銃器の歴史は長いですが、最新製品が優れている訳ではないというのが当たり前、常識だそうです。実際、軍用銃ともなるとどのような状況下で使われるかは分からない訳で、「想定外は避けられない」と言われれば思わず納得してしまいます。靴と違ってサイズは単一、この時点で身体も手も小さな私は想定外どころか「規格外」ですね。
さてK11は韓国軍の最新ライフル。特徴は重くて信頼性が低いこと、もとい、20mm空中さく裂弾ランチャー一体型という点です。この空中さく裂弾、発射前に設定した距離飛んだあとで自動的に爆発するという優れモノで、照準装置のコンピュータが故障さえしなければ敵の頭上で爆発させることで物陰に隠れていても致命的なダメージを与えることができるとされています。個人的には20mmは小径過ぎて実効性は低いんじゃないかとは思うのですが、とにかく自称「凄い」らしいんですよ。が、件のコンピュータの初期故障率が異常に高いとか、ライフル弾マガジンのスプリングが直ぐにへたるとか問題が次々と発覚、それでも量産は始めていたんだとか。
そんな中、K11に新たな、と言うか想定外の機能、と言うかはっきり言って仕様レベルの大欠陥が発覚しました。朝鮮日報の記事「K11小銃に深刻な不具合、防衛事業庁は黙認して量産 『磁石を当てただけで撃発信号と誤認』」から一部抜粋です。
韓国軍が誇る高品質兵器、「K11複合小銃」。防衛事業庁(防事庁)は、K11複合小銃に性能上の問題があることを事前に知りながらこれを黙認し、量産を強行した疑惑が浮上した。
最大野党、新政治民主連合の金光珍(キム・グァンジン)議員(初当選、比例)によると、国防技術品質院は今年5月30日に「K11複合小銃電磁波影響性実験」を行った。この実験で、K11複合小銃の20ミリ空中さく裂弾の撃発センサーが、市販されている一般的な磁石の磁性を撃発信号と認識してしまう欠陥が確認された。
20ミリ空中さく裂弾は、弾に電磁信号を入力することで、一定の距離を飛んだら爆発するシステムになってい る。電磁装備なので、電磁波の影響をかなり受けるという。このため、今後普及が予定されている戦闘ヘルメットのヘッドセットマイクの磁石にも影響されかねないことが明らかになった。万一の場合、K11複合小銃を携行した兵士が銃の誤射・誤爆事故に遭いかねないというわけだ。デリケートな電子装置を有し、誤作動の危険が大きい複合小銃は、米国やドイツでも開発を中止している。
「韓国軍が誇る高品質兵器」との表現を冠せられながら、K11が全然「高品質じゃないこと」を切々と語るというある意味面白記事。この記事を書いた人は論理性を著しく欠くか、筋金入りの皮肉屋の何れかでしょうねぇ。
「さく裂弾装填状態で高圧送電線の下を通過しないように」とか、笑えない、笑えないなぁ。
「さく裂弾装填状態で高圧送電線の下を通過しないように」とか、笑えない、笑えないなぁ。
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