アニメ「超時空要塞マクロス」に登場するVF-1A バルキリーは私の大好きメカであり、海外にもファンは多い。デザイナーの河森正治氏は、英TVシリーズの「サンダーバーズ ARE GO」でS号のデザインを依頼されている。
しかしながら、後のVFシリーズとは異なり、その変形自体にはマジックが多い。チートではなくてここでは"ANIME magic"と敢えて呼ぶが、表現が適切かどうかはともかく、河森氏が「マジックに頼りつつも何かでっかい扉を開けてしまった」のは間違いないと個人的には見る。とは言え、続くVFシリーズの大部分のように「マジックに頼らないガチな変形」に通じるデザインの方向性は、VF-1においてもあちこちに見ることができる。10年以上前に作った3Dモデルとそれを用いたアニメーションシーンファイルの内容を再確認しつつ、モデル製作当時のことも思い出しながら、あらためて思う。本エントリで触れている話は、基本的に1980年ごろと2020年ごろのことである点に留意願いたい。
エントリタイトルの通り、ファイターモードからガウォークモードへの変形時もヒンジが開く様が、TV用の作画設定資料の1枚に明確に描かれている。ここで言うヒンジとは時に「トラベルヒンジ」と呼ばれる蝶番構造を指しており、バトロイドへの変形時に脚部付け根(空気吸入口付近)位置を無理やり機首側面まで移動させる、少なくとも強度的にオーバーテクノロジー無しでは成り立たない代物である。
単純に考えると、ファイターモードからガウォークモードへの変形過程でヒンジが開く必然性は無い。が、ここでヒンジが開くところに「ガチ」を見出して、あまつさえ他人に伝えたくてしょうがないあたりがまぁ私の所謂オタクなところなんだろう。実際のところ、強度ほぼゼロにしか見えないが機械構造としてのヒンジはちゃんと3Dモデル化してしまってあったり、ヒンジを設けるために周囲構造物の厚みをオリジナルデザインより厚くしてしまったりという辺りは、我ながら「異常な愛情」を感じてしまう。そうまでしてヒンジを3Dモデル組み込んでしまうのは、おそらく私がVF-1におけるヒンジの重要性を世界で最も信じている(?)故であろう。(「三次元化するにも3DCGIが限界であるからこそ3DCGIで再現する価値がある」と言う考え方だ。この裏返しのように、他のVFシリーズへの興味は文字通り皆無だ。)
んで要は、VF-1Aの3Dモデル製作過程で、件の変形過程でヒンジが開く必然性に私は(も?)直面してしまった訳だ。2011年ごろ、今から10年も前の話である。
ささっとまとめよう、百聞は一見に如かず。ヒンジを開いて脚を前に振り上げる方向に動かしてやらないと、腕部を機体下面から機体外側面に回転移動させる際にガンポッドの先端が脚にぶつかってしまう。なお、私のモデルの場合、ヒンジが開かなくても回転移動時に肩部と脚はギリギリぶつからない、ぶつからない移動タイミングがある。つまり、ガンポッドが無ければヒンジの出番は無い。
ヒンジ機構自体は良くも悪くもマジックなのだが、そのヒンジ機構が「地味」に「ガチ」に良い仕事をしている辺りがなんとも趣深い。更にそれが作画設定資料に普通に描かれているのは結構衝撃的な事でないかい?
0 件のコメント:
コメントを投稿