像に込められたメッセージは、「ムアーズ・アル-カサースベ中尉は殉教者である」を越えて実は更に強烈なものではないか?

 王立ヨルダン空軍 オペレーション・殉教者ムアーズ
 欧米の大部分やイスラム圏の行動原理は時に一般的な日本人ではついて行けないぐらい二分法的である。つまり、やる時は徹底的にやる。 現行の日本の政権はその機微が分かっていると見做されているから、対ISIL有志連合からの目に見える圧力は受けていないというのが願望も含んだ私個人の現状分析だ。別な言い方をすると、現行の日本の政権は有志連合が「やるぞ」と言えば自国内でもやる用意が既に出来ているか、有志連合へポジティブリスト(やって良い事のリスト)を提示済み、或いは提示時期が既に明確化されているということだ。

 あくまで思考実験だが、今後ISILの問題がより重大化した場合、究極的には「報道の自由」の一部が国際的な枠組みの中で制限される可能性もある。となれば、米空軍機や王立ヨルダン空軍機から投下された精密誘導爆弾が日本の報道機関を直撃する事は、「日本のそれも含む国際的な公共の福祉、利益」に照らしては正当となり得る。標的はテロ支援組織、或いは報復の対象に過ぎず、日本にも 「公共の福祉」に則って生活している日本人にもその組織を保護する責任も義務も無いからである。より厳密には、その組織が自らをそういう状態、すなわち「自己責任の状態」に置く事を選んだからである。これは「言論封殺」でも「言論統制」でも「正義や悪」でも無く、「公共の福祉に照らして保護すべき対象かどうか」という問題なのである。

 こういう事を書いたり言ったりすると、「じゃあ、アル・ジャジーラは?」とかピントの外れた事を言い出す人達がいる。アル・ジャジーラに何故人気があるのか、評価されているのかの一つのポイントは「不偏不党、公正・中立を掲げ、イスラムの教えの枠内でそれらを徹底している姿勢」にある。この姿勢を続ける限り、アル・ジャジーラは公共の福祉に照らしても報道機関であり続け、如何なる勢力からも殲滅対象とはなり得ないのである。

 繰り返す、これは小学二年生でも分かる事なのだ。

2015/02/07

帰って来た、一回は観とけ!

 不勉強で汗顔の至り、本作については何も知らなかった。

 ひょんなことからアニメ劇場版「鉄人28号 白昼の残月(2007)」を観る。もっと評価されて良い作品だと素直に思う。監督は今川泰宏氏。

 同氏監督のOVA「ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日」では一種独特のケレン味が多少鼻についたが、本作ではそれが作品全体を上手く引き締める味になっていると感じた。同時に、氏のケレン味は実は当人の映画鑑賞歴も関係していて、かつかなりの数の映画を観てきたのではないか、とも思った。

 ここで言うケレン味とは、「見せ方を工夫することで、一切の余分な説明を排して何かを観客に理解させる」演出法を指す。例えば、特撮ヒーローが必殺技を決めるシーンを「物理法則とか科学的説明とかは一切すっ飛ばして、なんか凄そうに見える『画』」で演出するといった具合の話だ。 一時期流行った「トンデモ本」の内容は、概してこの種のケレン味あふれた演出内容を「荒唐無稽と問答無用に捉えた上で、演出を優先してすっ飛ばした、或いは誤魔化した内容」を白日の下にさらしたものと言って良い様に思う。「いい大人」が「納得づく」でやったことを「いい大人」が「納得づく」でいじるという、構造自体は面白いが中身には当然ながら意味がない。

 が、ケレン味あふれる演出が常にトンデモかと言うと当然そうではない。ここでの「ケレン味あふれる演出」の一つの効能は、「一瞬で視聴者に作り手側が伝えたいことを理解させる」ことにある。映画というのは、実質1時間半~2時間で物語の最初から終わりまでを最低限語らなければならないし、その時間内で視聴者をドキドキさせたり感動させたりと大変だ。となれば、ここぞと言うところで「一瞬で視聴者に何かを理解してもらい、それまでの映画の展開で心に積った疑問など一切のもやもやしたものを解消する」という大技を決めることができれば、映画全体が締まったものとできる。

 本作では物語の転換点に複数の小さなケレンを仕込み、謎解きのそのまさに直前に最大のケレンを仕掛け、そのケレンを生かしつつ物語を終焉に導く。映画の最初と最後は途中のケレンを一切排しても理解できる。作品が語る物語は、映画の最初と最後の間に挟まれた「一人の少年の成長のための通過儀礼」とでも位置づけられる内容だ。本作におけるケレンの数々はすべて映画、作品自体に奉仕している。娯楽作品で有る以上様々な要素を盛り込まなければならないが、上映時間には制限がある。故に「多くて3カット、セリフ多くて3つ、音楽一曲」で具体化した「画」で視聴者を納得させるケレンは、上映時間と娯楽要素と物語を全て過不足無く成立させるための技術、ひとつの武器なのである。今川氏の映画鑑賞歴が気になったのは、このような映画製作における一種のツボみたいなものが本作にはある、と感じたからであろう。映画の教科書は映画なのだ。

 最初の楽曲が流れ出してから10秒程度で確信した通り、音楽のクレジットは伊福部昭氏であった。ただし新作ではなく、氏の既存の作品からチョイスしてきたものの様だ。 ゴジラ映画などの関係もあって伊福部氏の楽曲は勇壮なものの方が良く知られているが、陰鬱ではないもののメランコリックな曲調の楽曲も多い。本作では特に後者にあたる楽曲のチョイスにまず唸らされるとともに、弦の音の処理、或いは録音方法に明確に意図的なものを感じた。そもそもヴァイオリンなどの弦楽器は弓の凹凸で弦を弾いているので、弦からの音はノイズとして弾かれた瞬間の音を含み、かつそれに続く弦振動由来の音よりも大きな音となることがある。本作の楽曲での弦楽器の音では件のノイズが明らかに抑えられており、「微かに聞こえる弦の音」が実現されている。ノイズを含む音では、ノイズレベルに合わせて弦の音の音量を下げるとノイズしか聞こえなくなってしまう。「微かに聞こえる弦の音」が実現は、使用した伊福部氏の楽曲の魅力を引き出すことはあっても損ねるものではない。正直、OSTが欲しくなった。

 鉄人28号自体をある程度は知っているなら絶対お勧め、極めて映画的な一本だ。

インターネットによる知恵?の拡散

 知恵、と言うかネタの拡散でも良い。インターネットを介しての情報収集と咀嚼はいわば他者の視点の獲得という側面を持ち、多様性においては既存マスコミは足元にも及ばない。
I'm Kenji, not Abe.
既存マスコミを介せば、この表現には
私は(後藤)健二だ、安倍(総理)ではない
以外の意味付けが与えられることは無いだろうし、至極当たり前の解釈だろう。ただし、何故安倍総理の名前がこのコンテクスト(文脈、経緯)で出てくるのかは私には全く理解できない。誰がとは言わないが、おそらく良くて馬鹿、悪くて大馬鹿或いは大馬鹿未満のアレなのだろう。 

 さて、ネットをうろついていて久しぶりに唸ったのが、上記の表現の別視点からの解釈だ。「当たり前を当たり前としないこと」が出来る人間の存在は、まさに生きていく上での刺激源の存在と言える。
私は健二だ、アブラハム(エイブラハム)ではない
繰り返すが、この解釈には思わず唸った。Abeはアブラハム(Abraham)の通称として一般的なものなのだ。

 アブラハム中のアブラハムと言えば、「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教を信じるいわゆる聖典の民の始祖、最初の預言者」、「信仰の父」と呼ばれるあのアブラハムしかいない。上記の表現は、現行の日本の政権や後藤氏について知識のない人には、「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の否定」と解釈されても全く驚かない。

 いやはや、なんとも恐ろしい事で。なお湯川氏、後藤氏の事案に対しては個人的に
Abe is right.
"You are wrong."という英語表現の意味のどぎつさを思えば、これはかなり強い表現だ。「アベが正しい」と言った日本語訳は明らかに間違いで、「アベがいてくれて良かった、アベで良かった、アベはアベで良い」という方がニュアンスとしては近い。日本語における「君は間違っている」は「君の理解、考えなどは間違っている」とのニュアンスだが、英語においては相手の全否定となる。

 もちろん、「アベは右翼」なんて日本語訳は論理的に完全にあり得ない、あり得ないよ。

2015/02/05

Megpoid Whisper、「Dear Radio」のカバー

 ある意味懸案事項だった「Dear Radio」(作曲:佐野電磁さん、作詞:Yuraさん)のカバー。歌詞が空耳だとかはさておいても、曲中に「セリフ」という大鬼門がある。

 経験者は直ぐ分かると思うけど、Vocaloidに「しゃべらせる」のはとっても敷居が高い。試行錯誤を前提とする以上、専用エディターだけでそれっぽく編集することは言語道断なまでに効率が悪い。今回はCubase Pro8のVariAudio機能を使ってオーディオデータを直接編集(非破壊編集)、かなりピッチ(音程)やタイミングをいじったものだ。

 歌も含めて出来はもう一息、でも老い先短い身としては、100点から幾ら遠かろうとも合格点以上ならリリースせざるを得ないのが実態だ。頭はもう別の楽曲のためのアイディアでいっぱいだしね。

2015/02/04

テンプレ乙!

 最近とみに目つきが悪くなったなぁ・・・と思っていたら案の上、TV出演時の目つきが上手くないカットがネットで拡散中の青木某氏ですが、日刊ゲンダイの対談記事「二木啓孝の一服一話 排他と不寛容が広がっていく嫌な世の中」でやはり案の上の発言。
二木 なぜ、ネット社会でヘイトが目立つのでしょうか。

青木 (戦後の復興と高度成長で)アジアで群を抜いた先進国になっていた日本ですが、今では韓国にほぼ並ばれ、中国にはGDPで追い抜かれた。そういった国際情勢の中で国民に余裕がなくなっている。さらに新自由主義社会の中で格差が拡大し、持ってない人が虐げられている人を叩いて留飲を下げる。そういうことが複合的に出ていると思います。ネットはそうした言動が最も出やすいところですね。 
二木 僕は団塊の世代だけど、かつては格差や矛盾があったら、怒りの矛先は上に向かったものです。ところが、小泉政権以降かな、弱者を踏みつけるようになった。

青木 ウンベルト・エーコ(イタリアの作家・哲学者)が指摘しているように、排他と不寛容は、どこの時代、どこの国にもある。それ自体は珍しいことではないですが、日本は確かに弱者に向かっている。やはり、周辺国に対して余裕がなくなったからでしょう。
テンプレ乙、当人達の余裕の無さが偲ばれます。それにあんな引用の仕方はウンベルト・エーコに土下座して謝罪すべき低レベルかと思いますね、とにかく低レベル。

 「排他と不寛容は、どこの時代、どこの国にもある」という表現は一般論を述べているだけで、エーコの名前を引くまでも無い。「小説『薔薇の名前』の舞台が何故修道院なのか」、エーコの著作から読み取れる彼の思想の前提、或いは彼の持っていた問題意識を鑑みればそうそう外すことはないだろう。このような発言、或いは書き方はエーコの名前を使って一般論、或いは自分の単なる主張を権威づけようとするような愚劣さの表れにしか見えない。そもそもエーコをちゃんと読んでいるのか、とも勘繰りたくなる、背景、文脈、前提が全く違うでしょうに。(インターネットに関するインタビューを読むだけでそれは分かろうもの、WIRED日本語版のインタビュー紹介記事はこちら。)

 表層的な理解で切り返せば、例えば土居健郎著 『「甘え」の構造』における「日本人の甘え」で私は「ネット上のヘイト(藁」を捉えますね。当然、ルース・ベネディクト著『菊と刀』も外せません。日本人のバランス感覚はある意味絶妙で、自らが社会的に甘え、依存することの代償として、他者の甘えにも寛容である傾向がある。ただし、他者に対するそれはあくまでバランス、総体的なものであって、ある一線(シン・レッド・ライン)を越えると突如として許容されなくなる。要は「他者のやり過ぎ」は「堪忍袋の緒が切れる」状態を引き起こすということで、実のところそれはネットに限らない。

 件の様に適切な論展開もないまま「ヘイト(藁」と断言するする様は「レッテル貼り」、「思考停止」にしか見えないことに同様の言動を繰り返す人々は早く気がつかなきゃなんないと思います。本来あるべき姿のタグ付けがウェブ上で可能となり検索性が1ランク向上すれば、複製、拡散が容易な電子データ上での不用意な発言は命取りになるでしょうね、「あ、あの発言の人ね」でおしまい。他者の視点(視線ではない)獲得とも言える「察し」が無ければ「甘えに根ざした日本人社会」からは排除されざるを得ません。それは「察しの欠如自体」が「文化的に日本人とは言えない」とほぼ等価だからです。団塊世代に関する言及も笑止、彼らは「上に刃向かう俺カッコイイ!」と「上に刃向かう俺カッコイイ!とか馬鹿らしい、そういう奴らは何も見えてない」の2グループで大部分が形成されていますよ。大事なのは勝ったかどうか、「刃向かったけど負けた」なら「負けた」と明言するか、さもなくば何も語らない方がよっぽど潔いと思いますがね。時代と寝て騒いだだけなら尚更です。私の父に至っては「あいつらは何も見えてなかったね、まぁ、おかげで(大学の寮の)寮費を1年払わずに済んだよ」と、全くにべもない。

 韓国社会にも甘えはあると言われますが、「察し」に相当する感性や「やり過ぎないというバランス感覚」とは無縁の様です。 「やり過ぎた」、或いは「やる事にセンスがない、面白くもなんともない」のは「察し」の欠如以外の何物でも無いというのが日本社会、特に後者に対してはとてつもなく辛い、のが日本人と言えます。対談ではサザンのお最近の事案を取り上げていますが、私の仲間内では「サザンは面白くない、センスがない」は1980年代からのお約束、別にあらためて叩くような話じゃありません(サザンに価値を見出さない人間に対するサザンファンの「苛烈なまでの不寛容さ」は30年来の謎だ)。更に言えば、広い意味での中国人、中共政府、広い意味での韓国人、韓国政府はきっちり分けられるのが日本人。韓国社会流の甘えは「一線を越えたが故」にもはやそれを「察した」日本人は無視しかしないでしょう。

 「とにかくテンプレ乙、お前の言ってる事は意味が分からん。」、大抵の日本人はそうじゃありませんか?

2015/02/03

奥さん、論文査読お願いします : 自分の場合

 投稿していた論文の査読結果が帰って来た。ざっくり「面白いけど良く分からない」というのが総論だ。

 要改善点の指摘はおおむね妥当だが、ほぼ50年にわたって説明が放棄され続けてきたところをあなたが説明せよ、と言う類のコメントは正直酷だ。一から始めるとそこだけで1本別の論文が書けてしまう、何と言っても大学ノート4冊分の式導出を踏まえた内容だからだ。どうコンパクトに纏めるかに現在頭を悩ませている。

 ちなみに「50年にわたって放置」の原因の一つは新しい代替技術の開発が進んだためだが、結局のところ、この代替技術も行き詰って久しい。古い技術と代替技術は実は相補的で、分かっている人が読めば代替技術の放置されている欠点、つまり行き詰りの原因、の一部が実にシンプルに解決できることが分かる筈だ。「何が保存されるか」が肝と言え、私の目指すところは(論文の内容とは裏腹に)代替技術の行き詰まり打破にある。

 これは!という論文の醍醐味は「私だけが分かっている」という点にある・・・と信じて気落ちせずに対応しましょう。

2015/02/02

チップチューン好きなら是非チェック

 チップチューンをざっくり説明すれば、ファミコン風といったローファイな音色、フォーマットを使った楽曲のこと。ここでフォーマットと言うのは、例えばゲーム機の「限られた同時発声数が少ない」故に生まれた編曲技法なんかが挙げられる。ただ音色をチープにすれば良いという訳ではないところがミソだ。日本だとソフト音源からビジュアルまで手掛けているユニット、YMCKがとっつき易さ(ポップさ)も含めて代表格なチップチューンアーティストなんじゃないかと思う。
 1980年代にMacintoshなどを使っていた人は分かると思うけど、コンピュータの「テキスト読み上げ」には当時はちょっと驚いたものだ。如何にも機械って感じの「しゃべり」は味と言うか癖があって、Youtubeなどであらためて聞くとローファイ感が半端無い。やっぱりと言うか、CHIPSPEECHという昔のコンピュータなどのテキスト読み上げ機能を再現したようなソフト音源がリリースされている。

 CHIPSPEECH自体もなかなか出来が良さそうなのだが、嬉しい事にCHIPSPEECHを使ったコンピレーションアルバム、"chipspeech AUTOMATE SONGS .01"がフリーダウンロード可能となっている。チップチューン好き、或いは興味を持った向きは是非チェックしてみよう。

2015/02/01

ISIS(ISIL)は正当なカリフ国家なのか、是非そこから始めないか。

お前たち愚かな有志連合は、われわれがアラーのご加護により、権威と力のあるイスラム教カリフ国家であり、お前たちの血を欲しがっている軍であることを理解できていない。
 安倍、勝ち目のない戦争に参加するというお前の無謀な決断のために、このナイフは後藤を殺すだけでなくお前の国民がどこにいようとも虐殺をもたらすだろう。日本の悪夢を今始めよう。
ISIS(ISIL)の日本へのメッセージとされる声明の時事通信社による翻訳文だ。個人的には突っ込みどころ満載で、客観性の乏しい主張を前提に後段の内容を正当化している様にしか読めない。突っ込むべきところを突っ込んでおかないと今後に禍根を残すし、ISIS(ISIL)側の仕掛けているプロパガンダ戦で守勢一方となる。

 本声明に代表されるISIS(ISIL)のプロパガンダの対象は、むしろISIS(ISIL)内部及び将来の構成員にある。「(ISISが)アラーのご加護により、権威と力のあるイスラム教カリフ国家」であるかどうか、この点についてはイスラム法学者も含めた議論を早急に進め、国際的なコンセンサスを確立、共有を進める必要がある。すくなくともISIS(ISIL)が「イスラム法に照らしてイスラム教カリフ国家と言えるか」、「イスラム法に照らしてISIS(ISIL)のカリフとされる人物が正統と言えるか」という点については、特に早急にコンセンサスを確立する必要がある。概して異端は異教よりも憎いものであり、異端とされることによる前提の破綻はISIS(ISIL)にとっては致命的と言える。

 TVに出演する「イスラム専門家」すら概してこの前提に触れない理由は理解する(イスラム教が主流の国家、地方をうっかりすると敵/味方の二分法で捉えることになるリスクがある)が、既存の一神教とは概して無縁な日本が「本件を契機に、ISIS(ISIL)の声明の最も基本的な点についてあらためて真面目に考えてみた」は可能であり、これは日本社会が持つアドバンテージ、一種のフリーハンドである筈である。声高に叫ぶのでなく、実を取るべく一貫性を持って狡猾に振る舞うべきである。本当の怒りと言うものは、不容易に他者には見せなくて良い。