2015/03/11

メルケル独首相、来日

 実はドイツに対する印象はすこぶる悪い。勢い任せのエネルギー政策の筋の悪さとか、通貨ユーロに対する態度とか色々と気に食わない。Siemensも商売のやり方も気に入らない。Miniブランドの扱いも気に入らない。

 加えて個人的な経験もある。かつて「商用利用禁止」で公開した3Dモデルをとあるドイツ人が販売しようとしていたのをコミュニティメンバーが教えてくれ、私に味方した多数のコミュニティメンバーの圧力も借りてネット上の件のドイツ人の販売チャンネルを全て潰すということをやったことがある。要は、多数のサイトに対して私が「著作権の侵害の通知」や「権利保有者からの販売差し止めの請求」をメールしたということだ。著作権がらみとなると、真っ当な仲介業者の反応は速く、徹底している。「ウチでの販売数は0である」という書類のpdfを送って来た業者すらあったくらいだ。

 ここまでなら別にドイツ人だろうが関係なかったのだが、当人とのメールのやり取りで「日本人だろ?(先の大戦では)仲間だったじゃないか」と書いてきた時点で完全にキレてしまった。「それは件の話とは全く関係ない」ところに物凄く腹が立った訳だ。実のところ、冷静になれば「仲間扱い」に対して余計に腹を立てていたかも知れない。ナチスドイツは日本と交戦状態にあった中華民国(当時は国民政府)に武器輸出していたし、第一次世界大戦では敵であった。三国干渉はもとより、日露戦争に至る流れの中で当時のドイツの振る舞いは日本を利用する気満々だったようにしか見えない。

 朝日新聞デジタルの記事「『中国偏重』のアジア外交修正か メルケル独首相訪日で」は冒頭だけでも十分に胡散臭い。
メルケル独首相が9日、7年ぶりに日本を訪れる。ウクライナ情勢での連携や、日独経済関係の強化が狙いで、メルケル氏自身が「極めて重要」と位置づける肝いりの訪日だ。ドイツの東アジア外交はこれまで「中国偏重」が目立っていた。バランスを欠けばリスクになるとみて、東アジア外交の軌道修正に乗り出す意味合いがありそうだ。 
 70~80年代に中共と実質的にビジネスをやっていたのはドイツ企業ぐらいだ。例えば、フォルクスワーゲンはかつて中共では全くと言って良いほどブランド力が無かった。原因は、中共でタクシーが普及した時代、タクシーが全てフォルクスワーゲンだったからである。当時から中共に進出していたドイツ企業と中国共産党との関係には未だ不透明感がぬぐえない。

 理由は様々だろうが、某巨大ネット掲示板でも朝日新聞の報道内容についてはネガティブな反応が意外に多い。本当に「乗り換え」するとしても、「乗り換え」自体が多くの日本人には不義理や利己主義的に見えよう、中途半端に「バランサー」的な振る舞いをしようものなら拒絶する者も少なくなかろう。「何故今か」という点も色々と突っ込みどころがあるし、朝日新聞記事中の「ウクライナ情勢での連携」に至っては全く意味不明だ。現在のウクライナ情勢の原因に関与しておきながら、ドイツは問題解決へのコミットをのらりくらりとかわし続けている。日中、日露関係への干渉が狙いなら、まぁ、朝日新聞がそう報じるのも分からなくはない。そういう意味でも、少なくとも「今」のタイミングで日本がドイツとどうこうすることに問題点は多数見出せても、利点は全く見出せない。

 今まで日本を相手にしてこなかった国が態度を変えてきたとすれば、そこには表に出せない思惑もあると見るのが当然だろう。「ドイツには警戒すべきで、安易に信用してはいけない」というのがとにかく持論だ。「中共への圧力になるとでも思ってるのかな」ぐらいの認識で、さらっとあしらうのが「今」はベストじゃないかと思う。

2015/03/08

VOCALOID™4 Editor for CUBASE、4.1.0アップデータで最低ライン確保か?

 VocaloidEditor for Cubase(V4EC)用のアップデータ(バージョン4.1.0)が公開されていたので、試しにV4ECを再インストールしてアップデータを当ててみた。先のエントリで「V4EC使えねぇ!」と明言した手前、この手の人柱の役割も果たしておかないと片手落ち、と言うものだろう。

 アップデートで「使えねぇ」理由のツートップが解消されたので、取り敢えず暫くインストールしたままにしておくつもりだ。「使えねぇ」理由ツートップとは以下の点だった。
  • インストールすると、V4ECを使用していなくてもダブルクリック操作にCubase 8が一切反応しなくなった。これは完全に解消されている。
  •  V4ECを使用している(インストゥルメントトラックで使う)と、再生開始がワンテンポ遅くなっていた。つまり、スペースキーを押しても直ぐに再生が開始されなかったと言う事だ。この点も解消されている。
Cubase上の操作の快適性をスポイルするようなものは問答無用に「使えねぇ」が、4.1.0アップデータの導入で取り敢えず最低ライン(本来は至極当たり前である筈)の仕様は満たしたようだ。使い心地は...これからね。

このタイミングでのこの種の会社の迷走はヤバい

 就職してから20うん年、良くも悪くも世間の変化に疎い方の会社で、組織のいじり方も非常に保守的だった。これは決して悪いことばかりでは無くて、その会社の「それまで上手く回ってきた仕組み」には敢えて手を突っ込まないという側面があった。「人」こそが「力」、という考え方だ。

 が、来年度からの私の属する組織のいじり方は、と言うか、いじるにあたっての組織上層部の態度が、相当マズい。具体的なメッセージも無く、公表された内容にもメッセージ性は一切感じられず、まるで言葉遊びのような気軽さで、論理性が全く見えない。はっきり言って組織上層部の発言に「知性」が全くない。組織で言えばより上層と言える経営者層からのメッセージとの整合性も全く取れている様に見えない。

 又聞きの又聞きなので正確さは欠くのだろうが、某企業の組織を真似ることにしたらしい。ならば二つの問題を指摘しておこう。ひとつ目は某企業の組織を真似るなら、あの部署のトップがお飾りではいけない。年俸数億¥払ってでも、一日18時間は働く人を置かなければならない。仏つくって魂入れず、では失敗が約束されている。 もうひとつは、真似るらしい某企業も本会計年度(海外企業なので1月から)から組織を改編しており、既にその組織形態に見切りを付けている。つまり、他社が現代に沿わないとして捨てた組織モデルを今になって導入するという事だ。その組織モデルでは、「人」も「買う物」である。少なくとも、組織モデルと給与モデルが全く整合していないし、給与モデルと連携している個人業績評価モデルとももちろん整合しない。

 個人的には、近年、「経営者層からのメッセージ内容が明確で、メッセージ性も強くなってきて良いな」と思っていた矢先の事で、正直イラつくを越えて怒りすら感じてしまっている。本来最も理性的で有る筈の立場の人間が、「キーワードの意味を明示化すること無く」、「様々な物差しにそのキーワードをあてはめて良い悪いを語る」という滑り具合はもはや論評にも値しない。直ぐに周り人間がちゃんとさせてくれるだろうとも思っていたが、いつまで経っても状況は好転しない。私と組織トップの中間に位置するポストの人間も、下には「分からん」と言いながら上には何も言ってないんじゃないかと思わずにはいられない、見損なったぜ○○さん!

 正直、今の会社に入って、初めてこの会社に危機感を持った。優秀な若い人達から抜けて(転職して)行きそうで心底怖い。

地下鉄に乗るっ(萌voice)

 現在は北関東に住んでいるが、中学生までは関西文化圏を転々としたから、実のところあちらのなまりの「女声」にとことん弱い。はっきり書いてしまえば「初恋の女の子」を思い出すからだ。

 「遊びにい↗か↓へん↓?」「いつ↗も↓の↓とこやろ?」・・・もうあきまへん。

2015/03/07

無理やり論理的な問題として捉えてみよう

 さて、先月末の米国シャーマン国務次官の発言は、世界中の一国内だけに激しい波紋をもたらした。朝日新聞デジタルの記事では、シャーマン国務次官の発言について下記のように書かれている。
米国のシャーマン国務次官は27日、戦後70年の節目についてワシントンで講演し、「ナショナリスト的な感覚で敵をけなすことは、国の指導者にとって安っぽい称賛を浴びる容易な方法だが、それは感覚がまひするだけで、進歩は生まない」と語り、日中韓の指導者に自制を求めた。
まぁ、実に米国っぽい、多方面に目配せしつつツボを抑えた発言だと思う。が、さすが某国、反応が一味違う。読売新聞の記事「米次官発言は『日本が仕掛けた』…韓国与党幹部」によると…
【ソウル=豊浦潤一】シャーマン米国務次官が日韓の歴史問題をめぐる対立は韓国にも責任があるとの趣旨の発言をしたことに関連し、韓国の与党セヌリ党の羅卿●(ナギョンウォン)外交統一委員長は6日、ニュース専門テレビYTNに出演し、「日本が攻撃的な外交活動を仕掛けている」と発言した。
 シャーマン発言の背後には、日本のロビー活動があったと警戒感を示したものだ。
 韓国は、米大使襲撃事件で対米関係の修復が急務となる一方、「シャーマン発言をなかったことにしてはいけない」(野党国会議員)との声も根強い。羅氏は「(歴史問題で)実質的な結果が出るまで努力しなくてはいけない。日本は大変荒っぽい外交活動をしている。我々は防御が必要だ」と対抗心をむき出しにした。(●は王ヘンに媛の右のつくり)
 ふむ~。ここで「やっぱり某国は~」、「自己投影乙」といった反応は封じておいて、別の視点で二つの記事の関係を捉えてみよう。どういう事かと言うと、「某国の反応は、まさにシャーマン国務次官がやるなと言った反応ではないか?」という視点だ。

 これは相当に笑える論理構造と言える。わざとやってるとすれば、これはかなり通好みのギャグと言って良いだろう。ならば私は高く評価する。

 実際のところは、人の話を全然聞かない癖に身勝手な自己主張が強い、というはた迷惑な素が露わになっているだけなのだろうが。

出典不明だけどとっても分かり易い表

 表自体の出典は不明なのだが、数字自体は他のソースとも整合がとれている。とっても分かり分かり易いので貼っておこう。もちろん、これ以外にもソウルオリンピック開催時にも金の動きはあって、ODAも含めると日本が拠出したお金の全体額はもっと多い。

 ちなみに「日本がドイツの戦後賠償の有り方を見習う」と、一項目の「併合時のインフラ整備(にかかった費用の放棄)」はあり得ないからね。

2015/03/06

Lightwave3D 2015リリース!

 愛用の3DCGアプリLightwave3Dの最新バージョンの"2015"日本語版が3/3にリリースされたので、早速アップグレードした。Lightwave3Dに関しては、バージョンアップ直後のバージョンで致命的な不具合に接した事が無い。これは同様のシチュエーションで必ず驚くような不具合を抱えているCubaseなどとは全く異なる。

 今日のところは、取り敢えず以前のデータを幾つか読み込んでみて動作をチェックした。物理演算機能を使った既存データもチェックしたが、やはり一切問題はなかった。さて、ぼちぼち3DCGモデリングも再開しましょうか!

2015/03/05

米国は音頭をとらない

 対ISの軍事活動はただでさえややこしい要素が絡んでいるところにイランの参加で更にややこしくなったように見える。出来るかどうかは別にしても、米国は明らかに調整役を果たすつもりは無いようだ。米国の現政権らしい反応だが、中東におけるレジームチェンジの可能性も垣間見える。

 そもそもはイラクの一部であるクルド人自治区の取り扱いの厄介さだ。従来の自治区域を奪取した後、果たしてそこで留まるかは明らかではない。血で購って奪取した土地を手放すことを期待することはナイーブに過ぎる。イラクからの独立も想定されるシナリオに織り込んでおく必要があると思う。クルド人自治区の独立は、国内にクルド人居住区域を持つトルコにとってはセンシティブな問題だ。つまり、トルコとクルド人自治区の両方に同時に良い顔はできない。かくの如くのジレンマがあるがため、良い意味で宗教的に色の無い日本でも出来ることは思いつかない。

 イランの参加は、報道を見る限り、「大義を主張しないまま」の行動だ。故に、イランの意図は未だ読めないのが実態だ。対IS活動に宗教戦争のキャラクターを与えるのが危険である事はよほどの○○でもない限りは分かることだから、海外の一部マスコミの言説を除けば、この構造が露わとならないように各国ともかなり気を使っている様子が見て取れる。イラクは大義を掲げられない、何を言おうとスンニとシーアの宗派対立構造に言及されることが目に見えているからである。ISを殲滅出来たとしても、「シーア派によるスンニ派(のハネっ返り)の殲滅」という色が付けられてしまうとイランにとっても何も良い事は無い。それでも血を流したとなれば、何らかの見返りは求めるだろう。

 おそらく、イランはシーア派の現行イラク政府から何らかの言質を得ているか、今も言質を得るチャンスを狙っているかの何れではないかと邪推する。現行イラク政府への米国の影響力を排除できればイランにとっては上出来だ。イラク政府の後ろ盾としての地位を入手できれば、領土的野心が有ったとしてもそれをむき出しにする必要もない。レジームチェンジの可能性がここにある。イラク領内の影響力をいったん確保できれば、トルコとクルド人自治区との関係、シリアとの国境問題などがイランが制御可能な事案になり得る。イランは極めてデリケートな対米カードを複数持つことができる。片や米国はシリアやイランはもちろん、イラクに対しても何もコミットできない。ISの登場は、米国の近年の外交的、軍事的な不手際、或いは失態を白日の下に晒すことになったという事だろう。

 対ISについて中共は何もコミットしていない、おそらくできない。現在の指導体制となってから、中共は大国として振る舞う事を完全に止めてしまっている。これは意図的なものでは無く、指導層が小物の集団であることの単なる証左だろう。内政問題もあろうが、大国は大国たらんとしなければ大国とは言えない、やせ我慢の一つも出来なければそれは大国では無いのである。中共は大国となることに失敗したと言って良いだろう。人民解放軍の言行はチルディッシュに過ぎる。対照的に、イランは大国の風格を備えつつある。

 国連は完全に機能していない。米国はもとより、中共やロシアにもビジョンは無い。英仏は従来の中東諸国の国境線を引いたという点で現行の中東レジーム構築に良くも悪くも深く関わっており、口も手も出しにくい。イランは間違いなくこのような状況を読んだ上で行動している。

 そしてイスラエルファクターもある。

 ポストIS時代が来た時、イランという国はどのように見えるだろうか。ちなみに良くも悪くも日本はイランの様にはきっとなれない。一般的な日本人は、一見対立しているように見える複数事案をあらためて相対視し、別視点を導入することに長け過ぎ、かつそれに慣れ過ぎているからだ。「対立構造」を「対立構造のままにして利用する」ことが苦手なのである。所謂「解決癖」というヤツだ。

2015/03/04

「魂のルフラン」、MegpoidカバーWIP! 空耳歌詞アップデート(1)

 経緯は過去エントリで。

 英語のリスニング能力がちゃんとしている人にとっては何てことなくとも、分からん人には分からんもんだ。でも歳をとったからと言って、その辺りの能力がもはや伸びないって訳でも無いようだ。この作業は、まぁ半分自己啓発のようなもの。年寄りの冷や水とは言ってくれるな、お願いだから。

 で、サビ部分の歌詞の空耳結果のアップデートです。
Get back to me where you were born ?out? here.
You ?ruined? the clear sky, the ward filled with loves, dreams and your tears.
Under this star, you will be called again.
By recalling your memories,
(a miracle happens again and never alone,)
re-arise your soul.
私に帰りなさい、あなたがこの世に生まれ出た場所。
?あなたは澄んだ空、愛と夢とあなたの涙で満たされた小さな世界を破壊した。?
この星の下、 あなたは再び呼び出されるだろう。
(奇跡は再び起こる、それも一つだけではない。)
あなたの記憶を呼び覚ますことによって、あなたの魂は再び生まれる。
  • "be born"は結構確度が高いんじゃないかと、オリジナルの日本語歌詞とも内容が一致。
  • "ruined"はまだ未確定。人語をしゃべるサンショウウオ*と同様に"L"と"R"が聞き分けられないので苦戦中。
  • "word(言葉)" から"ward"に変更。意味は小部屋、小さな庭だが、単なる部屋ではなくて形容詞が付いて監獄とか病室などを表す。「小さな世界」はかなり強引な意訳だが、エヴァにおいては自室、病室、監禁室と登場人物は狭いところに放りこまれたり籠ったりするねぇ。
  • "realize/realise(現実のもとする、他動詞)"から"re-arise(再び-生まれる、自動詞)"に変更。ここも"L"と"R"が聞き分けられない呪いが豪快に発動していると言える。技術畑では"realize"は非技術畑の人達向けプレゼンテーションで良く使われる。
*:カレル・チャペックの小説「山椒魚戦争」 参照。西欧文明社会に戦争を仕掛ける山椒魚は日本人を揶揄したものと言われる。

2015/03/03

「事後法」と「シラブル」で思い出したので貼っておく

 事後法(登場エントリ)とシラブル(音節という意味、登場エントリ)で思い出したので貼っておこう。英国BBCの懐かしいコメディ番組、モンティ・パイソンズ・フライイング・サーカス(っズ)のスケッチ(コント)だ。

 舞台は法廷、何故かジェスチャーゲームが始まる。演者はまず「単語の数」を伝え、時に「単語のシラブル数」や「何シラブル目か」を指を使って示す。個人的には、2:40辺りの蟻の登場で笑えるかどうかが一つの分かれ目と見ている。この種の下らなさが受け入れられないとモンティ・パイソンのネタはツライい。さらに付け加えると、このスケッチの最後のくだりは先行する有名なスケッチ(個人的にも大好きな)「スペイン異端尋問("Spanish inquisition")」を見ていないと笑いどころが掴めない。

 ちなみにひとつ目のネタは、

 "knot(結び目、ノット)"+"gill(鰓、ギル)"+"tea(お茶、ティー)" = "Not guilty(無罪、ノット・ギルティ)"

となるかと思いきや、"Not gill-cup(ノット・ギル・カップ)"という意味不明な判決を下すというもの。