「このゲームがどうあるべきか考え直す」という曲がり角にやっと行きつきつつあるのか、という微かな望みが有りそうな無さそうな。
注意!品の無い表現が含まれます。
私に言わせれば曲がり角には3月中に至っていたが、Ubi & Massiveでそう考え、それを表明した人間は確認できるだけで一人、Jan Harasym氏だけだ。彼はパッチ1.2のリリースに先立ってRedditに投稿した。
A lot is going into 1.2, we're aware that it's the last chance to really entice players (and show them we're not retards).
1.2には多くが盛り込まれる。私達は(パッチ1.2が)プレイヤー達を本当に魅了する(そして私たちが未熟者ではないことをプレイヤー達に示す)最後のチャンスだと気付いている。
結局、この投稿は直ぐに消されることになる。Ubisoftからの要請があったためとされる。なお、"retards"の訳には穏当な表現を選んである。
パッチ1.2は更に多数のバグとグリッチをもたらし、意味のあるチート対策は実装されず、少なくともSteam経由のPCプレイヤーベースの減少は止まらなかった。パッチ1.2はプレイヤーを魅了できなかった。おそらく、運営・開発と多数のプレイヤーとの間の「対策すべき問題や不具合に対する優先順位の違い」、もっと正確に言えば「問題や不具合と考える事項の不一致(違いなどというレベルではない)」が完全に明確になったパッチリリースだった。Steamのレビューで目にした表現、「勘違いアップデート」、は実に的確だと今でも感心する。
ではパッチ1.2のリリース前後と現在に違いはあるだろうか。ゲーム自体の状況は、ゲームブレーキングなバグやグリッチにプレイヤーが接する機会が減ったぐらいの違いしかないのが実態だろう。これは決してバグやグリッチが減ったことが主要な原因とは言えない。バグやグリッチを含むマップ上のエリアをアクティビティ用に使わなくし続けていることの寄与が大きい。
常識的にはさすがに状況が変わっても良い時期だ。
少なくとも、Steam経由のPCでのプレイヤーベースは現在ピーク時の7~8%、パッチ1.2リリース2週間後以下だ。Steam経由のプレイヤー総数が全体の9%以下であることを理由にこの結果を無視する向きもあるが、トレンドを追うには十分な割合だし、Steam経由であれば他のゲームのトレンドとの比較も意味はある筈だ。そういう意味で条件付きではあるものの、プレイヤーベースの拡大や維持の観点から見る限り、パッチ1.3やアンダーグラウンドDLCのリリースは失敗だ。
すなわちビジネス上の失敗だ。運営・開発は最後の味方、本体リリース時の商業的成功をもって運営・開発を支持した人達、すらも失うことになる。 以前のエントリでも書いたように、私のこのゲームに対する興味の半分以上がその辺りにある。東芝やシャープの経済関連記事をワッチしていたのと本質的に一緒だ。無能と欺瞞が重畳して起こった災禍の至る先を見極めようとしていると言って良い。
兆候は幾つかある。
開発のMassive Entertainmentの求人内容とその数の増加、SOTG(State of the game)などにおける開発と運営との発言内容の乖離の拡大、最近のG36アサルトライフルのステルスナーフ指摘への対応(ステルスナーフは公式に認められた)における運営と開発との発言の温度差などが挙げられる。開発内の不協和音、開発と運営との不協和音の存在の兆候は否定しがたい。
Redditへの投稿にも運営と開発をきっちり区別する傾向が表れており、当然、開発への風当たりの方が強い。しかし一方、データを挙げた上でのプレイヤーの具体的な改善提案を「私はそうは感じていない(do not feel)」ことを理由に全否定する相手(Ubisoft公式The Divisionフォーラムのモデレーター)に希望なんて持てようか?話ができると思うだろうか?運営内の不協和音、或いはプレイヤー対応の方向性の不統一が解消されるなら、その結果は今後のこのゲームの未来を読む上での重要な指標となるだろう。なら解消されない場合は?指標どころではなく、良くても状況は変わらないことが明確になるだけだ。
AngryJoe氏が本体リリース直後のレビューで明確に指摘したように「ローグシステムは不毛(pointless)」であることは個人的には論を待たない。Paul Tassi氏が書いたように「ダークゾーンという実験は既に失敗として終わった」にも同意する。
ダークゾーンとローグシステムは誰かのイ○臭い妄想をプログラムに実装したに過ぎず、ゲームの他の要素は、レベル30までのストーリーモードを除けば、そんな妄想に付き物の垢に過ぎない、というのが私のスタンスだ、いや「だった」。今は○カ臭い以前の文字通り「不毛」な何も知らないガキンチョの妄想ではないかとすら感じられるようになってきた。個人的にはイ○臭いぐらいの方が下らなさ1000%増、共感度0必至でむしろ面白いのだが。
ゲーム内外のルールを完全に区別し、現在のダークゾーンやローグシステムに適応しているプレイヤーの一種のしなやかさには皮肉無しで心からの賛辞を贈る(ただ気を付けておいた方が良い。これは典型的な「信用できる人とは、できるけど判断としてやらない方を選ぶ人」事案だ)。他方、ソロプレイヤーを単に「引きこもり」と呼んで切って捨てる感性の持ち主には心からの侮蔑と憐れみを贈る。後者が居心地の良い場所を廃し、「ガキンチョの、ガキンチョによる、ガキンチョのためのゲーム」を辞めるかどうか、そこが私の着目点だ。
え?「今や神ゲー」だって?そりゃガキンチョにとってはそうだろうなぁ。分かるよ、分かる、良く分る、俺もかってはガキンチョだったから。でも、そうは言ってはいけない重要な理由がこの世の中、社会にはあるんだよなぁ。
え?「今や神ゲー」だって?そりゃガキンチョにとってはそうだろうなぁ。分かるよ、分かる、良く分る、俺もかってはガキンチョだったから。でも、そうは言ってはいけない重要な理由がこの世の中、社会にはあるんだよなぁ。
経済原理に基づく外部からの圧力がゲーム(むしろサービスと言った方が正確)を変えることになるのか、それともその種の圧力が無いまま進むことになるのか。のっソロはまだワッチしていくよ!
大好きパピコさん、うっかりミスでコメントを削除してしまいましたので転載しておきます(爆汗
返信削除>コメント
私の言いたかったことがまさに今回の記事に詰まってます。すべて同意です。
『むしろサービスと言った方が正確』っていうくだりはまさにそうだと思います。
一昔のクソゲーは値段も大したことなかったので笑い話で済みましたが、今や1万円前後です。
笑い話では済みません。そして企業にとっても何億もの開発費がオジャンになります。
だから職種問わず普遍共通の『誠実さ』が求められます。
ゲーム内容以前にプレーヤに対する不誠実さが問題です。
別ゲーですが、EVOLVEというゲームがDLC商法で非難轟々でした。
ザクルーはゲーム内クレジットがほとんど稼げず課金商法と言われ、ディビジョンではシステムや運営方法が批判されるところを見ると、今は次世代機ゲームへの過渡期のように思えます。
ウィッチヤー3やFO4のようにバグやクソグラと批判があっても、迅速な対応と充実されたコンテンツ、ライトからヘビープレーヤーまで楽しめる幅広い層への配慮によって神ゲーと称されるゲームが次世代機ゲームへとなるんだと思います。
いくら美麗グラで斬新なアイデアであっても、ディビジョンのように失礼なサービス対応であれば次世代機ゲームへの道は閉ざされてしまいます。
こうやって淘汰されていくんでしょうね。WD2とゴーストリコンで挽回なるかどうか・・・。
長文すみませんでした。
あまりに確信を突いた記事でしたのでテンション上がってしまいました(笑)
PS:ダークゾーンについてはズバリの意見が出てるんですねw
パッチ前のDZはソロ好きの私でもやってたくらいでしたが、いまやソロ無視の玄人コンテンツになってます・・・・。ほんと、調整のたびにコンセプトが歪んでいってPvPなのかPvEなのか訳分からなくなってます。
>コメントここまで
で、ご返事です。
いつもコメント有難うございます。エントリのネタ選びは完全に影響を受けてます(汗
The Divisionでは、ゲーム内課金はやらない宣言とか、先行タイトルの成功、失敗を意識している雰囲気がリリース前にはアリアリだったのですが、蓋を開けてみれば・・・運営がプレイヤーコミュニティを重視していた形跡もあるのですが・・・
惜しむらくはUbisoftの会計年度が4-3月のため、The Divisionの状況の経営へのインパクトが読める公式の数字が暫く出ない事、アングラの影響もQ2(7-9月)が終わらないと分からない事ですね。今現在は数字が無いので外部からの経営的圧力がかかりにくい。でも裏を返せばQ2最終月の9月には何らかの動きが有り得ますね、PS4のアングラリリース後の数字も厳しそうなので。
ローグシステムについては最初からけっこう辛い意見が出ていたんですよ。ベータの段階で「ローグシステムは机上のみでしか上手く機能しない浅い考え」と断言していた日本人プレイヤーもいたんです。ただ、「上手く機能した状態」の具体的姿には触れていなかったんですけど。このあたりに関する思いは別エントリで近く触れる予定です。