2021/08/27

中華人民共和国で共産主義革命間近か?

 中華人民共和国において、「共同富裕」の名の下、富裕層や大企業の財産、資産を一般人民へ再配分する方向との報道多数あり。ついに共産主義革命による、拝金主義に走ったほどほどに腐った資本主義の崩壊を我々は目にすることになるのか?独裁政権故に為し得る上からの革命により、衣替えのレベルの気軽さで、アジアの大陸に誕生経緯が正当な社会主義国家が爆誕することになるのか?

 余り厳密ではない理解だが、レーニン的な社会主義と共産主義との違いは政府の有無によるとされる。最終形態足る共産主義では消費者は生産手段、配送手段を有しているから、自ら欲するところものは自ら入手できる。製品や生産に必要なリソースはユビキタスであり、オンデマンドで地域民に供給される。必要なのは地域毎の自治組織で、国家政府は小さくて十分だ。世界が皆共産主義となれば、国家は要らない。国に求められる機能は、軍事と外交ぐらいだからだ。ところがこのような理想的な状況を実現する前段階足る社会主義では、生産手段や配送手段は国家が保有、管理することで、製品や生産に必要なリソースがユビキタスであり、オンデマンドで地域民に供給されるように見える状態を作る必要がある。共産主義状態のシミュレートに莫大な人工とリソースをぶち込むのが、社会主義が取り得る一形態だ。この実現には、大きくて強権的な政府と、巨大な官僚機構と、反革命分子に対応するための治安組織が必要となる。

 私の目にはロシア革命は1回目は帝政の打倒、2回目は共産主義政党内の多数派(ボルシェビキ)と少数派(メンシェビキ)との内ゲバにしか見えず、資本主義の破綻の要素は二の次三の次にしか見えない。ここでは、「働いたら負け」を実践しつつ自分に金が無いことを憂い続けたとの説も有力なカール・マルクス大先生の妄想は実現されていない。

 少なくとも朝鮮戦争開始までに毛沢東が「資本論」を読んだという記述を書籍でもネットでも見たことが無い。中共による中華人民共和国の建国にソ連は基本的に関与していないので、自力で共産主義革命とされるものを為した中共とその指導者毛沢東へのスターリンの感情は複雑だったようだ。そのため、スターリンは毛沢東と会う機会を基本的に作らなかったし、毛沢東のモスクワ訪問時の扱いもかなりぞんざいだったようだ。毛沢東と面会した側近から毛沢東思想の概要を聞いたスターリンはそれを「単なる封建主義」と切って捨てたとの話もある。中華人民共和国建国は国共内戦の勝利の結果であり、その経緯も内容もマルクス大々先生唱えた共産主義革命とは程遠いものと思う。

 今回の「共同富裕」こそ、マルクス大々々先生が望んだ、行き過ぎた資本主義に対する歴史初の共産主義革命の狼煙ではなかろうか。ついに来るのか、ついにやろうってのか。

 アホらし。

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