そもそもの私の三つ目の間違いは次の様に信じたことにあります。
RPGである
ほら、ちゃんと書いてある。
私はもういい歳したオヤジなので、RPGと言えば「テーブルトークRPG」です。
PCでもコンソールでもない、ゲームマスターがサイコロを振りつつゲームを進行していくアレです。テーブル(時に炬燵)の上にはルールブックやチャートとサイコロ、紙と鉛筆、たまに電卓かポケコン(死語?)、雰囲気を盛り上げるために明かりは蝋燭なんてこともありました。
PCでもウィザードリィとかダンジョンマスターといった初期のハクスラ系RPGが限界、それもたまたまApple II等があったソフトウェア開発会社に遊びに行けたからです。実はドラゴンクエストシリーズやファイナルファンタジーシリーズといった有名どころのJRPGは人がプレイ中のものを触ったことはあっても自分でプレイしたことはありません。あ、RPG系PC9801エロゲーは幾つかやってます、「ドラゴンナイト」とか(汗
そう言う流れもあって、RPGの基本は何はともあれ「ロールプレイ」、パーティ内やバディとの間で互いの役割をきっちり果たすべく選んだ職業/クラスにおいて自キャラを育成していくものというのが私の認識です。それは今でも変わりません。
では、自キャラの育成という観点から見たこのゲームのRPG度はどうでしょうか?
まず職業/クラスがありませんが、これ自体は本来は些細な事でしかありません。攻撃力(DPS)、防御力(タフネス)、スキルの3つの利用可能なポイントの配分でキャラの特性が色々と変わり、かつ複数の「使える」配分バランスがあれば良いだけです。ここで「使える」の意味は、明らかに特性の違うキャラ間でも配分可能なポイントの総数が同等であれば互角に張り合い得るということです。要は、キャラの特性に合った戦闘状態に持ち込めれば勝ち易いけど、そこを相手に外されたり逆に相手の特性に合った戦闘状態に持ち込まれれば負け易いということです。PvPにおいてはひとつの理想的な状態です。例えば装備スコアが何らかの指標となるためには、このようなバランスが取れていることが大前提と言えるでしょう。
しかし、現在のこのゲームにそのようなバランスは皆無です。ダークゾーンにおける所謂タンクティシャン(タンクビルド、タフネスビルド)の存在は、この種のバランスの欠如の証左と見えます。攻撃力で防御力は補えず、ましてやスキルは無くても良いという判断に基づくステイタスビルドだからです。更に言えば、このステイタスビルドは高レベルの敵NPCキャラのステイタスとほぼ同じ方向性とも見えます。この点はかなり示唆的に思えます。
つまり、以下の理由によってこのゲームには、如何にもRPG的と言える、自キャラ育成要素の意味が失われています。
- 自キャラの総合的な力に対するDPS、タフネス、スキルの3要素が与える影響にバランスが取れていないため、特にPvPを念頭に置くと有効なステイタスビルドにバリエーションがない
- 敵NPCキャラのレベルによるステイタスの変化が単調、具体的にはレベル変化に対してDPSとタフネスがともに同じ方向に増減する。敵NPCの勢力毎の特性に違いを出そうとすれば攻撃力と防御力とのバランスぐらいしか使えないのにも関わらずです。結果、PvNPCを念頭においても有効なステイタスビルドのバリエーションは極めて少ない
敵(敵NPC、他プレイヤー)の特性にバリエーションが無ければ、プレイヤーキャラのステイタスビルドにバリエーションが無くなっていくのは当然と言えます。
加えて、至るところに介在するRNG(乱数発生器)はプレイヤーが望むアイテムの入手を著しく阻害し、独自の一貫性の有るステイタスビルドを実質的に不可能にしています。またドロップアイテム種と敵勢力との間に何ら関連性が無いことがそれを更に強固にします。アクティビティ毎のドロップアイテムの違いには合理性や必然性が全くありません。LMGを使う敵ボスがLMGをドロップするのは自然ですよね?強力なSMGで攻撃してきた敵NPCが高レベルのSMGをドロップするのは?
せめてショップの品ぞろえが普通のRPG並みで、少なくともダークゾーンファンドと通常クレジットとが「双方向に」交換可能あればね。 このゲームのエコノミーデザインの担当者は経済なんて知らないんでしょ。「サプライドロップがおいしい」とか言うけど、おいしい理由はそれがヘリコプターマネーか公共事業中心の財政出動みたいなものだからであって、実のところ経済システムの破たん、このゲームでは実質的に設計された(≒知性の介在した)経済システムが存在しないという証左に他なりません。
せめてショップの品ぞろえが普通のRPG並みで、少なくともダークゾーンファンドと通常クレジットとが「双方向に」交換可能あればね。 このゲームのエコノミーデザインの担当者は経済なんて知らないんでしょ。「サプライドロップがおいしい」とか言うけど、おいしい理由はそれがヘリコプターマネーか公共事業中心の財政出動みたいなものだからであって、実のところ経済システムの破たん、このゲームでは実質的に設計された(≒知性の介在した)経済システムが存在しないという証左に他なりません。
レベルアップが有ればRPG?そんな訳ありません。もしそうならレベル30のキャップが有ってはなりません。
ハクスラ要素も実効的にありません。ハクスラならレベルアップとともにより困難な敵NPCと対峙できるような仕組みにしておかなければなりません。
結論すれば、このゲームに実効的なRPG要素はありません。運営・開発が最初からそれを放棄していることが原因、或いはRPGを理解していないことが原因かと思います。もしRPGを理解していれば、例えば敵勢力の特徴を最大限にフューチャーした仕組みが導入されたりした筈です。プレイの反復感をやわらげ、有効なステイタスビルドを多様化し、プレイヤーが自分独自のステイタスビルドの構築と自分独自の攻略法を同時に追及できた可能性を広げたでしょう。
このゲームはRPG的世界ならぬ、RNGが支配する世界なのです。実につまらんですねぇ。
以上で、「どうやら総括すべき時が来たようだ、または私はどこで間違ったのか」シリーズは終了です。でも番外編はあるかもです(汗
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