2021/08/03

八面玲瓏(はちめんれいろう)

 出身高校の校歌の歌詞にあった言葉だが、意味を完全に誤解していたことをついさっき知った。ま、そんな元岳南健児もここにいるからよっ、てな。

2021/08/02

トクド

  朝鮮語では「ドクト」との単語発音は有り得ないことに急に気づいて、独島のハングル表記を調べてみると「독도」だった。単独で発音される場合は「トクド」、「ドクト」も「トクト」も有り得ない。「トッド」とか「トックド」っぽいかもしれない。Googleさんに発音してもらおう

 単語頭では音は濁らない、つまり1文字目の「도」部の発音は「ト(に近い音)」しかない。ところが単語中では「도」は濁る、つまり「ド(に近い音)」になる。ローマ字表記が「Dokdo」なので間違いない。「T」ではなく「D」を使うのは、単語内の位置によって濁ったり濁らなかったりするためだ。朝鮮語には日本語の感覚だと「T」に相当する音があと2種あり、これらは絶対濁らない(発音法の関係で濁らせることができない)。ローマ字表記が「Busan」でも、発音が「ブサン」ではなく「プサン」となるのも同じ理由だ。なお厳密には日本語と朝鮮語の濁音は発音法が違うので、あくまで各言語で用いる近い音での話であることは断っておく。

 日本人だと「トクト」と聞こえる人や、違うのは分かるけど「ド」か「ト」か確信を持って聞き分けられない人もいるだろうと思う。ちなみに中国の普通話(標準語)の濁音は朝鮮語のそれらと基本的に同じ、英語の濁音は日本語のそれらと基本的に同じ、サンスクリット語では中国で使われる濁音も英語で使われる濁音も別の音として使う・・・らしい。

 なんで今まで気づかなかったのかなぁ・・・

ライティングの肝は影

 PCを用いた3DCGI歴は何気に長い。最初のパッケージアプリを使い始めたのはCPUがIntel i286(16bit CPUだ)のころで、i386ネイティブレンダラー(要は32bit専用レイトレーシングレンダラー、使えるメモリが大きくなり、かつ高速)なんてものが後から別売りされたりするようなタイミングだった。モデリングは用意されたプリミティブ(球体などの基本的な三次元形状)を配置、変形、回転させるだけで、表面属性はプリミティブ単位でしか指定できなかった。大学で開発、無料配布されたMODEなんかがそうだ。

 加えてPC本体の表示可能色が4096色中16色(NEC系のデジタル16色)だったので、24bitカラー(当時言うところのトゥルーカラー)だったレンダリング結果をちゃんと見るには追加のハードウェアが必要だった。私の場合は、300×200ドットの24bit表示が可能なフレームバッファを拡張バスに追加していた、当時にして10万円也。

 プリミティブベースではモデリングの自由度の限界に直ぐ至るが、連続的かつ代数的に物体表面特定位置の傾斜が得られるため、代数的に厳密なレイトレーシング計算が可能だ。要は基本原理従った例外のほぼ無いアルゴリズムで、相対的に低い計算負荷と高精度を両立したレイトレーシングが可能となる。代表的な例外は物体の角部だろう。そのような位置では物体表面の勾配及び勾配の一次微分が定義できないから、特別扱いは必至だ。同じ理屈で光源設定の自由度も高く、厳密な点、線、面、スポットが利用可能だった。初期のポリゴンレンダラーの線、面光源が点光源の集合体であることがあったこととは対照的だ。

 やっと本題なのだが、その時点で3DCGIのライティングの肝は影のコントロールだとあっさり悟った。ここでの「肝」の意味は、ほぼ「リアリティの付与或いはリアリティの強化」と同義だ。「光あるところに影あり」とは良く言ったものだが、光源の種類の判別は光が当たっている部分よりその光の影のエッジ部を見た方が良く分かる。光が強く当たっている部分はそれっぽくても、影が「本来あるべき光源にふさわしくないもの」になっているとリアリティは一瞬で失われる。特にあるべき影が無い場合は、3DCGIで画を作ることに疑問すら感じる。早くて安く画ができるといった経済的な理由はもちろん分かった上での話である。

 影に関する考え方は当然モデリングにも反映される。レンダリング時に影を落とす必要のない構造物はモデリングせず、バンプマッピングなどで処理することになる。構造物をモデリングするか否かの判断基準は影が全てで、大小などは全く考慮しない。 

 さて、

つい先ほど、たまたまYouTubeで"OBSOLETE"を摘まみ観した。影は基本的に計算されていないし、銃器のフラッシュも点光源で処理している。厳密な点光源はこの世に存在しない点は軽んずべきではない。結果、光と影のリアリティが皆無に近い画作りになっている。個人的には魅力を感じない類のもので、むしろ手描き画で見せろと声を挙げそうになてしまう。3DCGIで、レイトレーシングは点光源を使った最小限のもの・・・安くて早いのだろうが、出来上がったものに何かが宿るということはなさそうだ。

 影が肝と信じる以上、逆の手に出る場合もある。特定の目的の下、他の表現に役割を果させることで影を最小限にする場合がそうだ。アニメ「超時空要塞マクロス」に登場するメカVF-1Aの3DCG動画をかれこれ10年程前にYouTubeに上げているが、これがそうだ。この動画はモデルのショーリール、つまりモデルの形状的な出来具合をアピールするためのものなので、画はモデル全体及び部品の形状や位置関係が分かり易いものであるべきだ。

 ここではラインレンダーを使ってモデルの輪郭や鋭角部を黒線で表示することで、影に頼らずモデル形状が把握できる画作りを目指した。ライティングは上からの白の平行光と白の環境光だけだ。前者は夏の真昼の太陽光をイメージしてもらえればよく、輪郭がはっきりした濃淡分布の無い影を生む。後者は特殊な光で、物体表面をむら無く均一に照らす。従って光の向きはどこでも物体表面に垂直であり、影は落ちない。並行光だけだと機体下面や内部構造物は完全に真っ黒な影に入って見えなくなってしまうが、環境光を使うことで影の内部でも輪郭線などが常に確認できる画となる。

 手描きアニメっぽい画となるラインレンダーを使っているためセルシェーダー(セル塗りシミュレーターの一種)も使っていると勘違いしている視聴者が国内外ともに少なくないが、画作りの意図からは不要なので当然使っていない。セルアニメ風の画作りなら別の考え方に基づいた手法の方が効率が良い(=安い早い)が、そんなことを3DCGIで何故やるのか?できるからやる、に未だ価値があったのはかれこれ25年ぐらい前の話だ。アマチュア補正も+10年が限界だ。

 なお"OBSOLETE"の画は、基本的に環境光だけ使った場合のそれに極めて近い。環境光はね、早くて安いのよ。

2021/08/01

ソ連/ロシア映画 "The Dawns Here Are Quiet(А зори здесь тихие…)"

 ソ連/ロシア映画にたまにある、こういうウェットと言うか、センチメンタルな作りは日本人にも受け容れやすいのではないかと思う。この土日はネットで同じタイトルの作品のリメイク映画(日本語字幕)、リメイクTVシリーズ版(英語字幕)、そしてオリジナル映画かそれに基づくTVシリーズ(英語字幕版)を観た。やっぱり映画はスクリーンで観るかどうかに拘らず、機会を作ってでも観続けなきゃいかんなぁ。なお、原作小説を始め、この作品はソ連/ロシアでは根強い人気があるらしい。

 作品のタイトルはエントリタイトル記載の通り、"The Dawns Here Are Quiet(А зори здесь тихие…)"で、独ソ戦開戦初期のお話だ。一言で言えば戦争映画である。

 主人公は激戦地に挟まれたとある村に駐屯する対空砲撃部隊の男性指揮官(曹長)だ。ただし主人公は「村に配属されている状態」で、部隊が入れ替わっても彼が常に指揮官になる。村は沼沢地も含む起伏の激しい自然環境に囲まれているため戦場とはなっていないが、上記のように激戦地の間故にドイツ軍機がたまに通過する。このため対空砲が配備されている訳だ。だが裏を返すとこの地域は、後方かく乱などを狙った小部隊にとっては戦線の途中にぽっかりと開いている格好の侵入路だ。

 物語冒頭での主人公の悩みは戦争中としては牧歌的とも言えるものだ。ヒマがちな対空砲撃部隊の兵士たちは酒を飲んでは村人らとトラブルを頻繁に起こすのだ。ついに「酒を飲まない兵士の部隊」の配属を求めた主人公に対する上官の答えは、「女性兵士のみで構成された対空砲撃部隊」の配属だった。そして、そんな女性兵士の一人が村の近くで二人のドイツ兵を目撃したことから物語が本格的に動き出す。舞台が「沼沢地も含む起伏の激しい自然環境」であることがドラマの展開においても十二分に生かされている辺りは心憎いまでにそつがない。

 最初に観たのはGYAO!で無料配信されているリメイク映画版(日本語字幕、2015年)で、タイトルは「レッド・リーコン1942 ナチス侵攻阻止作戦」(2021/8/20まで)だ。「観たい!」と思う人がいたなら、これを勧める。2時間近い作品で、展開はゆっくりしているが、個人的にはダレることなく一気に観れた。「15+」とレーティング付きだが、これは女性兵士の入浴(サウナ)や川での水浴びシーンがあるためだろう。

 YouTubeには、上記映画の撮影フィルムに基づくTVシリーズ(全4エピソード、第1エピソード)が製作会社の公式チャンネルで公開されている。各エピソードが45分弱なので尺は映画の1.5倍あるが、ストーリーは同じものだ。追加の尺は、過去エピソードなどによる登場人物の造形の掘り下げや登場人物の関係性の強化を中心に使われている。映画版ではセリフだけで処理したり描写がそっけなかったりで分かりにくい部分に上手く手が入っている。映画とTVとの視聴環境の違い、視聴者のコンテントへの集中具合の差の観点からは、定番中の定番の処理とは言える。また、連続モノには必須のクリフハンガー(エピソードのラストで主人公大ピンチ!)のための進行調整にも使われているだろう。字幕は英語、ロシア語のみだが、CC機能を使っているのでユルユルで良ければ自動翻訳の日本語も選べる。

 最後はオリジナル映画版かそれに基づくTVシリーズ(1972年)で、英語字幕版をYouTubeで観ることができた。権利関係が?なのでリンクは控える。モノクロ主体でカラーが限定的に使われていることが一つの特長だが、良くも悪くも演出レベルでの使い分けであろう。カラーの発色具合を見てもしやと思ったが、やはり映画「惑星ソラリス」と同年の作品だった。

2021/07/28

最悪(かもしれない)に備えよ(、ですか):アフターサービス

 5/13のエントリで記した予測結果(予想結果ではない)は当たらずと言えども遠からず。約2週間悲観的だったか。

 不幸中の幸いは今でもデルタ株が最も厄介な変異である点で、対応とその結果が時間遅れ含めてかなり正確に予測可能であることと、ワクチン効果がほぼ期待通り見られること。ゲームチェンジは無い。とは言え、オリンピック終了後にマスコミがまた手のひらクルーするかどうかも影響因子としか思えないのには頭が痛い。

 クルーして与党批判に使うか、パラリンピックにも配慮してクルーしないか、個人的には割と見どころではないかと思っている。オリンピック向け手のひらクルーとほぼ同時期にネット上の言説にも動きがあったが、その動きの内容からは少なくともパラの段階では再クルーは無いかも知れないと思わせるものがある。ただし、スポンサーの意図は不明だ。

 国内大手企業に多いシナリオは9月いっぱいでの流行収束だが、現在の流れはそのシナリオを台無しにする方向だ。職域接種にはそのような切実な背景を見る。これまでのマスコミの振る舞いに正直うんざりしている企業は少なくないだろうと思う。多くのマスコミは気づいていないのか意図してかは不明だが、マスコミの張ってきたキャンペーンは多くの企業の新型コロナ対策活動を、よりにもよって虚偽や印象操作での邪魔してきている。新型コロナウィルスはその蔓延の終焉後にマスコミの一部を殺しにかかってくるかもしれない。

2021/07/25

USBメモリ運用にこだわって、Linux MintをXPS 8700で使う

 先のエントリに記載の通り、セカンダリPCとなった私のDell XPS 8700は短期のうちに何度も何度もWindows10をクリーンインストールされるという憂き目にあった。が、それと並行してLinuxの導入も試みられていた。そもそもサーバー用途での運用が目的だから、OSには堅牢性、特に原因不明の(嘘、アパート内に迷惑なパケットをばらまく連中がいる)変な通信負荷を喰らっても落ちない強さが求められる。この視点からは、何れかのLinuxディストリビューション(安定版とされるもの)の導入の検討は自然と言える。ただし現行のサーバー運用はあくまで短期的なものなので、いつでもWindows10運用に戻れる状態をPCとしては維持しておきたい。

 なお、約20年程前にはRedhat Linuxベース、自作PCで数値計算用のベオウルフ型PCクラスター(6台構成)を職場で一人で組んだ経験もあるので、私自身のLinux歴自体はわりと長い。

 と言う訳で、Linux Mint MateをUSBメモリベースで運用できないか色々試してみた。Linux Mintを選んだ理由は特に無いが、パステルグリーンは好きな色だ。まぁ数値計算に使う訳ではないので、個人使用での評判が良い印象のubuntu系が良いかなとはちょっと思っていた。具体的な理由は省略するが、”ベクトル化&MPI並列”ガチ派(地球シミュレータ全盛期に数値計算高速化を経験的に学んだ世代に多い)の生き残りなので、数値計算用ならCentOS一択だったろう(少なくとも3年前までの知識に基づけば。今はどうなんかね)。

 さて、USBメモリベースと一言で言っても、具体的な運用形態として少なくとも以下の3つの方法がある。

  1. ライブUSBメモリとして使う(本来はインストールメディアなのだが、これからブートしてデスクトップ環境まで使える)
  2. 書き込み可能なライブUSBメモリとして使う
  3. USBメモリにインストールする

 1.のライブUSBを使う方法の利点は動作の軽さだ。Linux Mint MateのライブUSB運用でのキビキビした動作は心底衝撃的だった。また後述するように、読み取り速度がそれなりならばUSBメモリの性能を選ばないのも一つの利点だ。USBメモリからの起動となるので別ドライブにインストール済のWindows10にもEFIシステム領域にも触らないし、別PCに刺しても使える。欠点は作成したデータや変更した設定が残せないことだ。直近のサーバー運用ではウェブブラウザと1つのアドオン、加えて1つのシェルスクリプトを使うだけなので、実のところブート後の10分もあれば必要な環境は構築できる。一旦稼働すれば数週間そのままと考えれば大した手間でもないのだが、それでもそこをなんとか・・・と言うところが人間やね。

 3.はUSBメモリ自体をインストール先ドライブとして使い、既に別ドライブにインストール済のWindows10とデュアルブートできるようにする手だ。EFIシステム領域にはLinuxのブートローダー(Linux Mintではubuntuのブートローダー)が追加される。変更した設定や作成したデータは残るが、USBメモリを別のPCに指せばそのまま動く、と言う訳には当然いかない。またオチを書いてしまうと、パッケージを追加していくにつれて急激に動きがもっさりし始める。これはUSBメモリのランダム書き込み速度の影響が大きい様に思われる。別PCに刺しても動かせない、動作は重いとなると、USBメモリへインストールする旨味は実質的に無くなってしまう。要はHDDなりSSDなりにインストールしろと言うことだ。

 で、結局2.を主案として、具体的な使い方を色々試すことにした。2.の方法の利点は1.の方法の利点に加えて、作成したデータや変更した設定が残せることである。他方パッケージの追加などは、3.の方法と同様に動作を重くする要因となる。だから、「色々試す」とは、動作を遅くすることなくどこまでパッケージが追加できるか、を探ることに等しいのが実態だった。ここでメディアの作成やフォーマットには、rufus Ver.3.7を使った。

 最終結果から書くと、OS付属のウェブブラウザFirefoxにアドオンを1つ入れ、vimのパッケージをインストールして運用開始とし、それ以外は日本語環境パッケージすら入れなかった。まぁ良いんですよここまでで、現時点での利用に関してはね。とにかくキビキビ動作するところがミソで、常に開いているウィンドウはシステムモニタ、ブラウザ×2、ターミナル×1だけだ。いじった設定もファイアウォール、キーボードマッピング、電源管理(スリープ機能のオフ)、フォントサイズ(老眼対応)ぐらいだ。

 とは言え、おそらく日本語環境パッケージの導入までは、キビキビ動作をスポイルしないものと考えている。ただし、書き込み速度が高いUSBメモリを使うことが前提っぽい。実は日本語環境パッケージの導入は3つのUSBメモリで試していて、キビキビを維持できたものと、耐えられないレベルでもっさりしたものがあった。あと例外なくもっさりを引き起こしたのは、Chromeリモートデスクトップの導入だ。セカンダリPCには専用モニタが無いのでリモートデスクトップが使えると運用が便利なのだが、パッケージ導入後は起動からデスクトップ表示までは早いものの、それ以降はうんともすんとも言わなくなってしまった。

 なお、私の使ったLinux Mint Mateでは「アイドル10分で画面スリープ」がGUIからは解除できなかったので、ネット上の情報に従ってxsetコマンドでこれを解除した。全くもって先人の知恵は有難い。このエントリを書いている時点で既に4日間連続稼働しており、地味で退屈なタスクを10秒単位でこなし続けている。

 最後に検討時に用いた3本のUSBメモリの性能(CristalDiskMark測定結果)と使用感について簡単に触れておく。

 1本目は容量32GB、USB3.1対応だが、ライブUSB以外では使い物にならなかった。理由はおそらく書き込みの遅さで、特にランダム書き込みの低速ぶりが致命的のようだ。下に示すCristalDiskMark測定結果の図中右下の数値がランダム書き込み速度だが、0.00MB/sって何ですか?このUSBメモリにはインストールも試みたが、ファイルのコピー(書き込み)が余りに遅いため、インストール開始から完了まで20時間程を要した。就寝前に開始したファイルのコピーが、起床時には未だ終わっていなかったのには正直驚かされた。繰り返すが、ライブUSBとしては全く問題を感じることは無く、動作は常にキビキビしていた。また同製品はWindows10の回復ツールを格納してクリーンインストールの際に何度も使っており、そちらでも特に問題や不満を感じたことは無かった。最初にisoイメージファイルをシーケンシャルで書き込み、基本読み出しでしか使わないから、ランダム書き込みが悪さする状況が無いんだわな。

 2本目は容量16GBでUSB3.1対応で、インストール先にしてもインストール作業自体は2時間もあれば終わった。1本目との最大の違いはランダム書き込みが数百倍速いことだ。書き込み可能なライブUSBとしても速度的に使えるレベルだが、容量が小さめなのは微妙に問題。書き込み可能領域として8GBは確保できるので日本語環境のインストール(4GB程度必要)もできて2.の使い方でも容量は十分とする向きもあるが、作業内容によってはtmp下に8GBは欲しい場合もある。私の場合はtmp下に16GB欲しかったので、より容量の大きい3本目を使うこととした。

 3本目は容量128GB、USB3.2対応で、書き込み可能なライブUSBとしては容量的にはオーバースペックかと思う。右上のシーケンシャル書き込みが3本の中で圧倒的に速いが、その差を実感したことは無い。2.の使い方では書き込み可能領域に64GB割り当てたが、tmp下の容量は要求ギリギリの16.7GBだった。まぁ不要ファイルの削除をシェルスクリプトで徹底的に処理するようにしたので、問題無いでしょ。3.の使い方のインストール先としても使ってみたが、Chromeリモートデスクトップの導入後は重いどころの騒ぎではなく使い物にならなかった。LinuxのUSBメモリでの運用では、ランダム書き込みの速度がOSの動作速度に明らかに影響するように見えるが、同レベルの別要素も有るようでイマイチすっきりしない。まぁ、書き込むばかり、読み込むばかりなんて状況は実用上はまず発生しないからねぇ・・・

2021/07/19

Dell XPS 8700の受難

 余りに馬鹿々々しい経験をしたのでメモっとく。他人にとっては面白くも無いし、まず役にもたたないだろう。

 昨年9月にほぼ6年ぶりに新規PCを購入し、従来のメインPCだったDell XPS 8700はセカンダリPC扱いとなった。手間はかかるが金はかからない正規の手続きに従いとっとと処分する予定だったが、緊急かつかなり非生産的な理由により24時間稼働のサーバーとなった。ある時はデータサーバー、またある時はネット帯域監視サーバーと用途を変えつつ、今後も暫くは稼働予定である。

 私のDell XPS 8700は2014年のWindows7プレインストールモデルで、CPUはIntel i7-4790(4コア8スレッド)、メモリは32GB、グラボは最終的にnVIDIA GTX1070になった。ゲーム、3DCGI、DAWと全て睨んだ上での構成だ。ただ起動途中のシャットダウンなど故障が予測される兆候も示し始めたことから、第一線を退いてもらうことになった。

 さて、 エントリタイトルにもある受難のスタートラインであり、以降でキーとなる初期状態を列挙する。
  • レガシーBIOSブートである。これはプレインストールのWindows7から上書きでWindows10に無償アップグレードしたためだ。
  • OSはWindows10 Proで、Windows10自体の機能を使って初期化した。

次いで内部のドライブ構成について示す。

  • ドライブ0:SATA 2TB HDD、以降は単にHDD、ドライブレターは\D
  • ドライブ1:mSATA 256MB SSD、以降は単にSSD、ドライブレターは\C

初期状態のブートドライブはもちろんSSDだ。

 さぁ、淡々と行こう。

1.BIOSのアップデート → セキュリティ関連ファームウェアの破損

 BIOSをA13から最新のA14にアップデートした。アップデート用ファイルはもちろんDellから入手したものである。BIOS自体はアップデートされたが、セキュリティデバイスである「Intel Management Engine Interface」のファームウェアのアップデート中にエラーが発生、オプションで強制書き込みを指定してもアップデートが弾かれるようになった。もう少し状況を丁寧に書いておくと、アップデートプログラムがファームウェアのバージョンを取得できないままエラーを吐いて落ちる。結果、OS起動後のデバイスマネージャー上で「Intel Management Engine Interface」と「SMバスコントローラ」に「!」マークが付く状態となった。

2.SSDからのUEFIブートにブート方法を変更 → SSDのディスク形式を誤変換

 ブート方法を変更するには、まず起動ドライブのパーティション形式をMBRからGPTへと変更しなければならないが、Windows10には"mbr2gpt.exe"というそのためのコマンドが用意されている。"mbr2gpt.exe"の良いところは、ディスクの内容は一切失わないことにある。早速このコマンドを試したところ、エラーで変更できない。原因は所謂OEMパーティションというやつだ。OSプレインストール版メーカーPCの多くで、起動ドライブのパーティション構成はメーカー独自となっている。Microsoftにとっては預かり知らない状況となっている訳で、"mbr2gpt.exe"にパーティション構成を教えてやらなければならない。ネットを漁ると教えるべき内容を見つけることはできるが、まぁ、当然ながら色々とリスクだらけだ。

 で、Dellのユーザーコミュニティスレッドで見つけたとある情報を使って"mbr2gpt.exe"を実行したところ見事変換完了、BIOS/UEFIでブート方法をUEFI、Windows Boot Managerに変更したところ見事OSが起動した。動作は快調だったのだが、ディスク管理画面を見るとSSD(\C)の中身が見えない。実は "mbr2gpt.exe"実行時に使った情報には1ヶ所誤りがあり、本来ディスク形式を「ベーシック」のままにしておくところを「ダイナミック」に変換してしまっていたのだ。

 SSDの中身を失なわずに「ベーシック」に戻す方法は基本的に無い。有料中華アプリで対応できるものもあるとのことだったが、本質的な原因はWindows7プレインストールPC用のOEMパーティション構成だ。ここはもう意味の無くなったOEMパーティションの呪縛から逃れるべく、Microsoftの回復ツールを使ってWindows10をSSDへクリーンインストールすることにした。既に紐付け済みのマイクロソフトアカウントとXPS 8700のハードウェア情報に基づいてWindowsライセンスを認証してもらう必要から、インストール時はインターネットと有線接続しておいた。

3.Windows10をHDDにインストール後、SSDに再インストール
  → OSはSSD、EFIシステムパーティションはHDD

 Microsoftの回復ツールを書き込んだUSBメモリからブートしても、SSDの再フォーマットなどは回復ツール上からはできない。これがダイナミックディスクの罠だ。一方、HDDはNTFSでベーシックドライブ、しかも空っぽだ。

 と言う訳でSSDを取り外し、Microsoftの回復ツールでまずHDDにWindows10をインストールした。HDDからブートすれば再取り付けしたSSDのディスク形式などもディスク管理機能で変更でき、晴れてSSDへのWindows10のクリーインストールの準備が整った。SSDへのインストールの為だけに、一度HDDにインストールした訳だ。当然ながら、EFIシステムパーテションはこの時点ではHDD上にある。

 USBメモリ上の回復ツールを使ったSSDへのWindows10のインストールは何のトラブルも無く完了し、これで万事OKかと思いきや、EFIシステムパーティションがHDDに残っている、っつーか、HDDにあったEFIシステムパーティションがアクティブのまま使われていて、SSDにはEFIシステムパーティションすら無い。これはHDDを使ってSSDをブートすると言う余り上手くない状況と言える。場合によってはHDDは外してしまおうかとも思っていた矢先、本当に上手くない。

4.Windows10をSSDに再々インストール、HDDをまっさらに

 HDDの信号及び電源ケーブルを抜いてMicrosoftの回復ツールを書き込んだUSBメモリでブート、SSDへWindows10を再々インストールした。アクティブなEFIシステムパーティションがSSDに移動したのを確認し、アクティブではないEFIシステムパーティションを含むHDDの全領域を削除、フォーマットした。本来は2.の途中で終わっていた筈の作業がここまでかかってしまった。

 ところが24時間稼働状態にしたところ、特定の通信内容に対してネットワーク機器が停止することが分かった。時に不意の再起動も起こす。調べると、PC起動から10分程度経つと「Intel Management Engine Interface」に「!」マークが付き、不具合が起きた時にはその状態にあることが分かった。

 実は「Intel Management Engine Interface」に「!」マークが付くことは以前から少なからずあり、これまではBIOSアップデートなどで解決してきた。が、「Intel Management Engine Interface」に「!」マークが付いているからと言って、ネットワーク接続やPC自体が不安定化した記憶は無かった。その当時との違いについて改めて考えてみると、ブート方法とWindows10のバージョンの違いしか思いつかなかった。

5.Windows10をSSDに再々々インストール、レガシーBIOSブートに戻す
   → 「違う、そうじゃない」ことに思い至る

 レガシーBIOSブートとすべく、SSDにwindows10を再々々インストールした。インストール作業が必要な理由は、SSDのパーティション形式をEFIブート用のGPTからレガシーBIOSブート用のMBRにする際に、ディスクの内容が全て消えるからだ。

 さて、レガシーBIOSブートとすることで、「Intel Management Engine Interface」に「!」マークが付いていても、OS自体の勝手な再起動やシャットダウンは発生しなくなった。 一方、ネットワーク機器の停止は1日に2回程度発生し続けた。

 いよいよ頭を抱えざるを得なくなったところで天啓(になるかも知れない)が訪れた。2000年代前半まで、つまりPCを自作していた時代の自分なら真っ先にやっただろうことを思いついたのだ。

 CMOSのクリアだ、困ったらコレ。That's the PC-AT!!

 手順と結果は別エントリに記載してあるが、"Intel Management Engine Interface"のファームウェア更新も成功し、デバイスマネージャーから全ての「!」が消えた。

6.EFIブート再び

 72時間連続稼働に耐えたし、「!」マークも現れないので、改めてレガシーBIOSブートからEFIブートに変更することにした。今回のSSDのパーティション構成はMicrosoftによるものだから(=OEMパーティションではないから)、"mbr2gpt.exe"はそのまま使える筈だ。結論から言えば全く問題無し、"mbr2gpt.exe"実行後に2回再起動(BIOS/UEFI設定変更含む)して以降は快調そのものだ。現在24時間稼働の2日目に突入、ログを見ると以前はネットワーク機器停止に至ることが多かったイベントにもきっちり耐えている。テスト兼実運用は暫く続くことになる。

 あと、「!」マークを消す件は色々と重要だ。「Intel Management Engine Interface」に「!」マークが付いている状態では、EFIブートに異様に時間がかかった。Dellロゴが表示されている時間が3~5分、Windowsロゴが表示されている時間が約20秒といった具合だった。今やDellロゴが10~20秒、Windowsロゴは表示されることもなくサインイン画面に至る。

7.実は書いていないこともある

 やれ24時間稼働だ、やれサーバーだ、なんて話なら、Windows10に拘る必然性は全く無い。実際、並行してLinuxの某ディストリビューションの導入も試していたのだが、USBメモリでの運用に拘ったために沼ってしまっている。昨夜辺りで「快適に使いたければここまでにしときなさい」というラインが具体的に見えたので、それが再確認できて気が向いたら別エントリに顛末を書くことになると思う。それはそうと、他製品と比べてシーケンシャルリード・ライト、シーケンシャルライトは悪くないのに、ランダムライトだけ1/200以下っていう製品(個体ではない)があるのは、USBメモリ界隈では普通なんですかねぇ?

2021/07/15

ファイターモードからガウォークモードへの変形時もヒンジは開く

 アニメ「超時空要塞マクロス」に登場するVF-1A バルキリーは私の大好きメカであり、海外にもファンは多い。デザイナーの河森正治氏は、英TVシリーズの「サンダーバーズ ARE GO」でS号のデザインを依頼されている。

 しかしながら、後のVFシリーズとは異なり、その変形自体にはマジックが多い。チートではなくてここでは"ANIME magic"と敢えて呼ぶが、表現が適切かどうかはともかく、河森氏が「マジックに頼りつつも何かでっかい扉を開けてしまった」のは間違いないと個人的には見る。とは言え、続くVFシリーズの大部分のように「マジックに頼らないガチな変形」に通じるデザインの方向性は、VF-1においてもあちこちに見ることができる。10年以上前に作った3Dモデルとそれを用いたアニメーションシーンファイルの内容を再確認しつつ、モデル製作当時のことも思い出しながら、あらためて思う。本エントリで触れている話は、基本的に1980年ごろと2020年ごろのことである点に留意願いたい。

 エントリタイトルの通り、ファイターモードからガウォークモードへの変形時もヒンジが開く様が、TV用の作画設定資料の1枚に明確に描かれている。ここで言うヒンジとは時に「トラベルヒンジ」と呼ばれる蝶番構造を指しており、バトロイドへの変形時に脚部付け根(空気吸入口付近)位置を無理やり機首側面まで移動させる、少なくとも強度的にオーバーテクノロジー無しでは成り立たない代物である。

 単純に考えると、ファイターモードからガウォークモードへの変形過程でヒンジが開く必然性は無い。が、ここでヒンジが開くところに「ガチ」を見出して、あまつさえ他人に伝えたくてしょうがないあたりがまぁ私の所謂オタクなところなんだろう。実際のところ、強度ほぼゼロにしか見えないが機械構造としてのヒンジはちゃんと3Dモデル化してしまってあったり、ヒンジを設けるために周囲構造物の厚みをオリジナルデザインより厚くしてしまったりという辺りは、我ながら「異常な愛情」を感じてしまう。そうまでしてヒンジを3Dモデル組み込んでしまうのは、おそらく私がVF-1におけるヒンジの重要性を世界で最も信じている(?)故であろう。(「三次元化するにも3DCGIが限界であるからこそ3DCGIで再現する価値がある」と言う考え方だ。この裏返しのように、他のVFシリーズへの興味は文字通り皆無だ。)

 んで要は、VF-1Aの3Dモデル製作過程で、件の変形過程でヒンジが開く必然性に私は(も?)直面してしまった訳だ。2011年ごろ、今から10年も前の話である。

  ささっとまとめよう、百聞は一見に如かず。ヒンジを開いて脚を前に振り上げる方向に動かしてやらないと、腕部を機体下面から機体外側面に回転移動させる際にガンポッドの先端が脚にぶつかってしまう。なお、私のモデルの場合、ヒンジが開かなくても回転移動時に肩部と脚はギリギリぶつからない、ぶつからない移動タイミングがある。つまり、ガンポッドが無ければヒンジの出番は無い。

 ヒンジ機構自体は良くも悪くもマジックなのだが、そのヒンジ機構が「地味」に「ガチ」に良い仕事をしている辺りがなんとも趣深い。更にそれが作画設定資料に普通に描かれているのは結構衝撃的な事でないかい?

2021/07/13

Intel Management Engine Interfaceに「!」マーク

 Dell XPS 8700で下記の問題症状が出ている場合は、ジャンパスイッチをいじってCMOS設定をリセットしよう。ジャンパスイッチの位置やリセット方法などは、Dellのサポートページにあるオーナーズ・マニュアルのpdfででも確認して頂戴。そのものズバリの名称の章がある。「dell 8700 サポート マニュアル」辺りでググれば見つかる。私はこれで「頻繁なオンボードLANの機能停止」と「たまに問答無用に発生するOSの再起動」を克服シマシタ。

 そもそものトラブルの原因はCMOS内の「ログ」の破損と思われる。Dellユーザーコミュニティへのとある投稿(英語)では、同じ症状の解決にはBIOSだけでなくOSのバージョンも出荷時に戻す必要があることを示唆しているが、これは間違いと思われる。BIOSのバージョンを出荷時に戻す操作はCMOS設定のリセットに他ならないから必要だが、OSを出荷時に戻す必要性は技術的視点から全く見いだせない。

 で、問題の症状。OSはWindows10だ。

  • BIOSアップデータ実行時に、BIOS自体は更新されるが、バージョンが取得できないことが原因で「ME」とやらの更新に失敗する。ちなみに「ME」はManagement Engineの頭文字だ。
  • デバイスマネージャーのIntel Management Engine Interfaceに「!」マークが付いている。ドライバーは当たっているが、デバイス起動に失敗している。
  • UEFIブートの場合、起動中にDellのロゴが表示される時間が1分以上と明らかに長い。

CMOS設定をリセットしたら、あとはOSを再起動してBIOSアップデータを実行するだけ*だ。

*:アップデータのBIOSのバージョンが現状と同じか古い場合は、コマンドプロンプトかパワーシェル上で"/ForceIt"オプション(大文字小文字は区別しないので、"/forceit"でも"/fORcEiT"でも結果は同じ)を付けてアップデータを実行すれば良い。例えばバージョンA14のBIOSにバージョンA14を強制的に上書きする場合は

<フォルダ>\XPS_8700_BIOS_A14.EXE /forceit [ENTERキー]

とする。アップデータである"XPS_8700_BIOS_A14.EXE"がHドライブのルート(\)に有る場合は

H:\XPS_8700_BIOS_A14.EXE /forceit [ENTERキー]

となる。ちなみに、BIOSのバージョンをA03やA06からA14へ直接アップデートできることは確認している。逆にA14からA06やA03への書き換えも、意味は無いが可能である。

 なおCMOS設定のリセットでBIOS周りの設定やログが初期化されるので、BIOS/UEFIの設定が一度必要だ。警告っぽいビープ音1回を伴うPCの再起動が2~3回発生すると思うが、そこは驚かず気にせず淡々と画面の指示に従うだけだ。ビープ音1回ならばむしろリセット成功を知らせていると見做して良い。また、特に理由が無い限り、BIOS/UEFIでは何も考えずにデフォルト設定をロードしてしまうことをお勧めする。まずはBIOS/UEFI起動に成功してナンボだから、その可能性が最も高い状況から始めるべきだ。設定をいじるのは、起動することを確認してからでも遅くない。

 似た症状で、

  •  デバイスマネージャーのSMバスコントローラに「!」マークが付いている。そもそもドライバーが当たっていない。 

というのもあるが、こちらは上記の件とは無関係に、「Dellが提供するIntel関連のドライバーの最新版を一切合切インストールする」ことで解決できている。私の場合はWindows10をクリーンインストールした際に現れた症状だ。Chipset関連は当然ながら、せっかくだからBluetoothやWirelessLAN関連のドライバーも更新しておこう。OS起動が遅い原因が特定のBluetoothドライバーせいだった、なんて疑いが拭えないケースの情報もかつてネット上で読んだことがある。因みにデバイスの動作に問題が無い場合、デバイスマネージャー上に「SMバスコントローラ」なんてデバイスは最初っから現れない。「SMバスコントローラ」とは機器名称が特定できないために使われた仮名みたいなもののようで、そのようにデバイスの認識に失敗している状態では適切なドライバーが当たる筈も無い。なお正常状態における「SMバスコントローラ」の名称とか、或いはそのデバイス自体がデバイスマネージャーに表示されるのかどうか等は確認していない。

 この「!」を放置すると「OSの再起動が頻発する症状」に見舞われる可能性があるので軽く見ない方が良い。

 ここでドライバーが「Dellが提供する最新版」である点を強調しておきたい。Intelは第4世代コアベースのシステムのサポートを既に打ち切っているため、Windowsアップデート経由も含めてIntelからXPS 8700への適用が保証されたドライバーやツールを入手することはもはや期待できない。結局「今は存在しない、Intelサイト上のファイルへのリンク」に行き着くばかりなので、本件に関しては2020年以前の口コミやブログ記事をググっても時間の無駄に終わる可能性が高い。故にインストーラーに「古いドライバーで置き換えますか?」と聞かれてもここはまずはYes一択だ。最新版ドライバーで動作していない時点で、最善の策は古いドライバーを試してみることだ。現時点でIntel提供の最新版ドライバーやツールがサポートしているのは、第7世代以降のコアとそれらをベースとしたシステムだけと考えてほぼ間違いない。

2021/07/10

ウチんとこの自治体は・・・

 もう2か月くらい前のことだが、訪れていた病院の待合室の外れ、ちょうどスタッフ以外立ち入り禁止区域との境辺りに人だかりができていた。外来診療時間も終わる時間帯のタイミングということで、どうやら医療関係者枠の新型コロナワクチン接種者の集団だったようだ。ただ、その集団の端でダラダラしている、全然病院勤務者っぽくない若い男性3人が気になった。視線の動きから分かる、目的がないままそこにいる人間特有の挙動にしか見えなかったことが原因だ。

 その光景に何か記憶にひっかかるものがあったが、その場ではそれ以上は特に思い出そうとはしなかった。あっ!と思ったのは病院から自宅に帰った直後で、かの大震災の際に給水車を前にどうしていいか分からず半ば立ち尽くす役所の人間の姿に似ていた・・・。かくいうような何の根拠も無い単なる私の個人的な連想・・・からウチの自治体は上手くワクチン接種を進められていないのではないかと・・・繰り返すが本当に何の根拠も無く・・・思っていたのが今週頭までの話だった。

 お!と思ったのは今週半ば、所謂接種券が配達され、接種予約方法と予約開始日時が公開されたからだった。思っていたよりも早かったし、そもそも上述のように自治体の動き具合に疑心暗鬼となっていたのも大きかった。何気にやるな、ウチの自治体。

 ところが今週末にして、はや大逆転となった。病院から帰宅すると、「接種時期と接種予約開始時期が未定となった」旨の通知がポストに入っていたのだ。

 まぁ、それ自体は良いよ、仕方ないよ、因果応報よ。でも、通知の”文面”と言うか、本文中の文字装飾の使い方がとっても不愉快、下品にして下劣でねぇ。「太字+下線」で最大級に強調されていた文は「国からのワクチン供給不足に伴い・・・」というところだけで、直前にスマホで「国は、某システムへの登録内容に基づき、6週間分の備蓄を持つ自治体へのワクチン供給量を制限する」との報道を見た身としては本当に呆れ果ててしまうしかなかった。この通知で一番大事な、通知を受け取る人間に伝えたい内容はそこなのかい?「国の所為で遅れます」とでも主張したいのかな?そんな主張が今時通じるとでも?そりゃ変更後の内容も「太字+下線」になっているけど、それは本文とは別の表の中だし、その文章も推敲されたとは思えない割と酷い文章だ。力を入れるべき場所が間違っている。

 国内の幾つかの自治体の公式ページを興味本位で調べたとところ、7~8月の接種数が下がることを原因としてウチの自治体と同様の動きをしているところは少なくない。が、これはたまたまなのかもしれないが、「これは国の所為」みたいな表現には(既に報道のある某市は除く)出会わなかった。そりゃそうだ、国からの供給量が自治体の従来予測より減少するのは事実だが、そうなった原因が大なり小なりい自分の側にあることを、マトモな自治体なら既に理解している。わざわざブーメランになるような文書等を公開したりなんかしない。また、地元新聞ウェブページの本件にからむ最初の報道内容を信じれば、県内でワクチン供給量が半分にまで減らされた自治体はホント数ヶ所だけやで。

 と言う感じで、ウチの自治体は7、8月はワクチン接種のハンドリングで負け組決定済です。負け組と言うか落第組ですね、勝ちはそもそも無い。