2018/06/08

あ、結構ふつー(のぞみはまだ捨てない)

 「ひそねとまそたん」、「龍」ねぇ・・・ということで当初予測していた展開に明らかに近づいていって、う~ん、どんどん意外性の無いふつーな展開になっていくという・・・。

 私の世代は「帝都物語」が流行った時代なども経た関係で、東洋史(というか中国史という変な構造)や五経、 陰陽道に詳しかったり影響を受けた人間が、他の世代に比べれば多いのではないかと思います。私は天文(=陰陽道)、および易経と風水と神道系の祈祷(「神道祈祷体全」なる本もあったりしましてね・・・)を中心に兎に角書籍を収集し、読破し続けた過去があり、龍神信仰周りも守備範囲となります。その代わり、密教とか仏教系は全然知識がありませんし、「国家神道」などと呼ばれる意味の分からない存在は「私にとっては神道とは無関係」なので歴史・社会的な意味でしか知識はありません。あ、古事記、日本書紀、宇治拾遺などの怪異譚集、更に朝鮮半島を経由していない(つまり本来のままに近く、意図的に曲解に曲解を重ねたような変形を伴っていない)儒学もお忘れなく。

 ですので、思うにこの種の同じような(オカルティックな?)知識バックボーンを持ち、同じようなアニメ含む映像、文章作品に触れていると、似たようなアイディアに行きつく可能性は否定できないと思います。

 伝説中の巨獣の胎内に取り込まれた少女による操縦(と、服は解けちゃう♡または服着てちゃ駄目♡)までは約30年前に同人誌の漫画で私もやりましたが、(これは面白いと思った)自衛隊機への偽装とか思いつく筈も無く、当然ながら「龍」を宮内庁管轄の神事の対象とすることも考えませんでした。これは、「龍神」は禍つ神に含めずに神道外の存在とし、「神道系祈祷」の力(または礼)によって神として祀り上げると同時に、その力を封じたものとの当時の私の解釈に基づきます(所謂「国学」は学問でも無く、神道本体とも関係無いので無視)。またこの構造、実は「ゴジラ」を「禍つ神」、或いは「璽の守護神」として神道、と言うより日本の国体に関わる枠組み(ここは意図的に曖昧な表現とします)に取り込もうとした(プロのアニメ制作者を含む)とある人らのアイディアを余りに不快に思ったため、アンチテーゼとしてのアマチュアなりの抵抗の意味合いもありました。

 まぁ、「ひそねとまそたん」では「禍つ神」の存在に関する伏線が最初から張られまくっていたので、「どんどん意外性の無いふつーな展開になっていく」こと自体は十分に予想できていた訳ですが・・・ですからね、逆にそうじゃないって信じたかったんですよ・・・あ~あ、巫女まで出てきちゃいましたよ・・・

 ですので、宮内庁の登場で上記のようなかつての「ゴジラ再解釈」に近いニュアンスが「ひそねとまそたん」に加わったのは、個人的には実は結構不愉快だったりします・・・単純でつまらなく、もしかすると知が欠如しているかもしれないからです。

 映画「ゴジラ」では、最初の舞台となる大戸島でゴジラを神とみなしての雅楽や舞が行われるシーンがあります。しかし、神事として雅楽や舞の奉納と、禍封じの神道系祈祷としての雅楽や舞の奉納は全くの別物ですので注意が必要です。私の父方の実家は基本的に神道ですが、土俗宗教との混交があるため一部の祭事は変形しています。変形された祭事自体は未だ「神道の枠内」ではありますが、手順などが違う訳ですから「宮内庁の管轄」にはなり得ませんよね。

 この期に及んでは、

「ひそねとまそたん」が「ゴジラ」になりませんように

ひそねとまそたん」が「ゴジラのリメイク」と作り手が言い出しませんように

「ひそねとまそたん」が「平成ガメラ3」になりませんように

「ひそねとまそたん」が「大魔神(土俗信仰との混交、人身御供の要求)」になりませんように  

とお祈りすることぐらいしかできません・・・かの存在が「実は禍つ神では無かった、故に・・・」という展開の可能性もまだ残っている・・・きっと・・・きっと・・・ まだ・・・せめて封ずると奉ずるの違いを正しく・・・あ、「マツリゴト」に祖語が出ないとドラマにならないということは ・・・「トップをねらえ2」もやめてねお願い・・・

2018/06/02

「黒い恋人」ったぁ穏やかじゃぁねぇよなぁ

 「銀河英雄伝説 Die Neue These」はすぱーん!と切ったので、リアルタイムで追いかけているアニメシリーズは「ひぞねとまそたん」だけになりました。

 もう折り返しですか。最新回は、小ネタはともかく、本筋からみのネタはちょっと盛り込過ぎかも・・・今後急ぎ足感が出ないと良いのですが。莉々子の行動描写のケレン味具合は最新回ぐらいが好みで、無人島回の雨乞いの祈り?踊り?未満で抑え続けていただきたい。

 さてこの楽曲、「テヘペロ!」とかやっても違和感の無い声質、演技の方向性のキャラ程向いているという思いが個人的にありました。予測は、名緒(セクスィーーーーージャガー!)はそのままテンションでOK、ひそねは照れを振りきるようなひと頑張りが要(か、頑張り切れないままという方向性を意図的に狙う)、真弓は如何にものそのままのテンションで真弓流の出来(良い意味でのやってみました~やり切ってしまいました感を狙う)、という感じでした。では莉々子と絵瑠は・・・想像はできたのですが商売上はどうかなぁ・・・といった微妙なものに。

 で、最新回のED曲 Le temps de la rentrée~恋の家路(新学期)は「莉々子ver.」・・・「いやぁ、莉々子単独だとやっぱりこうなるか(こうするか)」って感じで100%良い意味でのたうち回りながら聞かせていただきました。ピンポイントで良いトコ直撃。

 一方、少なくともiTunesで購入できるCDシングル(という電子データのパッケージ)には「絵瑠ver.」がありません。これは物理的実体としてCDシングルでも変わらない様です。で、私がここで言いたいことは 、「絵瑠『単独』ver.」が欲しいっとか無いのがおかしいってことではなくて、

 この楽曲に(劇中のキャラとしての)絵瑠の声質は合わない!合わなすぎる!

という確信が私には端からあったので、もしや・・・と思ってしまったということです。すべてが善意に基づく行動や頑張りの結果であろうと、誰も幸せにならない結果が生まれ得るのがこの世界です、嗚呼。

 ちなみにパッケージはインスト込み11曲収録予定との事前情報もあった中、リリース版の収録曲数が10曲と1曲少ない事実はあるんですよ・・・誰か理由知りませんか?

p.s.
 さて、日本発紹介時には”la rentrée”を「新学期」ではなくて「帰り道」と誤訳、タイトルに”(新学期)”が付いていなかったという話は本当ですか?この辺りの真偽も誰か知りませんかねぇ?

 この話の面白いところは、「タイトルの間違いを正さず、”(新学期)”を付け加えることで間違いを誤魔化そうとした結果、エラく不自然なタイトルになった」可能性があるってところ。恥の上塗りを2回やった上で未だ、そしてこれからも恥ずかしい状態な訳です・・・ちなみにブログ主が歌詞の訳に挑んだところ「今はバカンスで会えない彼と、新学期にはいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃしちゃうんだからね!」って感じの結果を得たのですが、真相は一体・・・

2018/05/26

「ヤクルトおばちゃん」じゃなくて・・・

「ジョアおばさん」でした。あ、アニメ「ひそねとまそたん」でのことです。このエントリ中でDパイの可能性ありと触れた際に「ヤクルトおばちゃん」と呼んでます。

 ドラゴンが5匹になったら(陸軍新司偵?追加?!)空中にスモークで五輪描けますね、おばさん抜きでもDパイは既に5人いる訳ですし・・・「白い恋人たち」説、実はまだいける?

 ・・・まぁ、「あの夢」はかってはジョアおばさんの心の一部であって、ドラゴンを介してあの無人島に封じられたもの・・みたいなところではないかと解釈してますけどね。

使用DAW、見直し機会到来か?

 DAWソフトのFL Studioが20周年ということで、バージョン13~19をとばしてバージョン20となるらしい。Youtubeでも既にレビュー、新機能紹介の動画を多数見つけられる、つまり新規機能の振る舞いも含め、実際に動いている様を既に確認できるのだ。正直なところかなりにポジティブな印象を受けている。他DAWが先行して取り入れた機能を良いと思えば衒いも無く積極的に取り込む姿勢も今まで通り、バージョン20でついにMacにも対応するので更に普及が進む可能性が高い。

 FL Studioのライセンス形態は特殊だ。一度購入すればバージョンアップは無料、個人での使用である限り複数のPC/Macに同時にインストールしてよい。このようなビジネスモデルが成立するためにはFL Studioは常にユーザーを増やし続けなければならない。が、既に20周年を迎えていると言うことは、程度は不明だがそのビジネスモデルは成功しているということなのだろう。

 FL Studioはプロも含めてユーザーは多く、ネット上に蓄えられたノウハウも膨大、既にライセンスは所有済なので今後使い続けても追加費用発生は無い、なのに未だ使っているDAWはCubase・・・だからと言ってCubaseが好きだと言う訳ではないのだ。また別途、Bitwig Studioも評価中だ。

 と言う訳で、FL Studio20の登場は期せずして使用DAWの見直し機会を招いてしまった形となっている。

 さて、突然ながらここでかつて存在したDAWであるCakewalk Project5にご登場を願おう。私にとってProject5はいわば初恋のDAWとでも呼ぶべきものだ。そしてこのProject5のワークフローこそ、未だに私の理想とするワークフローに最も近いのだ。ちなみに下の動画の音声トラックはProject5による。ソフトシンセとオーディオを同時に使える私にとっては初のソフトで、Vocaloidの使用には便利だった。
 さて、Project5について多少詳しい仕様が気になる方はこのページで確認いただくとして、同ページから(勝手ながら)2枚の画像を転載させていただく。
 1枚目の画像はCubaseなどでおなじみのレイアウトに見えるが、それは見かけだけの話だ。MIDIデータやオーディオの素材は「クリップ」という単位で管理され、各トラック中の同じ色の帯状要素は同一のクリップと理解してもらって構わない。例えば1小節の長さのMIDIシーケンスを16回繰り返す場合、1小節のクリップを作成してそれを16個並べれば良い。この状態で16個中の1個のクリップを編集するとどうなるか・・・16個のクリップは「同一」のものなので編集内容は残り15個全てのクリップに反映される。またオートメーションも基本的にクリップに含める。

 2枚目の図は「グループマトリックス」と呼ばれたクリップの管理やクリップのトラック間での組み合わせの検討(アレンジの検討)のためのインターフェースで、Bitwig Studioのクリップランチャーは機能的にはこのグループマトリックスの正常進化版と言って良い。

 このような「クリップ」とそれに基づくワークフローの概念はCubaseには全く無い。そもそもCakewalkがProject5のクローズ後にリリースしたSONARにもクリップの概念が無く、更に操作性もProject5と全く変わってしまった(Project5のワークフローは多くのユーザーからは好評では無かったようだ)。このため「MIDIノートエディタの操作性がProject5に相対的に近い」という一点を実質的な理由として、私はあっさりとSONARからCubaseに乗り換えてしまったのである。

 FL Studio、Bitwig Studioともクリップの概念を持ち、特にBitwig StudioではProject5とほぼ同じワークフローも実現できるワークフローの選択幅を持つ。「ならばBitwig Studio一択ではないか」となるのが自然な流れなのだが、ここでは具体的には書かないとある2つの機能をBitwig Studioが未だ備えていないのが障害となっている、う~ん、早く導入してくれないだろうか(とか言いつつ、障害の一つはOzoneなどのマスタリング用プラグインなどでなんとかなるっちゃなる。ほぼ同じ障害を持つFL Studioでも、公開されているアマチュアのデータを見るとOzoneが刺さっていることが多く・・・っつーかOzoneを抜くと楽曲自体がふにゃふにゃで聞くに堪えられなくなるくらいにOzoneに頼り切っていることが少なく無い。Cubaseならミックスコンソールだけで・・・時間はかかるが・・・Ozone Elementが自動でやってくれるぐらいまでのことはできる)。

 他方FL Studioのクリップの概念はProject5やBitwig Studioのそれとは違う。ただし、おそらく「トラックの概念が違う」せいで「クリップの概念の範囲が違って見える」と理解するほうが妥当だろう。Project5のグループマトリックス、Bitwig Studioのクリップランチャーともに縦軸はトラックだが、FL Studioの同様のインターフェースの縦軸は音源(例えばソフトシンセ)である。

 FL Studioにおいて(実はBitwig Studioも)「クリップに含める範囲」は、「クリップが元々MIDIデータだろうがオーディオデータだろうが、クリップ中でオーディオデータに変換される。オーディオ変換後はクリップ内では処理を区別しない(そもそも区別する理由が無い)」という考えに基づいていると個人的には見る。故に、FL Studioのクリップにはエフェクターなどのオーディオデータ変換後の処理も含めることになる。

 この考え方は「素材を組み合わせる」という形のワークフローにおいてのみならず、プログラム内での処理としても極めて論理的、合理的だ。しかし、ミキサーのインターフェースが旧来のミキサー卓、つまり「Project5、Cubase、Bitwig Studioらにおけるトラックの基本概念のまさに実体、元ネタ」をただ模しているため、クリップ出力後のシグナルフロー(結線状態みたいなもの、チャンネル番号のような数字だけみせられてもねぇ・・・)が一望できず、慣れない私には物凄いストレス源となる。特に音量バランスや定位の調整のためにクリップまで戻る必要があるのは、「そうしなくても良いワークフローを使用者(私)が確立」できない限り非効率とならざるを得ない。ミキサー部だけは、他の部分の持つ論旨性、合理性とマッチングしていないのは明らかで、私にとってFL Studioが一番の選択肢とならない理由となっている。

 個人的な考えとしては、FL Studioのアーキテクチャーはノード編集型のインターフェースに向いている気がする。良い例ではないが、例えば下図は典型的なノード編集型のインターフェースである。ノードと呼ばれる各要素の入力、出力の有無、数、内容だけでなく、ノードの入出力端子間を線で接続することでノード間のシグナルフローの全てが明示化可能であるとともに、シグナルフロー自体をGUIにより編集もできる。FL Studioのワークフローの持つ論理性、合理性は、マルチトラックテープなどを使っていたデジタル化以前のワークフローと多くの点で整合しないどころか、むしろアンチテーゼと見える部分も多い。そのため、「トラックの概念そのものと言って良い旧来からのミキサー」を模したインターフェースが、他の要素とめちゃくちゃ相性が悪いのは致し方ない。失敗などとは思わ無いが、どうしようもなく中途半端なところであり、「この中途半端さが受け入れられない(私のような・・・ただし私はもう購入済なのでセールス的には貢献した側)タイプの人間」には拒絶され続けられるだろうと思う。「トラックの概念」自体は残そうが壊そうが変形しようがどうでも良いのだ。ワークフロー全体の整合性、見通しの良さの問題なのである。
  ミックスを施した後の出力を起点に出来上がり(最終出力)の調整を考える方法をトップダウン方式、ある程度作り込んだ素材を組み立てて得られた出力を起点に素材の微調整を考える方法をボトムアップ方式とするならば、Cubaseは前者、FL Studioは後者であろう。ではProject5やBitwig Studioはと言うと、実のところ「両者の良いところ取りのポテンシャルを持つが、完全な域には未だ至らず 」といった感じじゃなかろうか。

 なお私見ながら、FL Studioのワークフローにおけるノウハウは初心者でも導入し易いため、出来上がりのレベルの底上げが期待できる。が、同時に似たり寄ったりの楽曲が量産され易く(つまりFL Studioというジャンルの出現だ)、また他楽曲との差をクリップレベルだけで出そうとするために、楽曲全体のバランスが悪くなったりこけおどしの音に頼ったりと劣化版コピーも生まれがちだ。

 FL Studioのむき出しのワークフローをそのまま使うということは、出来上がりのイメージが明確にある場合に限るべきだ。センスの良し悪しが出来上がりに露骨に反映されると言いかえても良い。そういう意味で、自分のセンスに賭けることに自信の無いユーザーは、敢えてFL Studioを使わないという選択肢もあると思う。とは言え、私の見たところFL Studioのインターフェースなどが暗黙の裡に示す(だが頭空っぽにして見ればむしろむき出しに見える)ワークフロー自体は論理的故に硬直的ですらあるが、同時に頑丈で破綻しにくく無茶が効きそうだ・・・FL Studioの一つのミキサーチャンネルには最大幾つのソースの出力を送りこめるのかなぁ・・・何か起きないかなぁ。

 繰り返すが、FL Studio20の登場予告により期せずして使用DAWの見直しを意識せざるを得なくなっている。困った事に、この見直しでは対象である複数のDAWの優劣を判断する訳ではない・・・(FL Studioの持つ圧倒的なコスト優位性を無視しても)文字通り、どのDAWの良さ、特徴を選びますか、という選択の問題なのだ。


追記(2018/6/11):

 Project5(バージョン2)はWindows10でも動き、実は現在のPCにもインストールしてました(汗)。昔作ったプロジェクトファイルも発見したので、動作している状態の動画を上げておきましょう。曲はウズベクの有名な(汗)ポップス、"Yalla habibi(Ялла Хабиби)"のカバーです。なお、当時使用していたオーディオループやワンショットオーディオデータが全くインストールされていないため、アラブ系パーカッションは全滅しています。またプラグイン画面がキャプチャされていないので、マウスカーソルの挙動が不審ですね。
 なお、楽曲のオリジナルはこちら。
 さらにオマーケ。

2018/05/23

「銀河英雄伝説 Die Neue These」への不安・おそらく最終回

 カストロプ動乱、ここまでは観ておかなければならないと思っていた。キルヒアイスが艦隊指揮官として艦隊旗艦艦橋に立つからだ。キルヒアイスと言うキャラの描写に要求される(多彩なパブリックイメージを持たれつつ、どれひとつとして実態とマッチしないといった)幅、作り手は果たして見せることができただろうか。どちらかというと(実態と意図的に作られた又は作ったパブリックイメージとのギャップといった)奥行方向でのキャラ描写が要求されるヤンやラインハルトとはちょっと違うのだ。

 艦橋での第一声、張った感じの声にキルヒアイスの別の面を意識した声の演技の意図を感じ、少しばかり画面に向かって前のめりになった。が、そこまで。画作りなどの他の要素にはまるでそんな意図は感じられず、声優さんがかわいそうではないかと思ってしまった。

 動かぬキャラ、動かぬカメラアングル、旧作アニメなら1カットぐらいは歩きながらの会話もあったろうね。巨大さを出すでもなく意図が不明な戦闘艦や艦隊のCGIのライティングは相変わらず。とにかく色々とちぐはぐ、熱は無く、スタイリッシュさもなく、画作りに手間がかかりそうなカットやシーンは手も付けないというぐらいしか伝わってくる意図は無い。

 あ、艦橋での戦況表示は三次元的でしたね。原作を無視してでも、今後は三次元でお願いしたい。少なくとも私はもう21世紀を生きてるんでね。作り手の皆さんもそうでしょう?どうせ宙域によっては2次元的にならざる得ない理由(=設定)の説明なんて今まで通りしないんでしょ?80年代にだって、原作ファンはThirdyなどの初期の3Dソフトを使って、小説の描写や元ネタの先頭に基づいて艦隊状況を可視化したりしてたんですからね、別に高いハードルでもないと思いますよ。

2018/05/22

[隣のDivisionさん] いったんさらば、Ubisoft作品

 いやはや、ディビジョンテックから見たゲーム内経済の評価結果は自分でもショックを受けるほど酷いもので、The Divisionはもう冷やかすこともなかろうと再アンインストールした次第。グローバルイベントで何か得したという記憶は無いし、何より(Steam DBの数字を信じれば)ピーク時の1/10以下の数のプレイヤーも接続できないほど低性能化されたサーバー環境にはとっくの昔に萎えてしまっている。

 現状、ゲームとしてのThe Division2には一切興味は無いが、ネットコードがどうなるのかはワッチすることになろう。The Division2への取り組み方は、R6S: Operation Health(説明例、当然のようにティックレート(通信頻度)上昇への言及もある)と直に比較されることになるのは間違いない。R6Sはグラフィックよりもプレイヤーのゲーム体験の向上に気を使っている印象が強く、実際、Operation Healthとはプレイ環境やゲーム体験の改善を予定していたコンテンツ追加を延期してまで実施したものである。対してThe Division2について最初に出てきた公式情報は「グラフィックエンジンのアップデート」・・・私に言わせれば優先順位が明らかに間違っている。Steam DBの数字を信じれば、R6Sの「昨日のピークプレイヤー数」はThe Divisionの「リリース以降のピークプレイヤー数」を上回っている。そしてこの状態は既に3ケ月程続いているのだ。

 ついでに
  • FARCRY5
    感心した点が無かった昨今では稀有なゲーム、当然プレイしていて面白くもない
  • Assassin's Creed Origins
    ジャンプ距離の短縮など操作していてのそう快感が無さすぎ。3Dエンジンは最適化不足っぽい。ストーリーは無いに等しく、それでもなお「ストーリーを終わらせる」ことを放棄したことをスタッフは恥じ入るべきだ。個人的には、エジプトが場(シアター)でしかなく、文化的にエジプト独自色が薄められきったプトレマイオス朝時代を選択したのは、「エジプト時代」を押し出したいのなら失敗だと思う。プトレマイオス朝時代は、もうピラミッドに代表されるようなエジプト文化の分かりやすい部分がエジプトの人間にとっても既にエキゾチックな領域に入ってしまっている。いつもの頭でっかちぽい開発者がまたいつものように「歴史的な正確さ云々」と言うんだろうけど(プトレマイオス朝時代の記録は実質的な統治の主体であったローマ、ギリシャに多く残り、それより古い王朝に比べれば歴史研究は進み、明らかにされていることも多い)、架空のゲームキャラとクレオパトラを絡めた時点ですでに歴史改変ですからねぇ。
  • Ghost Recon Wildlands
    シナリオが緩すぎ、上級幹部キャラに「麻薬取引に関わることを余儀なくされた理由がある」なんて話を用意してもその内容は安っぽくありふれたものばかりでどうでも良い。そんな話なんて話す間も与えず額に1発、で十分な世界観のゲームではないか?実際、下級幹部以下のキャラはそういう扱いだもんね。
もアンインストールし、Ubisoft勢はPCから消えた。

 FARCRY3とGhost Recon Future Soldierは、ともに95%チャレンジング、5%理不尽ぐらいのバランスで面白かったですなぁ。

2018/05/20

さて、最近の健康状態はと言うと・・・

悪くはない、が、問題はある。

 本ブログを定期的にチェックしてくれているような有り難く奇特な方ならお気づきの通り、この1ヵ月程は明らかに投稿数が増えている。「文体のバラツキなどはあるけれど、ブログを定期的に投稿できる」ぐらいは健康状態が良いのだ。だが、投稿数の増加には別の理由もある。良いとは言っても「ブログを定期的に投稿できる」レベルなのだ。つまり、ブログを書き、投稿するのが今の限界、という訳で、趣味の再開などがあれば投稿も減ることになる(筈)。

 健康に関する現状の問題は「不眠症」、とにかく毎日あと+1時間眠りたい。ネット上で調べると、禁煙から200~300日ごろに自律神経失調と似た症状を発症する場合があり、不眠症の形で現れる人もあるとのことだった。不眠症の症状とされるのは、ざっくり以下の4つだ。
  1. 寝付けない
  2. 眠りが浅い、睡眠時間の割に寝た感じがしない
  3. 何度も目が覚める
  4. 早くに身が覚め、以降は眠れない
投薬治療内容の変更もあるが、たった2カ月程の間に主要な症状が

 1.→1.+4.→3.→2.

と変化しており、症状総なめ状態となっている。あと加えると、「どんなに眠気があっても日中は寝れない」という症状が常にある。夜間の睡眠時間の不足を昼寝などの他の手段で補えないのは実際辛く・・・いやはや、「不眠症に悩まされて続けて**年、毎日1時間ほど昼寝をすることで・・・」といった文章をネットで目にするたびに「昼寝ができて何が不眠症だぁ!」とキレてますよ、実際。休日だった昨日、今日と昼寝を試みたが結局駄目・・・これらの時間こそ、本来は掃除や趣味に使いたい時間なのだけれどね。

 あと、2.兼4.対策の薬は原理上副作用がほぼ無いのが売りなのだが、私に限っては副作用が強くて使いこなせていない。具体的には眠気が1日中抜けないのだ。ちなみに米国FDAの臨床レポートには日本の公開されている臨床報告とは異なり私と同様、同程度の副作用の報告があり、投与「翌日」の自動車運転への影響にすら言及がある。つまり、私に現れている副作用は「日本では異常、米国では普通」の範囲内にある。薬の作用時間も私の体感は米国FDAレポートの値とほぼ一致しており、日本国内で良く使われる作用時間よりも3時間程度長い。

 副作用を避けるには減薬が明らかに有効なのだが、副作用が無視できるほど減薬すると(1/4以下なのでかなりの減薬量だ)本来の効果がほとんど出なくて寝不足でやっぱり眠気が1日中抜けない有様だ。焦りは禁物ながら、あとここさえうまくやれれば、という思いがぬぐえない。

 4.の解消により体はかなり楽になったが、こなしている仕事の量や質には不本意なものがあるし、趣味の時間も作れていない。ただし、暫く放置していた趣味に関わるソフトウェアなどのメンテナンスも再開し、アイディアも色々湧くようになってきた。不調はほぼ身体に限られているためうつ症状は感じず、むしろ躁状態の行き過ぎを現在は警戒している。

[隣のDivisionさん] 2018年度初頭のゲーム内経済(補足の補足、または「げに非情なり、最適化ステーション」)

 以前のエントリで「装備性能とスコアの関係性は低いため、スコアが上がるからと言って最適化ステーションの利用が『ゲーム体験を変え得る』訳ではない」旨を述べた。感覚的に判断した部分も少なくなかったその認識の真偽を改めて確認すべく、スコア268のノマドバックパックのみを最適化ステーションで限界まで最適化し、プレイヤーキャラクターの能力上昇幅を調べてみた。

 なおこのキャラ、最初のプレイヤーキャラながらこの4月ごろまで長期放置されていたもの。放置開始はPvP用調整とされる特殊弾やファイアクレストギアセットのナーフ後なので、サバイバルDLCかラストスタンドDLCどちらかのリリース前ということになる。ワールドティアも無かった。厳選を重ねたファイアクレスト×4+セントリーコール×2でアンダーグラウンドDLCを最高ランクまでクリアした多少思い入れもあったキャラだが、その後のファイアクレストのナーフで存在価値を失ったのである。またプレイヤー間の装備のやり取りは放置後には無く、調整された装備はおそらく含むだろうが、武器、装備ともに最適化されたものは装備していない。

 ディビジョンテック400個を使った8回の最適化の結果、それ以上の最適化は不可能となり、スコアは+18の286となった。このスコア変化幅は決して小さくない。また286というスコアは、最適化時の上限値として良く見られる。

 限界までの最適化で得られた実効的な効果は、
  • 武器+0.77%
    (サブウェポンのLMGに対して281,784→284,001)
  • タフネス+1.11%(401,507→405,958)
であった。そして、この場合のディビジョンテックの能力向上への影響は
  • 武器に対して+0.0019%/1ディビジョンテック
  • タフネスに対して+0.0028%/1ディビジョンテック
  • スコアに対して+0.045/1ディビジョンテック、キャラのギアスコアに対しては1/9の+0.005/1ディビジョンテック
と評価される。旧オープンワールドしかプレイしないのっソロプレイヤーの場合、各キャラは戦闘任務及びクラフト任務のクリアで1日当たり50ディビジョンテックが入手できる。これは最適化1回に必要なディビジョンテック数だ(おそらく偶然ではない)。この場合の最適化による1日当たりの能力向上の期待値は
  • 武器に対して+0.095%
  • タフネスに対して+0.140%
  • スコアに対して+2.25、キャラのギアスコアに対しては+0.250
となる。(線形変化を仮定した上で)これら数字から計算すると、武器+10%に必要なスコア上昇幅は+47、47日かけて集めた2350個のディビジョンテックを消費することになる。

 と、ここまでやってしまった以上はさらに色々書きたいこともあるのだが、皆それぞれでこれら結果をよく味わった上で、内容は察して欲しい・・・

 とにかく、これが最適化と呼ばれるものの実体。で、以下は私の考察だ。

 ディビジョンテックに明確的に通貨の性格を付与、装備スコアが経済指標であるかのように誘導した上で、超インフレ政策(ディビジョンテックの大量供給だ)を実施しているのが現在の状態だ。もはや詐欺的行為に基づく状態と言って良い。

 そしてこんな状況が成立できる理由は「(私も含めて多くのプレイヤーなら分っている通り)そもそも装備スコアが意味の無い数字だったから」であろう。故に、詐欺的行為自体は装備スコア導入時点で始まったと言えるが、さすがにこのレベルの詐欺では上りが期待できなくなってきたのだろう。

 詐欺的行為の主要な被害者はPvE主体のカジュアルプレイヤーと言うことになろう。つまり「上り」とは、カジュアルプレイヤー数の維持や拡大である。

 インカージョンなどのアクティビティは高性能の装備の直接入手機会そのものだから、これらに挑むようなコアプレイヤーにとってシコシコとディビジョンテックを集める行為は効率が悪過ぎてプレイ内容の選択肢となり得ない。対して高性能の装備の直接入手機会が実質的に無いカジュアルプレイヤーは、入手したそこそこの性能の装備のアップグレードパスが欲しい。この要求はパブリックベータ時からあるもので、本来はクラフトが担うべき機能と言える。が、クラフト機能は「ディビジョンテックのデフレ(現状とは逆の供給不足)」というゲーム自体の設計ミスも一つの原因として、早期に運営からも打ち捨てられる。

 最適化ステーションはこのアップグレードパスを「装ったもの」だ。

 最適化には上限があるが、これこそ最適化機能にとって無視できない制限を反映したものと考えて良いと思う。それは「最適化された装備の性能は、インカージョンなどで直接入手できる装備の性能以下または未満に制限されなければならない」というものだ。そうしないと、高難度アクティビティに挑んだコアプレイヤーを今度は蔑ろにすることになってしまう。このため最適化ステーションのアップグレードパスは途中で途絶えており、「アップグレードパスを装ったもの」にしかなれないのだ。

 しかもその「装い方が悪辣」に感じられる。パスが途絶えているのは「装備の性能の上昇」に関わる部分であり、「スコアの上昇」に関わる部分は途絶えていないか、途絶えていないように見えるように手が加えられている公算が高いからだ。

 実のところ、最適化ステーションが「アップグレードパスを装ったもの」であっても構わない・・・そういうものである、と明言されている限りにおいては。

2018/05/19

白い恋人「たち」にならず

 アニメ「ひそねとまそたん」、まぁ赤塚不二夫チックな部分は作品上必要なんだと納得することとし・・・が本題ではなくて、「白い恋人」ネタ→ED曲がフレンチポップ曲のカバー→フランス繋がりでフランス映画「白い恋人たち」ネタといった流れを予測していたら全くの大外し、あっさり別のお菓子が出てきてしまって完全に別方向・・・残念。

 映画「白い恋人たち」は冬のオリンピックの記録映画で、原題の日本語訳は「フランスの13日(13日間)」。オリンピックも一種の祭りじゃん、とか考えてたんですがねぇ・・・無念。

 まかり間違って「鉄雄」とか「28号」とか出てきたらどうしよう、とも不安になっていたので・・・一安心。

 防衛事務次官は特別職であり単純に事務次官と呼ばれることは無い(「特別」が不要な人の前で付け忘れたら、「キミ、防衛、を付け忘れてるよ」なんて下衆顔でご指導されちゃいそうですなぁ)・・・とちょっと古めの記憶が警報発令中・・・う~ん、宮内庁に事務次官はいないしなぁ・・・ええっ!総省って国防総省!?ぐらいの実は別世界?

[隣のDivisionさん] 2018年度初頭のゲーム内経済(補足)

 以前のエントリ、[隣のDivisionさん] 2018年度初頭のゲーム内経済には誤解を招き易い表現が多々あったので、補足しておこう。

 件のエントリの趣旨と言うかエントリ内での私の主張は、「運営が、ディビジョンテックに実質的なゲーム内通貨機能を与えたようだ」という1点のみである。デイビジョンテックと他のゲーム内通貨もどきとの「交換レート」にはやや定量的に触れたが、ディビジョンテックの「実質的な価値」には一切触れていないということを明言しておこう(後述する通り、「実質的な価値」についてはそもそも語るべき意味が無いが故に語る意思も無かったのである)。

 10円は比率で言えば1円の10倍の価値がある(これが交換レートの話)ことには触れたが、10円で何が買えるか(これが実質的な価値の話)には一切触れていない・・・例えればこういう感じだ。

 前者は相対的な話、後者はかなり定量的な話と言えばそれまでなのだが、後者における「価値」とは「プレイヤーにとってゲーム体験が変わるかどうか」といった実質性、実効性を伴うものなので、うかつには触れられない。加えて、後者に関する私の判断が「一切の実質性、実効性無く、『プレイヤー』にとっては無価値も同然」といったものであったので、なおさら触れる気にならなかった、触れる価値を感じなかったと言うことだ。
 さて、このキャプチャイメージは私のプレイヤーキャラの一人のバックパックの所有・装備状況だ。最もスコアの低い品を装備している点に注目頂きたい。これを装備する理由は簡単で、他の品を装備するよりもウェポン、タフネスの値が圧倒的に大きいからである。これは装備品からMod(厳選品である)を外しても変わらない。そして現行の最適化でのパラメータ上昇範囲では 、使用していない品の性能を現在使用している品の性能より高くすることは不可能と言って良い。

 先のエントリで「ゲームチェンジャー」という表現を使ったが、ここで「ゲームチェンジ」の指すものは、ゲーム新規販売市場におけるThe Divisionのセールス手法または「セールス上の『売り』とする要素」の変更である。つまり、マーケティング上のみの話であり、上述したように現在のアクティブプレイヤーには特にチェンジはもたらさない。そしてこれも先のエントリでも別の表現で述べたように、「ゲームチェンジ」の理由は「『The Division』の『The Division2の販売促進ツール』化」である。

 The Division単体の新規購入層への商品価値はほぼ失われてしまって久しい。だから「現行のThe DivisionのアクティブプレイヤーがThe Division2を購入したくなるような要素」や、「The Division2を購入するなら先行してthe Divisionを購入、プレイしておくと色々あるメリット」のThe Divisionへの導入はコストが折り合う限り悪くない商売のやり方だ。特に後者は「The Division = 本体よりも先行して発売されたThe Division2のDLC」という扱いにほぼ相当し、倫理的にはともかく、思い切った商売上のアイディアとは言える。

 知ってる人には言わずもがな、装備品や武器の「価値」=「プレイヤーにとってゲーム体験が変わるかどうか」にとってギアスコアは実質的に関係無い。各装備の特性や武器のタレントの方がよっぽど重要なのだ。

 上述した例ではスコア268の装備はスコア284の装備に総合で勝っている。ただし、それは私のプレイスタイルがスキルパワーを要求しない点が影響しているのは明らかだ。現行の、装備の3つの主要パラメータのうちのどれか一つのみが高い、というパラメータの割り振り方は、実のところ「装備単体の厳選」を不可能、或いは実質的に無意味にしている。プレイヤーキャラの総合的な力は「パラメータの観点から一点豪華主義の装備」の組み合わせで決まりことになる以上、特定の装備の性能のみに注目していてはプレイヤーキャラの総合的な力を高められることは全く保証されないのである。プレイヤーキャラの総合的な力が高めるに必要な能力は「ドロップ品に対する引きの強さ」でしかない。この辺りが見えてくると、The Divisionをプレイする面白さはかなり失われる。特にRPG要素を楽しみ、ギャンブルに一切の魅力を感じない私には「糞面白くも無い」代物となった。

 ちなみに私のカオス理論や実際のカオス挙動特性ののつたない知識が正しければ、3つの主要パラメータに均等にパラメータが割り振られた装備が、3~4種のギアセット限定で数的に1/4ぐらい混入されると、所謂メタがいったんカオス化しそうに感じられる。「3つの主要パラメータに均等にパラメータが割り振られた装備」は、導入先の装備種や装備セットの限定の仕方次第でプレイヤーのゲーム体験にラジカルに影響するかも・・・という夢をみたのさ・・・ってことです。ここでパラメータ配分は完全に均等が必須ですぞ、乱数で微調整なぞしたら元の木阿弥。と言うのも「3つの主要パラメータに均等にパラメータが割り振られた装備」はカオス化の要因ではなく、カオス化される側であるというのが基本的なアイディアですからね。新しい要素の追加で既存要素の挙動をカオス化するのではなく、新しい追加要素からのみからなる平凡なシステム(ここでは装備の組み合わせがシステムに相当)を用意し、その挙動を既存要素のパラメータの持つランダム性や偏向を使ってカオス化できないか、ということですので。あ、ホルスターだけは逆ね。

 ディビジョンテックの限られた使い先である最適化ステーションは、スコア、特性、タレントの数値を上昇させるけれども、特性もタレントも変更しない。もちろんプレイヤーキャラの総合的な力を高められる能力は、「ドロップ品に対する引きの強さ」の足元にも及ばない。つまり、 「価値」=「プレイヤーにとってゲーム体験が変わるかどうか」に影響するだけ力を最適化ステーションは持たないのだ。先のエントリに書いた通り、最適化ステーションの機能とは、「実質的に『価値』の変化が起きない範囲に制限しつつ数値の上昇する様を見せることにより、最適化が『価値』を変え得るものとプレイヤーに思わせ、最適化に必要なディビジョンテック収集のモチベーションを上昇、プレイさせ続ける」ことにあるとしか思えない。

 さらに限界まで最適化した装備や武器のスコアに一定の上限値があることから、装備のスコアは単に装備のレベルを再分割しただけの値でしかないという以前からの印象がより強まった。つまり最適化とは文字通り同一装備レベル内での最適化に限られており、例えばレベル29の武器はレベル29の範囲内で何か変わることはあっても、レベル30の武器にはなり得ないのである。こんなものに「価値」はあるだろうか?プレイヤー側には基本的に無いか、余りに限定的すぎる。

 運営側はどうか。「発生させた乱数値を装備のパラメータ値に加えるという簡単な機能を最適化ステーションというの名前で安価に実装」することで、「使い道も無く存在価値すら失っていたディビジョンテックなるものに価値がある」とプレイヤーに思わせようとしてみただけなのである。アクティブプレイヤー数が増えたり、それこそ維持できるだけでも御の字なのだろうと思う。損が出にくい割に当たるとデカい。

 最適化に賛成?反対?

 私にとっての「最適化」とは、「ディビジョンテックを収集し、それらを最適化ステーションで使えば、ゲーム体験が変わる」という幻想をプレイヤーに与えるための手段に過ぎない。詐欺とまで呼ばない理由は「最適化という表現自体には嘘も誤魔化しも無い」からである。散々使ってみた経験も踏まえれば「賛成、反対を論ずる価値も無い」と言うのが正直な思いだが、まぁ、スコアや特性パラメータが上がることには別に問題は無いので反対はしないよって感じかな。

 「プレイヤーにとってゲーム体験が変わり得る」装備や武器は最適化からは得られない・・・The Divisionは本質的に以前と何ら変わっていないのである。繰り返しになるが、ディビジョンテックと最適化ステーションの組み合わせを思いついた人間は、確信犯なら相当頭が良いか、人間心理に関する造詣が深い感じだ。そうでなければ(自粛)。

 さて最適化ステーションの登場により、ギアスコアの意味は輪をかけて失われた。ギアスコアの大小とプレイヤーの力の関係がより不明確になったからである。もしギアスコアが低いことを理由としたキックがプレイヤーマッチング時に減ったのであれば多少は良い効果もあったのかなとも思えるが、その結果としてミッションエンド直前でのキックが増えているだろうから害悪の方が多そうだね。

 なーんてことを書いているせいだろうか、一昨日は作戦基地に入れてもらえなかったんですよ・・・寒いので入れてくださーい!!ドアあけてくださーい!!簡体中国語は分りませーん!!